2007年12月31日

観点チェックリスト原案、5viewpointモデル

ある程度の粒度をそろえて、世の中にある観点を洗い出す、という作業を、大掃除をしながらしていました。

様々な観点をみていったところ、網羅的とはいえなくてもかなり多くの部分をカバーする観点を5つにまとめられそうです。

「人」「物」
それから、それらがどのように働き、機能していくか、という「プロセス」

この3要素は、事業アイデアの分野で言えば、事業アイデアの3要素”市場””製品””ビジネスモデル”に相当します。

創造性の4つのPというものは、上記の3つに加えて、「環境」が入ります。

ところで、”上記の3つ”と”環境”とは異質です。テーブルや部屋の中にあるもの、と一方、そうでないもの。その意味で、”外側に不定の形で存在し、そこには無いもの”と表現されますが、逆に”内側に不定の形で存在し、そこには無いもの”があります。それが5つ目の「意味・価値」。

以上をまとめて5viewpointモデルとしてまとめてみました。

5viewpoint_model.jpg

これらは、SCAMPERの48の問い(ビジネス系のアイデアのチェックリスト)、USITオペーレータ(技術系のアイデアのチェックリスト)、経営戦略論、プロジェクトマネージメント、プロフィットモデルなどを中心に要素を洗い出しました。TRIZの「空間‐時間‐インターフェース」という考え方も参考に。

これは、完全とはいえませんが、多面的に思考するための主要な観点を提供するものの原案として考えてみました。

観点は千差万別。事象ごと、といいがちですが、TRIZ的に考えると多分、ある程度大きな分類の粒度で述べるなら、数十個程度に集約できるような気がします。

何かについて観点を広げて多面的に考えてみよう、といったときのツールを創ってみようと思います。


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2007年12月30日

観点チェックリスト考察。具体的に考える、ということ。

観点。英語で言えばビューポイント。物事をみる立場、といった意味ですね。

観点チェックリスト、が存在しないか、と最近は調べモノをしています。自分の専門分野なら、観点を洗い出すことはある程度できます。プロジェクトマネジメント、経営戦略、といった分野。

しかし、ある理由があって、あらゆる分野における観点を充分に準備しておけないか、と検討しています。

全く知識経験の無い分野でも、その観点チェックリストを見れば、大体のところは、その分野の重要な観点を網羅する、といったものと、理想として。

辞書で、観点構造をどうやってつくっているのか、その観点リスト、といったものがあるのかとしばらく探していたのですが今のところは見けられていません。

では、あらゆるものに適用できる観点チェックリストは、一時おいておいて、次のことができないか、とも考えてみています。

「観点リストを持っていない分野(経験の浅い分野、あるいは、観点リストが充分に形成されていない分野)でも、充分な観点を、必ず挙げることができる方法は無いだろうか」と。

一歩下がって、自分が経験を積んで分かるようになった分野で、観点をチェックする時には大体なにをしているかを考えます。まず、その分野の具体的な事例をざっと挙げて、それらに必要な観点を複数上げていきます。大体3から多くて12くらいでしょうか。挙げた観点を複数事例を見ながら急速に調整し、かためていきます。それで複数事例をうまく分析できれば、「これがこの分野を考える際の観点だ」と理解します。

構造としては

多くの経験→具体事例を想起して本質的観点を予想→複数事例で検証、及びブラッシュアップ。

という形を取っています。

ここから考えると、経験の無い分野では、観点の洗い出しが難しいのかもしれません。

経験が多いから本質が分かり、その本質を表現・分析するのに充分な方向をしっているので、観点が洗い出せる、のだろうと思います。

ここまで考えて、よく分からなくなりました。

しかし、希望を持つもう一つのものがあります。それは「一事に通じれば万事に通ず」です。ある道に本当に秀でた人は、他のコトでも、かなり高度な対応が出来たりします。これは、観点だけの話ではありませんが、観点を充分に緻密に明確に持っている人の場合、他の分野でもその観点リストをつかえるのかもしれない?と思います。

もしそこにヒントがあるとすると、観点チェックリストとは、偉人の残したある種の発想ヒントリストは、あらゆる分野の観点チェックリストに変換しえるものではないか、最近はそんなことを良く考えています。


誰でも多面的に考えることができるようになる、そんな手法を開発したいと思いつつ。



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posted by 石井力重 at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究活動/検討メモ&資料

2007年12月29日

要素を取り出して掛け合わせる発想作業について考察。

発想の技法のいくつかに共通した発想のやり方があります。エクスカーションとよばれる方法です。おもにシネクティクスなどで用いられています。

たとえば、ある粉末状の新材料があった。これをどんな用途にむけて使う商売をしようか、と考えるケースにおいて、こんな風に考えます。

その素材の新しい効能から用途アイデアをブレスト。
しばらくすると、出し尽くして、もうだれもアイデアがでない。

そこから、エクスカーション、という方法に入ります。

「ある動物」たとえば、「カエル」ときめて、
カエルを皆で思い浮かべます。

カエルが持っている特性、特徴、動きなどを、思いつく限りあげていきます。
ポストイットにかいて、ボードに張っていきます。

例えば・・・
・ゲロゲロなく ・ジャンプする ・ぬるぬるする ・緑色
・泳ぐ ・ベロが伸びる ・卵を産む

などなど。

そして、このカード(ポストイット)の内容と、新素材を掛け合わせて何か発想できないか?と問いかけます。

すると結構でます。

例えば・・・
・その素材、ふみつけた音が出るよう加工する。新しいタイプの泣き砂に。
・その素材に炭酸ガスを吸わせて、温度によって噴出させることで、振動する素材として、何かに利用する。

などなど。

不思議だなぁ、とおもうのは、アイデアが出尽くした、と先ほどおもったのに、このカエルの特徴との掛け算を行うとまた大量にアイデアが出ます。さらにそのアイデアを変えたり、逆にしたりすることで、カエルと関係しない要素でアイデア出たりします。

これは、不思議だと思います。

さっき、アイデアを出しつくした、とおもったときに、皆がカエルという動物を全く知らない、ならば、この状況も分かる気がするのですが、そうではない。カエルの属性なんて大体皆が知っているわけです。自分が出したカエルの属性をもとに、自分で先まで気がつかなかったアイデアを広げる。これはなんなんでしょうね。

(この作業は、一人でやっても出来ます。
 たとえば、ポケディアのイデアミキサー、でも同じくテンプレートを自分で作れます。
 参考 人太郎 第3話 人太郎 第4話 )

※マンダラートを使うと、紙とペンでかなり「要素」を見つけられます。


このプロセスを転用すると、アイデアのチェックリストとか、何かのデータ集がなかったとしても、机の上に紙とペンがあれば、かなりアイデアを出せます。

思考実験的に展開してみます。それは何をしている行為なのか。と後で見るために。

たとえば、机と椅子と、紙とペンだけがある小部屋。テレビも窓もない。

ここで、「新しいコップの企画案を100個出せ」といわれたら、どうするか。

まず、出るだけ出してみます。

次に、発想の引き出し、つまり材料を机の上にとってきます。とってくるといっても、頭の中に覚えていることを、ですが。

コップと関係ないモノ(生物、物体、無形の何か)を20ほどリスアップします。

たとえば、
・コアラ ・きつね ・さる ・ツチノコ ・龍 ・・・
・くるま ・足つぼふみ ・テレビ ・バイク ・ソファー ・・・
・クラッシック音楽 ・演劇 ・南国の風 ・雨の匂い ・虹・・・

次に、それらを特徴(特徴、特製、動き、独特な要素)分解します。

・コアラ⇒ つめ、けがわ、ころんとしたハナ、お菓子、ユーカリ
・足つぼふみ⇒ とっき、ぐるぐるまわるパーツ、・・・
・演劇⇒ おしゃれ、高い歌声、証明、暗転、・・・ 


そして、それらの要素合計が100を超えたところで、
コップと掛け合わせてる発想をします。

コップ×つめ⇒ つめがついていて柱に取り付けられるコップ
コップ×とっき⇒ 握りがつぼしげきになってて、リラックス効果倍増マグ
コップ×おしゃれ⇒ 着せ替えマグ、電子レンジで熱すると、絵柄が変わる、とか。マグネットでなぞると釉薬の内側表面に絵が描ける、とか。

こうして、時間が半日あれば、マグのアイデアを100個出せます。


さて、これはどういうことなんでしょうね。
この「関係ないところから要素を引っ張り出してくる」作業をしないでも発想は出来ます。ただ、仮にそれで出尽くした後に、こういう作業をしても、膨大に出せる。その掛け算に使うべき要素は、全て自分の頭の仲にあったはずなのに。

