2010年01月22日

「話せる速さ」×「1アイデア」=「140文字」

140文字という文字分量、といえば、思い浮かぶのは”ツイッター”ですが、この文字量は、アイデアをめぐるいくつかの特性をかけ算すると得られる数字と近いなぁと、思いました。


【1】1秒間に、話せる早さ

昨年、元アナウンサーの方にボイストレーニングをしてもらいました。その時に「しゃべることのできる早さは、どのくらいか?」というトピックがありました。

私は「1.2文字ぐらいでしょうか?」と答えました。正解はそれよりもずっと多くて「1秒7文字」とのこと。”5秒あれば、これぐらいの文章が話せます”といって、彼女は番組のおわりにアナウンサーがまきではなすシメの挨拶を再現されました。秒速7文字よりも速い速度でした。プロはさておき、普通の人は滑舌に限界があるので、その水準は厳しいかもしれませんが、ひとつの目安として、面白い数字でした。

「人は、1秒で、7文字、話せる」


【2】1アイデアを述べるのにかかる時間

仕事柄、ブレストをたくさん観察します。大企業の企画部門やベンチャー、市民プロジェクト、公的機関の研修、などなど。その経験からわかることがあります。それは「1つのアイデアをのべるのにかかる時間は、大体20秒」と言うことです。

ホットなブレインストーミングがなされている場では、20分で60個ぐらいのアイデアが出ます。これは、途切れずにかなりたて続けに発言がなされている場の水準です。割り戻すと、1分で3アイデア。「アイデア1つ分の発言=20秒」という計算です。

ただしこれは目安です。これを上回る速度の事例も時折あります。例えば、ネーミングのアイデア、はもっと速い速度で提示されていきます。ただ、多くの場合のホットなブレストには、1アイデア=20秒、はアイデア創出量を見積もる一つの目安にはなるでしょう。

「人が、アイデアを1つ述べるには、20秒かかる」


【3】かけると、1アイデアの文字量は?

単純に上記の数字で計算すると、秒速7文字 × 20秒 = 140文字です。

「かなり速い速度でアイデアが出されていくブレストにおいて、1アイデアの説明に費やされる文字量は、140文字」

ただし、「秒速7文字」は平均的な人にはかなり早いので、上記は「上限値」とうけとめるべきかもしれません。

実際には「140文字」の0.7がけ、ぐらいが、妥当な水準かとおもいます。
(=>単純にかけると、98文字)




”ツイッターは、ホットに出し合うアイデアの表現量と、とても相性がいい。”

これが、しばらくツイッターを使ってみた感想です。

それはなんでだろうか?と考えていて、アイデアをめぐるいくつかの特性で「140文字」を照らしてみて、このブログを書いてみました。




――――――――――――――――――――――――――――








…ここで、終えようと思いましたが、すこし、追記を。

今、書きながら思い浮かんだことを、未整理なままに、もうすこしだけ、記してみます。




[追記1]

ホワイトボードとか、ポストイットに書かれるものは、アイデアをヘッドライン化したもの。

なので、もっと短い。

だいたい、単語(3文字)〜ショートフレーズ(十数文字)。

平均すると、かかれる段階でのアイデアの文字量は、約「10文字」。

これを、しゃべりの文字量、98〜140文字で割ると…

「しゃべり言葉の7〜10%が、書きとめられていく」

という割合のようです。

7%=10文字/140文字   10%=10文字/98文字

「しゃべって伝えたアイデアの10%の文字量が、そのアイデアのシンボルとして、記録されたり、伝搬される。」と。

これが、しゃべりと、書き留められているものの、ざっくりとした関係かと。






[追記2]

とても荒っぽいモデル(アブダクティブな推論)ですが、以下のような感じになっているのかな、とおもいました。


『言葉の中に10%ぐらいのレイトで、切り出されやすい”小さい塊”を入れておく』と遠くまで伝搬する。

遠くまで伝搬すると、発言の周辺を知らない受け取り手によってその言葉の「圧縮ファイルの解凍」のようなことがなされる。

伝搬して行ってもボケない(正しく解凍される言葉)は『レーザービームのような言葉』。これを紡ぎ出せると、残る言葉になるのかも。







[追記3]

(蛇足的なメモ。研究主題に関係ないですが。ツイッターのあちこちで見られる緩やかな参加者構成によるほっとなブレストを、抽出して、平均文字量を計算すると、98文字プラスマイナス10%ぐらいになるのではないだろうか。どうかな、ちがうかも。)

2010年01月21日

宮城の公的機関でアイデアワークショップをしてきました。

今日は地元宮城の公的機関でアイデアワークショップをしてきました。

TRIZの「技術の進化パターン」と「発明原理」(と智慧カード)をもちいた発想の仕方。

ブレイン・ライティング・シートを使ったアイデア会議の方法。

これらを3時間で体験してもらいました。

20100121.jpg

ブレイン・ライティング・シート2を使いました。スライド投影するために、小型のScanSnapでその場で読み込んでいきます。

20100121b.jpg

アイデアワークに必須の、カード型のタイマー。大阪の太田さんにいただいた一品で、全国のワークショップにはほぼ必ず持って行きます。

今日のスライドは、こちらからダウンロード出来ます。
本日の参加者の方は、必要でしたら、ダウンロードして社内でお使い下さい。

講義スライド

2010年01月20日

ITコーディネータ宮城会にお招き頂きました。

ITCの本田さんにお招きいただいて、「ITCにとっての、TRIZのビジネス応用モデルをつくれないか」ということで、試みのアイデア創出ワークをしてきました。

ITC002.jpg

ITC001.jpg

まずは、IT分野での改善事例を大量にあつめる、ということからしてみました。

TRIZ的な知の構造をつくるための第一ステップである「要素収集」です。

時間的には、このへんで終わってしまいました。

このようなワークをし、充分な要素がえられてくると、新規カテゴリーの登場がみられない飽和の時期がきます。

この後に2つのアプローチがあります。

「ブレークスルーの40パターン」にむけて、分類していく。

あるいは

「問題の類型化」をしてそれらを起点に「解決方法」を整理していく。(割りつけていく)

