2011年01月31日

「思考儀」(プロセスの地図)

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アイデア創出のプロセスを、研究し、論文として執筆していた博士課程時代に作った「アイデア会議のプロセス」の地図、というべきものがあります。地球儀の儀になぞらえて、「思考儀」と呼んでいます。今日は、それを3年ぶりに、全面修正していました。

ワークショップやアイデア創出会議の中で、予定と違うことをすることがよくありますが、参加者の特性や場の温まり具合を鑑みて、軌道修正をしていまして、その時に、暗黙知的に自分の中で参照している物でもあります。

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このところ、ある案件で、ホワイトボード状の素材を作るためにフィルムシートを手に入れていたので、それを用いて、パウチっぽく処理をしてみました。次の改定まで1000日ぐらい、保てればいいのですが、そこまでの耐久性はなさそうです。

拙著『アイデア・スイッチ』は「拡げる」部分について書いています。しかし、ワークショップなどではその前後のプロセスも重視して行っています。主催者さんとの事前打ち合わせの際に、私が4つのフェーズを書くのは、この「思考儀」の中の「主要4要素」を切り出し表現したものなのです。(図の中では、六角形、で表現されています。そのメインプロセスの傍らにオプションプロセスも、書いてあります)

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この思考儀、初めは博士課程の研究時に「アイデア創出の技術のフレームワーク」を創ろうとして書き始めたのですが、結果的にはアイデア創出のプロセスをコンサルティングする時の基本視座という「アイデア創出のプロセスを設計する時のツール」となりました。

この道具をまた、次の3年ぐらいで改定します。修正点を一日かけてあぶりだしていく作業というのは、三年前からの成長分だけあると、今回気が付きました。今から3年後、成長したかどうかは、思考儀をブラッシュアップできるか否かで、分かりでしょう、きっと。

ちなみに、熟達者の仕事というのは、その行為を何百回と繰り返してきたであろうことが行動をみて感じ取れます。毎回、違うものを作るけれどもその所作は、とてもシンプルで強い。そういう境地にいつかたどり着きたいと、思うのです。

アマゾンの商品券カード

先日、クレジットカードのポイントを、アマゾンの商品券カードにしました。

とどいた実物はこちらです。

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カードの裏をコインで削って番号をWEBに入力すると3000円が使えます。(2枚もらいました)

このカードが一瞬で用を果たして、要らないものになってしまうのがとてももったいなく思いました。

このポイントを利用してWEBカメラを2台買いました。このカメラの制度にはとても満足しています。カードのポイントでは商品が限られているのでアマゾンチケットに変えるのは、なかなか良いなと思いました)



posted by 石井力重 at 01:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

サイトの更新内容を作っています&マグネットデザインのクリスマス(いまさらですが)

前のエントリーで書きましたが、このところ、マグネットデザインさんに社内講師の件でたびたびいっていました。その前後に、アイデアプラントの公式サイトのリニューアルを目指した打ち合わせもしていました。

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シンプルで分かりやすい打ち合わせ資料を、準備してくださっています。

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店長が、ノートに書いたメモ。(ぼのぼのは、たぶん落書き)

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アイデア出しをする時、時々、アイデアのツールを使います。こんな感じです。

クリスマスのころだと、打ち合わせのあと、クリスマスパーティーがあったりして、一緒にごちそうになったりしていました。

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マグネットデザイン社内研修はUstで

先日まで、5回にわたって、マグネットデザインさんの中の社内研修で、私が講義したことは、Ustreamで配信されていました。

講師は、私石井。生徒は、オンラインショップの店長の遠藤さん(+ときどき、ほかの社員の方も)、という構図で、雑談みたいに話は進んでいますが、想像に関する本質と、アイデアプラントの創造支援ツールの根底にあるものなどを、解説しました。

全5回のビデオがUstreamに保存されていますので、ご興味があればご覧ください(長いです)。


第1回



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2011年01月30日

半透過型ホワイトボードを作りたい

試作の目線( http://www.ideaboard.jp/newproduct/ )というサイトを作りましたが、その後半に、先日のブログロックフェスティバルで使ってみた「半透過型ホワイトボード」があります。そのことについて少し紹介します。

sisakuhin03.jpg
(写真は、渡辺一馬さんのブログからお借りしました。)

