2010年01月31日

「捨てる苦しさ」をもっとも簡単に緩和してくれるのは「締切」。

講演を作っていて、時々、どうしても、出来上がらないタイプのものがあります。最後の最後はどうにかなりますが、かなり長い時間、向きあうものの筆が進まない。そんなケースです。

充分に考え尽くし、なお、進まない、そういう時には、こう、自分に言い聞かせて、動かします。

「今日の昼に、突然、『今日の夕方に講演をしてほしい』と頼まれた。あと2時間でスライドをつくって、現地に急行しなければ!」

そんな状況に、立たされた自分をシュミレートします。

すると、やおら、パワーポイントを立ち上げて、がががっと、スライドを荒削りですぐつくりあげることができます。高い集中力で、全体構成と詳細をいったりきたり、しながら。

すると、2時間、お茶ものまず、メールもみず、ご飯もなにも他のことを一切せずに、深い集中状態に入ります。2時間後、とても荒削りではありますが、人前で使うにはぎりぎりOKの水準のコンテンツが出来上がります。

この「話すことを決める」は、くるしい行為です。本当は伝えたい事がもっともっとある。どれかをいれるということは、どれかを入れないことをきめると言うこと。なので、「決める」苦しさは「捨てる」苦しさなのだ、とおもいます。

そんなこと、先程、2時間の集中をしている間に、思いました。




なので私は、
聞きに来てくれる方をしっかし想定し、話したい内容がたくさんリストアップされて、どれをえらんだえも一定水準以上だ、しかし、どれかをいれれば、どれかはあきらめないといけない。そういう水準まで来て迷っている時には、「3時間後に突然講演!」の心理様式で、決めさせる。
そんなことを、時々しています。

「3時間後に突然講演!」の心理。これが、苦しさを越えて行動させる、もっとも単純で力強い方法、ではないかと思います。


(補足:とはいえ、なんの準備も無しに、締切までほおっておくのは、やっぱりなっちゃいけない形です。それは、お客さんに対する愛が無いですよね。醸成する時間と気持ちを投入したという精神的蓄積があればこそ、締切効果で、具現化のラインを超えさせて良いんだと思います)
posted by 石井力重 at 01:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2010年01月30日

「ウォーキングブレストに最適なオーディオブックを自作する」iPod touchの使い方アイデア連載、番外編

誠Biz.ID(ITmedia)の連載「iPod touchだってできるもん」中で、7回枠に入れられなかったものがあります。それは

「ウォーキングブレストに最適なオーディオブックを自作する」

です。

これは、「歩きながら考え事をするとうまく行く人」に特におススメです。

手間がさほどかからない割に、考え事への強制刺激剤になります。

本連載の記事リストをまとめたうえで、ご紹介します。

連載第1回 ★★★★
ただの名刺よりも目立つ
――iPod touchでネームプレートを作ってみた


連載第2回 ★★★
インフルエンザ感染対策にも
――iPod touchで離れた家族の生活を知る方法


連載第3回 ★★★★
引きたい辞書アプリを自作する

連載第4回 ★★★★★
「YouTube×バランスボール」で30分間エクササイズ

連載第5回 ★★
サイコロを振って、デザインのモチーフを考えてみる

連載第6回 ★★★★
スライドショーで会議中にも発想
――パワポで作ったアイデア創出テンプレート


連載第7回 ★★★★
元気のない自分にアドバイス
――やる気リカバリー動画を自作する



 ★は、記事中の筆者自身によるアイデア評価

 読者さんからのフィードバックが多かったものは
 第1回、と、第3回と、第6回でした。




さて、番外編の記事
「ウォーキングブレストに最適なオーディオブックを自作する」
です。



3つの効果:

散歩がブレストの場になる
本のポイントとなる文章をストック出来る
自分の声に慣れる

必要な道具:

iPod touchに使えるマイク
本(ビジネス書でも、雑誌でも)(※WEB上のものでも可)



作り方

1)読書をしていて「これは後で考えるヒントになるな」とおもった短文を、iPod Touchに録音。(標準の録音アプリで)

録音のコツは、すこしはっきり目の発音を意識することと、1行で1録音にすること。複数行にわたる文章は中略する形で、ポイントとなる部分を切りだします。正確に読み上げられなくても気にせず、この作業を進めます。

