2006年06月30日

ある商社の方のお話。ベンチャーを視るポイント。

先日ある学会で、商社の方がベンチャービジネスの価値を判断するざっくりとした視点をコメントされていました。経営学的にみっちりと分析する、ということはさておき、ざっくりと、「このビジネスってどうなんだろうか」というときにきっと役に立つチェックポイントだと思います。以下メモしておきます。

1、担当者の感覚(面白いと感じるか)
2、市場性(ポテンシャルマーケット、市場規模)
3、収益性
4、競合性(どのようなライバルがいるのか)
  (そしてなぜ大手企業がやらないのか、のロジック)
5、リスクはどんなものがあるか?


それに続いて、
・メンバーは?
・事業戦略は?
・特許はあるのか?
と続きます。

さらには
・IPOはできるのか?
・株価をどれくらいにできるのか?
・海外へ事業展開できるか?
とのこと。

後半はさておき、前半の5つ「面白さ」「市場性」「収益性」「競合」「リスク」は、簡便なビジネスプランニングのチェックポイントとしてココロにとめておきたいと思います。
posted by 石井力重 at 06:01| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2006年06月29日

絞る戦略と広げる戦略。

得意なことに注力せよ、といわれる一方で、複雑な工程を必要とする仕事をすべて一社で行うことで特急案件のクライアントに重宝されるという戦略をとる企業もあります。この種の企業の戦略は、「絞るの逆を行く」というだけの単純な話だけではありませんが、もっともらしく語られる「戦略的には今の時代は○○だ」ということばを時には無視して思いっきり逆を取ってみる、というのもいいかもしれません。(もちろん、その上で慎重な考察が必要ですが)

この2つの事例を分析的に考えるときには、「生産量が大量であること」と「特急の仕事に対応できること」の2つが分析時の2つの軸となります。つまり生産量が大量もしくは少量という軸。それから、生産の期間が短い(特急)と長い(計画的)という軸。そして、これを表にしてみました。(クリックすると大きくなります。)

生産の規模と時間.jpg

こうしてみると、絞る戦略は左上、広げる戦略は右下、と位置づけられます。

それからさらに、残った升目にも当てはまる戦略をうめてみました。右の上は、生産量は少ない仕事かつ計画的(急がない)という仕事です。これをそのままこなしてしまうと、単価は安く発注量もすくないただの下請け的な仕事をしてしまいますが、ここのセグメントの仕事では、計画的であることを利用して「十分な生産量を確保してから一気に効率的に作る」戦略と「計画段階から発注主の設計に参画するもしくは難しい工程をコンサル的にサポートする」戦略があります。

そして左下。ここは大量で急ぎです。一般に大量を急ぎでこなすことは難しいのですが、そうはいってもお得意さんがいうならば、という世界。ここは旧来的な系列という関係性の形成、ということがあげられます。それから、ある程度スペックを標準化しセミオーダーもしくは完全にモジュールにすることで急な仕事に対して仕事を迅速に行う、という戦略があります。

以上、絞る戦略とその反対の広げる戦略、という視点から分析軸を出しその保管的な位置づけの戦略について考察してみました。

続きを読む
posted by 石井力重 at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2006年06月28日

「作る」と「売る」はセットで。

多喜義彦氏の著書に『価格競争なきものづくり』(日経BP社、2006年1月)があります。開発の達人・多喜さんは、開発のコンサルタントです。しかしただのコンサルタントではありません。付加価値の高いものづくりのエッセンスがこの本には詰まっています。そのひとつに、『「作る」と「売る」はセットで』という章があります。今日はそれについて書きたいと思います。

その冒頭には次のようにあります。(P101より引用)『物を開発するときには、売り方や使い方までセットで考えなくてはいけない。商品そのものがどんなに優れていても、それだけでは価値を生まない。それが誰にもアピールできなければ、商品の価値はないも同然だ。逆に売り方のアイデアばかりが先行してもいけない。「ネットで販売する」という触れ込みでつくった会社は次々と消えている。欲張りなようだが「両方がそろっている」ことが必要なのだ』

私は以前商社の営業として先端的な技術を続用した商品の市場創造にかかわったことがあります。そのときに「おお!ものすごい技術だ。よくぞカタチにした。」と思わずにいられないような商品にいくつも出会い、その一方で「しかし、なかなか、、、売れない!すごいんだけど、売れない。。。」という経験をしました。驚くほど、です。

この経験は、私がその後大学院にもどり技術経営(テクノロジーマネジメント)を続ぶきっかけのひとつになったものです。ベンチャーは初期の顧客を獲得するのが難しい。イノベーティブな商品ほど初期の販売に苦労する。そういう問題意識です。

多喜さんの本ではそこにたいする具体事例として実にさらりと「作ると売るはセットで」ということを遜いています。易消去フィルムという製品が、ソフトの無料提供(※1)をベースに、漢字練習の用途市場が開発され長期的な展開を図っている、といった事例です。

※1:漢字練習ソフト → 書き順マスター

後半には、コーヒーメーカ(ハード)を無料にして、オフィスにコーヒー豆を売るといった事例もあります。ハードとソフト、どちらか一方を無料にしても事業として優秀な収益がだせる構造をもつという考え方が乗っています。(かみそり刃商法、と位置づけられるのもこの一部だと思います。)

ビジネスモデリングの上でヒントとなるエッセンスですね。
posted by 石井力重 at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2006年06月27日

rixi。石井力重の社会的なネットワーク・システム。

本日、新しいSNS『rixi(リクシー)』がオープンしました。
rixiは、石井力重が運営するSNS(※1)です。

rixi.JPG

■登録のアドレス
http://ishiirikie.sns.fc2.com/join.php
(ここから、登録を行うことができます。)

7月末までは参加制限を”オープン”にしてありますので、
仕組み上誰でも自由に入会できますが、
石井力重と直接の面識のある方のみが参加する権利を持ちます。(※2)

私と面識のある方でご興味のある方は登録してみてください。

参加・退会は全くの自由です。
義務は一切ありません。
費用は一切かかりません。
このSNSには、有料の広告を出すことができます。

人と人が私を通じてつながることをWEB上でも行う、ということがこのSNSの主たる目的です。既存のSNSがある中で「個人が運営するSNS」にどの程度の有効性があるのかを実験する、という意味合いもあります。リスクとコストがかからないならば、先ずは試してみる。そんな気軽さで試してみています。主に私宛に届く「イベント案内を配信してほしい」というメールや「こんな取り組みをしているのだけど、興味ある人がいませんか」というメールを、発信することが主なコンテンツになると思います。