中央が私です。ホワイトボードマーカーでしゃべりながら書いています。この試作品は本当に初期の試作品なので、空間に固定しておく道具がないので、非常に恐縮ならが、二人の方に私の持ち時間15分間、ずっともっていただいていました(ありがとうございました。)

この試作品は「水森亜土さん(古い!)のガラス板」をなんとか、持ち運べる形で、実現したいというのが、動機でした。

作ってみるといろいろ、課題もありました。

まず、当たり前ですが「文字が逆さ」です。文字を書かれてしまうと、見ている人は、結構な違和感を感じるでしょう。

次は、右、左の、言葉が、逆になります。ホワイトボードの場合は、書く瞬間に自分は観客と同じ方向を向くので、図の中の右と左はずれませんが、この透過ボードの場合はずれます。

後は技術的なことですが結構なネックになりそうなのが、軽くて安定する「支え」です。人が二人も付いてもらえることなんてめったにないし、時間が長いと厳しいものがあります。

最後は、「書きやすく、消しやすくするため、下側を固定する必要がある」ということです。特に消す時に、のれんのような状態では、まさに”暖簾に腕押し”状態で、ホワイトボードイレーサーがうまく消してくれません。

ideaplant2011_DSC06819.jpg

私のホワイトボードの板書は、文字がほとんどなくて、絵ばっかりなので、左右逆でもある程度、いけそうな感触もありました。アルファベットと数字は逆になりますが、この辺は、何とかなる範囲かと。

私たちの試作品はそのうちの4%程度が製品になっていますので、これが、その4%まで発展してくれたら、もしかしたら日の目を浴びる時が来るかもしれません。個人レベルではとりあえず、満足するレベルまでは持っていき自分用で使っていこうと思います。

ベンチャーの商機の見つけ方(石井私見)

ベンチャー企業にとっての商機となるものの発見には、いくつかのコツがあります。そのうちの一つに「大企業には小さすぎた市場」というファインダーで世の中を見ていく方法があります。

大企業が新規の製品を投入する時、一定の市場調査がなされています。規模は公言しがたいですが、少なくとも1億円よりもずっと大きな潜在市場があることを、コストをかけた市場調査で見出しています。

ふたを開けてみると、予測ほどには市場がなく大企業の中の新事業チームが維持できない程度の規模ならば、早期に撤退となります。

しかし、この市場規模は、全くのゼロではない、というところが、ポイントです。予測したほどの規模はなかったとしても、何千万円かの規模はあります。大企業としては収益は出せないので撤退しますが、初期のベンチャー企業にとっては十分な売り上げになります。

また、この方法の時に、事例から抜かないといけないのは、大企業の「テスト販売」的な新製品のケースです。それ自体が市場調査の一部を担っているのでこの段階ではまだ上記に当たりません。

また、大企業ではない事業者(中小企業、ベンチャー企業)の事例もそれに当たります。撤退する場合に彼等にとって市場が小さすぎる場合には他のベンチャーにもやはり難しい所があります。ベンチャーといっても規模に依りますが。

たとえば、私の体験からですが「あ、このノート、すごく面白いし、実際使いやすいな」と感じたものが、実はとても短い期間で生産終了で、のちに手に入らなくて、何とかしてほしいなぁと、探すようなこともありましたが、これは、この例に当たりそうです。汎用ノートほどの量は出ないけれど、一定のニッチな市場は存在していました。

知的財産の面で問題があるのでまったく同じものを作って販売はできませんが、そのノートのコンセプトを受け継いで、別の表現でその市場を責めなおすならば、ある程度の規模の市場は獲得できそうです。

自社の事業分野での「大企業の製品投入→早期撤退」をあつめてみてると、その中には、すでに市場(ただし小さい)があることの情報として読み取れるものがあるでしょう。

posted by 石井力重 at 23:32 | Comment(2) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

出会った日にとっての6年後の未来が、現在

今日は、志しを共にする友人と、企画をしていました。

それぞれに、別の道を歩み、しかし、それぞれの立場から、志しを果たそうとして、一歩ずつ歩いています。

彼と出会った2005年。あれから6年たった未来が、現在なんだなあ、とふと打ち合わせしながら思いました。

次の6年後はいつだろう。2017年。私が43歳の頃です。

その時の私が、「6年前のあの日にとっての6年後は、今か・・・」と思っているかと。(たぶん、ブログも続いているでしょう)

