2009年12月26日

橋本大也さんが先日の講義のことを書いて下さいました。

橋本大也さんが講義を持たれている多摩大学大学院(品川にあります)で、アイデアワークショップ(講義)をさせてもらいました、と以前ブログに書きましたが、その時のことを橋本さんのブログで、紹介していただきました。


http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/12/post-1135.html
ブレイン・ライティング・シート2

(引用)

アイデア発想法、特にブレインストーミングについて、理論的であると同時にたいへん実践的な内容でした。企業研修で大人気というのも納得の場の空気作りにもしびれました。受講生の反応を見ながら、大量の持ちネタから最適な事例やトークを繰り出す石井さんに感動です。

授業では石井さんが開発した「ブレイン・ライティングシート」を利用しました。これは5,6人のグループが30分間無言で、アイデアを書き出し、掛け合わせていくという斬新なブレストツールです。

(引用ここまで)


橋本さんにそうおっしゃっていただいたなんて、本当にうれしくて、おもわず引用してみました。

そのお言葉を励みにして、もっと精進します。

貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

2009年12月25日

1080個のアイデアを生成。サービス開発プロジェクト

本日、サービス開発プロジェクトで、アイデアワークの講師をしてきました。

ブレイン・ライティングをメインに、全参加者が、順に「課題持ち込み者」になって、アイデアを出していきました。

3時間のアイデアワークで、15人のメンバーから、アイデアの総数「1080個」が生成されました。

標準的なブレインライティング法は「108個」のアイデアを生成する技法です。今回はその10倍量。

ブレインライティング法では、私たちの研究によると、スターアイデアは「4%程度」含まれますので、数にして「43個」ぐらい見つかったはずです。

詳しい話はまた書きたいと思いますが、私のアイデアワークショップでも、これだけ連続してブレインライティングを繰り返したのは初めてのことで、いろいろ興味深かったです。

いつもは講師としてタイムキーパーをしていて、アイデア出しに参加出来ていないのですが、今回は私もアイデア源としてさんかできたので、とても楽しかったです。様々な人がいて、様々な発想のテーマがあるんだなぁと、おもいます。

今回は、全員が起業家さんもしくはその予備軍なので、アイデアも、個性派ぞろい。参加出来なかったグループのものも拝見しましたが「これは、いけそう」というアイデアがいくつもありました。

新しい選択肢を得る、大量に。
これが今日のアイデアワークの目的でしたが、一定のレベルでそれは満たせたかもしれません。今後は、プラン全体レベルでのブラッシュアップのフェーズに入ります。講師陣も、いっそう気合を入れて行きたいと思います。

追記:

本日使ったツール「ブレイン・ライティング・シート2」は、旧バージョンの「アイデア会議マスター01/ブレイン/ライティング/シート」にくらべて、非常に「早く」使えるように仕様改良してあるのですが、予想よりもずっと使いやすくなっているとおもいました。自分のチームの開発品を褒めるのは、あまり奥ゆかしくない行為だとは思うのですが、ただ、そう、おもいました。

2009年12月24日

組織と創造について研究する大学院生さんとディスカッション

今日は、東北大学の修士の方とディスカッションしていました。

彼の研究が組織と創造という、興味深いテーマで、とてもおもしろくお話を伺いました。

今日の主旨は、彼の研究が山場であり「産業界にいる人の意見をヒアリングしたい」ということで、私にコンタクトをくださったので、大学でお会いしたものです。

彼の研究を伺い、その視点で展開される「組織と創造」についてはとても興味深いものがあり、「ヒアリングをされる」というよりは、意見交換をしつつ、ある種のモノゴトに、それぞれの観点から光を当てる、という形でのディスカッションでした。

フルタイムで大学院生でいる方の学習量・分析とモデル化の思考深度は、すごいなぁと、おもいました。よく企業のR&D部門の方と「創造という活動」について情報交換するのですが、そういう時の会話よりも、アカデミックなアプローチについては、ずっと、進んでいるものがありました。アカデミアなんだから、当然じゃないか、という声もあるでしょうけれど、企業の現場にいた事が無い若い院生さんがそこまで組織に対して洞察が出来ることは、驚愕に値するなぁと、素直に思いました。

知識学習能力の高さ。大学院まで進んでから企業にはいる人材の「資質」とは、その点にある、のかもしれない。とふと思ったりしました。


knowledge_management_and_organizational_competence_at_TOHOKU_Univ.jpg

彼の持参していた本

2009年12月23日

地元企業さんのアイデアワークを支援

今日は、アイデアワークをサポートする仕事をしてきました。

クライアントさんは、これから、シリーズで最低で3回、長ければ10回を見越したアイデア開発の活動をしていきます。私は、アイデア創出のプロセスを提供する立場で、支援していきます。

企業には、商品開発&技術開発のごく初期段階に、「アイデア創出」の活動があります。企画部さんやR&D部門があるような企業は幸運です。アイデア開発をする時に、社内的に体系だった創造手法を提供してもらえたりします。実際、TRIZシンポジウムに行くと、社内の技術開発部門のいわば「開発コーチ」という立場にある方がたくさんおられます。彼らのいる会社はTRIZ系、あるいは、オズボーン系(CPSなど)の技法を望めば社員が使えるでしょう。

