2009年08月23日

概念をタンジブルなモノにしてみよう。

概念とは何でしょう。

例えば子供に「がいねんってなに」といわれたら、”ほら、これが概念だよ”と手にとって見せることはできません。

辞書には、こうあります。


がいねん 【概念】
(1)ある事物の概括的な意味内容。
(2)事物が思考によって捉えられたり表現される時の思考内容や表象、またその言語表現(名辞)の意味内容。
(ア)形式論理学では、個々の事物の抽象によって把握される一般的性質を指し、内包(意味内容)と外延(事物の集合)から構成される。
(イ)経験論・心理学では、経験されたさまざまな観念内容を抽象化して概括する表象。
(ウ)合理論・観念論では、人間の経験から独立した概念(先天的概念・イデアなど)の存在を認め、これによって初めて個別的経験も成り立つとする。

三省堂提供「大辞林 第二版」より抜粋・一部加工


つまり、具体的なモノをいくつもみていって、個体の違いはあったとしても、共通する一般的な性質、を概念、と呼ぶようです。犬という概念は、犬にはいろんな犬種も大きさもあるけれど、それらは犬特有の一定の共通点があります。これくらいはまだいいですが、もっと複雑な概念、自分にとってなじみのない概念に、生きているといっぱい出会います。特に「なじみのない複雑な操作や処理」などは習い始めるまでは、頭の中の認知が四苦八苦しているのを感じます。これらについては、たぶん、許容できる既存の概念要素(小さくシンプルな概念)を組み合わせて、それらを再現して繰り返し考えることでそれらに習熟し、次第にそれを一つの概念要素として、受け取りハンドリングできるようになるのだと思います。

さて、複雑な概念をつかってさらに知的な作業をするときには、それをタンジブルなモノにしてみよう、という一つのヒントがあります。一番お勧めなのは、名刺カードに、その概念を”乗せる”ことです。

人間の頭はどうやら「覚え、保持する」と「考え、作る」の2つが一つの能力領域をシェアしているようです。覚えておかないといけないことが多いと、それだけ「考え、作る」ことを少ない能力で行わないといけなくなります。

発想の仕事をしていると、発想に役立つ新しい概念を得た学習者が、一時むしろ発想量が落ち込むように見て感じます。ブレインストーミングやTRIZのように、十分に使える人には有効だけれども、初心者には正確に実施するのが難しい方法があります。それでも懲りずにずっと使っていると次第に習熟し概念要素化して、頭がゆっくりできます。発想が効果的に広がるようになります。

このように時間がかかるのが我慢できなくて、難しいと脱落してしまう人が多いです。新しい学習をするときに、「効果を発揮するまでに訓練が必要だ」というセリフをよく聞きますが、それは、一部にはこういうことがあると思います。

そこで提案、なのですが、自分にとっての新しい概念をつかった知的作業を行うときには、思考力の高負荷となる「新しい概念」をタンジブル(手にとってぐりぐり動かせる)モノにしてみよう、ということです。

かならずなんにでも効くとは限りません。しかし発想法などの分野で、「慣れるまで逆に出せなくなる」ことが感じられた場合などには、この提案はとても相性がいいと思います。

ある種の概念ごとに、ファイルを3分類する、という場合、その概念が自分になじみのないものだと、だんだん、振り分ける資料の理解が頭に残って分類のかなめとなる概念を間違って復唱してしまうことがあります。(5個くらいでは起きませんが、30個40個と分類していると、次第に振り分け基準となる概念が、読み込んだ資料に汚染される経験、ありますよね。)

そういうときには、ファイルの表に、3分類の概念をラベルに端的に表現しておく、それだけで格段に、やりやすさが変わります。それまでは、概念上一番アレなのは赤いフォルダに入れて、えーと…、とやっていたが、一気に資料の読み込みに集中できます。作業は正確で速くなります。PCでいうシングルタスク化した感じ。

私はカードツールを作ることが多いのですが、それも非常に効果的です。あとはレシートの分類のときに、8つの大判のシートを作って、8つの島に投げ込んでいきます。これも早いですね。直感的に作業ができると速くなります。

法則、といえるものはまだないのですが、概念をタンジブルなものにする、というのは重要な一つのヒントになりそうです。
posted by 石井力重 at 13:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2009年08月22日