物事を多面的に見る、多面的に可能性を考える、ということは難しい、と専門家の方はいいます。たしかにそうですね。多面的に見ることを人は教えにくい。


興味があります、、、
・人間はなぜ多面的に考えることが難しいのか。
・多面的に見るとはどういうことなのか。


それから、
・多面的な視野を誰もが簡単に持てるようになるには、どうすればいいのか。

最後の問いは、空間的なものならば、比較的らくだと思います。
空間は次元が3次元。なので、前から見て、後ろからみて、上からみて、下から見て、右から見て、左からみる。たとえば素晴らしい造作物ならそうやって、全面から眺めます。あとは中をのぞいてみる、あるいは、回転状態で本質的な意味があるもの(風車とかコマ)ならば、軸回転動作をさせてみる。だいたいこのくらいになります。

ところが、空間だけではなく意味空間のようなものは様々な次元を持ちます。対象物も「人間同士の関係性」だったり「ある種の現象の因果関係」だったりと、手に取れないもの。どういう状況下でも、充分な多面的視点をもつために、必要な観点リスト、といったモノがないのだろうか、と疑問は展開します。


もし、そのリストが出来れば、上に書いた方法は、もっと簡単になるかもしれません。

コップの新商品を考える。
何か思いつくモノを上げる。
観点リストを一つずつおっていく。
アイデアが出る。

なお、SCAMPERが若干性格が似ているかも知れません。でも十分ではないですね。


これに似たものがあります。アイウエオ検索。
しりとりをしていて、もう思いつかないときがあります。
”て”からはじまる言葉は・・・・、と。
その時には
”てX”のX(エックス)に、あ・い・う・・・と入れていきます

てあ・・・?手合い?てあ、、、う〜んパス。
てい・・・?丁寧、低調、定義、ていの後はありそうだな。
        ⇒そうなったら、ていY、でYをあいうえお検索
てう・・・?てう、、、はないな。

といった感じです。
すると意外と単語が出てきます。さっきは思いつかない、とおもったのに。

この「要素を取り出して掛け合わせる発想作業」というのは、脳が考えやすい方法なんだろうと思います。でもなんでなんでしょうね。
posted by 石井力重 at 06:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究活動/検討メモ&資料

2007年12月28日

知の旅を乗り切るには、霧でかすんでも読み取れるものが要る。

ビジュアルvsコトバ。

ビジュアル、というのは、絵、図、写真、地図。
コトバ、というのは、文字、フレーズ、文章、箇条書き。

今日は、「知の旅(すなわち、研究とか、クリエイティブな仕事とか、あるいは起業家の事業化プロセスとか)を乗り切るのに、必要なこと」の一つについて。

知の旅には、霧でかすんでも読み取れるような航海図が要る、という話です。

結論からいうと、「厳密に正確であること」は二の次で、「疲れて意識レベルが低いときにも直ぐに思い出せること」がもっとも重要です。


船出。この時には自分やメンバーの目標ははっきり共有しています。心身ともに健康で、気力充実した状態。はじめのゴール設定(航海の目的地)がどういう形で表現されていても、皆はそれを理解し共有。

どんな航海にも、順調なところと、難所といわれるつらく苦しいところがあります。終始順調な航海では、油断、という魔物があらわれたりします。それのほうがむしろ厄介だったり。

さて、難所に差し掛かります。すると、荒れ狂う波にゆすられ、冷たい雨と激しい風にさらされ体は冷えきり、ろくに睡眠も食事も取れない。次第に皆の意識レベルは下がっていきます。そうなると、理解力がおちて、より原始的な行動、つまり防御とか、自身の生命を保つための行動、に特化した思考が頭を支配していきます(参考:脳幹の話)。

その中で、次第に楽なほうへ航路を変えてしまおうとします。もちろん、全滅するくらいならば、それもありです。しかし、それほどでもない場合でも、難所が続く場合は、楽なほうへ、メンバーは航路を変えたくなり始めます。あるいは航海の中止を考えはじめます。

その難所を乗り切ることなしに、目的地にはつかない。大抵はそういう難所です。通らなくてもいい難所はあらかじめ避けていますから。

さて、そのときに、冷たい雨風の中、リーダーはメンバーに声をかけます。「目的地を思い出せ」と。このとき、航海の場合は目的地がシンプルでシンボリックな場所だと、有効です。北緯何度、東経何度、○○島(金塊とお花畑が島には書かれている)。

しかし、「目的地は、とにかく、北へいったところ」というような定まらない(点を打てない)場合は、求心力はたもてません。その目的地がありそうな理由を本一冊分皆が理解していたとしても。寒くて寝ていないときには、人は「脳の活動している部位」がより原始的になり、知的な長い文章を思い出したり、その言葉が持っている意味をイメージしにくくなります。

これは、起業家が猛烈な加速度で組織を引っ張るときにも、プロジェクトチームのリーダがチームを引っ張るときにも同じです。個人の研究者が自分自身を引っ張るときにも同じ。

苦しい局面を乗り切るには、意識レベルが低下しているとき(=つまり意識にカスミがかかって、難しいことはよく考えられないとき)にでも、直ぐ思い出せるような形態で、目標を描いておくことが重要なのです。

つまりビジュアルで、より細部まで示された絵(写真のコラージュ、精緻な完成図、達成された状態が書かれた絵)で、ゴールを描いておくこと。これが苦しい局面でもカスミがかった状態のチームを引っ張る強力なツールです。

なお、文字で10000文字を要するような長い説明は駄目、ということですが、コトバは全く駄目か、といえば、そうではありません。短いフレーズ、とくに、万人の頭に残るフレーズ、というものも、「霞がかった頭でも読み取れるもの」となります。

例えば優れた「経営理念」。特別で崇高な任務を負ったプロジェクトチームの「ミッション」。その研究成果が多くの人を救うことを表現した「研究の使命(意義)」。

その文章は「内容を充分かつ端的に表現し」、かつ、いつでも思い出してもらえるような「語感のよさ(語呂のよさ)」があり、そのフレーズは「つぶやけば、燃えるような情熱を呼び起こす」ものです。

その難しいけれども、その要素を達成したフレーズは、上記の絵とおなじく、難所を乗り切るときの「霞がかかっても読み取れるもの」となります。

古い時代、使命や志に燃える偉人のなかには、それに相当するようなセリフが見られます。まだ、絵や写真が無かった時代に、人を導くツールは、コトバしかなった。その時には、レーザービームのようなコトバ(つまり、そのコトバは、何日たっても、どれだけの人の口を媒介しても、ぼやけない、減衰しない、コトバ。遠くまで伝わる言葉、長くその人の中に残り再生され続ける言葉。)が、偉大な事業をなした人を突き動かしています。



人は、目標を表現する言葉(経営理念、ミッション、研究の使命)を作るときに、次のことをチェックしてみると、いいのかもしれません。

それは、充分に目標を表現しているか
それは、端的に目標を表現しているか
それは、眠くても口をついて出てくるほど、語呂がよいか
それは、つぶやけば、燃えるような情熱を呼び起こすようなものか



起業家やリーダーの仕事の一つに、「未来に明るいものがあると、メンバーに想起させること。」があります。これを、飲み会でノミケーションの形ではかることが日本では多く見られます。しかし、実際は冷たく強い雨と風が吹き付ける時には、のみにケーションの時間すら取れません。

朦朧としていても思い出せる、「絵」かレーザービームのような「コトバ」。これを創ること、心がけてみたいものです。





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posted by 石井力重 at 23:27| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2007年12月27日

脳は3つの基本部位に分かれている。シフトアップ!