好きな道、志にかなう道、得意な道、ではあるけれど、決して、お互い平坦な舗装された道ではなく、むしろ逆です。視界の利かないところもあれば、難所もある。好きでなければ続かない、信じていなければ目的を失う。道を行く、というのはそういうものであるかと、思います。

志しを極めて社会を豊かにする、生き方を、今日も明日も、明後日も。ひたすらにゆきたいと思いました。

posted by 石井力重 at 21:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

2011年01月27日

キッズデザイン研究会で、アイデアワークショップをしました

宮城では、キッズデザイン研究会が立ち上がっていて、先進事例の開発者さんをお招きして皆でお話を伺ったり、皆でアイデアを創出したりしています。

2011年1月19日に、第三回のキッズデザインがあり、私がファシリテータを拝命し、アイデアワークショップを行いました。その様子を、写真とアイデアスケッチの実物を交えてレポートします。

今回の参加者は、11名でした。事業者・の方やクリエータ、県の技術系のセンターの方、大学院生の方、などなど、多様な方が参加されました。

事業者の方やクリエーターの方が出されたものを中心に2枚ほど、アイデアを紹介します。

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■地下鉄のサイン見直し

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(石井私見)このアイデアは、足跡マーキングなどは、シールやマットとして様々な施設や地域に展開できそうな点が、特に面白いと思いました。また、音が鳴る階段など、空間と行為のデザインを施すうえでも、様々な発展の形がありそうで、面白そうです。
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■あめ時間

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(石井私見)このアイデアは、子供に対して、「○○分間」という形のないものを「飴だま」というモノにすることで、様々な展開を想起させる面白いアイデアだと思いました。子供に「10分待ってね」という時に、この飴が時間を体感させてくれたり、逆になめ終わるまでに、宿題をやってしまおう、という活用など「飴=時間」というコンセプトには、遊びと学びの面白い道具になりそうです。
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この他にも沢山の魅力的なアイデアがありました。全アイデアスケッチは、後半にPDFを掲載しています。

時間は、2時間で、以下のように進めました。

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  ■ワークの内容

  1.五分間のペア・アイデア出し×5 (30分)
  2.アイデア・スケッチ (15分)
  3.良案抽出 (10分)
  4.上位15案のレビュー&ミニブレスト (50分)

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  (スライドファイルはこちらから閲覧できます)

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ブレインストーミングは非常に多彩なアイデアが生まれていました。これまでの2回の研究会で、学んだ先進事例の方のお話がアイデアの材料となって、皆さんの中に元からあった案を醸成したことと、参加者の分野が多様であり、相互の刺激が効果的に働いたこと、などが、優れたアイデア出しにつながったように見えました。


最後に、皆さんの書いてくださった(ほぼ)全アイデアスケッチをPDFファイルで掲載します。(ただし、開発戦略によっては、公開をするべきではないアイデアもあるであろうことを鑑みて、公開を控えておきたい案は、外してもらいました。)

KD_ideas_10_9_8_7_6_5_4_3.pdf
(☆を10個とったもの〜3個とったもの)

KD_ideas_2_1.pdf
(☆を2個とったもの〜ゼロ個のもの)



 〜 実施中の写真 〜

KD_iws_001.jpg
(Speedstromingをしています)

KD_iws_002.jpg
(ハイライト法をしています)
KD_iws_003.jpg
(発案されていくアイデアの粒度や参加者の発言ムードを鑑みて、進行しつつブレストの構成を再設計しています)


補足:

なお、アイデア創出ワークのための「テーマ」は、「キッズデザインで自分が作りたいモノのアイデア」という幅を持たせたテーマにしました。この点については場の主催者の方と事前に調整をしてあえて、広くしています。幅のある広く、十分に定義されていないテーマを、効果的に扱うために、それにマッチした多段階のブレインストーミングを設計しています。


2011年01月26日

2月5日のワークショップは満席になりました

2月5日に、渋谷で行う「アイデア創発ワークショップ」は、定員になり昨日締切になりました。

バナーは、参加者のかたと、ブログの読者の方が重なるので、情報導線を残しておくために、張ったままにしておきます。

今回は、残念ながらお断りしてしまう方にも、次回「6月の上旬」をめどに、計画しておりますので、もしご興味があれば、ぜひおいでください。

募集してみて思ったのですが、こういうワークショップにおいでいただく方は、面白いことをしている方が多いです。勤め人の方も、自分で事業をされている方も、文系の方も理系の方もいて、講師と参加者間の情報の交換だけではなく、参加者同士の接触も大きな価値となりそうです。