どれほど多くのものを、参加してくださる方に、渡せるだろうか

2009年8月22日。本日で36歳になりました。

石井力重_アイデア創出の技術

昨日の仕事中の一コマです。老舗の某メーカ企業さんの中で行った講義「アイデア創出の技術」をしている時の私です。
(参加者の方の肖像権に配慮して、すこし画像処理をしています)

このときの感想は、機会があれば、お客さんからいただければ、
差し支えない範囲で報告したいと思います。


いま、このブログを書いている場所は、
名古屋の東急ホテルの14階です。
エグゼクティブフロアー、といって
フロアーの入り口にセキュリティーのあるようなところです。

クライアントさんが用意してくださったのですが
今の私には、過ぎたる破格の待遇です。(ありがとうございます)

講義や創造工学ワークショップの仕事で、
私は全国を行きますが、非常に牧歌的な所に行った時は
一泊3000円もしない所に泊まることもあります。
セキュリティーどころか、鍵も怪しい、そんな宿も。
私の身の丈に合った宿はどちらかというと、
そういうところかな、とも。


全国で、いろんな人と出会います。

多くの人とは、人生においてたった1日だけしか接することが
できないわけで、私はその2時間なり一日で
「どれほど多くのものを、参加してくださる方に、渡せるだろうか」
と自分に問うています。

『伝えたい思いがある。』
という強い情念がなくなったら、
こういう仕事はできないと思うんです。

36歳の自分が未来の自分へ伝えたい今、とは、
そういう気持ちで仕事をしているよ、ということです。

毎年、誕生日は内省的なことや未来の自分へのメッセージを
書きますが、次の一年はどうでしょうね。

37歳の自分は、一年前の自分をどう感じるのか、分かりませんが、
願わくば、志しを極めて社会を豊かにする生き方をしていてほしい、と思います。

ちなみに「志しを極めて社会を豊かにする生き方」と書きましたが、
これが「私の考える”しごと”(志・極・豊)」であり、
「私なりのノーブレス・オブリージュ(プロは社会的であれ)」
だと思っています。



37歳の自分へ

「お客さんへの圧倒的な愛が、製品のフォルムに宿る」
そんな仕事を出来ていますか?




過去の8月22日の記事(2006,2007,2008,2009)
http://ishiirikie.jpn.org/category/792940-1.html
posted by 石井力重 at 06:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 8月22日

2009年08月21日

未来に明るいものがあると想起させること

tomato.jpg

娘たちが育てたプチトマトが絶妙なグラデーションになっていました。自然が作り出した美しい瞬間だなぁとおもいます。


それはさておき、経済のお話です。

景気の見通しは、私はこう見ています。

政府による資金投入による回復の気配が見られる日本経済は、その政策の尽きる2010年半ばで、浮揚力をうしない、それまでに回復ムードの見られなかった多くの産業分野では、経済構造の破壊が起こるでしょう。その未来像は気がめいるような姿をしているとおもいます。

しかし、明るい材料としては、日本は人口減少社会ですが、世界的には数十年のスパンで、人口が増えます。日本の経済の力が規模で勝負はできなくなる一方で、北欧型の「濃い」経済力が芽生えるでしょう。そうなれない産業分野は存続しにくくなる。危機感が変革のトリガーであるというのは、日本の経済の歴史に見られるパターンです。安心して、ということはできませんが、かなりの確率で日本人の知性は、産業と技術を変革することで、新しい経済構造に適応するとおもいます。ただ、その過程は、破壊が頻繁に起こり社会に深刻なムードを蔓延させる、とは思います。

そんな中で、どういう活路をみいだすか。

どんなに経済がシュリンクしても決して、消えてなくなるわけじゃありません。一億人以上の人口がいて、毎日ご飯を食べます。一定の水準の生活をするので、人がいるだけで消費していくわけで、一国の人口としてはかなり多いこの国のなかで、経済活動が消えてなくなる、ということは決してない。ただ、「じゃあ、食産業だね」というすとんとした考え方では、どうも不十分そうです。