続きを読む

2006年06月26日

各人の持つ知識を体系化するために。

組織の中のノウハウ・知識を引き出して体系化することについて調べて初歩の初歩をまとめてみました。PPTで5枚です。⇒知識を体系化.ppt そのスライドの2枚目に、知識の体系化の基本があります。以下引用。

■業務手順とポイント・コツを明確にする■

・「何を」「どのようにするか」で構成する
・「何を」
 −具体的な実施事項
 −まとまり仕事(レベル)ごと
・「どのようにするか」
 −手順(どういう順序で何をすればよいか)
 −ポイント・コツ(勘どころ)
 −レベル(どの程度まで望むか、水準)


ごく当たり前のことですが、そこがポイントなのだと改めて認識しました。
posted by 石井力重 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2006年06月25日

顧客の顧客はだれなのか。

営業マンをしていたころに、繰り返し交渉や提案を経験しながら気づいたことがあります。それは顧客にものを提案する際に、商品の特徴・メリットを話してもそれは表層的なことでしかない、ということです。では何が本質的に営業マン必要な視点であったのか。たどり着いた重要な考え方のひとつに『顧客の顧客』という視点がありました。今日はその話を書きたいと思います。

ある生産装置を販売しようとして顧客のところへ行きます。彼らはなぜその機械をかうのか、それを本質まで突き詰めて考えると、次のようになります。彼らは事業を行い売上と利益を増大させることをしたい存在です。彼らの売上と利益を生み出すものは何か。それは、彼らの顧客です。彼らにとっての顧客が今よりたくさん、今より高くモノを買ってくれるようになること、これが本質的なものです。(話をシンプルにするために、ここでは、営業外収益(投資による収益など)は対象から外します。)

さて、その意味では、提案しようとしている生産設備は、最終的にめぐりめぐって、彼らの顧客を増やすことにどう役に立つのか。これが大切な視点になります。新しい生産設備をいれることで、より短い時間で個別の要求に合わせた商品を生産できる。たとえばそういうことです。彼らが欲しい装置は、一時間に30個の生産量が40個になることをかなえるもの、ではなくて、彼らのお客がもっと増えて、もっとよろこんで買ってくれる商品をつくれるという装置です。10個余計につくれることは本質的な購買理由にはならないのです。(注:ケースによります。一時間に10個余計に作れる機能が、即顧客のよろこぶことになるケースもあり、その場合には、上記の表現とはことなることになります。)

この視点でよく分析された提案書をうけとると顧客は心が動きやすいし、上司に購買の相談をしやすいわけです。彼らにしてみると、たずねてくる多くの営業マンが「うちの製品、買ってください!」なのに対して、「貴社のお客様をもっと喜ばせる商品を持ってきました!」という切り口の営業になります。この提案が言うほど楽ではありません。前者は自社の商品を良く知っているだけである程度のことができますが、後者はそれに加えて、顧客が何をしているのか、何へ向かっているのか、といったことを詳しく調べて本気でお客の立場にたって提案が考えられている必要がありますから。

ただ、この方法のほうが「あの営業マンは、来てもらうとこっちが勉強になるよ」と顧客に言わせることができ、その件以外にも、別の部署への紹介などを相談しても快く紹介してもらえることが増えます。(私自身は一度代表電話から飛び込みでお伺いして、そこで関係性を形成でできた顧客から、別の時期に別の商品を提案するために、該当する部署を紹介してもらったりしました。誰もが知っているある飲み物のメーカでの出来事です。(幸運にもその方(紹介してくれた顧客)も相当、力のある人でしたのでその案件はその後大きな可能性をつかむことになりました。)

ビジネスはその基本は営業である、と私は思っています。ベンチャーでも大企業でも顧客がいてこその、事業です。商品・サービスを提案する際に、どうしたら早い段階でお客さんの信頼を獲得し関係性を深めていけるのだろうか、とおもったら、以上のことを考えてみるのもいいかもしれません。最後に、それを「悩んだときの問いかけ文」スタイルでまとめておきたいと思います。

「私のお客のお客は誰だろうか。私の提案する商品は私のお客のお客を喜ばせるのにどう貢献するのか。」

ちなみに
posted by 石井力重 at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2006年06月24日

開催報告(6月24日、42名)

仙台・東北を中心とした若手の情報交換会(MMJ)の第20回を、6月24日、Five Bridge(HSGビル3階)にて開催しましたのでご報告します。

参加者総数、42名。今回はFive Bridgeのオープンイベントとの合同開催でした。

MMJ20.JPG

参加者内訳は、学生・院生、企業勤務者・公務員、若い起業家、地域のベテラン経営者、NPO職員などなど、多様な分野、多様な年代の方がいらっしゃいました。ゲストには本田精機の創業者である本田会長をお迎えし、経営者としての思いや志しなど、とても興味深いお話をお伺いすることができました。

会場一杯にいろんな活動をされている方や、何かに取り組もうとしている方がいていろんな話をされていました。いつも以上に活気に満ちた情報交換会となりました。

MMJ20-2.JPG

次回は、7月下旬の予定です。確定し次第、本ブログからもご案内いたします。(案内をメールでほしい、という方がいらしたら、石井までメールをお送りください。)MMJに関するお問い合わせがあれば、私石井までお気軽にご連絡ください。

お問合せ先:rikie_ishii@yahoo.co.jp(石井力重)

Five Bridge
posted by 石井力重 at 23:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/MMJ

2006年06月23日

創造的な技術部長。自身がチャレンジングな起業支援専門会社。

6月23日。さくらんぼ休暇からあけた今日は県(宮城県)の南部へ、東京へと、動き回っていました。

県の南部ではある案件で某社の技術部長殿に面会してきました。世界的に名前のしられるこの企業グループです。県の南部のその敷地に行くと立派な施設があり、きれいな打ち合わせロビーに通されました。県の南部は驚くほど田舎でしたが、そこだけは別世界。一流企業のそれ、です。

お会いした技術部長殿には今日がはじめての面会です。5分くらいでおいとまする覚悟で会いに行ったのですが、結局2時間もお時間を頂戴してさまざまなお話をお伺いすることができました。とても目の輝いた素敵な部長さんでした。私の今の仕事で出会う方はそういう方が多い傾向があります。イノベーションになんら関係する属性の人の共通点かもしれません。もうひとつの共通する特徴には、「専門だけじゃなくて、カルチャーや哲学、といったものにも造詣が深い」ということがあります。全員が、というわけではないですが、そういう方向性の知性がにじむような。