〜近況〜

本日ずっと、ワークショップ用のスライドを、更にブラッシュアップしていました。

これまでに何度も行ってきたコンテンツにはさらにシンプル化の手をかけ、今回が初めてとなる部分もしっかりと作っています。

ご参加いただく皆さんが、半日があっという間に感じるような楽しい体験にし、かつ、多くのノウハウを吸収してもらえるように、全力を尽くします。

物語を作るワークショップ(レポート続編)

先日、TRUNKで行ったワークショップは、私が普段行っているアイデアワークショップとは、趣がやや異なり、「ストーリーを発想するワークショップ」というものでした。いつもよりも少し詳しくレポートしたいと思い、続編です。

前半では、「ストーリー要素カード」というものを使いました。後半(といっても実際は終わりの10分弱)では、「キャラクターフィールド法」と名付けた方法で、アイデアを出す方法を取りました。皆さんに実践していただく時間はなかったので、ワークショップの進行中に、私と赤井澤さんで、実践して、お話を作ってみたものです。

この即興で作る、ということを強調したかったので、あらかじめ考えておいた題材ではなく、前半で、最初に発想した物語「Story1 目覚めの時」を題材に、発想してみました。

この発想方法は、「一点から、お話の、世界を拡げる」という思考様式を、視覚化したようなもので、ボードゲームテイストな教材を作り実践しました。

キャラクターフィールド法__board.jpg


ボードはこんなデザインです。PDFデータが当時のブログにあります。

ここに、4色のカードを、折り曲げて、スタンドのようにして、並べていくワークです。


キャラクターフィールド法

1.魅力的な主人公を、真っ白な平面の上に降り立たせる(赤いカードの作業)

これは、「まずキャラクターありきで、徐々に世界と物語を拡げていく思考をする」作家さんのやり方を模しています。今回の場合は、「Story1 目覚めの時」で主人公になった「男」の五年後です。うだつの上がらぬ助手が一躍有名になり名声をつなぐためデータねつ造になり、かつての後輩がかつての自分の教えを自分に伝え目覚めて、世間にねつ造を報告。世間中から追われて、名もなき研究室に流れ着いて、しかし、研究者としての彼の瞳は以前のどの自分よりも輝いていた」という彼が、それから、5年たった時点の姿を、主人公にしました。

Work1) 赤いカードに、主人公像を書きます。
文字だけでもいいのですが、赤井澤さんに即興で、その主人公を絵にしてもらいました。

キャラクターフィールド法__ページ_1.jpg

「お、なんか、穏やかな世界の空気と、ほのかに周囲をひきつけそうな人柄。物語が広がりそう。」と言いつつ、それをA3のシートの中央に置きました。

2.主人公の織り成す世界が魅力的になるように、他の人や、周囲にあるアイテム、生物を想起する(黄色いカードの作業)

これは、一点から徐々に世界を広げていくような「アブダクティブな頭の働き」を少しずつ可視化していく作業です。もやもやっと、主人公をみて醸成される世界を、アイテムや人以外の生物を周辺に配して可視化していきます。今回は、動物にしました。この男のかっているペットが猫だと、しっくりくるんじゃないか、ということで。

黄色のカードに、それを、書きます。本来は文字だけでもいいのですが、絵にしてもらいました。

キャラクターフィールド法__ページ_2.jpg

「これは、聡明そうな、美人猫ですね。この猫がいつも傍らにいて、あんまり人気はない研究室の中の午後の日差しの中で、猫と二人、もくもくと研究に打ち込んでいる、そんか空気がありますね。その猫が、山の中から戻ってきたときに、珍しい粘菌をつけて帰ってきて、それを契機にお話が動ごきだす、なんてのも、いいかもしれませんね。」「いや、猫はただ、猫であり、世界を構成する空気で。そういう感じもありかな」などなど、具体的に描くと、そこから広がります。さらに、周辺へ。

3.主人公たちとを取り巻く、周辺の環境、部屋や建物や周辺の世界を想起する(緑色のカードの作業)

初めは、「主人公」という「1つの点」だけが白紙の上にありました。そして、「猫」とその二人が織りなしているだろう日々の空気が徐々に頭の中に醸成されてきました。それらの要素を縫いとめて、そのお話を魅力的にしてくれるステージを、今度は発想します。今回の場合、前段になるビフォア・ストーリー(「目覚めの時」)があるので、その時に、ある程度、周辺環境も色付けされていたのですが、それもふくめて、周辺世界を考えて書き出していきます。