あるいは、考え事をしながら1時間ばかり歩きたい、というときに、自分に示唆となりそうな文献のアブストラクトを複数、ざっとよみあげて、おきます。この用途の場合は、「1行で」という縛りは無視して、だらららっとよみます。


2)ミュージックアプリで再生

筆者の場合は、アレックス・F・オズボーンの書いたブレストについてのコツをいれたりしています。そして、アイデアワークの際に、ブレインストーミングをどのようにアプライするか、歩きながら考えよう、という時に、この録音をランダム再生します。いろいろ考えながら歩くので、はじめはうるさいので切っておきます。次第に同じことばかり考え始めたら、この録音を再生していき、新しい示唆を得ます。


アイデアの評価 ★★★★★


この方法はとても簡単なわりに、ナレッジワーカーにとっては、とても効果がある方法です。自分の声になれない内は、気恥ずかしいですがそれも時期になれます。次第に声の出し方が自然と訓練される、という特典付きです。

ただし注意が必要なのは、覚えるほどに聴きこもう、というのは避けます。その場合は、完全に引用できるような正確な文章をいれないといけなくなります。すると、とたんに録音がたどたどしくなったり、取り直しが多くなったりして面倒になってしまいます。手軽にやって効果的。その方が、良いですよね。正確に長い文章を聴きこもうとしたら、プロがしゃべったオーディオブックをダウンロードした方が遥かに経済的です。



以上です。IdeaPodの開発がきっかけで、iPod Touchをてに入れて、使い方アイデアを筆者なりに考えてみよう、という主旨ではじめた連載でしたが、このシンプルな道具1つで何が出来るを必死に考え続けるよいトレーニングになりました。

読者の皆様には、個別にフィードバックを頂きました。ありがとうございます。今はツイッターやSNSから、ダイレクトメッセージが結構届きますので書き手と読み手の距離はとても近いとおもいました。

最後に、連載の編集を担当してくださったHさんに心からの感謝をもうしあげます。ありがとうございました。

iPadの使い方アイデア、5つ(予想)

iPadが、iPod touchのサイズの大きいもの(+通信)ということで、読書とかウオークナビとかがありそうですが、大きいので、タッチでは充分に出来なかったことが可能になりそうですね。

5つほど、こういうアイデアがあるかなぁとおもいました。

1)バンド

パーカッションとか、キーボードとか、手のひらで操作する楽器。それをアプリだけで奏でるグループ、とか。

2)スカイプのちょっといいの

離れた恋人や夫婦に。顔を顔の大きさで見られるようになる。ただし、カメラとロボットアームの簡単なのが連動する別ユニットとして登場。表情をざっくり処理して、腕の動きぐらいを生成するか、遠隔の話者の腕につけたマーカのモーションを模倣する感じ。

3)窓

壁にはりつけて、そこにアルプスの同時刻や、カリブ海の同時刻を映し出す。これまでもそういうものはありましたが、たぶん、スライドモーションで窓を開けると、そこに世界の何処かがある。そういうテイストのアプリが出来るじゃないかなぁと。ノートPCを壁に吊るしてもそういう感じはしないけれど、パッドなら、たぶん、窓っぽい。ギークさんな部屋のデスク脇の壁に、パッドが世界の窓としてついている、なんてありそう。

4)ボードゲーム

ボードゲームにしては、ちょっと狭い。でも、電車旅行でもできる携帯用ボードゲームのなら、すぐに移植出来そう。たいした演算処理はなしに、まったりボードゲームを楽しむ。そういう感じの、アナログな人付き合いのアイテムとして。2つ並べて同期して1画面になると、放課後のカフェでしばらくあそで、続きは夜に、オンラインで。みたいなうんようもありかな。そういうふうになると、ゲームの設計も変わるかも。ボードゲームは30分から120分ぐらいで終わるように設計されているけれども、千日手、というか、3日間ぐらいつづくようなゲームも出てくるかな。将棋のアプリがいま、タッチの上でもありますが、あれが正しい姿と思われます。コンピュータ対戦ではなく、人同士が打つための「将棋盤」に徹するというコンセプト。デジタルなのにアナログな道具、というのがいいですね。

5)スケッチブック(主に、ブレストの場での)