一人の人間が創造的になったり、どうしても創造的になれなかったり。これはどうして起こるんでしょう。一つの視点が、脳の活動する部位によって、創造性の度合いが変わることと、どういう状況下で活動する部位が変わるか、ということから論じたモノがあります。



『創造的問題解決』P10を中心に、脳の3部位と創造にむけたシフトアップをご紹介します。(正確な引用でなく一部意訳、言い変えします。)



『三位一体の脳』(Paul McLean:ポール・マクリーン)という本に、脳の構造の非常に単純化されたモデルがあります。

●脳幹(Brain Stem)
●辺縁系(Limbic)
●新皮質(Neo-cortex)

脳の中心部にあって、原始的な生物にもあるのが脳幹。脳のもっとも外側にあって、深い思考能力を提供しているのが、新皮質。脳幹と新皮質にあるのが辺縁系。

参考文献をもとに意訳すると

●脳幹

脳幹をマクリーンはそれを「爬虫類の脳」とよぶ。爬虫類が持っているものと本質的に同じだからだ。この脳はいかにして食物を得るかとか、食物でないものはどれか等を区別する生理学的および心理学的な生き残りに関する脳である。防御、本能および自動行動の領域である。何か新しいものに対する爬虫類脳は、「それを攻撃せよ、それから走って離れよ、それを食べよ、とか、それに注意するな」といった類のもの。

●辺縁系

脳幹は私たちの気分に影響を及ぼす。ホルモンと他の化学物質を調整する。それは感情を支配する本体である。ここの化学物質は、病気や健康、幸福や恐怖をつくり出す。辺縁系の標語(motto)は「感じる、感じる、感じる」である。

●新皮質

辺縁系の上に鎮座しているのは、新皮質、すなわち「新脳」である。話したり、考えたり、問題解決をするための司令塔である。新皮質は学習脳、すなわち創造的思考の源である。それの標語は「学べ、学べ、そしてつくれ、つくれ、つくれ」である



そして、「シフトアップ」と「シフトダウン」の話に続きます。


 加速学習センターのディレクターであるデイブ・メイアー(Dave Mieier)によれば、あなたは思考が発生している「場所」を意識することで、創造的モードにできる。

脅かされいる状況は負の感覚をつくり出している。

辺縁系は実際に、脳の思考場所を抑圧する化学物質を放出している。これによって人々は自動的に爬虫類脳へ「シフトダウン」してしまう。

シフトアップは新皮質からの思考である。新しいアイデアが必要なときには、意識を爬虫類から新皮質に上方推移させなさい。シフトアップさせることで学習、創造、成功が約束される。



以上、までが、文献を元に要約したものです。
この脳の部位とシフトダウンの話には、とても貴重な示唆があります。

「抑圧されていることによって人間の脳は、爬虫類の脳へシフトダウンしてしまう。」ということです。

不安、緊張、焦り、怒り、不信感、否定感など、ストレスやネガティブなことがあると、脳は「学ぶ、つくる」という3速から、「感じる」という2速や、さらに、「攻撃、走って離れる、食べる、食べ物じゃないので注意を払わない」という1速にシフトダウンする。ということです。

なので、眠い、とか、疲れた、とか、おなかが減った、とか、寒いとか、激務とか、寝ていないとか、けなしあい、いがみ合う、などの状況があると感じたら、知的生産が難しい状況なので、いったん、沈静化するためのブレークをするほうがいいのでしょう。

その状況で仕事や作業や会議をつづけると、人は、「生き延びる」ための部位で考え始めてしまう。命の危険を感じたら逃げる。そのモードにはいっていると、建設的なことよりも、相手を攻撃したり、逃げたり、食べるような本能的な作業をする。これでは質の高い仕事はできません。



今、思考の発生している場所は、脳のどの部位か?とちょっと考えてみるだけで、
随分、創造的な仕事が生み出せるようになるのかもしれません。

2007年12月26日

創造性の4P

「創造的な人とはどんな人なのか」
「創造的な所産(生産物・作品・製品)とは何なのか」
「創造的なアプローチとは何なのか」
「創造的な環境とは」

・・・創造性をめぐり議論はいろいろあります。その統一的な定義を模索したある研究者は、最終的に、単一の定義は得られず、最終的に創造性を「4つのP」で記述することをしました。


4つのP

・Person(人)
・Product(所産)
・Process(過程)
・Press(圧力※)

 ※(補足)「圧力」は職場環境などの「環境」を意味する


各項目を詳細に見るとこうです。

・Person(人)
人々はいかに創造的であるか、誰がいかに創造的か、創造的人々に関連した特性

・Product(所産)
創造性の成果(artifacts)とは何か、創造的所産とは何か、何が創造的な何かをつくっているか、もし何かが創造的な場合どのように伝えるか

・Process(過程)
人々はいかに創造するか、あるいは彼らの創造性をいかに使い、そして適用していくか

・Press(圧力※)
人、過程、所産を取り巻く風土。これが創造性を栄えさせたり抑圧したりする。


これらは、面白いモデルですね。
まず「人」
それから、人が生み出す「モノ(生産物・作品)」
それからどのようにして人がモノを生み出すのか、その「過程」
という3つの対象に光を当てています。
そして、それらを取り巻く周囲である「環境」を加えたモデルです。

創造的、ということを考えるときに、この4つの視点をみると、議論が整理しやすいかもしれません。



追記:これらは、「創造的問題解決」のP5〜6をベースに加筆修正しています。

2007年12月25日

創造性の定義

創造性の定義は、専門家によっていくつもなされています。最近、文献を読み返していて、はっとした定義があります。

創造性 = 有益な目新しさ
 目新しさ:斬新さ、独自さ、斬新なアプローチ
 有益性:目的に応って(適って)いる、価値を持っている

  スタン・ギリスキーウィクス (出展「創造的問題解決」)


とても、シンプルです。

創造性を議論していくと、そもそも創造的とはどういうことか、という議論に行き着きます。いくつもあっていいとおもいますが、仮に出発点にするとしたらこのシンプルさは好ましいと思います。

創造性とは、斬新であること。そして、斬新であるだけではなく、有益であること。つまり、目的を達成できること、あるいは、価値を生み出すことが出来ること。

創造的かな?とおもったときには

・それは斬新か?
・それは目的を達成するのか?

という問いかけ(チェック)をすると簡便なガイドになります。

2007年12月24日

創造的環境の6つの要因

『創造的問題解決』に創造的環境(創造的風土)を作る6つの要因というものがあります。

その6つの要因は職場の環境づくりにおいて示唆に富んだヒントとなります。例えば、オフィスを新しくするときに、あるいは会議室を作るときに、クリエイティブなワークがなされるように、什器(机や椅子)をお金をかけて揃えようとしがちです。実際には、そういうところにお金をかけることよりも、「仕組み、仕掛け、仕事のやり方」といった”買ってきて接地するわけには行かないもの”が重要なんですね。

クリエイティブな会社のムードをこの6項目で見て見ると、よくあたっている気がします。

以下、『創造的問題解決』より引用します。


■■■(引用ここから)■■■


創造的風土をつくるものは何だろう。「すぐれた照明か」「人間工学的な家具か」。事実、テラサ・アマビールの研究は、創造的な環境に顕著な要因を与える6つの刺激要因と2つの妨害要因を明らかにしている。われわれが一度それらの要因がカギとなる次元であることを理解すると、それらの次元に直接的にインパクトを与える行動が起こせる。


6つの刺激要因 この次元をあなたのグループ、チーム、組織に合うように配慮するには、何をすべきであろうか。


組織的な奨励をしなさい

 アイデアに対して公平かつ建設的な判断を通して創造性を奨励しなさい。創造的な仕事に賞を与え承認しなさい。新しいアイデア、アイデアの流れ、さらには組織における共有視座を展開する仕組みを作りなさい。

スーパーバイザー的な奨励をしなさい
 優れた仕事モデルを提供しなさい。ゴールを適切に設定し、仕事集団の中での信頼関係を明確にして支援し、更に個人の寄与を評価しなさい。

支援的な仕事集団をつくりなさい
 より良いコミュニケーションを求めている分立した熟練集団を一緒にすることによって、新たなアイデア、各々の仕事への建設的な挑戦の可能性が生まれ、仕事への関わりを感じることが出来る。

自由
 人々に何の仕事をするべきか、あるいはどのようにそれをするべきかを決定する余地を与えなさい―仕事をコントロールしている感覚。

充分な資源
 資金、資材、設備や情報等の資源に適切に接近可能にする。

挑戦的な仕事
 ハードワークに臆病になることはない。ほとんどの人々は課題にチャレンジしたり、重要なプロジェクトに参加していると感じたときに成長する。









2つの妨害要因 あなたのチーム、集団、組織に関して障害要因のインパクトを最小限にするには、何に配慮すべきであろうか。


組織における妨害物を除きなさい
 内部の政治的問題、新たなアイデアへの行き過ぎた批判、非建設的な内部競争、地位の過度な強調を最小限にする。

仕事負荷の圧力を減らしなさい
 非現実的な時間的圧力と生産性への期待を避ける。





■■■(引用ここまで)■■■


会社の中に独特の仕組みがある会社にいくと「へぇ〜」と感心します。この6つを意識して独自のものを取り組んでみるのも面白いですね。



参考文献
posted by 石井力重 at 23:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 事業活動/アイデアの技法

2007年12月23日

具体的な例を3つ見せてもらう(その2)