社会的非効率がなおされた時に、動労のあり方がかわり、その中で生まれてくる新しい産業や事業のあり方にヒントがありそうです。

生産人口(15−65歳)を生産力としていると、社会が保てません。かといって、体力面でむりもできないし、確実な価値提供のあり方を強いることもできない。しかし、そういう層がなおももつ、知的な能力や労働資源があります。グリッドコンピューターのように、あいている時間で空いている時に、その分の演算力で貢献するし、貢献できない時間帯は、おちてしまってかまわない。全体として大きな演算力を持つ、そういうグリッドのような社会的な価値提供の仕方が、日本の社会にめばえてきて、「今日は今から2時間、労働するか」ということが許されるような、社会になると思います。その時には、今のビジネスシーンとは非常に違う様子が見えると思います。

もちろん、メーカのように、一定規模を超えて生産することで、良質なものをリーズブルにできる部分も必要です。その意味では、きっと「大企業」というものもなくならないはずです。

ただし、ロボットによる単純作業〜複雑作業が、作業を行い、人間はより「考える」部分や「感性で紡ぎ出す」部分に、労働力を絞りこんでいくのだろうと思います。

コンテンツ産業としての日本の力をみると、とても高いといわれていますが、それはある部分事実だと思います。アニメーションの制作やその感性価値的な資質は、非常に大きいですし。

考える、とか、感性で(たとえば、なにかエモーショナルな部分に訴える)ストーリーとかセリフとか絵とか造形とか、という部分を、出勤しないで、自宅で空いた時間に、人々が知的資源で貢献する・できるようなそういう労働の仕組みができたらたとえば、働きには出れない人が、あいた時間でその分の生産活動をする、という形でしょうか。

総体としては、生産人口の減る中で、生産に資する資源提供の量は増えるもしくは、現状維持、というぐらいのことが起こるのではないかと思っています。

たとえば、本当に未成熟なアイデアですが、あいている時間に、ふと思いついたメロディーをiPhoneのようなコミュニケーション端末に吹き込み、それを「労働サーバ」にアップする。それが感性的にすてきな旋律を含んでいれば、知の対価がくる。

労働サーバは、それを編集する役割の人や、聞いて「素敵!」と判断する役割の人を常時募集していて、あいた時間にログインして、感性的な判断をする、という行為を、そこにログインした100人などがすることで、次々と、音楽が社会からうまれていく、その音楽は、日本のコンテンツ産業が次々と、感性価値的な部分を生み出す際の素材となる。

もちろん、それだけじゃ全人口の食いぶちは稼げないので、そういう「非フルコミット」な働き方を、大量にうけとって、何か知性上のアウトプットをする構造が、様々に必要でしょう。

いまの産業構造の道の上には、直視すると、気がめいるような姿が見えるわけですが、それとは違うエリアが生まれてきて、それはそれで、縮小しつつも、人々がくらすようになるだけの産業をきづいていくのでしょう。

それから、たぶん、核家族化の非効率性が、社会的に限界に達していき、次第に、最適サイズのコミュニティー家族モデルがうまれてくるんだとおもいます。

大きめの家の中に、パブリックスペースと、プライベートスペースがあって、夕食はそのパブリックでたべて、食材の大量購入や家事の順番性による効率の向上(2人分の食事をつくるより8人分作る方が、材料やガス代も安い)や、たとえば子供の面倒をみてもらうのに、高い預かり所にお願いする代わりに、同居人に突発の場合は面倒をみてもらう(それは、それで、換金できない価値通過としてやりとり)ということが、収集の少なくなった社会でも、生活を一定水準に保つスタイルなのではないかと。

多分、1〜3人というサイズは、効率が悪く、また30人とか50人という人数は、管理コストが発生して、管理のための非生産的なものがでますので、その中間である6,7人〜12人、多くても20人以下の人数集団が最適なのではないかと思います。

また、血縁者間の確執が懸念されるならば、「契約」で、コミュニティーになるタイプの家族もあるかもしれません。かなりの紳士さを必要とするタイプの構成になるでしょうけれど、一定の成果はあるかもしれません。


この社会の未来にも生活はきっと成り立つおもうんです。

未来に明るいものがあると想起させること、それが大人の使命であり、学生や子供たちにその姿勢と考える材料を提供していくことが、重要ではないかと、考えています。

(このエントリーは一切の書き直しなしに書いてみました。まとまらないし、裏付けもないような仮説も多い考えですが、そういうものでも発信することには、一定の価値があると考えて、えいっとかいてみました)
posted by 石井力重 at 02:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

IdeaPod、app-storeの総合50位入り

8月20日、智慧カードのiPhoneアプリ「IdeaPod」が、
本日のiPhoneアプリの総合50位に入りました。

http://app-store.org/jp/?p=47977

48位です。
(ちなみに、その次の49位にはファン待望の「iMandalArt」が!)