イメージとしては、日本の中でも南国のエリアにある大学で、さほど知名度はない。世間を追われた彼がなんとか職を得たということから考えて、5年前の当時にちょうど新設された大学で、猫の手も借りたい勢いで先生やスタッフを集めたその中に彼も入った。新設大学なので、キャンパスは新しいはずだけれど彼のいるところは、寂れたあまり人のこないところがいいな。じゃあ、その大学の敷地にもともと立っていた古い建物で、キャンパス内でも人の行かないエリアがあり、そこに彼は研究室をもらって、そこでこの世界が展開していることにしよう、と。

絵にしてもらいました。これも本来ならば文字だけで、書いてもいいのですが、絵になっていると、人間の認知や想起するからは楽しく引き出すことができます。(むろん、文字の方が、想像の自由度が広くてよい、という人もいます。その場合は文字で。)

キャラクターフィールド法__ページ_3.jpg

「あ、これ、多分、敷地を買い取るときに、広く買い取っていて、キャンパス奥の方には、廃校だったか、建築時のプレハブ小屋だったかが、予算の関係でそのまま残ってしまって、学生たちはピカピカの校舎の方に主にいて、こちらにはあんまり足を踏み入れないエリアな感じになりましたね。」と言いつつ、世界を、可視化していきました。

4.主人公の現在の気持ち、心理状態を書き出す。(青いカードの作業)

主人公を起点に、Time=0、つまり現在の世界を書き広げていきました。この時点での主人公の心理状態を、書き出しておきます。前後の流れにおいて、目に目ないけれど大事な要素です。

ここは、絵にするのは難しい(そもそも、気持ち、なので)ので、文字によりそれを書きました。

キャラクターフィールド法__ページ_4.jpg

彼の心理状態を表現する「行動の記述」もふくめて、できるかぎり、ふんわりと、書きます。あまりエッジを立てすぎると、人工的すぎる感じがでるので、こういうアブダクティブな世界の広げ方は、壊れそうなものをそっとつかみとっていくような、感じでありたいと思います。(なかなか、人には、伝えにくい感覚ですが) 

などと、いいながら、一人で、もしくは、二人いれば二人で、話を形にして、展開していきます。

story_c_f_work.jpg

作業中はこんな感じです。(なお、この瞬間、参加者の皆さんは、前半のワークを進行しています)

さて、こここまでは、現在(T=0)でした。この後は、T=少し未来、T=少し過去、へと、時間軸を振らせて、物語を拡げていきます。

5.未来の時刻にも、想起してカードを乗せる(4色のカードを必要に応じて、の作業)

この世界は、穏やかな世界でずっとこのままいたい空気がありますが、お話が転がり始めるために、少し未来に起こることをT=0の要素群から、想起します。

いくつかブレストを石井と赤井澤さんでしました。「アイデアは分岐する。」こういうお話のブレストでは特にその傾向があります。いくつもの「別のお話」があってそれぞれ面白い。そんな中でも、お話の骨子として取り出したいものがいくつかありました。それを不整合ですが列記します。

・教授の元に猫が粘菌を運んでくる。誰も注目していなかった彼の研究分野は不人気であったが、猫のもらたしら粘菌を分析した研究成果が、また日の目を浴びる。彼はもともと日のあたる運命であった。

・彼への注目が集まる。世間の評価は、また大学としても見過ごすわけにはいかない、彼への幸せなパスが開け始める。

・しかし、記者の一人が深堀取材をして気が付く。5年前に世間をねつ造で賑わしたあの助手だと。

・世間は一気に、彼を非難する。

・大学としても、彼の処遇を優遇するどころか、逆に学校においておけない、という流れに。

・そこに学生たちの署名。彼は日の当たらない地道に打ち込む学者であったが、彼の人となりを知る学生たちはこの男が良い人であり、大学を追われるのは反対だと、いうキャンペーンを展開する。

・しかし、それだけは、あらがえない。

・そこで、黄色のカードとして「他の人」を登場。こんな折に、やってくる一人の男性。

彼のかつての研究室の後輩。苦しい時代に一緒に過ごし、当時の彼が目を覚ますきっかけとなる言葉をくれたあの後輩が、お話を展開する。

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その後輩氏を絵にしてもらいました。穏やかそうな、サブキャラらしい、テイストです。スーツはダブル。