さて、中小企業さんは、どうか。

中小企業では、自社が製造業ではないけれど、ものづくりの装置を開発して、自社品を作ってしまえる状況になったりすることがあります。こういうケースでは特に「アイデア開発」の活動は、運とメンバーの創造的資質によって、うまくいったりいかなかったりが、大きくなります。

そこで、アイデアプラントとしては、

大企業さんには⇒アイデアワークショップ(〜実践型の研修)を提供することが多いです。

中小企業さんには⇒アイデアワーク(開発のごく初期段階、アイデア開発の活動)を支援することが多いです。このスタイルの場合、アイデアプラントも、アイデア創出チームの一員として、アイデアをたくさん出します。

大企業さんに講師として呼んでいただけるのは大変光栄ですし、内容も非常に高度なコンテンツを、といわれて、創造の専門的知見をフルに出せたりします。

一方、中小企業さん向け、といいますか、アイデアワークの場合は、クライアント・メンバーの希望するゴールや、資質をみて、そのグループだけの、専用のプロセスを設計して、一緒に走りきります。この仕事は、より、私たちの使命と考える仕事に一致しています。使命をかなう貴重な機会をいただいていることに感謝しつつ、全力で取り組んでいます。自社の開発案件だとおもって、仕事します。と宣言して。



先程日付が変わり、今は書斎で、本日のクライアントとの「アイデアワークで生まれた数十のアイデア」をまとめる作業をしています。


「顧客への圧倒的な愛が製品のフォルムに宿る」−−そういう仕事を昨日も今日も明日も来年も20年後も、しよう。そう思うのでした。

2009年12月22日

iPod touchの連載の第4回が、掲載されました。

コネタ的なテイストですが、ITmedia 誠Biz.IDのiPod touchの連載、第4回が掲載されました。

ものぐさ、でも、ちょっとでも、楽しく語らだを動かしたい(インドアで)という方にむけて、書きました。



バランスボールが欲しい時には、周りの方に聞いてみると、ひとつくらいは出てくるかもしれません。ホームセンターなどで、1000円ぐらいであるので、お正月のカロリーオーバに向けて、新品で1つ買うのもいいかもしれませんね。

2009年12月21日

父の発明品

私の父は、千葉で水道設備関係の会社を経営しています。私の生まれた頃、一人で創業し今日では会社組織ですが、一般にいう「経営者」のイメージとは違って、早朝から図面を書いたり、現場で器具の取付などに腕を振るようなこともします。もちろん、経営者としての仕事も。「創意工夫の技術系中小企業の創業者タイプ」というとイメージに近いかもしれません。

我が父に限らず、技術系で社長になる人は、アイデアを形にするまでの距離が短い。創意工夫で自社品をつくりだすことが、結構多いとおもいます。

久々の帰省で父とゆっくり話したのですが、父は独自の器具を開発していました。

水道というのは太い管、細い管が、土の中を通っています。土中の管の分岐部に自然と発生してしまう「サビの蓋(スケール)」があるそうです。開発したのは、それを「極めて短い工期で除去する器具」というものです。

配水管から建売住宅にむけて分岐する水道管がありますが、7,8年と、長い間通水してないとその分岐部に「サビの蓋(スケール)」が育ってしまうことがあるそうです。それが「蓋」になってしまうそうです。その結果、分譲住宅の宅地を、配管敷設してから7,8年後に、いざ使おうとすると水がでない。そういうことが時折あるそうです。

通常、この現象が起きたとき、道路の下を掘り返し、太い水道管から細い管へ分岐する部分を開けて、「サビが育ってできてしまった蓋」を壊し取り払うそうです。とてもシンプルでわかりやすい方法ですが、その工法には、道路をカットして掘り返すといった工事が必要で数十万円単位の工事費になるそうです。

この現場をなんとか掘り返えさずに、短い工期で除去できないか。
それテーマにして、開発に取り組んだそうです。

掘り起こさずに、そのサビの蓋を、どうとりはらうか。というと、こんな感じに使うそうです。


(1)住宅地側に出ている管から水を入れ、「サビの蓋」の部分まで水で満たします。水道管は細いので水はかなり少量でいいそうです。

(2)その水の入った管のはじに、その器具を取り付け、密閉状態にします。器具の頭にスライドできるシリンダーがあります。それを木槌で軽く、こつん、と叩きます。

すると、ウオーターハンマー現象的に、密閉空間のすべてに、インパクトが、かかります。

管のおくの「サビの蓋」もインパクトをうけて、すこし動きます。このインパクトを何度か与えているうちに、もともと「育ってできたサビの蓋」なので、他の構造物にくらべてずっと弱い力でも、何度かコツン、コツンと、インパクトを受けていくうちに、もげてとれます。

(3)一度もしくは複数回のインパクトの後、「サビの蓋」の一部が取れます。すると、配水管(太い水道管)側の水圧が高い関係で、密閉空間内に水が流入してきて、シリンダー部分がぐっと持ち上がってきます。これにより、作業者は開通したことを認知できます。