なお、カテゴリーランキングで1位です。(教育のカテゴリー)

カヤックさんのすごさは
留学(面白法人留学)してみて肌で感じたのですが、
改めて、ポテンシャルを感じたのでした。

カヤックの瀬尾さんとは、気軽にメールを送ったりして
雑談というかブレストというか、そんな発散思考の断片を
やりとりする(勝手に私が送りつけている)間柄ですが、
本当にいい人に出会ったんだなぁと、思います。

(今日は、創造工学ワークショップの準備で名古屋に
 来ています。仙台を18時頃でて、名古屋のホテルに着いたのは
 23時頃。ホテルにチェックインして瀬尾さんからのメールを
 みて、その50位入りを知りました。
 おお!と1人ホテルで呟いていました。)

追記

と、書いているうちに瀬尾さんからお返事メールが来ていました。

アイデアプラントの製品開発・販売の考え方は「短期的なピークと早期回収(そして、ブーム的な販売パターンによる商品寿命の消耗)」ではなく、できれば、小規模でもいいから「その筋ではずいぶんと昔から売れている定番商品」になりたいとおもっています。瀬尾さんからも息の長い商品になればいいですね、とあって、そうですねーと、思いました。

すごくうっすらとでもいいから、後年、ある種の文化をつくった人たちだった、と言われたら最高ですね。社会が豊かになるような道具を、地道に作り続けていきたい。そう思うのでした。



追記2:

2009年8月22日の時点でも50位圏内でした。
http://app-store.org/jp/?p=48220
41位ですね。
posted by 石井力重 at 00:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | ideaplant 作品

2009年08月19日

伝えたい思いがある。それを大事に。

講演をする人には「伝えたい思いがある。」それが大事なんだと思います。

話すコトバにのって相手に届くのは、テキスト情報だけじゃなく、
情熱とか、テイストとか、ふんわりしたものの中に見出す芯とか、
そんな「肉声」にしかないものがある、とおもいます。

情報とともに、情熱を届けられる講演・講義を望むならば
「伝えたい思いがある」
そういう心の声に向き合って、
自然に紡ぎ出される知と感性的なものを
素直に見つめて、それを聞いてくださる人に届ければよい、と
思うんです。

もちろん、周到な準備や訓練も大切にしながら。


伝えたいという強い思いがない人の講演には、
オーディエンスも「その時間を楽しむ」レベルには
限界がある。そう思うんです。

聞いてくれる方を起点にして、講演内容をデザインする。
しかし、それだけじゃ、不十分なんです。
その土俵の上で、さらに「相手にどうしてもこれだけは届けたい」
そういう強い情熱がなければ、と。

(これは、私見です。石井哲学の一つ、と思ってもらえたら幸いです)



もう一つ、石井哲学について。

教育において大切にしたい事は「はじめに本物を与える
ということだと信じています。

私はブレインストーミングのプロセスや構造を研究している立場から
よくブレインストーミングの講義を行うことがあります。
多くの人にとって「ブレストを座学で習う」のは初めてなのが
実情です。
彼らが初めて「学ぶ」ブレインストーミングは
僕が提供するものである、とするならば、
それは「本物」とよべるクオリティーでなければならない、
そう自分自身に言い聞かせています。

はじめに本物を与える。

そういう気迫で、教育(あるいは講師)、という仕事をしています。



そして、さらにもう一つ、石井哲学を。
(毎年、誕生日のころは、内省的な文章が出てくる傾向があるようです)


お客さんへの圧倒的な愛情がその製品のフォルムに宿る。
そういう仕事をしたい、といつも切望しています。

聞いてくださる方が、僕の子供だったとしたら、
彼ら・彼女らに、少しでもクオリティーの高い知識を
あるいは、少しでもクオリティーの高い製品を
届けたいですよね。

お客さんへの圧倒的な愛があり
それが製品のフォルムや講演のクオリティーに宿る、
そういう仕事を、今日も明日も、明後日も、
力いっぱいしたいと思っています。
posted by 石井力重 at 19:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