具体的な例を3つ見せてもらう、ということに関連して、もう一つ、私論を述べます。

電光石火の試作、という言葉があります。トム・ピーターズの本の中に出てきます。

事前調査をしてから新しいエリアに入ろうとしても、なにも外からは分からない、そういう時はどうするか。(あるいは、調べれば分かるけれど、莫大な調査費が必要などきはどうするか。)

その時には「すぐに試す!」こと、そして試して駄目だったら「即、やめて、別の手を即座に試す」こと、そしてそれも駄目なら・・・と、矢継ぎ早にワワワっとためし手を試してしまう。悩んで調べ方を思案しているよりも直ぐにがんがん試す。

電光石火の試作、というのは大企業が「やってみればすぐにわかるタイプのことや、調べるのにコストがかかりすぎることも事前調査を重視する」ことへの警鐘だと思います。

さて、では、電光石火の試作、という戦略をどこまで続けるのか、についてが実務では必要になってきます。というのも、有る程度ノウハウがついてきたら、即テストを繰り返すばかりではなく、戦略的に打ち手が判断できてきます。それをすぎて矢継ぎ早のテストをするのは「場当たり的行動」「計画性の無い行動」と一緒になってしまいます。

では、どこまで電光石火の試作をやるのか。これについては、私はこう思います、という話なのですが、私は「電光石火の試作は3手うて」と考えています。暗闇に飛び込んで手探りで様子をうかがうときに、3点が分かれば、およそ踏み出すための判断力がうっすらついてくる。逆に10点も調べていては、暗いところに入るたびに遅れをとったり機を逸してしまう。1点では足を踏み出し始めるために見当をつけるには心もとない。3点、これが電光石火の試作の試しての最適回数、ではないかと。

標語的にまとめるとこうです。

新規分野に飛び込んだら、非常に短い時間で、試し手を3度打て。
その中から判断基準やおよその様子を想定せよ。
後は進みながら微調整を繰り返して戦略の巧緻化を常にせよ。
posted by 石井力重 at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2007年12月22日

具体的なズレ・メソッド

コンセプトや話し合っていることや希望などを効率的に巧緻化する方法があります。(巧緻:読み=こうち:精巧で緻密なこと。たくみで、細部にわたってよくできていること。また、そのさま。)

一般には、手法としての名前が無いので、名前をつけました。
「具体的なズレ・メソッド」

1)とにかく直ぐに具体的な線を描き、
2)具体的なズレを皆が感じ、じゃあ具体的に何がどれほど違うのか論じ
3)高精度にあわせこむ(巧緻化する)

たったこれだけです。

モノを触らない社会になっていくと、概念的なモノが、制作するアイテムになったり議論の対象になったり、時には取引の対象になったりします。(権利の契約などはその一例)

かつて、タンジブル(手にとって触れるもの)メインの世の中であれば、具体的に論じなければリアルなものは何一つ出来ない、ということを当たり前のこととして知っていました。しかし、今は社会が複雑です。特に「モノを制作をする人は具体的にしか仕事はしえない」ということを、時として多くの人が忘れます。その結果、仕事の依頼の仕方、制作を発注する仕様が、「あいまいなままの線引き」が多くなります。企画、広告、WEB、サービス事業などにおいては、クライアントの要件があいまいで、基本的な要件定義が出来ていないことも良くあります。

漠とした構想・アイデアについて、要件定義すること、あるいは漠とした話のぼやけた輪郭に、明確な輪郭線を描いていく作業は、なかなか難しいものです。

そのときに、上記の3ステップ「具体的なズレ・メソッド」はシンプルだけど効果を発揮します。なぜか。その本質は、ここにあります。「どんな人でも”違っていると感じる力(批判能力)”はとても高い。」ということ。

何かを見せらときに「うん?これがベストなのか?」「あれ?なにか違和感がある」「そこはそうじゃなくってさぁ」そんな意見が直ぐに出ます。これは会社なら大抵、新人が発言したあとにでます。会議で新人の意見が違っていると、課の人たちは一斉に、わいわい。しかし、かといって新しいアイデアをベテランが出すことは稀。それは出したくない、というだけはななく、「創る力」と「批判する力」はアンバランスだ、ということなのです。ろくなアイデアを出さないよ、といわれている組織でも何かを見たときに「そいつはおかしいだろう」という意見は直ぐに感じて批判をすることができます。

人間のこの批判力は鋭くて、具体的な図や具体的な文章になると、本質とずれていることを、感じて述べることが出来ます。不思議とあいまいなままでは、この能力は働きません。(総論賛成、各論反対、な組織で頻繁に観察されます。)


長くなりました。

一発で正確な線にそって書こうとすると非常に時間がかかります。短い時間で、皆が考えていることのアウトラインを描き出そうと思ったら、素早く、ズレていてもとにかく具体的な線を描くことです。すると、ズレを具体的に感じ取った人たちがそれを修正します。そして、直ぐにそのラインは巧緻化します。

個人の考えを描き出すときも同じ。正確に書こうとすると筆は止まります。違っても書く。書いては直す。「具体的なズレ」を素早くつくることを、第一に筆を進めると巧緻化が早いはずです。



追記:

仮置きテイスト、というものが、ふわふわした構想段階では重要だと、以前書きましたが、仮置きテイストというのは、具体的なズレをつくり、素早く精緻にあわせこむ、ということともいえます。
posted by 石井力重 at 01:32| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2007年12月21日

具体的な例を3つ見せてもらう。

優れた起業家や、リーダを見ていると、「新規分野の判断能力化(※1)」に共通することがあります。

※1「新規分野の判断能力化」とは

(注:ここで初めて定義します。)新規分野に飛び込んだビジネスリーダは、初めは分野の中を探索し発見し理解する。そして仮説をもとに小さく行動し行動を微修正していく。次第に、大きなアクションを起すようになる。そのころになると、彼らは、業界内の平均以上の判断能力を身に着けている。その状態を、その分野における判断の能力がついた状態「新規分野の判断能力化」と定義します。

彼らに共通すること、それは、飛び込んだごく初期の段階で、具体的な事例を精力的に見て回る、ということです。そして初めは謙虚に広く業界を回り「猫をかぶっていた」のかと、驚くほどある時点からはきびすを返したかのように、躍進劇が始まります。(武道でいえば、静から一挙に動に転じるような、試合運び。)

これは、ゲームに参加したときにも見られます。目にしたことの無い新しいゲームに取り組むとき、基本的な打ち手を試してみて、何が起きるか、実際に体験します。ここで奇策や例外的な打ち手はまだ試しません。最初に基本を踏みます。そして、およそ「こうしたら、こうなる」といった基本パターンをつかんだら、飲み込みも早く、次々とせめて行きます。

この静→動、のタイミングを一体いつにするか、ということがその人の仕事の適応性に関係しています。

学者的なひとは、かなり長い期間、その「静」で観察します。およそ例外にあたるものまで含めて、把握して、それから「動」に転じます。一般に仕事の要領が悪いと判断されがちです。しかし、次に類似の仕事を任せた場合に、仕事の処理速度がかなり早い。これは基本をマスターしているからです。

一方で、場当たり的なひとは、その事例にだけ適用できる解決策を直ぐに見出して、仕事を完了します。要領がいいと評価されます。しかし、類似のケースに基本パターンを適用することはないので、類似の仕事が多く来る場合、学者的なひとのやり方に負けることもあります。

優れた起業家やビジネスリーダは、その最適点を行きます。つまりこうです。

学者的に100点を取ろうとすると、一品モノの仕事の時には、時間が借りすぎる。場当たり的にそのケース限りの解決を行うと、応用力がつかなさ過ぎる。なので起業家は、優れた3つくらい事例をみて、それを元に判断基準や極少数の基本パターンをつくり、小さく動き、順次微調整し、確信を早い段階でつかむ」ということをしています。


以上、まとめます。

「新規分野の判断能力化」を早く行うには、
「具体的な例を3つ、素早く見て基準を作る」ことが近道のようです。
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2007年12月20日

熟達者の特徴

「企業内人材育成入門」のP55から引用します。

(引用ここから)

熟達者は初心者と比べてどのような特徴を持っているのだろうか。ここでは
@記憶力の向上
A下位技能の自動化
B問題の直感的把握
などに分けて説明する。(中略)

@記憶力の向上は、文字通り、自分の土俵で覚えなければならないことをより高速に、確実に覚えられること。(中略)

A下位技能の自動化とは、熟達者は、ある課題を遂行する際に、特段に注意を払わなくても出来てしまう部分が多くなっていくという意味である。多くの技法が自動処理によって行われるから、処理がすばやくエラーも少ない。(中略)