(4)さらに何度かインパクトを与えると、完全に「サビの蓋」は除去できるそうです。それはインパクト後のシリンダーのヘッドが、上がる速度で視覚的にわかるそうです。蓋がちょっとしか外れていないときには、ゆっくり上がり、何度かのインパクト後は、コツン、と叩くと、即座に「すっと」戻るようになるそうです。

(5)その器具を外すと、水が本来の勢いで出てきます。サビの蓋は、3〜4こぐらいの小指の先ほどの大きさの塊として出てくるそうです。(蓋の大きさは直径2センチぐらいなのだそうで、割れてとれるとそれぐらいになるそうです。


こうすると、土を掘り返すことなく通水ができるため、施工にかかる時間が短くなるそうです。道路工事がないので、人や車が通りにくくなることもないそうです。


このアイデアは「ウオーターハンマー現象を利用して、管の奥を叩く」というシンプルな原理のものですが『よくできているなぁ』と思いました。基本原理は単純ですが、誤った使い方ができないようにシリンダーのサイズや形状を工夫している点や、電気を必要とせずに通水の程度を視覚的に確認出来るのは、優れた設計だと思います。

父の話としては、技術的な課題と克服点は、ストーリー的で、私はそこから察した程度の理解ですが、2つほど乗り越えるべき山があったようです。

一つ目は、普通のハンマーで叩いて、十分なインパクトがかかるようにできたこと。

二つ目は、インパクトがかかりすぎる使い方ができないようにすること。

1つ目の問題は主に構造設計的な工夫がなされました。水道屋としての長年の経験、よくある現場の状況を知り尽くしているという背景があります。

2つ目の問題はユーザーインタフェース的な部分の工夫がなされました。工事現場で人間の振る舞いをよく検討し、職人さんがよく使う器具のパワーレンジをふまえて、誰が使っても、自然と正しい使い方が出来るように工夫されています。「ああ、ここ(シリンダー)を叩くんだろうな」と使い手に想起させること。これは、難しい言葉で言えば、アフォーダンスが考慮されています。

実際、そのハンマーで叩くシリンダーヘッド部分には、かなりの設計上の工夫と試作があったそうです。叩きやすく、しかし、破壊的な力は発生させない。そういう頃合は、計算をこえて「使いやすさのデザイン」を見出すまで、続けられたようです。


そんな形で開発は進んだそうです。


さて「特許は?」とたずねると「調査の結果、とらないことにした」とのこと。

一応、私もその場で、先行特許がないか、ざっと、IPDLで調べてみました。

ざっと調べたところ、この分野では、この手の技術の特許というのはあまりないようです。機構はたしかに単純ですし、特許性があるかといえば、ぎりぎりかと思います。(いずれにしても、現行機は発売されていて、すでに「公知」なので特許はとれません)

もし、特許をそれでもとろうとするならば、今後の改良設計時に新機構をくわえ、その部分を特許をとるなどは、可能性が残されているでしょう。(特許が必要ならば)


ただ父は「量産してどんどん売る」ことに興味がないんですね。

たくさん売ることは目的ではなく、「世の中に役立つモノを、自社製品としてもち、必要と思ってくれる人にきちんと提供する」という路線だそうです。「受注生産」型の商品なので、そういうスタイルもありかとおもいます。

(すこし、余談ですが、これからの日本・縮小基調の社会においては、「量産・短期勝負」という商売よりも、あるいみ、こうした「中小企業の独自ノウハウを活かした希少製品の路線」というのもありかもしれませんね。)

超ニッチ、しかし、そのシェアはほとんど100%。

そういう商品をつくることは、その企業にしかできない仕事(それは、使命、と表現されるものかもしれません)を精一杯なした結果なのかもしれません。



…久々に父と話して、あるいみ、今の私の生き方というのは、父の哲学に強く影響をうけているのかもしれないとおもいました。




追記:

ちなみに、その製品は、「バンバンツー」といいます。

一部の業界でだけ使われる製品なので、ほとんどWEB上にも情報がありません。ネーミングの由来は「バン!バン!」とハンマーで叩くと通水して、叩いた部分が「ツー」とあがってくる、からだそうです。

体験・行為をネーミングのベースとしているのは悪くないとおもいます。お固い仕事・工事器具の世界の商品としては、やや微妙なネーミングかもしれませんが。

私も考えてみました。この器具にネーミングするなら
「通水ハンマー」か
「ウオーターインパクト」とか
ぐらいがいいのかな、と思っていました。
posted by 石井力重 at 12:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

傷の治癒は良好。仙台に戻ります。

月曜日、坂の上外科さんにお伺いして、経過を見てもらいました。傷の治癒は良好で痛みもすっかりなくなりました。ガーゼもすっと外してもらいました。この後は、絆創膏と塗り薬で自分で手当出来るほどに。

これで、今から、しっかり、仙台に帰れます。

今日は、たまたま、執筆だけで、アポイントがなかったので、仕事に支障をきたさずにすんで助かりました。帰りの新幹線で、原稿仕事をしながら、仙台に戻ります。

それにしても、実家はありがたいですね。
posted by 石井力重 at 11:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ



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