2009年08月17日

今日のカヤックさんのトップページに

大変光栄なことに、KAYACさんの本日のトップページ
http://www.kayac.com/
(あるいは、http://www.kayac.com/top/20090817/ )
に私石井の名前が。


kayac_ideaplant_ideapod.jpg

カヤックさんと作ったIdeaPodの紹介コメントも、ぜひご覧ください。発想が好きな人にはきっと喜んでもらえると思います。ちなみに、このIdeaPod、某メーカさんのデザイン部の方からも、なかなかよい、とおほめいただきました!ありがとうございます。励みにして、頑張ります。皆さん、ぜひお使いになられたら、ご感想・ご要望などお聞かせ下さいませ。

2009年08月15日

興味深いマッキンゼーのリスト

世の中には、発想を引き出す優れたフレーズ(発想トリガー)がいくつかあります。

それらは、各専門分野では、発想トリガーという名前は付いていないものの、優れた発想を引き出すリストとして、古くからその存在が知られています。

最近、創造工学の研究中に読んでいて出会った文献に「発想トリガー・リスト」としての効果のあるリストがありました。


「製品開発をめぐる21の質問」(ハーバード・ビジネス・レビュー2008年8月、P59)という以下のリストは、他の発想トリガーとはかなりテイストが異なります。優れた発想トリガーとしての効果をもったリストです。これは、ビジネス・エスノグラフィー(IDEOや博報堂の行う新製品コンセプト創出のやり方)における「エクストリーム・ユーザ」観察によく似たテイストもあり、とても興味深く思っています。以下に引用します。