B問題の直感的把握とは、熟達者は初心者に比べて、見るべきところを注視し、そこに認知的資源を傾けることができるということである。一般に熟練者は初心者に比べて、膨大な知識をもっている。

(引用ここまで)


この節は、人が「熟達すること」を論じているとても面白い節だとおもいました。とても興味深いですね、人はいかに育つか。そしてそのエッセンスは、これからの知的娯楽産業の要素が大きくなる現代社会ではとても貴重な産業資源。


そして心に留まった一言があります。続きを読む
posted by 石井力重 at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究活動/検討メモ&資料

2007年12月19日

目を見開くと脳は活性化する(かも)

何かをしているときに、だんだんまぶたがふさがってくることがありますね。眠いとか退屈な作業の場合。

そういうときに、私は『目を見開く』ようにしています。

何かの本で読んだのですが、人間は、好きなものを見る時には情報を取り入れようとして瞳孔が開くそうです。赤ちゃんを見るときには人間は瞳孔が大きめに開くそうです。逆に見たくないものの時には、逆のことが。

そこで、原因と結果のつながりを、さかさに利用しようと考えました。これも何かの本で読んだのですが、楽しいと笑顔になる。楽しくないときにも、顔の筋肉をつかって笑顔をつくるとだんだん楽しくなってくる、と。

そこで、まぶたが下がってくるときには、目を見開いてみると退屈ではない状態なのだ、と脳に刺激がフィードバックされて、楽しくなるのではないか、と。

試してみた結果、、、気合は入りました!

眠気が引いていきます。脳がなかなか動かない感じがしていたのが、何かが動き始めた気がします。感覚的なものかもしれませんが。

根拠の薄い、仮説の積み重ねの話ですが、目を見開くと脳は活性化する(かも)、という私なりの工夫の話でした。

とはいえ、眠い時には少し休むことも必要かもしれません。知的作業では多くの糖分が消費されますから。

2007年12月18日

アイデア出しに困ったら、振り返りたい3つのこと。

アイデアの創造の根底的なメカニズムがあります。
折に触れて話したことをここにまとめて見たいと思います。


1.アイデアの量は「インプット」×「アウトプット」である。

より詳しく書けば「インプットの量」×「アウトプットの技法」です。アイデアを沢山生み出そうとしたら、アイデアのネタになる引き出し、つまり旬の情報、過去の優れた事例、広範囲な分野の知識、などを沢山持っているほうがいいんですね。これは多くのクリエーターやビジネス開発者が発言しています。そして、アイデアを沢山生み出そうとしたら、頭の中にある情報や記憶を、効果的に組み合わせてアイデアの断片を生成していく必要があります。このときに「発想法」とよばれるものを沢山もっていると、効率的に発想を出していけます。発想法は、創造的な頭の使い方を体系化して、再現できるようにした「考え方の数珠繋ぎになったもの。」です。思考プロセス、一言でいえばそういうものです。
 極端に言えば、意識してインプット量を2倍にした人が、更に発想法をいくつか知っておいてアイデア創造の効率を二倍にしたら、前に比べて4倍のアイデアが出るようになります。一日に20も30も出さないといけない。そういう職業人としてのアイデアマンは何かをしているか、といえば、根底にはこういう構造にのっとったことをしています。

2.アイデアは既存の要素の新しい組み合わせである。

これは実は例外が1%弱、あると考えられます。詳しくはTRIZのような技術系の発想法に譲ります。ここでは99%は、上記の定義が正しい、と受け止めて、それを主にした話をします。既存の要素。これはインプットや過去の知識。これをばらしてそこに別の要素を入れてみる。それはちょっとしたことですが、新しいビジネスの芽になったりもします。ちなみにイノベーションの定義も類似する構造を表現しています。興味深いですが当然のような気もします。既存の要素を新しい組み合わせ方で組み合わせる、ということを「古いアイデアを新しい場所におく」「古いアイデアに新しい衣を着せる」という表現も時折なされます。かつてのヒット曲もいずれ下火になりますが、全く新しいテイストのリズムにのせれば、今の若い世代にとっては「新鮮ではじめて聞く音楽」です。空中からぽこん、とアイデアを取り出すかのように、人は発想を自然とするわけですが、そこにいたる近道(意識の水面下の作業を表面で行う、ともいえるかもしれません)としてのこの定義、ではないかとおもいます。

3.優れた創造作業には、発散思考と収束思考を時間で分けること。

人間は、発散思考で未成熟なアイデアを沢山生み出します。収束思考で、ブラッシュアップしたり現実の風にさらして消し込んだりします。これを同時にしていくと堂々巡りだったり、チームでやると話が広げるのと絞るのが両立して混乱します。もめたりもします。意識して、「発散フェーズでは広げることに専念」し、「収束フェーズでは絞ることに専念」すると優れた創造活動が行う安くなります。特に複数人の頭で考えている時はそうです。よくある好ましくないケースはこうです。発散作業中にいきなり、そのアイデアのまずいところ、心配なとこを指摘し始める。収束作業中に、未成熟なアイデアを投入したり、目標とは違った方向にアイデアを発展させる。(特に最後のケースは一般には、認めてしまいがち。これをすると、タイムアップになったときに「終わらない会議」になっています。)



以上です。

なお、発散のフェーズに必要な発想のガイドラインは、ブレインストーミングの4つのルールです。それから絞るときにも5つのガイドラインがあります。オズボーンの著書「Applied Imagination」に詳しくあります。『創造的問題解決』のP15にもあります。

ガイドラインをベースに、うまく発想を引き出す一連のステップが構築されています。これが各種の発想法、とよばれ世の中に存在しているものです。テーマのカテゴリー(ビジネス、技術、人間、社会、生活などなど)によって、あるいは、概要か詳細かのレベル違いで、使いやすい発想法は変わります。どれを使うかを判断するのは発想法に不慣れな人には苦しいと思いますが、上記のような基本が分かれば、判断のさいにだいぶ、材料になると思います。

2007年12月17日

作者の心、編集者の心

タイトルの言葉は、「創造的問題解決」のP13のタイトルです。そのページから以下、引用します。

(引用ここから)

偉大な作家は2つの心を持っている。1つは、作家としての心であり、広い想像と自由な発想のできる反逆者(renegade)としての心である。他は編集者の心であって、作家の心が仕事をなしたあとで振り返り、無関係な価値のない付加語や節やアイデア等を取り去る。(中略)同じ原理がすべての創造的思考に適用できる。アレックス・オズボーン(Alex Osborn)は彼の画期的な本「Applied Imagination」において、創造的であるための本質である2種類の異なった思考を記している。

発散的思考 多くの選択肢を生み出し、リストを作り上げる
収束的思考 選択肢を判断し、焦点づけ、意思決定する

(中略)新しいアイデアを、創造する秘訣は、あなたがとっている思考モードに意識を向け、発散的思考と収束的思考を分離することにある。
 1つの問題にアプローチしたり、挑戦するときには、まず最初にあなたの「作者の心」に入る。あなたの発散的心である。そして、多くの選択肢を生み出す。それが終わった後に、あなたは編集者のクリティカル思考の帽子をかぶり、アイデアの判断をすべきである。

(引用ここまで)


そのページの枠外にこういう挿絵があります。

「創造性エチケットルール
 発散と収束を同時にやることは良くない」

と。

アイデアに関する作業は、時に混沌としていたり、時に全く何も生じてこないときがあったりしますが、実は、効果的にやるための基本的なルール(それは創造性の特性を引き出す為のいくつかのもの)はシンプルながら有効に創造作業を促進します。

私はこの本を手に入れてから、実に何十回も読み返していますが、毎回、理解が深くなる余地があります。読み手のレベルに応じて訴えかけるモノが変わる、というのは、良い本ですね。


参考文献

2007年12月16日

創造的所産には3つの明確な次元がある。

創造的所産。所産、いいかえれば、生み出されたもの、作品・製品。創造的に所産には手に触れられるものとそうでないものがあります。創造的所産には3つの明確な次元が有る、ということを海外の研究者たち(※1)は明らかにしています。


創造的所産がもつ3つの次元

 ●目新しさ
 ●解決
 ●巧緻性と統合

より詳しい内容を見るために、出展文章を引用します。(出展『創造的問題解決』)


三次元

創造的な所産は創造的な努力の結果生まれたものである。触れられるものであろうとなかろう(新しい自動車とか新しい概念)と、それは目新しさ、解決、巧緻性と統合を確実に示している。

 ●目新しさ

「この所産はある方向において独創的にであるか」。目新しさは、新しい概念、過程、あるいは使用されている新しい材料の観点から見た所産の独創的な程度を示している。しかし目新しさは単独では、創造的な所産を保障するものではないことに注意が必要である。自分自身をトースターと考える狂った人は、新しい思考をすることはできたけれども、誰もそれを有益だとは認めない。「目新しさで十分ではないとするなら、創造的所産には他に何が必要なのか」。