それから一度仙台に戻り、今度は新幹線で東京へ。千代田区にあるプラットフォームスクエア(神田駅西口から徒歩15分くらい。)で、ベンチャー企業支援専門企業を経営する吉田社長(ドリームゲートの吉田さん)の新しいベンチャー支援事業の説明会を伺いました。起業家の支援者に共通の課題である”支援対象者(起業家)はお金に余裕がない”ということについて、新しい支援文化(と事業モデル)を確立しようとするでっかい挑戦。私も起業家支援者として吉田さんの事業モデルにとても学ぶところがありました。これをこの国のこの分野のスタンダードにしよう、という思いに仙台からもぜひ加勢したいものです。

プラットフォームスクエア.JPG

ちなみに、余談ですが

2006年06月22日

さくらんぼ狩りに行きました。(山形県東根市)

さくらんぼ狩り1.JPG

6月22日。振り替え休暇を利用して家族で山形にさくらんぼ狩りに行ってきました。

山形の東根市は良質なさくらんぼの産地として有名で、全国にここの佐藤錦が出荷されています。町の中心にはなんと「さくらんぼ東根」という名前の新幹線駅があります。さくらんぼの時期にはもぎ取りを楽しめる農園が30以上もあるのです。(大体1500円前後)

今年は名和農園さんに行きました。とても甘くおいしかったです。私は果物がさほど好物でもありませんが、東根のさくらんぼはおいしいなぁとおもいます。妻と娘が喜ぶのがうれしくてシーズン(6月下旬)になると家族でドライブしながら行ってきます。仙台からは車で一時間。仙台から山形へ、初夏の山をこえて丁度いいくらいの距離です。

東根はおそばと温泉街もあります。今回は足湯(無料)にいってつかりました。温度は57度。熱いです。しばらくは足を入れることもできませんでしたが次第になれてくると、イタ気持ちいいくらいです。ここを出るときには足と(なぜか胃腸が)すっきりしていました。

東北のよさはなかなかコトバや数字にしにくいのですが、摘み取ったらしおれてしまう花の魅力のような、そこに行かないとわからないよさがそこここに満ちています。

ポケットパーク足湯.JPG

2006年06月21日

コンサルタント。ノウハウと人脈による付加価値の提供。

 ベンチャー経営のノウハウの詰まった『ベンチャー創造の理論と実践』(ジェフリー・A・ティモンズ)の「外部の人的資源」の章には、弁護士・会計士や取締役会に並んでコンサルタントに関する言及があります。私の仕事は新事業コンサルタントに近い役割を持ちますので、このくだりは大変興味深く読みました。以下一部抜粋加工して、紹介したいともいます。経営チームがコンサルタントを評価するか、どういう便益を享受するものか、ということが述べられています。(引用:同書、P330)

「コンサルタントは経営チームが解決することのできない特定の問題やギャップを解決することを目的に利用される。」「求められるアドバイスは、きわめて専門的、特殊な問題、あるいは一般的な経営指導など多岐にわたる。」「(ドイツの調査、315社中96社がコンサルタントを使っていた)コンサルタントが使われる主な理由は次のとおりであった。」
(1)専門的経験の不足を補う
(2)より広範囲にわたる市場をターゲットにする(消費者製品の市場調査をおこなう。)
(3)スタートアップ当初の大規模な投資が必要なプロジェクトを遂行する。
「これらには、事業拠点の選定、リース契約の評価、会計システムの構築、ビジネス・パートナーの確保、スタートアップ資金の確保、マーケティング・プランの策定などが挙げられよう」

(さらに後半ではコンサルタントとのコミュニケーションの深化が述べられます。)

「(・・・前略・・・)問題を解決するため、報告書は次のことを指摘している。
・コンサルタントとの協力関係の構築と高い密度の相互の意思伝達が必要である。
・創業者が理解しやすい用語で説明するか、報告書を作成する。
・コンサルタントが起業家の説明を適切に理解しているかを確認し、もしそうでない場合、特に起業家の前提などが間違っている場合は、その旨を起業家に伝えることを強調する。

(さらに、選択基準まで述べられています。さすがは、ティモンズ。)

選択基準:ノウハウと人脈により付加価値を提供するか
「コンサルティングほど、サービスの質、コストの面で多種多様である分野はない。」「相性が重要である。」「コンサルタントの選択は厄介でリスクを冒すことも多いが、選択の目安はある。」「コンサルタントは一般的な経営指導だけでなく、専門性を持ち、自らがもっとも得意とする分野をセールス・ポイントにする場合が多い。」「コンサルタントに要求される特性は次のとおりである。」
・形式にこだわらない柔軟な姿勢
・管理職と部下が持つ姿勢や感情を理解する能力
・適度な積極性と結果をもたらす能力
・サービスの質に適合した報酬
・継続的な関係を維持する姿勢
「コンサルタントの選定にあたっては、三社以上のコンサルティング会社をインタビューし、それぞれの経験、アプローチと経歴を確認することが必要である。このプロセスにパスした会社に、より詳細なプロポーザルを提出するように要請する。」

(なるほど、とおもいます。コンサルティングをする側はこういう視点で選ばれるのだ、という勉強になります。アピールするべき方法も見えてきます。最後のまとめがなかなか示唆深く、難しい問題を提起していています。)

「コンサルティング業務の依頼に先立って、コンサルタントの責任、業務の目的、期間、報酬を明記した書面による業務契約書を作成することをすすめる。」「報酬は時間制、定額制、または顧問契約制がある。」「コンサルティング報酬は広範囲にわたるが、他の製品やサービスと違って報酬の額とサービスの質は比例しない。」「重要なことは、報酬額の高低によってコンサルタントの質を評価できないという点である」

 最後の部分は非常に考えさせられます。高い報酬を要求するからといって必ずしもいい価値提供をしてもらえる保障がないわけです。逆にリーズナブルなコンサルが必ずしも低質なコンサルであるわけでもないといえます。いろんなコンサルの先生に、もうかりますか?と収益構造をそれとなく聞いても、コンサルタントだけは誰一人それを口にする人はいません。いろんな業種の方と雑談しますが、コンサルタントだけは、みなそこは徹底していますね。コンサルタントの選定基準(上記太字)は、とても示唆に富みます。
posted by 石井力重 at 23:04| Comment(2) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2006年06月20日

Five Bridge に灯がともりました。

fiveridge0619.JPG

6月19日。手作りの産学官交流スペース、Five Bridgeに灯がともりました。

一週間ぶりに行ってみたらマガジンラックやカウンターの足置き台などもできていてびっくりしました。すべてもらい物とホームセンターから買ってきた木材を組み立ててできています。

ともった灯は小さいけれども、夜の中で進むべき目印となる船頭のともす灯となるはずです。今後の展開に大きく期待したいとおもいます。

追記:6月21日
河北新報に掲載されました。
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2006/06/20060621t15038.htm
posted by 石井力重 at 13:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/Five Bridge