"De-average"Buyers and Users
平均像と異なる購買者とユーザを特定する

(1)当社の製品を、通常とは異なる方法で
   使用または購入しているのは、
   どの顧客か。

(2)営業面やサービス面で通常以上の
   ケアを要求する顧客はいるか。

(3)受注、追跡サービス、特別仕様など、
   サポート・コストが異常に高い、
   あるいは低いのは、どのような顧客か。

(4)製品価格から、ハードあるいはソフトの
   コストをを25%減らしても、顧客の
   大半のニーズを満たすことができるか。

(5)カスタマイズのために、少なくとも
   製品コストの50%を負担するのは、
   どのような人か。


Explore Unexpected Successes
予想外の成功を見つける

(6)まったく想定していなかった方法で
   製品を使用しているのは、
   どのような人か。

(7)当社の製品を驚くほど大量に
   使用しているのは、どのような人か。


Look Beyond the Boundaries of Our Business
自社ビジネスの境界の外側に注目する

(8)我々とは全く違う理由で、我々と
   同じ問題に対処しているのはだれか。
   また、どのように取り組んだのか。

(9)自社事業の効率あるいは効果を大幅に
   改善した施策のなかで、他業種に
   応用できるものは何か。

(10)自社事業の副産物として得られた
   顧客情報や製品の使用情報のうち、
   他社事業を大幅に改善するヒントと
   なりうるものは何か。


Examine Binding Constraints
足かせになっている制約を検証する

(11)当社の製品を購入または使用するに
   当たって、最大の障害となっている
   ものは何か。

(12)当社の製品に、顧客が場当たり的に
   施した改良の例として、
   どのようなものが挙げられるか。

(13)最近の顧客のなかで、当社の製品が
   最も適していない顧客はだれか。

(14)当社の製品に最も向いていない用途は、
   具体的には何か。

(15)業界内で、なるべくサービスを
   提供したくないと思われているのは、
   どのような顧客か。
   また、その理由は何か。

(16)これまで考えもしなかった障害を
   解消すれば、大口ユーザーになる可能性が
   あるのは、どのような顧客か。


Imagine Perfection
完璧な状態を想像する

(17)購入者や用途、流通チャネルなどについて
   完璧な情報を入手していたならば、
   我々の仕事のやり方は
   どのように変わっていたか。

(18)顧客一人ひとりの要望にもれなく
   応じていれば、当社の製品はどのように
   変わるか。



Revisit the Premises Underlying
Our Processes and Products
プロセスと製品の前提条件を見直す

(19)当社の製品に搭載されている技術のなかで、
   前回の設計変更以来、最も大きく変化を
   遂げているのは何か。

(20)当社の生産技術のなかで、前回の
   生産システムあるいは物流システムの
   変更以来、最も変化を遂げているのは何か。

(21)いちばん急速に変化している顧客ニーズは
   何か。また5年後には、そのニーズは
   どうなっているだろうか。





この中の「当社の」は、これから参入を狙う企業の場合は「ライバルと目する企業の」と読み替えてみると、フィットするかもしれません。

たとえば、今の社会情勢(エコと産業構造の転換による電気自動車へのシフト傾向)を考えると、これまでにない企業の電気自動車開発が予想されます。特に電機メーカなど。

その時に(15)や(16)は、かなり強力な発想をもたらしてくれるでしょう。ガソリンエンジン車では、乗り越えられなかった苦手マーケットを洗い出すことによって、参入初期の主戦場を見出す、なんてことになるかもしれません。

ITベンチャーや、日用品メーカ、サービス産業的なところにも、たぶん、同じようにこのリストが良い案を引き出してくれる可能性があります。

会議の前に、ちょっとブレストの練習を兼ねて「(14)当社の製品に最も向いていない用途は、具体的には何か。」あたりで、5分程度、発言してもらったら、それだけでも結構なアイデアの材料を生み出す材料が得られるかもしれません。


ちなみに創造工学的な観点からすると、このリストは、発想を引き出すフレーズ集としては、「粒度が大きい」ようです。もう少し分けて、うまく異なるフレーズ40〜50個へ分解できる可能性があります。なお、観点領域でみると「五感で感じるものごと」への発想トリガーがみられないので、その点を充足することができると、食品産業や感性価値の割合の高い産業への適用も強化されると予想されます。

2009年08月14日

オリジナルの発想法を作るヒント

中山正和氏の『創造工学』に興味深いくだりがあります。中山氏はNM法でしられる創造技法の大家です。同書より引用します。

『人に言われなくても自分が持っている☆記憶を引き出すことができるような方法を考えれば、これは一つの「発想法」になります。』(P11)

補足:☆記憶とは、自分の内にはあるけれど思い出そうとしたときに思い出せはしないもの。他の人の発言や刺激などで思い出すことがあるもの。(ただしくは、こう定義されています『コトバとつながってはいるが、人にいわれなければ思い出すことができない』)

このくだりは実に興味深いと思います。SCAMPERカードツール(TOIカード)やTRIZカードツール(智慧カード)は、発想トリガー・セットとしてゲームの中で使われますが、それが本質的に持つ意味を考えるヒントにもなります。

TOIカードも智慧カードも、ともに「膨大な知識からエッセンスを煮つめて、40〜50のパターンに分類した」ものであり、およそ十分な多面的思考をもたらすもの、としてそれ自体に価値があり、かつ、それは発想を引き出すトリガーでもある。

しかし、上記の記述は少し違ったことを価値として見出しています。「人に言われなくても自分が持っている記憶を引き出す方法」です。完全なトリガーセットだとしても、本人には本当に全くなじみのない数枚のカードからは何にも発想は湧いてきません。インプットがなければアウトプットが望めません。その点では、既存のトリガーセットより有効かもしれません。(ただ、万人が同じカードセットを使う、という意味では現在のようなまんべんなく多様なものをベースにしているほうがいいでしょう。)

およそ、対象をもれなく埋め尽くす要素セット(ダブりは許す)を使えば、オリジナル発想法のヒントが得られそうです。今、即興で3つほど考えてみます。

1)47都道府県発想法・・・47都道府県の名産物をヒントに新メニューを発想。
2)かわら発想法・・・河原の景色に見えるものすべてをヒントにしてネーミングを発想。
3)カフェ発想法・・・周りのテーブルから聞こえる単語群から企画を発想。


これを通して少しわかりました。

有限時間内に、容易に、異なる要素を30〜50くらい集めらそうであること。(10では少ない)
それらはその閉空間内で偏りがないこと。(缶コーヒーの名前、はちょっと適さない)
人生で多くの経験をした対象であり記憶の中にかなり再現ができること。

そんな対象を拾い上げることができれば、オリジナルの発想法は作れそうです。
posted by 石井力重 at 13:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2009年08月13日