 ●解決

「所産は機能するか」。すなわち、「その所産は挑戦問題をどの程度うまく解決しているか」「それは有益か」「それは価値を提供しているか」が必要である。

 ●巧緻性と統合

「この所産は一貫性があるか」。巧緻性と統合とは、1つの所産が異なる要素を1つの全体に統合する程度を示している。その基準として「エレガントであるか」、「理解できるか」「手際がいいか」も必要である。

(引用ここまで)

この3次元はとても、示唆に富むと思います。多くのアイデアフルな人が思いついたアイデアは、「ワイルドなアイデア(未成熟なアイデア)」であり、独創的なアイデアはあるけれども、「どう有益なのか」「既存の要素に入れ込もうとすると矛盾がでる」ということがあります。そこの2つについてもクリアしていくプロセスが、アイデアを”有効なモノ”に高めていくこと、なのではないかと思います。

追記:

創造に関する学問は古くからあります。創造性テスト、というものもあります。(そしてそこには、賛否のわかれる息の長い議論もあります。)

人間の創造性を3要素に分けるなら、
「流暢性」(沢山出せる)、
「柔軟性」(幅広いカテゴリーのものを出せる)、
「独創性」(他に出していないものを出せる)です

です。人間の創作活動の結果つくられるものが「所産」です。その所産が「創造的であるかどうか」をみるのは、一般にはひと任せ、のところがありますが、上にかいたような本質的な指標があります。これは物事が創造的な度合いを考えるときに、役に立つと思います。


資料

2007年12月15日

大人の学習者がもつ6つの特性

生徒が大人だと苦労する。大人向けの講義を行った人の多くにはその思いがあるのではないでしょか。そうでない方も多いとは思いますが。

大人は子供のような”素直に聞く生徒”とは違う存在です。このところ読み込んでいる本『企業内人材育成入門』には興味深い記述があります。

(以下、抜粋・引用します)

オトナのための教育学”アンドラゴジー(Andragogy)”

オトナの学習とは何か。それを心にとめておくのには非常に有益な用語がある。これからは、これを「P-MARGE」と覚えよう。P-MARGEとは左記の通りである。

P…Learners are Practical.(大人の学習者は実利的である)
M…Learner needs Motivation. (大人の学習者は動機を必要とする)
A…Learners are Autonomous.(大人の学習者は自律的である)
R…Learner needs Relevancy.(大人の学習者はリレーヴァンス(関連性)を必要とする)
G…Learners are Goal-oriented.(大人の学習者は目的志向性が高い)
E…Learner has life Experience.(大人の学習者には豊富な人生経験がある)

・・・(中略)・・・

学習のレディネス(学習の準備状態)

(引用ここまで)

とても興味深いのですね。「素直じゃない」と思う前にまず、大人の学習のもつ、6つの特性を考えてみるべきなのかもしれません。良い講師とはこうしたものを自然と考えている様に思います。


(参考文献)
posted by 石井力重 at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2007年12月14日

宮城TRIZ研究会の定例会、全12回、完了しました。

本日、昨年末に計画した宮城TRIZ研究会の「定例会」が全12回、無事完了しました。

来年も動揺に実施する予定ですが、すこしスタイルや時間帯を変えるかもしれません。

今年最後の定例会では、Mi-TRIZの調査事業「県内企業の技術トレンドと、開発・技術課題に関するアンケート」の集計・分析の一部を報告しました。

ごく一部のみの分析ですが、興味深い傾向が見られました。この内容はさらに分析をすすめて、地域や学会などで適切な形で発表したいと思います。

なお、今年最後の定例会には、宮城県内企業のT社の社内USIT研究会(TRIZ研究会)のメンバーの方が参加されました。活動の様子をお互いに紹介しあい、とても勉強になりました。企業内のTRIZ研究会は、はるかに具体性・現実性が高く感心してうかがっておりました。

来年の日程等は、Mi-TRIZのサイトからご報告する予定ですが、もし情報をご希望される方にはメールでもお届けしますのでお気軽にお便りをお送りご連絡下さい。

アドレス
rikie_ishiiあっとまーくyahoo.co.jp
(あっとまーくを@に変えてお送りください。)
posted by 石井力重 at 18:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ

2007年12月13日

亜流の存在は、自他に名称を付与せよ

本流といわれる理論やトレンドがあります。それとは対立する立場を取るグループが現れます。彼らは本流とは違うという意味で「亜流(ありゅう)」と位置づけられます。

亜流の存在が、亜流を超えるには、かなり大きな存在感を持ち始めないといけないわけですが、その間、ずっと「亜流の存在」と命名され、認識されることは、弱者の戦略としては、好ましくありません。

そこで、本流に名称をつけます。仮にA。
亜流側のグループは自らの立場にも名称をつけます。仮にB。

このときAとBには、主と副というイメージをつけずに、対等な2つの立場がある。というテイストを醸すことが重要です。

名称をつける、ということは、時に力となり、時に社会の流れに板を差し込んで、支流に大きな流れを呼び込むことになります。
posted by 石井力重 at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2007年12月12日

こんな知的道具が欲しい「アイデア会議マネージ」

珍しく社内の他部門の会議に参加していて、思ったことがあります。他の参加者と話していて、アイデア会議には潜在ニーズがあることを気がつきました。

それは、「アイデア会議マネージャ」という”装置”がほしい、ということでした。

議論をつぶさに考え、アイデアや懸念事項をつぶさに出していくとだんだん、全体として何をするべきか分からなくなるときがあります。いろいろ議論したのに、なんとなく印象に残ったモノが記憶にとどまるだけに終わる、といったことも。

そこで、ほしいなぁ、と他の方が感じていたのは、「アイデア会議にプロセス(具体ステップ)を掲示して、メンバーに指示を出して、ステップをどんどん引っ張って言ってくれるような、そんなアイデア会議のマネージャー装置がほしい」と。

そして、アイデアをなんとなく発言すると、それを取り込んで、成型してするべきタスクに再構成して切り分け、今日の分の具体的なタスクを最後に渡してくれる、そんな装置、が理想です、と。

それのイメージを可視化してみました。


idea_kaigi_manager.jpg




・・・。


ドラえもんが必要です・・・。



追記

2007年12月11日

air way, track way

飛行機で地形の上を俯瞰しながら飛ぶのと、実際に地上を走るトラックで木や道を見ながら走るのでは随分違います。

当たり前のことですが、途中までトラックでいってそこから急にトラックが飛び立つことは出来ない。トラックで走り始めたならば、そこを走りきって、開けたところなどに行かないと、飛行機に乗り換えられない。

会議、というものも、"air way"と"track way"があります。全体を俯瞰した議論の粒度で話しているのはザラッとできる。しかし、トラックにのって、個別の議論を始めると、その議論項目が終わるまでは進めないといけない。いつの間にか、俯瞰的な記憶も薄れて、方向に迷います。小路に迷い込んでしまうと、air wayの議論は一時的に役に立たなくなります。

しかし、会議は、突然、トラックをやめて、飛行機に乗り換えてしまいます。話は総論に。

俯瞰的な大枠議論をおえて、詳細・個別の話が必要なのでやりはじめたのに、途中で小路に迷って、また、総論・大枠的な議論に戻る。そして、言います。

「いや、なかなか、簡単にはいきませんね。」

こうして、個別の議論というものは、先送りになります。

実際の話、小路に迷っているような場合、あるいは、アップダウンの難所をいくようなtrack wayの場合、俯瞰的なMAPは役に立ちません。俯瞰的に見たときに見えた情報の粒度は、個別事例の特異性をなんら含んでいないことも多いからです。

では、小道に入ったらどうするか?

詳細MAPを持っておく。
小路を乗り切るためのツールセットを持っておく。
このどちらかです。

俯瞰的ツールは役に立つ場合と役に立たない場合があります。小路を行く時は、使うべきツールが違う、ということですね。

小路を抜けて広いところに言ったら、つまり議論の議題にくぎりがついたが、飛行機にのって俯瞰的な議論をしてもいいと思います。


小道に入って、議論を急に飛行機に乗り換えたらば、議論はいつまでも「具体的に考えると、結構難しいね。」となって総論にもどってしまいます。そして堂々巡り。

目の前の小路、多少時間がかかっても乗り越えませんか?