2006年06月19日

起業家の信条。

・自分にエネルギーを与えてくれることを行い、楽しむ。
・どうすればうまくいくかを工夫する。
・「できない」または「たぶん」のかわりに「やれる」と言う。
・執着心と創造力は勝利する。
・できると思えば何でも可能だ。
・できるどうかわからないときは、やってみよ。
・もう半分しかないより、まだ半分ある。
・現状に不満を持ち改善を求める。
・別の方法でやる。
・負う必要のないリスクは負うな。自分にとって適切な起業機会ならば計算されたリスクを負う。
・事業は失敗する。起業家は学習する---しかし授業料はできるだけ安く。
・許可を最初から求めるよりは、あとから許しを乞うほうが簡単だ。
・起業機会と成果---お金ではなく---に執着する。
・お金は、タイミングの合った優良起業機会を持った適した人材に与えられる道具であり、スコアカードである。
・金儲けはお金を使うよりずっと楽しい。
・経営チームからヒーローを生み出せ---チームは事業を築き、個人は人生を生きる。
・達成に誇りを持つこと---これは伝染する。
・成功に欠かせないディティールに労苦をいとうな。
・誠実と信頼は、関係を強固にする。
・パイを大きくせよ---パイを小さく切ることに時間を浪費しない。
・長期戦を覚悟せよ---すぐに金持ちにはなれない。
・払い過ぎに注意しろ---しかし機会を失うな。
・先頭の犬だけがそれを見る。
・成功とは求めるものを得ることである。幸福とは得るものを求めることである。

出展:『ベンチャー創造の理論と実践』(ジェフリー・A・ティモンズ、1997)P208
補足
posted by 石井力重 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2006年06月18日

TRIZ、3つの基本ツールの位置づけに関する考察

TRIZの3つの基本ツールはそもそも互いにどういう位置づけにあるのかを、考察してみたいと思います。TRIZの知識構造自体をアナロジーとして活用する際にこれは大きなヒントになると思います。

3ツールの位置づけですが、きわめてラフな言い方すると、私は次のように解釈しました。プリンシプルズは対象とする系の内部の(トレードオフを解決する)話であり、エフェクツは系の内部がどうであるかとは基本的に無関係に存在する外部の話、そして、プレディクションはの系の仕組みが今後どのような発展を見せるかという指針を与えてくれるもの、だといえるかも知れません。つまり整理すると以下の様になります。

(1)プリンシプルズは、内部資源に関するイノベーションのエッセンス。
(2)エフェクツは、外部資源に関するイノベーションのエッセンス。
(3)プレディクションは、未来や指針に関するイノベーションのエッセンス。

なおこれを経営学にあてはめてアナロジーを考えるならば、
(1)プレディクションは、経営資源の各項目のトレードオフを解消し、両方を向上させるうまいビジネスモデリングの方法を提供するもの。
(2)エフェクツは、企業を取り巻く外部環境(人口構成、ライフスタイルといった社会環境、産業構造、貿易、IT化などの技術革新、法規制、市場動向、業界動向、他の業界の動向)がもたらすものを”機会”の視点で分類したもの
(3)自社のビジネスモデルや業界、市場、社会が今度どのように変わっていくのか、あるいは変化に対応するためにどういう指針を持つべきか、多様な業種、多様な時代、からトレンドのエッセンスを引き出したもの

であると私はとらえました。内部を知り、外部をしり、そして来るべきトレンドを知る。そういうツールになるのかもしれません。

ちなみに蛇足ですが続きを読む
posted by 石井力重 at 23:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ

2006年06月17日

Effects 『技術的問題解決の科学的・工学的効果集』

発明的問題解決理論、TRIZの中の基本ツール3点セットの中のひとつ、Effectsについて紹介します。”40の発明原理”や”分離の原則”を用いて課題を解決する着想が生まれたら、次にそのアイデアを現実へむけてより具体的に検討をしていく段階が必要になります。そのときに、過去の他分野の優秀事例から類比発想する場合、「(事例から転用して)これこれの機能をもつ技術を使って、これこれすればよいのだ」という段階において、さあ、こまります。ブレストを組織で行うと、そもそも誰も知らないものは出てきません。類比発想で、「○○な技術があったとすればそれをつかって○○してしまおう」という発言をしにくい背景には、実は「それって、本当にできる?」「その技術が世の中になければ意味ないじゃん」というアイデアキラーの台詞を自分の中で発している部分があるでしょう。あるいは、そもそも、広範な基礎的技術がない人は、「○○な技術があったとして」という前提さえ作ることが困難かもしれません。そこで、電磁気の教科書を開いて、そういう機能を有する法則がないか、しばし考えて見ます。しかしそこには限界があります。そもそも、従来の技術分野は、提供機能別ではなく、技術体系ごとに分割発展してきた技術なので、機能別になっているものはあまりありません。

そこで、このTRIZのEffectsを活用することで、安心して「○○な技術があるとして」と発言できるようになります。というのも、たいていのほしい効果をこのEffectsから見つけていくことができます。望む効果を持つ自然法則・技術をここから見つけて、さらに具体的にその技術が何であるのかを効果的にしっていくことで、上記の課題をきれいに解決していけます。さてではEffectsとはどのような切り口であるのか、ということで言えば、以下のように19の切り口(大項目ベース)になります。

パラメータ(※1)を
・安定させる
・減少させる
・増大させる
・測定する
・変化させる

場を
・検出する
・生成する
・蓄積する
・防止する

物質を
・相変化させる
・移動する
・形成する
・結合する
・検出する
・生成する
・蓄積する
・排除する
・分離する
・保持する

※この19の切り口の下階層に、中項目(技術機能、かなり具体的な機能)、小項目(具体的効果名、技術事例)が続きます。参考文献150ページ


この切り方もなぜこうなのかは一般に自明ではなく、興味深いものがあります。技術者の目から見て「やりたいこと別」に各種技術を再整理したらこうなるのであろう、と私は解釈しています。今後アイデア出しにおいてこれらを活用してみてこの構成のもつ意味を理解してゆきたいと思います。(参考文献:『革新的技術開発の技法 図解TRIZ』)

(※1) パラメータ
posted by 石井力重 at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ

2006年06月16日

産学連携学会にて、研究発表を行いました。

6月16日。産学連携学会2006が船堀(東京都江戸川区)のコラボ産学官プラザにて行われました。私は二日目の『新事業創出』セッションにて研究発表を行いました。

同じセッションで発表された株式会社ウエザーコックの山本さんには講演者テーブルで直接お話をお伺いできました。コト(動きやデータ)をモノ(マテリアル)にするという、とても面白い事業をなされています。発表を行うことで、こうしたすばらしい活躍をされている方と出会えて同じ土俵で話ができる、というのは学会発表の大きなメリットのひとつだと実感しました。働きながら調査分析を行い研究を進めるというのは時にきついこともありますが、継続して研究者としての活動も進めていこうと、意を新たにしました。