紙がもったいないと思って、創造的思考の時の考えを、講義ノートをとるかのように、こちゃこちゃと書いてしまうケースが有りますが、発想には「無駄書きする」ことはとても大事。あと「連想を引き出しやすい仕掛け」も。スケッチブックをどんどん無駄に使うようなことはアナログだとあまり出来ませんが、この道具だと出来るかな。ブレストの時も、てもとのスケッチブックにさっと書いてみせる方が、言葉だけよりはるかに、アイデアに輝きが出ますが、普通の人はありまりしません。もったいないし、スケッチブックを常には持っていないから。でもパッドがあると、手元でさっと書いて、「こういうふうな形状でさ」という発言がしやすい。これはホワイトボードに、さっとかくのと似ています。手元に小ぶりのホワイトボードを持っている感じ、というのが近いでしょうか。

そんな5つが、ありえるかな、と思いました。

2010年01月29日

船(プロジェクト)にのる

昨日今日と興味深い仕事をしてきました。場所は東京。守秘の関係でぼかしてかきますが、あるプロジェクトにお手伝いの立場で入ることになりました。

実質的には、私の実働は少しですが、その短い接点の中で、そのメンバーが実に濃い時間をくれるんですね。

ずっと前から知り合いだったような、垣根のなさ、です。私のそこでの心象風景としては。

あるものを開発されています。拝見させてもらったのですが、見てすぐに「ああ、これは、かなり気持ちを込めてつくったなぁ」とおもいました。

私なりの言葉で言えば「つかってくれる人への愛が、その製品のフォルムに宿る」ような、ものでした。話を聞くにつれて、良く出来ているなぁと思いました。シンプルだけど、そこには削ぎ落とされて抽出されたものの深さ、というか、「引き出し」の存在を感じました。

プロジェクトは、船に似ている。
目的地が一緒なら、人生のしばしの間、同じ船に乗ろう。
船から降りてそれぞれの航路を行くこともあれば
またどこかで、一緒に乗れる航路があれば、ともにゆこう。


規模の経済を追求出来ないしぼみゆく経済では、
プロジェクト型事業が相対的に増えます。

自分が船長の船もありますが、
おもしろい船に乗るのもいいですね。

身の丈に合った仕事のサイズを見誤らないように
意識していますが、同時に、出会いを大事にしたいなぁと
おもうのでした。

2010年01月28日

TRIZミニ講義

TRIZのいくつかの技法について、
ミニ講義の資料を掲載しておきます。

発明原理について.pdf

進化トレンドについて.pdf

SLPについて.pdf


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■ 免責事項等
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

●無断転載は禁止しておりますが、個人や組織での活動の材料にぜひ
お使い下さい。
●全文複製はしていただいて結構です。知人や同僚の方にも、ぜひお
勧めください。
●各種技法の内容の実行は自己責任でお願いします。
●自社の企画・開発のために使うのは歓迎ですが、このワーク内のコ
ンテンツの販売・ワークショップへの利用で利益を得る行為は、基本
的には禁止しております。ご要望のある時には、ご相談下さい。

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■ 発行者情報
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TRIZ 賢い小人(SLP)という思考ツール

SPL、というアイデアの技法があります。TRIZの中にある技法の一つです。

他のTRIZ技法と大きく違うのは「発想の具体的なコンテンツが無い(乏しい)」ということです。TRIZは「発明原理」にしろ「進化トレンド」にしろ「発明標準解」にしろ、発想のための手がかりを具体的なコンテンツとしてもっています。他の発想技法にはない、強力な特徴です。

このSLPは、そうしたTRIZの中では異色で、普通の発想技法にちかい「考え方」の発想法です。

ヒトコトで表現しますとこう無ります。

SLP(スマート・リトル・ピープル)

「構成する部品の粒子を
 自律的に行動する小人集団に
 置き換えることで、
 発想を促進する手法」




なお、この手法を使うと最終的には、物体の表面の微細形状を加工する案や、素材や物体の中に機能性のある構造を付与するという案や、要諦と無る部分に物理的な可動パーツを考案する案に、なる(出せる)ことが多いです。


よく例題に出てくるのはこうです。

気体が流れる配管。配管が太くなる部分(テーパー部分)では、圧力損失が起こる。それをできるだけ抑えたい。そうすると、テーパー部分は長く取らないといけない。コンパクトにしつつも圧力損失をおさえる形状をかんがえたい。そんなシーンが登場します。

この時に、思考力をSLPがたかめます。たとえば、流体力学のことを多少は知っていて、しかし、配管の特殊な知識が無い、という知的ワーカーたちでこれを検討すると専門家の出す答えに近い水準のアイデアをだすことがあります。ブレストをひたすら繰り返し、と良うところに、SLPの考え方を入れると、その速度を早くすることができます。