そう、自分自身に問いかけてみたいと思います、時々は。
posted by 石井力重 at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究活動/検討メモ&資料

2007年12月10日

ブレスターが、地元の経済誌の記事になりました。

ブレスターが地元経済誌「東北経済」の記事になりました。

tohokukeizai.jpg

フルページの大きな記事にしていただいて、説明も、ブレスターのような「説明のしにくいアイテム」を端的に表現してもらっています。早速知り合いの社長さんから、お問い合わせがあったと、一馬さん(デュナミス・社長)からコメントが。

表紙のトップに記事タイトルが書かれた大きな扱いだったので、地元経済界に露出度も大きかったのかもしれません。

創造的な活動をする人や組織が次々と生まれてくる地域をつくりたい、という思いがあってのブレスターです。地元で喜んでもらえるような商品になれば、幸いです。

tohokukeizai_idea.jpg

2007年12月09日

発散過程と収束過程があるプロセス。

MOT(マネージメント・オブ・テクノロジー:技術経営)には、新事業創造のマネジメントという側面と、研究開発マネジメントという側面があります。

研究開発マネジメント、というと、MBAや文系出身の経営者には、ひとくくりに考えがちな対象ですが、実は、研究マネジメントと開発マネジメントは、大きくマネジメントの性質が異なります。

研究フェーズは、いわば、発散プロセスです。
開発フェーズは、いわば、収束プロセスです。


hassan_and_shusoku.jpg


発散する「研究フェーズ」では、ある種のコア技術や既存の蓄積を元に、多様な可能性をつむぎ出します。多面的な研究テーマが生じて、分化して発展。副産物としての研究テーマの登場もうけとめていく。可能性があれば、研究の方向性が拡がることも、受け入れる。

予算があるので、無制限には出来ないけれど、大まかな方向性に大外れでない限りは、多様性の中に見つけうる「当り」をもとめて、寛容にマネジメントします。

収束する「開発フェーズ」では、製品化という目標に向けて、一気に絞り込んでいきます。ステージゲートモデルなどでいえば、ある一定期間に一定の予算、一定の成果品質を出していかなければ、そのテーマは刈り込まれることになります。基本的には、目標テーマへのたたみこみが、大前提。プロジェクト同士を融合させたり、ドライにKillすることもあります。

目標に絞り込むフェーズは、かなりシビアなマネジメントです。”実際の商品にする”というゴールに向けて、あいまいなままの存在では、商品化しようがありません。「具体化」するために走り続け、そぎ続けます。

この発散と収束のプロセス。
多くの社会現象に、見られます。

たとえば、アイデア出しとその後のアイデアの収束作業。そもそも、アイデア出しのプロセスは、R&Dのプロセスと基本的には一致するものなのかもしれませんね。

取材、という作業もこれに似ています。沢山の情報のユニットを集めていって、最終的な報告や論文は、それらの中から本当に切り詰めた本質部分で、完成文として表現されます。

営業戦略を立案しよう、というときもそうですね。拡げてから絞る。

発散と収束、という本質的な構造がもたらすものを自然と使っていますが、そのプロセスを科学する、ということはまだまだ充分でないように感じます。MOTの分野が一番その点について「学問の光」を当てているように感じます。

アイデア出しの分野では、ブレインストーミングの4つのルールなどが、発散マネジメントのよいツールになっていると思います。一方で、効果的に収束させることについても、望む声が少なくありません。
posted by 石井力重 at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2007年12月08日

コンテンツとプロセス。知の二大要素。

プロセス。

これはなんだかよくわからないもの、ですね。日本のビジネス社会では。プロセスとは”一定の目的にたどり着くための手順をならべたもの”などをさします。

医薬品の製造のプロセス、といえば、いろんなケミカルな処理を次々としていって、最終的にタブレットや顆粒上の薬品ができるまで。いわゆる工場見学で目にする一連の工程。

コンテンツは、具体的に知識のなかみ。目次、を”コンテンツ”とも言いますし、アニメなどの映像をコンテンツ、とも言います。具体的になに、という部分です。

知と言うものを、大きく分けると、コンテンツとプロセス、に変われます。日本人はコンテンツを対象に価値を見出し共有することは普通に出来ますが、プロセスについては、価値を見出しにくい傾向があると思います。

プロセス≒どうやるのか。
コンテンツ≒何をやるのか。

プロセス≒How
コンテンツ≒What

プロセス≒手順
コンテンツ≒具体 とも。

この2要素は、バランスして存在して初めて、提供価値になっています。

会議では、何を議論するかは注目されても、どう議論するかはあまり注目されません。その辺については、会議の科学、とでもいうべきものが最近はよく増えました。いかに会議するか。を改善するべきノウハウ。

さて、プロセスが具体でない、ふわふわしたもののようで、扱いにくいわけですが、それらを可視化して、「モノ」にしている事例があります。例えば、「○○分析シート」のようなものは、一定の考える手順をシートにしたものです。ワークブック、の類はすべからく、”プロセス”をものにしたもの。

ここからが、螺旋(らせん)に入るところです。

ワークブックや○○分析シートにおいては、そこに書かれているプロセスは、そのツール(あるいは商品)の「コンテンツ」である、ということです。

プロセスは、熟度があがるとコンテンツになります。プロセスそのものを伝えるコンテンツに。

整理できていませんが、関係するある言葉があります。「記号を付与することで、論理学は発達する。」(※1)

(※1)これは、大学時代に数学科にいたときに、先生がおっしゃった言葉です。ある演算の塊を、一つの記号として定義し、その記号が持つ特性を明らかにする。すると、記号同士の演算という作業が登場します。毎回毎回ある種の高等演算を必要としてた数式変換が、あるしゅの記号化によって、初等数学で演算できる、といったこともあります。

プロセス、という扱いにくいふわふわしたものも、ある種のシートやブック、カード、アイテムなどに押し込むことができると、扱いやすいコンテンツに。そしてそのコンテンツをぐいぐいと使っていくことで、新しい知が得られます。発見される知のリスト、これはいわばコンテンツ。

そのコンテンツが充分に溜まってくると、代数的な扱いが生まれます。つまり、コンテンツが何であっても、成り立つ作業手順、知的な作業手順。それは複数のコンテンツに対応した「やり方」です。

これは、新しいプロセス、ですね。

螺旋、と表現したのは、コンテンツ←→プロセス、というのはお互いに、誕生をさせあう関係にある、という意味で、です。


なお、暗黙知と形式知の発展プロセスにも関係する話題があります。

ある種の暗黙知があります。たとえば、職人さんのかんなで曲線を創り出す技能。これがきちんと人に伝えられる言葉や数字と伴い始めると、伝達可能な知に変わります。いわば「形式知」。

この形式知が登場すると、それらの技術をつかってその上に更に高度な技が発展します。それらは、次第に新しい暗黙知を醸成していきます。

暗黙知が、形式知をうむ。
形式知が、新しい暗黙地を生む。

この螺旋階段が、技術発展の歴史、であると。



以上、まだまだ整理できていませんが、知の二大要素である「コンテンツ」と「プロセス」。

具現化(プロセスのモノ化⇒コンテンツ誕生)と
代数化(複数のコンテンツの作業の共通部分の記号化⇒プロセス誕生)

この両輪があることを意識してみると、知の時代である現代の仕事というものが、よく分かるような気がします。

(一般に、プロセスの部分は、光が当たっていないので、コンテンツが次世代にジャンプするように誕生するように見える。実は光のあたっていない部分がある螺旋階段である。そこにも目を向けると見える構造がある。)



本エントリーを書くきっかけになったもの
posted by 石井力重 at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究活動/検討メモ&資料

2007年12月07日

I2Cカード

私と顧客、のつながりを可視化するカードツールを試作中です。

I2C_card.jpg

次のようなキーワードに関係するTHINKツールを開発中です。

Key Word 戦略、MAP、図解、顧客とのつながり、顧客の顧客、戦略を地形図に置き換える、仮説検証ピース、仮説を立てる代わりに仮説を選択する、組み立てることで仮説が肯定されるか否定されるかの結果が出る、思考の可視化、分析過程の最終物が説明図になる

2007年12月06日

TRIZ Principles for Information Technologies

IT分野のTRIZが登場しつつあります。

"TRIZ Principles for Information Technologies"
(『IT技術のためのTRIZ発明原理』)、
Umakant Mishra 著 (インド) 、
Technical Innovation Center, ドラフト版、2007年4月