後者はTRIZの作られた過程を、再現するようなスタイルです。

前者の場合は、物体に対する概念を「人、組織」分野へと類推するならば、”SLP”的な類推方法もいいかもしれません。

(SLP:スマート・リトル・ピープル、TRIZ手法の一つ)

TRIZの知の構造、作り方は割とシンプルですが、その実施には相当な時間がかかります。ですがそれをのり越えて得られるものは大きいと思います。

ITCさんたちの取り組みが形になって、多くの人の使えるところをなることを、心から願っております。
posted by 石井力重 at 23:59 | Comment(2) | TrackBack(0) | TRIZ

アイデア具現化の想定市場を足で調べる

昨日はクライアントワークでした。

アイデア具現化のフェーズの最初の段階です。

想定市場をあしでしらべる、ということを、クライアントのプロジェクトメンバーと一緒にしていました。

その上で、そこで得た情報から企業動向を、こんどはネットで調査します。とくに、共同開発の可能性などをうらなうために、有力企業の開発姿勢や内容をシることが重要です。そんなときにはIPDL(特許電子図書館)をしらべてみると、意外なことが分かります。

このクライアントワークには、おもしろい可能性が見えています。たのしみです。

2010年01月19日

TRIZの発明原理40を他分野に

TRIZの40のブレークスルーパターンを、「他分野での解釈バージョン」として開発したい、というチームが同時並行的に、いくつも周囲ですすんでいます。それぞれ違う専門家さんたちです。

その時、うまくいかない共通要素があります。それは「発明原理の表現をまず、再解釈の対象にしたのでは、ぶれ過ぎて、形が作れない」という傾向です。

むしろ、人間の認知能力をうまくつかってワーディング(言葉をデザイン)するには、TRIZにおける問題構造の知である「39の技術パラメータ」から先に、再解釈するのがよい攻め口になりそうです。


「問題」があってはじめて、「ブレークスルー(解決法)」がある。

それを、理にかなった順でいくには、

はじめに、問題構造を、新しい分野で記述し直して、それに答えるように、うちてである40パターンを、デザインしなおすと、すっと、直感的につかえる道具になる(確率が高い)でしょう。

Mi-TRIZの中でのディスカッションからは、そう感じます。

2010年01月18日

自ら運ぶべし

1月18日。

CARDSTAND.jpg

次のアイデアツール、コンセプトを絵にするところも、ばっちりすすんで、とてもいいものになりつつあります。

今日は、取り寄せていた部材が手に入り、関係する人々を、私が市内をぐるっと回って、うけとったり、届けたりしていました。

1時間が惜しいこの時期だからこそ、開発メンバーには、できるだけ、足をはこんで、ちょっとでいいから、顔をあわせるように、と、おもっています。このフェーズの1時間は、他のフェーズの何倍にも当たる、「開発の要諦」となるところ、だと思いますので。

2010年01月17日

「アイデア出し隊」の打ち合わせ

1月17日。松阪から仙台に帰る途中、またも東京で途中下車。

大学の後輩であり、現在コンサルタントをしているYくんと打ち合わせです。

彼と彼の周辺にいる人たちで、気楽な集団発想の活動(そして、実際に実施する)をしているそうです。

そんな彼らに、ブレインライティングシート2をつかった、アイデアワークの実験・実践をパートナー的におこなってもらいたいとおもって、タイアップ企画を前から考えていました。

それが(勝手に)「アイデア出し隊」です。

企業の製品や事業内容を1つテーマにして、それを用いて、他にどんな商品や事業がなし得るかを、大量に発案する。(そして、その企業産にお渡しする。)という、素振りのような、知的な(そして、勝手な)アイデアワーク・ボランティア活動。

なにか経済的対価はもとめず、楽しみのために、アイデアを生産していく。彼らにとっては、ブレストのすぶり、のようなものですが、それが、リアルテーマならば、たまには、どこかの企業の役に立つだろう、というぐらいのタッチ、なんです。

イノベーションには時にそういう部分もいる。

そう、MOT(技術経営)の研究者だった頃におもいました。彼らのやるやり方に、どういう結果がでてくるのか、予測しにくいだけに、やってみる価値は大きいんじゃないだろうか。と私は考えました。

そんなわけで、アイデアプラントとマグネットデザイン社から、ブレイン・ライティング・シート2を提供して、実験的な使い方をしてみてもらいました。

もともと、ブレストのうまいY君でしたから、道具がなくてもたくさん出せるはずですが、彼の活動を組織内でコピーして大きく回すには、簡単にアイデア会議のリードが出来る道具があることは、大きい、とおもいます。そういう背景もあって、です。

とても楽しい2時間でした。

松阪の帰り道で、実はその前の晩は、3時間ぐらいしか寝てなかったのですが、それも忘れて楽しく話どおしの時間をもらいました。

彼らの活動が今後、都内で始まりますので、公表出来るときがきたら、ここからもお知らせします。

むしろ「アイデア出し隊、うちに来い!」というご要望も大募集です。彼らはそれぞれに仕事を持っていて、タイミングのあうときに、どこかでやるスタイルなので、条件が合えば、「隊」がいくかもしれませんね。



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