なお、発表内容についてお問合せなどがあればお気軽にご連絡ください。インタビュイーとの秘密保持があるため制限が少しありますができる限りの対応をいたします。

■資料■
発表のスライドこちら →研究発表スライド
発表の内容(講演要旨)はこちら →講演要旨

2006年06月15日

学会で発表します。『産学連携学会2006』。

今日は産学連携学会で東京に来ています。主に産学連携のコーディネータや研究開発プロデュースの専門家が実務の中での分析を発表します。私もMOTの院生として二度ほど発表してきました。今回はこれまでの研究(ベンチャーの創出量と地域の要因の関係性)から少し変えて、「起業家の意識」に焦点をあて、定性的なものの中から見つけられるものを分析した結果を発表します。私の今回の発表には次の目的があります。

「”地方”の魅力・メリットとは何だろうか。起業を支援する側の想定ではなく、起業家の視線には”地方立地のメリット”として何が見えているのだろうか」というもので、実際に東北の優秀なベンチャー経営者にインタビューしたデータから得られた発見を支援者業界にフィードバックしたい、と思います。

ただ、私自身は今回はどういう結果になるか、予測がつきません。これまでの”研究のオーソドックスなスタイル”をはずれた分析になります。その意味では今回の発表は問題提起的な位置づけであり、学会の場を借りて参加者からのコメントを通じて分析を掘り下げることができれば、と思います。

ちなみに、出張のアイテムは
posted by 石井力重 at 06:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究活動/検討メモ&資料

2006年06月14日

Prediction 『技術システム進化の共通パターン(標準解、トレンド)』

TRIZの中の基本ツール3点セットのうちのひとつ、プレディクションについて紹介します。技術の発展は、分野や業種や個別の事例によって全く内容は異なるわけですが、その技術体系が長期的にどういうカタチへ発展していくか、ということを見ていくと、いくつかの共通した傾向が見られるそうです。TRIZではその技術を進化させていく思考の展開方法をパターン化して「プレディクション(予測)」という魅力的なツールの一部として提供しています。

なぜそうなるのか、自明ではない独創的な数パターンの内容はとても興味深いものがあります。この知識を持っておくと、目の前の技術が今後こういう感じになるだろうな、という予想ができるわけです。昔であれば長年生産現場にいたベテラン技術者が「おう、それは昔もおんなじような問題にであったぞ。その時はだな・・・」と繰り返し現れる問題の本質を「知恵」として伝承していって暗黙知を蓄積していました。(ちなみに、現在は長く生産現場にいることがそもそも難しい、ベテランたちの「知恵」が構造的に急速大量的に失われている、という状況があります。)「なぜかはわからないけれど、技術や社会には、ステージを変えて同じ問題は繰り返し現れる」ので、技術では分野ごとにその道のベテランがコンサルテイトできたわけです。それをもっと広げて、全技術分野を網羅しその中に含まれる共通傾向を抜き出して体系的にまとめたものがプレディクションだ、と私は解釈しています。具体的にその共通傾向を参考図書では14種類の観点から整理されています。(引用:参考図書99ページ、括弧部分は抜粋・加筆しています)

1、新しい物質の導入(内部→外部→環境→物体間)
2、改良物質の導入
3、モノ→バイ→ポリ(類似物)(単→2→多→複合)
4、モノ→バイ→ポリ(異質物)
5、物質や物体の細分化(モノリス→分割モ→液体粉末→ガスプラズマ→電磁界)
6、空間の細分化(モノリシック→空洞→複数空洞→毛細管多孔質→活性毛細管)
7、表面の細分化(平ら表面→突起ある表面→荒い表面→活性細孔の表面)
8、可動性の向上(不動→ジョイント→複ジョ→完全弾性→液体気体→電磁界)
9、リズムの調和(連続→パルス→共鳴モードパルス→複数パルス→進行派)
10、作用の調和(未調整→部分調整→統制→間欠)
11、制御性の向上(直接的制御→起動機構を介する→フィードバックシステム)
12、線構造の幾何学的進化(点→線→二次元曲線→三次元曲線)
13、立体構造の幾何学的進化(平面→円筒面→球面→複合面)
14、トリミング(削除)の増大(従来→オブジェクト削除→一部削除→削除)


文字で表すだけでなかなか意味するところが理解しにくいのですが、TRIZの本などにある事例をみるとどれも大変興味深いもので感心させられます。以上は、プレディクションの中に含まれる「トレンド」というものです。以下、プレディクションの基本となる「物質−場分析」と「標準解(あるいは標準発明)」を紹介します。

対象とする系を2つの物質とその間を満たす場がある、というモデル化を行います。作用するもの、されるもの、そしてその間をつなぐもの、というシンプルモデルです。そのときに「新しい物質を導入する」など76通りの改良方法が、発明解として明らかにされています。これらを一つ一つ当てはめることで、改良を行う切り口が見えてきます。

なお、この発明解と上述のトレンドは具体的な内容を見るとわかるとおり、「発明解のいくつかを段階的に並べたもの」=「トレンドのひとつ」という関係があります。

(参考図書:『革新的技術開発の技法 図解TRIZ』)

(私見) 「物事が繰り返し現れること」について
posted by 石井力重 at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ

2006年06月13日

情報交換会のご案内(MMJ第20回)

皆様 
 私石井が副代表を務める「多学部の学生・院生、及び若手起業家・社会人の交流・情報交換会『MMJ』」の第20回のご案内をいたします。どなたもご参加いただけますのでぜひお気軽にご来場ください。

 今回は、産学官の挑戦する人たちの集まるスペース『Five Bridge』のオープンイベントと合同で開催します。Five Bridgは、地域の人材が組織の壁を越えた個々人のつながりから、地域の活力や人材輩出の目的で、皆様に支援を頂き設立したものです。仙台市中心街にほど近い北目町に東北大学片平キャンパスに隣接したHSGビルにあり、ベテラン経営者や若手起業家・学生・会社員が一体となって設立しました。設立メンバーはみなも組織を超えて幅広い活躍されています。今回はこのオープンイベントで各団体の紹介、後半は自由な交流会ですので多様な方々から興味深いお話をお伺いできそうです。ご参加になる方は、最下部のフォーマットをコピーして、石井までお送りください。以下、会の詳細です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■  MMJ 第20回概要  ■■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆日時    2006年6月24日(土)  18:00〜20:00
◆テーマ   「多学部の学生・院生、及び若手起業家・社会人の交流」
◆当日スケジュール
 17:30- 開場&受付
 18:00- 開会の挨拶
 18:02- 各団体から活動紹介(各3分、5団体)
 18:20- 会場参加者からショートプレゼン(30秒、10人)※1
 18:35- (予定)ゲストからのお言葉(15分)
 18:50- 自由な交流会(60分)
 19:50- 閉会