・彼は、当時の研究をつづけた。そして、男がねつ造した多くのデータへの追実験を行っていた。その結果、ねつ造としたデータの多くは、実験から再現ができるデータであることが徐々に明らかに。彼は、当時の学会でさほどの位置ではないにしても、そこそこの研究者として、学会で業績を重ねていた。

・学会は、ねつ造の事件を肯定するほど、積極的なコメントは出していなかったが、世間に対する彼の不祥事は、この後輩の仕事が知られるて、大幅に緩和されていく。

この後輩の気持ち、は、どんなものだろうか。それも、青いカードにしてみました。

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初めは、すこし複雑な心理描写を考えてもいたのですが、サブキャラとしてお話をシンプルに展開するために、単純な心理にそぎ落としました。

・この後輩のおかげで、マスコミも急速にセンセーショナルな興味を失っていき、男は大学を追い出されることもなくなる。

・粘菌発見の業績は大きなものであった。その彼に、多額の報酬がもたらされる。

・大学の学長室で積まれたお金を前に、しかし、それを受け取らない。かつてした「奢り高ぶる人間の破滅」のつてを男は踏まない。

・どうしても、という相手に対して、男は、じゃあ、ありがたく一枚だけいただきます。といって、一万円を一枚だけ、引き抜く。これで助手をねぎらいます。と。

・場面が変わって、男はいつもの研究室にいる。ドタバタの末、また、質素で志した道を行くような日々に戻れた。相棒の猫に、今日ぐらいはいいものを食わせてやろう、と、奮発しておいしいさなかを買ってきた。

その時の男の心理状態を、シーンとして、書いてもらいました。(青いカード)

キャラクターフィールド法__ページ_7.jpg

・夕暮れの、寂れた研究等の軒先で、猫と七輪を囲む。

・男の世界は、また安寧を、取り戻す。

(ここで、私は、「署名を集めた学生の一人の女の子も、登場させて、研究室に新しいメンバーが加わった、としたい。その彼女はほのかに男に思いを寄せている。」としたい、と思いましたが、赤井澤さんが「ラブコメ展開より、この一話は、この2人というか、一人と一匹で、終わるほうが、良さそう」という意見。などほど、それもそうですね、ということで、こうなりました。男性の漫画のコアだと、どうしても魅力的な女性のキャラクターがいて、うだつの上がらない主人公になぜか惹かれてほしい、という永遠のマンネリズムもありますが、そうじゃない形を選びました。)

なお、本当ならば、この物語の少し前(T=少し前の過去)も、語り、広げてお話の厚みを作るべきですが今回の場合は、5年前の時点に「目覚めの時」がすでにあってそれの展開ストーリーだったので、ここでは不要なので、省きました。もし、ゼロから、真っ白の世界の上に主人公が降り立って、世界をこうして拡げたならば、過去にその主人公がどんなことを体験して、そこの最初の時間(T=0)に至ったかも、想起しておきたいものです。

以上、こんな感じのことを、前半ワーク中に作り、最後の10分で皆さんに、「即興で、キャラクターフィールド法をやってみたのですが」ということで、ボードとカードを動かしながら、上記のストーリーを話しました。


今回のワークショップは「物語の作り方」(ガルシアマルケス)を念頭にずっと置いて、そして、京都精華大学の夜に、漫画家さそうさんが垣間見せてくれる「創る人の頭の中」を、できるだけ、一般の人にも、体験してもらおうとして、作り上げた「アイデア創出のプロセス」&「アイデア創出の支援ツール」でした。試みが少しでも、参加者のお役にたてていたならば、幸甚です。


資料:

ワークショップの資料PDF
http://ishiirikie.jpn.org/article/42757521.html

ワークショップの前半部分のレポート
http://ishiirikie.jpn.org/article/42781155.html
(この中の、「Story1 目覚めの時」が、上記のプロローグに相当します)


2011年01月25日

オズボーンとアルトシュラーのフルネーム

Brainstormを作ったオズボーンは、A オズボーン、とか、アレックス・オズボーンと呼ばれます。日本語文献ではA.F.Osbornと書かれます。このFは、略さずに書くと

ALex Faickney Osborn

です。生きた時代は(1888-1966)。


TRIZを作ったアルトシュラーは、Gアルトシュラーとかゲンリッヒ アルトシュラーと呼ばれます。日本語文献では アルトシュラーや(古いものでは、アルトシュレレ、と書かれていたこともあります。フルネームで書くとこうなります。