具体的にはSLPは、次のように発想します。


ステップ1

・粒子レベルを小人に置き換える。

・つま先立ち、しゃがむ、ジャンプ、 掴む、腕を組み合う
  という行動をとれる、とする。
・近い小人とは同じ行動をしようとする。
・槍、盾、ジェット、等のアイテムを持った
 小人集団を想定してもいい。

・システムにおいて不変の部分は、小人にしない。
・良い状態にする為に、新たに小人を配置できる。
・その場合は不変部分を削るなどの方策をとっても良い。



ステップ2

・小人集団で現在の状況
 (問題を抱えた状況)を再現する。

・その上で、それが減るように
 小人に、別の行動をさせようとする。

・大抵は、状況がそれを許さない。
 それがなんであるかを良く見ておく。



ステップ3

・新たに役割を果たす小人を配置したり、
 行動を変更させるように不変 部分の
 形状を変更したりする。

・その結果、小人の動きが望ましく
 変わることがシュミレートできれば、
 それを、機能性素材や
 表面加工・内部加工のなされた
 部材で、置き換えていく。


ポイント

改良事例のわかっているものを
練習課題としてこの方法を
おこなって見ると発想の勘所がわかる。

つかめてきたら、
擬人化規則には厳密にこだわらずに
良い発想が出やすいように
独自化していくと良い。(ようです)


何人かの発想事例を観察してわかったこと:

物体の擬人化を通じた発想方法は、
向く人とそうでない人がいる模様。

ものが自動で動くことは、合理的はない、という判断思考が
効き過ぎる人には、
小人で一度、新しいメカニズムを集団行動から想像し、
そのうえでエンジニアリングパーツで置き換えていく
という方は、考えやすい、らしい。

一方で、物体の自動改善の像を結実する想像力の高い人に
とっては、SLPは、普段していることの、亜流に過ぎないため
かえって、手間のかかる分だけ、発想しにくい模様。
posted by 石井力重 at 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2010年01月27日

怒涛の仕事量、というには、まだ程遠い

最近、ありがたい事にお仕事が立て込んでおります。
それだけ、誰かに必要とされているので嬉しい限りです。

いま、日付の変わった時刻ですが、書斎で本日頂いたメールへのお返事、行政系のお仕事で支援した案件のレポート執筆、参画している起業家プロジェクトでアイデアに困っている方から頂いた悩み相談メールへのお返事などを、したためておりました。

昼は、某企業さんの新商品開発のアイデアワークの支援として、今日は、ある製造プラントの中で特殊素材を使った試作品を一緒に作っていました。両手を真っ白にして、デジカメで試作品をとったり、てでこねたり。楽しい仕事です。

午前は、書類の関係で、東北大に立ち寄ったり、来月の講演の主催者さんと打ち合わせたり、と言う感じですごしていました。

その合間に、今週の後半にお会いする人々へもっていくある種の知見についての検討をしたり。

あと夕方には、今日連載の最終回でしたが、ITmediaの誠Biz.IDでの記事について、アップ直前に、編集部のかたと確認作業をしたり。

…。


昔ある先生が言っていました。

「偉業と呼ばれる仕事をなした人はみな、怒涛の仕事量をしていた」と。

私は偉業なんてのぞんではいませんが、でも、怒涛の仕事量をこなした人たちは世の中にいるんだとおもうと、まだまだ、今のこれぐらいは、序の口。もっともっと、仕事が出来るだけの力が人間にはあるんだろうなぁと思います。

ブログを書く、この僅かな時間だけが、自分の今日を振り返る時間ですが、最近ずいぶん、日曜日も仕事があって、「ゆっくり休んだなぁ」という時間がないことに気がつきました。先も「週末にしあげます」という返事を書こうとして、はたと、家族と過ごせる時間をとりたいよなぁ、なにか工夫してみよう、と思ったりしていたのでした。

沢山仕事をしつつも、きちんと家族と過ごしたり、心を豊かにする時間を持つ。

そういう路線がいいですよね。

矛盾する要求をクリアするには、よい発想方法があります。TRIZの発明原理、というブレークスルーの40パターンです。きっと、なにかいい方法があるとおもうんです。偉業を成し遂げた人たちが、精神的にも豊かであったことをかんがえると、きっと、工夫の仕方はある。それも1つや2つではなく、かなりたくさん、ある。そうおもいます。



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