※1:会場参加者からショートプレゼンは、個人でもチームでもOKです。
事前に希望者を募りますので、参加申し込み時に、
『ショートプレゼン希望』の欄を「希望する」と明記ください。

◆対象: 東北地域の学生・院生・起業家・社会人をメインにどなたでもご参加いただけます。
◆場所: 仙台市青葉区北目町4−7 HSGビル3階
  交通- JR仙台駅13分 地下鉄五橋駅8分)
  地図- こちらをクリック (左のリンク先が表示されないとき)
◆参加費: 1000円(ビール・軽食の実費として)
◆お問い合わせ: MMJ副代表 石井力重 rikie_ishii@yahoo.co.jp
◆申し込み方法: 以下のフォーマットにご記入の上、石井までメールをお送りください。
◆申込締切り: 開催の24時間前
---------------------------------------------------
お名前:
所属(学校名、企業名):
学年もしくは役職:
専攻もしくは部署名:
一言( いま取り組んでいること or 簡単な自己紹介。0〜3行程度):
ショートプレゼンの希望有無:(希望する)(希望しない)←どちらかを消してください。
---------------------------------------------------
※このご案内文は、転送・ブログへの掲載など、すべてOKです。
posted by 石井力重 at 13:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/MMJ

2006年06月12日

Five Bridge。情報と思いの集う場所。

Five Bridge.JPG

先日から参与観察してきた、手作りによる産学官交流スペースがいよいよ完成しました。サラリーマン、学生院生、起業家らが、買ってきた木材や合板で、休日を返上してカウンター、棚、パーティション(簡易的な間仕切壁)を作ったそうです。その様子を後で写真で見たのですがとてもみな、楽しそうでした。

そして完成後の部屋の様子を、見学してきました。とても素敵な空間に仕上がっています。半月前には何もなかったただの空き部屋がすっかりと変わっています。これならばきっと面白い交流がうまれだろうと覆います。反対の会議室スペースでは、地域の複数の大学の学生さんたちがあるプロジェクトの打ち合わせを熱心にしていました。ここはいろんな属性の人がきて、何かをつかんでいく場所になりそう、そんな気配が早くも感じられます。

今月24日には、ここでオープンイベントも複数団体合同で行いますのでぜひ皆さんご参加ください。私が副代表を務めるMMJが当日の運営を行います。お楽しみに!(その詳細紹介は翌日のブログをご参照ください。)
posted by 石井力重 at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/Five Bridge

2006年06月11日

物理的矛盾、克服する4つの方法。「分離」

昨日紹介したマトリックスには、実は同一属性の交差セルには、発明原理の番号は付与されていません。同じ属性のもの同士なので、そもそもそこにはAとBのトレードオフ、ということがありません。ですが、このマトリックスの興味深いところは、縦軸の属性が「改善されるもの」で、横軸が「悪化してしまうもの」という考え方である点です。かならずしも「重さ」が改善する、とは”重さが軽くなる”というわけではないようです。

そうするとわかることは、遠くに届くようにあるものの”長さを長くしたい”と同時に、移動時にはそれがコンパクトなほうがいいので”長さを短くしたい”ということがありますが、このときには、マトリックスの同一属性同士の交差セルにも、解くべき課題がある、といえます。(改善特性は、「長さ」が長くなる。悪化特性は「長さ」が長くなる。=持ち運びには短くしておきたい)では、それはどうなるのか。こういう同一属性同士が、Aであってほしいが同時にAでなくあってほしい、ということがあるのをTRIZでは「物理的矛盾」と呼んでいて、これを克服するのに4つの方法を提案しています。「分割」もしくは「分割の原則」と呼ばれています。表現や順番は書物などにより異なるようです。ここでは先日セミナーで伺ったメモを元に表現してみたいと思います。

1、時間で分離 
   仕事もしたいし遊びたい。午前を仕事、午後を遊び。
2、空間で分離
   プレゼンのときに前だけ暗く、後ろを明るく。といった対応。
3、下位概念・上位概念へ移行する
   プロジェクタースライドをやめる。明るくても見えるプロジェクターの開発。
4、システムとその構成要素で分離。
   柔らかくないといけない、同時に硬くないといけない。
   戦車やブルドーザーのキャタピラ。やわらかいとだめだが、
   全体はフレキシブル。
   構成要素は硬いが、システムとしてはやわらかい。
(4つ目は「相変化を利用する」とされることも。
 液体が固体になる、形状記憶合金、など)


これは、技術的なものだけではなく、日常生活の課題解決への発想の切り口などにも応用が聞きやすいものだと感じています。アイデア出しに困ったらぜひ一度使ってみてください。

続きを読む
posted by 石井力重 at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ

2006年06月10日

Principles 『40の発明原理』

TRIZの初心者むけツールセット、と私が位置づけているものの一つ目、プリンシプル。膨大な特許から共通する発明のエッセンスが抽出され、それを集約して40通りのスタイルに、TRIZの研究者は纏め上げました。「40の発明原理」と呼ばれます。1番の分割原理、から始まり、最後40番は複合材料原理まで、独創的な40の原理で構成されてます。過去の叡智である特許のエッセンスを集約してできたものなので、ほとんどの困難な技術課題はこのどれかの方法が解決の示唆を与えてくれる、というものです。

アイデア出しのときに、この40の発明原理をアイデアのチェックリストとして活用しても面白いと思います。ブレストの考案者であるオズボーン氏がアイデアを得るために「7つのチェックリスト」というアイデア出しの切り口リストを作っています。”大きいものを小さくしたらどうなるか”などの問いかけリストです。プランニング系のアイデア出しにおいて、この7つの問いを行うことで大体これまでのアイデアは出される、というものです。技術系の課題のアイデア会議において、オズボーンのチェックリストではなかなか具体的な展開が難しいのですが、この”40の発明の切り口”を疑問系で問いかけてみると、そこに新しい着想を得られる、そんな気がします。

個別にどんな原理なのかはいづれ紹介したいと思います。TRIZがパワフルなツールだと思うのは、40個の切り口をどういう技術課題の時にはどれを使うと効果が得られやすいか、ということをマトリックスのカタチで示されていることです。もしそういう指南がついていなければ、技術課題に出会った人は、40個の原理を端から試してみないといけません。それがないのです。