詳しい情報は、TRIZの第一人者、中川先生(大阪学院大学 教授)のTRIZホームページにあります。

そこから一部を引用します。

[中川の所感]: 私はちょうど1年前にこの本の最初の3章を読む機会があったが、
このTRIZCON2007 で初めてその全体を目にした。
IT/ソフトウェア分野にマッチするように、TRIZの発明原理を
説明、適応、拡張、変更している著者のやり方は、非常にすばらしいと思う。
この本を読めば、あなたがIT分野でよく知っているさまざまな技術革新や改良が、
TRIZの発明原理でうまく説明できることを、分かるだろう。

(引用ここまで)

中川先生の言葉から、このIT版TRIZの著書が良い出来であることがうかがえます。私もシンポジウムの席などで、ざっと拝見したのですが、システムやソフトウエアなど、システム開発のプロマネ、統括的な立場のSEにとって、とても貴重な「ITシステムの開発の技術的ブレークスルーのパターン集」になると思いました。あるいは、実際に現場で打ち合わせをするような、日々の仕事でシステムデザインを直していくような実践的SEにとって、「どうすればクライアントのこの要求をシステムに取り込めるかな」とアイデアを出す段階で効果的になる書籍だと思いました。

(メカニカルの分野で、開発の工夫を発想するために、オーソドックスなTRIZを活用することと似ています。)


また、中川先生はこうも、続けています。以下引用します。

日本でわれわれは、本書を日本語に翻訳し、
出版したい (適当な出版社から出版してもらう) という計画をもっている。
私は著者とメールをやりとりしてきて、本書を
(著者のもともとの意図である) (小さな) TRIZ市場にではなく、
ずっと大きなIT分野向けに出版することを薦めてきた。

(引用ここまで)

日本語への翻訳に取り組んでおり、チーム作り、有望な出版元の探索など、中川先生をして東奔西走せしめるだけのチャレンジ課題のようです。ぜひ、TRIZ分野にとどまらず、日本の多くのSEが、世界的に秀でたレベルの知を簡単に活用できるよう、優れた翻訳本を出版されることを切望しております。

IT版の発明原理で優れたアイデア出しを短時間でできるようになれば、既存のパターンには当てはめられないごくわずかのイノベーティブな問題に、「考える時間を集中投下」できるようになると思います。

すこし、区切って表現するならこうなるのかな、というものを以下、述べます。

■レベル1の課題■
IT版TRIZをつかわなくても、簡単に解ける課題
 ↓
手法を使わないで、すぐ、解決する。

■レベル2の課題■
なかなか解けずに、試行錯誤や他の開発事例を沢山見てヒントをもらってようやく解法が見出せる課題
 ↓
IT版TRIZを使って、効率的に、解決する。

■レベル3の課題■
どうやっても、既存の事例などがヒントに出来ない・大変チャレンジングなトップレベルの課題
 ↓
IT版TRIZを使って、解ける部分を効率的に解き進める。
TRIZですら範疇に含めることの出来ない、「トップ1%の課題を考えることに、たっぷりと時間を使う。

IT分野のエンジニアの方に、簡単にこの知識セットを説明するならば、こういうツールだ、と表現するべきものなのかも知れません。


なお、中川先生のページに、このミシュラ氏のサイトへのリンクがあります。この本の出版、期待して待ちたいですね。
posted by 石井力重 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ

2007年12月05日

創造には、ストレスの少ない状況を。

創造学会で、ある先生がおっしゃったのですが「ストレスがある状況や心配事が気になっている状況では、アイデアは出にくい」ということだそうです。

発想の本質は「既存の要素の新しい組み合わせ」あるいは「強制連結」であり、頭の中の情報要素同士の新しい掛け算作業。心配事のような関心レベルの高いことが頭の中に常駐しているとなかなかうまくその発想のための思考作業が進みません。一時的にそれを忘れるような状況を作ることが必要です。たとえば、紙に書き出してそのことを頭から追い払う。たとえば、いつもの机を離れてカフェのテーブルなど、新鮮な環境に身を移す。

ストレスがたまっているな、とおもったら、あるいは、ここではストレスが多すぎるのでアイデアが出ないな、とおもったら、さっと、別の場所にいくなどの工夫をするのがいいでしょう。

ごくごく平易なことではありますが、とても重要で基礎的なことです。
posted by 石井力重 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 事業活動/アイデアの技法

2007年12月04日

知を楽しい簡単な道具にする。

カードゲームでブレスターを開発したわけですが、私個人で言えば、大学院では、量子力学に関する理論を研究していた時代には、「(ナノオーダーの)自然現象」をモデル化する知的作業をしていました。社会人院生時代には、MOTという経営学の一種を研究していて、「(ベンチャー企業創出という)社会現象」をモデル化する知的作業をしていました。

これらは、道具を作る仕事なんだ、とおもうのです。

自然・社会を学ぶシンプルなオモチャが出来上がれば、それをいじくり回し、新しい気付き〜発見〜を見出すことが出来る。人間・組織を学ぶシンプルなオモチャができれば、仮想社会の中で、新しい気付き〜仮想体験〜を得ることが出来る。

高度な知を、噛み砕いてごく初期段階の学習者に、楽しく学ぶアイテムを作る、というのは、私の専門能力だと、感じています。

かつて、ハイテク商社にいて、営業をしていたのですが、メーカの技術的台詞を、お客さんの視点に噛み砕いて、伝えたり、補足したりしていました。この経験も今の私に専門能力を与えてくれたと思います。

使命、というものがもし人間にあるならば、「社会が求め、その人にしか出来ないこと」と言い換えられると思います。私の使命は、いくつかあります。知を楽しく簡単な道具にする仕事。これも、一つなのかな、と思います。

2007年12月03日

非常にエキサイティングな産学官連携の開発ミーティング。

12月3日。今日は記念すべき日だったかもしれません。

ある産学官連携の開発ミーティングが長い時間に渡って行われました。去年のメンバーに加えて、今年は大学人として外国の方もメンバーに加わって、ぐっと新しい可能性が拓けてきました。

既存のツールを、テストプレイして体験し発見を得ていきます。そしてその合間に、感想を述べ合って、ディスカッションの材料をつむぎだしていきます。

私からも、簡単な提案をしました。まとまるレベルではなく、発散的な”提案のカケラ”といった方が適切かもしれない話でしたが。

途中から、デュナミス社長の一馬さんも飛び入り参加。プロジェクトの可能性の大きさに、部屋の熱もぐぐっとあがります。

ITに関する新しい可能性が発見されたことが特筆されます。この第二期開発。私が秋口に予想していたのとは、かなり違ったスピード感でチームが始動した感があります。次の春、何が世の中に提供できるのか、予測できない期待感が(当事者ながら)あります。

2007年12月02日

困ることを増やす要素をリストアップしていくと自然とアイデアが出る。

アイデアの技法、それも技術系の課題につよいアイデアの技法として、TRIZの一部の手法をご紹介します。(補足:それは技術的なものだけではなく、ビジネスの課題、組織運営の課題などでも、同様の思考方法が有効に使えます。)



zokusei_bunseki.jpg


この方法は、一見、シンプルな方法です。右肩上がりのグラフ、右肩下がりのグラフを書いて、その図にマッチする属性を挙げていく。そんな方法です。

しかし、実際にやってみると、この方法は非常に、アイデアを生むことを実感する方法。


方法はこうです。

問題を解決と、アイデアを出そうとしています。

1.まず、その対象(モノやシステムや環境)のうち、増えれば増えるほど、問題を悪化させるもの(左の図の関係の要素)を列挙します。

2.逆に、問題を抑制するもの(改善するもの)を列挙します。

3.問題を増やしも減らしもしない属性は対象外。

こうすると、増大関係のリストができます。減少関係のリストが出来ます。ここまでやると、かなりアイデアが沸いてきます。つまり「○○な属性が問題を悪化させるなら、極力これを小さくするような改良をしてみればいいんだ。」ということになり、それが発想のトリガーリストになります。

アイデア出しにどうしても困ったら、「属性分析」を行ってみると意外とアイデアが大量に出せたりします。是非お試し下さい。

出展
posted by 石井力重 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 事業活動/アイデアの技法

2007年12月01日

明日の課題に、即効力となる使い方 〜TRIZ活用方法〜

TRIZの発明原理。面白いものだけれども、なかなか実際に使ってみようとするとどうしていいかわからない。そんな声にお答えして、TRIZ研究会では、簡単に発明原理をつかってみる5ステップを初心者の方に紹介しています。そのスライドを掲載します。


how_to_use_TRIZ.jpg
(クリックするとPDF資料を閲覧できます。)


※発明原理の使い方、第2〜4ステップのあたりは、口頭での説明が伴ってはじめて分かるような資料です。見ても分かりににくいかもしれません。不明点はいつでも気軽におたずね下さい。
posted by 石井力重 at 06:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会活動/TRIZ
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