Genrikh Saulovich Altshuller 

生きた時代は(1926 – 1998)です。創造的な二大技法の創始者が同じ時代に東西にいたのは面白いですね。とはいっても、アルトシュラー22歳の時に、アルトシュラーは60歳、そういう時間関係で存在した二人です。


ちなみに、KJ法の川喜田二郎先生は、1920-2009です。川喜田先生がお亡くなりになったのはごく最近です。

おこがましい蛇足ですが、アルトシュラー60歳の時点で私は13歳でした。


2011年01月24日

人間の身体的特徴をもとに大きさを表現

よく、繰り返し思うのですが、人間の身体的特徴をもとに大きさを表現すると、製品デザインは素人にもしやすくなる可能性があると。

面積・長さ
1ユビサキ,
1テノヒラ,
1ヒジカラサキノナガサ,
1ウデ,
1オシリ,
1ポ,

重さ
1アカゴkg,

時間
1タンキキオク秒,
1ジンセイ秒

伝えるときの情報量
1概念理解数
概念を提示して、相手に一度に理解してもらえる数。アプリケーションなどで情報の提示のしかた、メニューの分岐の数などが、この辺の特徴的な数に支配されているかも知れません。(我々人間は「3」ですが、仮に別の高度文明を持った生物がいて腕が六本あればその数が7~9ぐらいではないかとおもいます。一度に把握できるもののが数は「1つの手に1つ持つのと、一対の腕を体におしつけてはさむことでもてる分」位を持っていないと、腕が動かせないので。なお人間の短期記憶が7チャンクであり、集中して聞いている時には、1概念理解数=3ではなく7ぐらいまで上げられます。ということは腕が2対(4本)まであってもおかしくないと、思いますが、これは、サルの身体性が4つの腕と一つのしっぽを持っていたことことに依拠しているのかもしれないと思います。私見です。)

お金
1ゴハン円。「ご飯が食べられる金額」を単位にしたら、いろいろと生活費が計算しやすく見えてくるかもしれません。財布にあと、100ゴハン円だと「朝昼晩三回の食事」×「三十三回」、つまり「一ヶ月分の食費」がある、と分かる。そんな感じになるかと。身体に比べて、短時間で変化してしまう尺ですが。(だいたい、1ごはん円は、今だと、300〜500円ぐらいでしょうかね。5万円というのは1か月・ごはん円。飲み会5000円は、10ごはん円。などなど、いろいろ買い物への解釈がききそうです。)

日月年
1ミチ日
その道に一心に打ち込み、ごく狭いことだけれどもその人しかできないことが生まれてくるまでの日数は「1000日」だと、個人的には思うのですが、千日は約三年に相当します。年を超えた日数として、1000日を表現する時間単位が欲しいです。「1ミチ日」。若者が大学を出て三十代になるまでに2.5ミチ日。ごく狭い範囲かもしれませんが、その若者にしかできないことが2つぐらい獲得できているのが30歳ごろかと。

人数
1コワーカー人
1コグニシャス人
1スクールデイズ人
人が日常付き合えるレベルで20人、組織内で把握できる人数は100人。記憶から呼び出せる人数は、クラスメート50×小中高12規模から見積もって、1000人。そうざっくり仮定すると、1コワーカー人、1コグニシャス人、1スクールデイズ人。という人数感があるかと。私見です。

そんな事をツイッターで書いていたら友人が、教えてくれました。

「 いまだに身体尺が残ってる理由では?  

これはとてもいいですね。ディジット(指先)、パーム(手のひら)という多いんがあるんですね。


追記:

この情報から考えて、「世界中の身体尺を集めてカードセットにしたら、製品や体験をデザインする様な人々に、ツールとして面白がってもらえるのではないか」と、ふと思いました。(蛇足ですが、認知科学から、概念操作の基本を取り出すと、アプリ開発者に、以下同文)。

アプリのUIを作る時にもすごく良さそうです。あと、園児と小学生など、子供の基準でキッズ身体尺は、作ってみたいです。子供の身体尺をカードセットに。あるは実寸の半透明素材で。デザイン原案の上にそれを当てて見れる様な物を。これから、多くの人がデザインをする様になる。そのときにエントリ段階の人が、ちょっと手に入れたくなるような、ツールを提供したい。と思いました。




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