対象となる技術課題を39の特性であらわしています。この39の選び方も独特で必ずしも自明ではない構成であり興味深いです。この39をタテ・ヨコになれべてそのマトリックスの中に、4つの数字(1〜40)がその課題に一番適した順に書かれています。縦は改善したい特性、横はそれによって悪化してしまう特性。その交点に、両方を改善するための発明原理がある、という構成です。TRIZのツールの中でも、コレだけでも相当多くのことができそうで、大変興味深いものです。
posted by 石井力重 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ

2006年06月09日

TRIZ。技術的課題を解決する魅力的なツールセット。

TRIZ(発明的問題解決理論)を勉強しています。書物で見ると非常に多様な知識セットを含む理論で、何から使うとうまくいくのか、初心者にはなかなか判断がつきにくそうに見えます。そこでこれまでに人から教えてもらったことも踏まえて、私なりに少しまとめてみたいと思います。

本質的な課題を提示されたときに「コレとコレをこういう切り口で使えば効果的な解決策が得られる」という「ツールの選び方・使い方(ツールボックスの運用方法)」を。(※1)

まず、豪華フルセットではなく、入門者向けツール・コンパクトセット的な道具箱で話を進めます。ここには以下の3つの道具が入っています。
Principles『(発明の)原理』を提示してくれるツールです。
Prediction『(進化の)予測』を提示してくれるツールです。
Effects『(望む)効果』をもった技術を提示してくれるツールです。
どれもすばらしいデザインの魅力的なツールです。これらを今後、折に触れて紹介していきます。記事としては飛び飛びになります。

(※1) ちなみに、私論的な追記です。
posted by 石井力重 at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ

2006年06月08日

TRIZセミナーに参加してきました。

本日は、東京で行われた株式会社アイデア殿の主催するTRIZセミナーに参加してきました。内容はTRIZ理論の概論とTRIZの主要な知識ベースや問題の本質化プロセスを備えたソフトウエアの概要についてです。

私自身、独学で本と雑誌連載でTRIZを勉強しているような状態でしたので、TRIZの中のポイントはどこか、実際に技術課題を解決するときにどういうフローで進めていけば効果的なのか、どのツール(知識)をどういう視点で使うとうまく展開するのか、といったことが良くわかっていませんでした。今回、このセミナーを受けてよく分かりました。また、ソフトウエアについては、非常にツールとしての出来がよくて、なるほど、これを使うとかなり効率的に技術課題の解決のアナロジーが得られそうだ、と感じられるものでした。アイデア社のトップページに3つのフラッシュ動画がありますが、ちょうどセミナーの内容(の非常に集約されたもの)になっています。一度セミナーを聞いた人ならば、このフラッシュを見ながら他の人にTRIZの概要を説明できるような、良い出来のフラッシュ動画です。

(私見)
posted by 石井力重 at 23:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ

2006年06月07日

常に当事者たれ。

今日は、ちょっとした困り事があって方々を駆け回っていました。といっても私自身の困りごとではなく、私が支援する方にとっての困りごとです。私は支援者ですが、意識は常に当事者でありたい、そう思います。彼(起業家・研究者)の困りごとは自分の困りごと。そういう気迫で問題に臨んでいます。基準は、自分が支援される側だったら、そういう人に支援してもらいたい、といえるかどうか。(※注)

顧客満足の最大化をとことん追求すること。それこそが長期的に見て事業収益を最大化するものである。私はドラッカーの著した書物をそう受け止めています。

※注

2006年06月06日

アイデアプラントのパートナー企業を移管いたしました。

本日をもって、アイデアプラント(アイデア出しの代行サービス事業)のパートナー企業(営業活動と、顧客との取引窓口)を変更いたしましたのでここにご報告いたします。

新パートナー企業:株式会社デュナミス

なお、これまでパートナー企業として、アイデアプラントの組織作り、事業展開に甚大なご支援をいただいた有限会社ラフ殿には、心からの感謝を申し上げます。誠にありがとうございました。2005年7月に仙台学生祭りの場で私のアイデアプラント構想をプレゼンし、その場にいたラフの経営者の皆様がパートナーに立っていただいたことが、アイデアプラント事業の始まりでした。そのときに私が「経費以上に、売り上げがたれられるかどうか、新しい取り組みなので見えないのですが。」といったときに、ラフの社長さんから「それでもいいですよ。とにかく一年続けましょう!」と力強くおっしゃっていただき、私は大変心強く背中を押されたました。その後さまざまなクライアントからの要望にこたえ実績を積むうちに大手のお客さんからもアイデア出しの依頼が来るようになり、そうした実績が認めれ、仙台ビジネスグランプリの受賞へと発展していきました。本当にありがとうございました。

アイデアプラントのパートナー企業の変更には重要な目的があります。これまでのアイデア出しの代行サービスとその周辺の知的生産活動支援、といったこれまでの事業内容では、比較的若い感性、目に見えにくいものを描き出す、といった特性がクライアントから特に評価されてきた価値でした。今回は、それに加えて、斬新度と現実度の高いアイデア創出会議のマネジメントサービスや、多様な技術課題を解決するためのアイデア創出ツールの提供を含めて、感性・斬新領域から、技術・実用領域まで、アイデア関連事業としての厚みをますことが最大の目的です。(これができる背景には、シネクティクスやTRIZといった海外の効果的な創造技法があります。)

イノベーションをいくつかのフェーズに分けるとしたらはじめにideation(着想)があります。アイデア創造活動の促進を通じて、地域のイノベーションに一層貢献できるように、新体制の下、全力で取り組みたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

2006年06月05日

ひょんなことから会合に飛び込み参加。

今日は、地域のとある技術系企業の社長さんを朝訪問してきました。以前からお声をかけていただいている社長さんで、技術的な話と、今後の方向性についてお話を伺いました。なるほど、こういうところにこの業種の進むべき道があるのか、と感心してお話を伺いました。

そして、私のコーディネータの仕事、というよりも、対企業さん向けには、テクノプロデューサー業としての仕事をするにあたり、何かお手伝いできることはありませんか、と御用聞きをします。私たちの民間企業のコーディネータは大学に併設の組織ではないので、待っていれば支援希望者が来るわけではありません。従来のコーディネータが大学サイドにいるとすれば、私たちは産業サイド(企業サイド)にたつコーディネータ、といえるかもしれません。その意味では、技術系企業を周り、技術の事業化というくくりの中でお手伝いできることを探して提供していくようなある意味、テクノロジー三河やさんです。