創造プロセス(5.PPCO)

souzou_process05.jpg

PPCO
アイデアを引出し、磨くプロセス。

アイデアは「先褒後判」。ほめて未成熟なアイデアの可能性を
引き出し、それから懸念事項を列挙し、対策案を提案していく。
この手順の順番が重要。

P(プラス)P(ポテンシャル)
そのアイデアが実現したらこんないいことが起こる。
そのアイデアにはこんな可能性がある。
ということを思いつく限り列挙する。
アイデアは未成熟な存在。その可能性を十分に引き出す作業。

C(コンサーン)
懸念事項を列挙する。
あらゆる懸念事項をあげて、大小さまざまなリスクを表出化する。
皆で、そのリスクに「重要だと思うもの」にチェックを入れて、
チェックの多さでソートしなおす。
上位3つに限定して、対策を立てる。(その理由は別途。)

O(オーバーカム)
対策案を発案する。
上位1位の懸念事項への対策案に限定して、案だし。
十分にでて、懸念事項をカバーできるところまで。
次は上位2位。その次は上位3位。
この懸念事項は、いっぺんに複数をしてはいけない。
チームの力、個人の力を一点集中させて問題に穴を穿つこと。
posted by 石井力重 at 05:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

創造プロセス(4.良いアイデア抽出)

souzou_process04.jpg

良いアイデアの抽出

「ハイライト法」(チームの場合)
全員が全アイデアにチェック(☆)を入れる。
面白と思うもの、広がる可能性のあるものに。
☆のついているものを残す。

「アイデア番付」(個の場合)
アイデアを、1つづつ、比較する。
すべてのアイデアが1番からファイナルまでに整列

「コンセプトの進化と選択プロセス」
選択基準を描き、それらでアイデアを評価。
ベストに近いアイデアを基準アイデアにすることで
速くて質の良い絞り込みが可能。
posted by 石井力重 at 04:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

創造プロセス(3.アイデア出し[what and how])

souzou_process03.jpg

アイデア出し

個かチームかで大きく異なる。
共通するのは、1紙に書く 2アイデアを評価しない(するのはあとの工程)
ということ。


個の場合

「2段階発想 what and how」
what(こうだったらいいのにな)を列挙する
もっとも、良いものを3つ選ぶ。それに対し
how(このように実現しよう)を列挙する
目的地と経路を分けて発想することで、経路の制約から一度離れる。

「アイデアのトリガーリスト」
SCAMPERやTRIZの発明原理のように、 適した発想の引き金となるリストを使う

「思いつく力を引き出すメモ法」
マンダラート、マインドマップ

「9windows」
過去のトレンドを3つの視点で洗い出し、未来を予測し、
予測要素を組み合わせて製品を発想する。

「理想解」
理想的にものはどう進化するか。その指針を用いて
あり得る姿を発想する。

「トレンド」
技術の進化パターンをもちいて、有望度の高い技術アイデアを
発想する。


チームの場合

「2段階発想 what and how」(説明同じ)

「アイデアのトリガーリスト」(説明同じ)

「思いつく力を引き出すメモ法」
カードブレインストーミング、フリップボード会議
大きなマインドマップ

「9windows」(説明同じ)

「理想解」(説明同じ)

「トレンド」(説明同じ)

「ブレインストーミング」
アイデア出しの4つのガイドラインを持った方法。
批判禁止、質より量、など。

「ブレインライティング」
30分間無言で、アイデアを書く。頻繁にシートを循環させ
他の人のアイデアを発想の便乗材料にする。

「範囲を区切って、それぞれを埋める」
対象を切り分け、項目ごとに限定して考える。
(この場合もできる場、複数人のほうが情報が多くやりやすい)
対象を切り分ける(トポロジーの導入)視点として
各種の思考フレームワークを用いるとMECEでよい。
しかし、フレームワークの確かさや、埋めることにこだわらぬこと
posted by 石井力重 at 03:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

創造プロセス(2.分析)

souzou_process02.jpg

問題の分析

属性分析
問題がもっているさまざまな要因(変数)を列挙せよ。
次にその要因が大きくなればなるほど、問題が悪化するものを
「増大関係」のグループにいれよ。
次にその要因が大きくなればなるほど、問題が改善するものを
「減少関係」のグループに入れよ。

posted by 石井力重 at 02:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法



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