私がそういうことをお伺いする企業さんには自然と一定の特徴があります。これは後で気がついたのですが。それは、非常に熟成された優れた基盤技術を持っている技術系企業さんであることです。

社長さんにそのお話(支援ニーズ)を聞いてみると、明確なお答えをいただく代わりに「ちょうど今日の夜、4社会合がある。そこに参加するか?」とおっしゃっていただきました。急遽夜の予定を調整してそこに参加させてもらったのですが、とても貴重なお話がお伺いできました。そしてどの方も経営者や幹部の方で、大変優れた業績をお持ちのかたばかり。ミーティングは真剣で、かつ、話が早い。なにせみんなが経営者ですから、一言いえば、言わずもがな、すぐに話がわかります。取り組まれている内容も非常に社会的意義の大きいもので、その事業へのずどんと太い覚悟がとても印象に残りました。言葉でそういうことを言うことはないのですが、全員が覚悟をしている、そういう雰囲気が満ちたMTGでした。私がお役に立てることがあれば、最大限のことをしたいと思います。

2006年06月04日

マイルストーン。ノーエクスキューズ。

先日、海外の大企業とベンチャーのアライアンスでの開発プロジェクトのお話を聞きました。そのケースでは、明確なマイルストーンを設定して、共同プロジェクトをマネジメントしていました。「お互い約束した期間に約束したことを実行する。そこは、できなかった理由説明が一切認められない(ノーエクスキューズ)世界である。」とのこと。取引先の納期が間に合わなかったから遅れた、などという理由は受け付けないそうです。なんとしてでも約束の内容と期限を達成する、というスピード感と緊張感がとても印象的でした。

一方で、ノーエクスキューズをするためにリスクヘッジもすごく大切、とのことです。約束をするときに、できないかもしれないことを検討しておき、だめだった時の対応を決めておくということが大切とのこと。(一方、日本では、エクスキューズできるから一本ですむ。エクキューズできるからと備えを作っておかない。とも。)

さらに続けて、「しかしすべての懸念材料に備えを行うと仕事が膨大になるので、その辺は本当にまずそうなものに集中して手を打っておく」ということになるそうです。以下、まとめておきます。

1、マイルストーンで管理するからには、それがノーエクスキューズであるべし。
2、だめだった時のために対応を決めておく
3、懸念材料のうち、本当にまずそうなものに限定して手を打つ


この構造は、ビジネスに限らないものですね。いつも心がけたいと思います。
posted by 石井力重 at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2006年06月03日

成功するハイテク事業は、実は95%のローテクと5%のハイテクである。

今日は、大学院のMOTの特別講義を受けていました。客員教授の出川通先生(株式会社テクノインテグレーション、社長)が先端技術と事業化に関する理論とケースを教えてくださいました。大学院生時代に受けた出川先生の講義は、研究者としても勉強になりましたが、現在のコーディネータの仕事の実務の上ではさらに学びになることがたくさんありました。(すぐに業務の課題に使えるヒントが2つも。)

お話のうち、理論的なことは、先生の著作物やインターラボなどの連載で見ることができます。書物にはかかれない開発の実際の話は、コンサルティングを行ううえで重要なセンスを与えてくれるものばかりでした。差支えがあるのでここでは言及を避けておきますが、私が普段支援する地域企業さん(その多くは、優れた基盤技術をもち、熟成市場にいて価格競争にしのぎを削る中規模の企業さん)にとって、革新に向けての重要なヒントがあったので紹介しておきたいと思います。

成功するハイテク事業は、実は95%のローテクと5%のハイテクである。
成功する技術革新(そして経営革新)は、ハイテクとローテクのバランスが大切であり、そのバランスは一般に考えられているよりもはるかにハイテクの割合が小さい、とも言い換えられます。先生はさらに続けて、関係する2つのお話をされました。
「ローテクをうまく使って境界線近隣で仕事をする。」
「先端度が高いと、既存技術体系との非整合性が高くなる。」
そして、覚えておきたい視点を一言。「顧客は技術を求めず、ベネフィットを求める」

95%のローテク、といえば、ほとんどローテク企業といえるわけですが、そのわずか5%の技術のプラスアルファをすることで、成功するハイテク事業への展開が可能なのだ、としたら、私の地域の企業さんはほとんどが、その成功予備軍になります。この地域には力がある。それを引き出す何かが必要だ。としたら、それをお手伝いするのが私コーディネータの仕事なのかもしれません。その5%を寸分の狂いなく即獲得するような支援はできなくても、企業さんと一緒になって汗かいて、5%を見つけて獲得していくことを全力でお手伝いすることはお約束します。そういう支援者がほしい方は、どうぞ石井までご連絡ください。
posted by 石井力重 at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2006年06月02日

大学発ベンチャーを訪問してきました。

今日は、地域のとある大学発ベンチャーを訪問してきました。以前からお付き合いのあった経営陣ですが、ほんのわずかの期間、あわないでいた間にずいぶん変化がありました。経営というものは本当にいろんなものを経験するのだと、深く感じるものがありました。

私の場合、起業家支援と経営コンサルティングとメンターと営業マンの合わさったようなものが求められます。期待にこたえていくために、広範な知識の蓄積にはげみ、意識も高く保ちたいと思います。

2006年06月01日

思いがカタチになりつつあります。

思いが現タになりつつあります。.JPG

以前ご紹介したある取り組みが、途中の課題も乗り越えて、現実のものとなりつつあります。今日は一部のみですが某団体も来て実際に利用されていきました。中心メンバーの様子をのぞきにいくと、ホワイトボードにはわくわくするような完成図があり、身振り手振りで今まだないそのものを、その空間に描き出している様子が、なんとも。

強く思う。
 ▼
思いをしゃべる。
 ▼
共感する仲間を作る。
 ▼
賛同者とチャンスがたくさん手に入る。

この段階はまだ、「頭の中の段階」です。すべてが”なかったことに”できる段階。実際にはここから、「現実の世界に出現させる」段階に入ります。そしてそこには、あまり語られることのない壁があるのだと今回、参与観察していてよく見えました。でも、強い思いがあって、仲間がいて、計画性があって、リスクテイクする腹の据わった感があれば、そこを乗り越えることができるのだ、ということも。

リアルな契約が結ばれる。
 ▼
必要モノ(実在する物)がどんどん集まってくる。
 ▼
人の手が集まる。
 
今は、この段階にあります。実はこの先には、また、「手にとることのできないモノ」の部分において、もう一山待っている、そんな気がします。彼らがその山をどう乗り越えていくのか、考えただけでもわくわくするような参与観察です。地域にまたひとつ新しい活力が生まれようとしています。
posted by 石井力重 at 23:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会活動/Five Bridge
カテゴリ2
全バックナンバー