2011年07月10日

Identik(伝える、描く、楽しむ)

先日、東大のゲーム×ラーニングの勉強会で体験したゲームに、面白いものがあります。

 Identik
 (イデンティク)

 詳しい説明は、写真付きでネット上にレビューがありました。
 http://gioco.sytes.net/identik.htm
 http://www.tgiw.info/2010/06/identik.html


ダイアローグ・イン・ザ・ダークでも、似たことを感じたのですが、見れば一目瞭然の物事を、ことばに変換して伝え、伝えられた人がそれを解凍する(本来の物事にする、ここでは絵にする)ことの難しさ・興味深さです。


グループには人が5人ぐらいいます。

親になった人は、封筒を受け取ります。

そこには、奇妙な絵が描いてあります。

これを90秒ぐらいでメンバーに伝えます、見せずに。

アイテムがたくさんあるのと、常識的に考えたらこうなるだろうという縮尺ではなく、夢の中のあるいは幼児や芸術家の絵のように、現実描写的ではない絵なので、伝える側すらも困惑中といった90秒間です。

子になった人は、親の言うとおりに書きます。後から大きく描きなおしを迫るような表現をさせないように、初めに全体、後からディテール、を説明することが必要になります。

相手の指示があいまいで(それは絵自体が説明しにくいので)、書き手としては、時間がないので、とにかくえいやっと書き始めます。

私が書いた絵の一例。

Identik.jpg
時間が来ると、そこで筆おおいて、親は指示札の下(ここは封筒でかくされている)をみて、10のチェックポイントを読み上げます。例えば、釣り針よりも、魚は左にいる、とか、☆は9つ以上ある、とか。

そんなこと聞いてないよー!というチェックポイントもあるので、主に、読み上げながら親が「ああ、これも説明不足、あ、これも言っていない」と思うのですが、その辺が楽しいわけです。

皆で見せ合うと、同じことを聞いても人はここまで違う絵を描くか、と驚きます。



しゃべっている本人はすごく分かっているのに、相手にそれを説明できていない。

そういう人やシーンをよく見ることがありますが、それを切り取って、遊びにしたような、興味深さ。

ゲーム自体はシンプルです。ちょっとだけ絵を描く技術を持つ人の方が幾分有利かと思いますが(手が早いので)、絵心がなくても得点は取れます。チェックポイントがうまく設計されているなと、感心するところです。




―――

これは、体験すると、「足りない情報があっても、補って形にしていく作業」を何度も体験するので、完全には説明のしがたい体験を始める前の準備運動としては、秀逸ではないかと、想うのです。

企業研修などで、アイスブレイクにも、きっといいと思います。




 Identik (イデンティク、アイデンティク、など読みかが揺れそう)

 

DID。光なき世界。反応のあたたかさ。



反応のあたたかさ.jpg


Dialog in the Dark




私が、暗闇研修、と適当な呼び方をしているものは、正確には、ダイアローグ・イン・ザ・ダーク、と言います。略して表記するならDID。研修とも正確には違います。


完全な暗闇が設計されていて、1時間いても全く物は見えません。うす暗いのではなく、完全に光がない。

チームで課題をクリアをするものの、目が見えないと、物体の大きさ比較や、ご飯の用意なども全然できず、自分だけがやり方を想像して推し進めようとしても皆が共通認識を持たないとチーム活動が破たんする。そういう中では、ここにいるよ、きいているよと、はっきりと声を出さないといけなくなり、かなりはっきり言葉で自分を表現し始めます。

声の出し方が雑だと、意味がかわるので、丁寧に出すし、皆が反応を返してくるので、次第に暗い中にそこに輪郭が見えてくるようでした(ただ、その輪郭は、心理の中でだけ。後で明るい所で確認すると全く違っていました)。

その研修で体験したこと、気が付いたこと、書くのは、ネタバレになるので、慎重に避けますが、私がそこを出て最初にとったメモは、冒頭の物です。

人間は、1人の力では問題が解決できないと、悟ると人と協力する状態になります。震災の中でもそれはみられます(ディストピア)。企業やチームは本来、そういう、相互支援、相互フォローを必要としていて、1人じゃ突破できない壁を突破するための力が出現できるわけです。

感じたことがたっぷりある、面白い体験でした。



(追記)


体験の一週間後、つぶやきの中でこんなことを書いていました。

ダイアログ・インザ・ダーク。体験をした中で、声の出し方をまず学ぶ。漆黒の中では声を発さないと存在の輪郭がぼやける。徐々に声を出さない人の存在がぼやけてしまう。相づちも声だけなので、明瞭にしかし優しく打つ。声の性質や出し方が不安な中で人をリードする。

ダイアログ・インザ・ダーク。この中でわかったのは、暗闇で行動をするのに、最適な人数があるということ。コラボレイティブな作業をするのに、腕の数が増えるほど効率的になりえるのは、情報交換コストが限りなく無視できるケース。(例:多国籍メンバーが共通語を持たないならば、増えるほど、混乱するだろう。)

多すぎる集団は、作業可能人数に分けて並行作業をし、のちに統合する。生存行動に対して、複数人の方が助け合えて、1人よりも生存確率が上がる可能性があるが、集団サイズが大きすぎれば、「コミュニケーションコスト(確認、伝達、)」や「トライとフィードバック」の時間増加。ある水準を超えると一人の方が生産性がよくなる

「(沢山のものを大まかに三分割して、その中で、それぞれの処理をして、のちに、連結する。それではうまくいかない場合もあるが、うまくいくときは早い。)

「(月で遭難。というグループ検討ワークがある。20品目のうち、7品目しか持ち出せない。それで母船まで3時間のうちに帰る。何を持っていくといいか。(数字うろ覚え)。議論人数が増えるほど、より有効な解を得る。例えばピストル。初めは突飛な案に思えるが、崖を反動で跳ね上がり大幅な時間短縮解。)

ダイアローグ・インザ・ダーク。暗い中で議論中にも、僕はリーダ役として議論に聞き耳を立てながら時々腕を伸ばして、周囲を探索していた。部屋のサイズをしり、障害物を知り。もし本当の危機が来たら、逃げるべき方向を知りたかったから。座って議論を続けるのは、そこが安全という前提。

渋谷駅、山手線ホーム、ベンチ。目を閉じて、風景をみてみる。もう一つの。目を閉じて電車を三本、やり過ごす。電車の入ってくる様子が、べた塗りの中にホワイトでかいたように朧に見える。最後にホームを降りる人の足どりのちがい。動いているものは、目を瞑っても見える。朧に。潜むような佇まいの人は消えてしまう。スピーカーの音でも、人の動きはかき消される。山手線のドアが一斉に閉まる瞬間、ホームのベンチはその振動を拾う。それだけ結構な瞬間力がおこるのか。



■ idea

いつか、真っ暗の中、あるいは、無音の中で、新しい学びをもたらすようなアイデアワークショップをしてみたいです。



航海マネージメント・ツール(2011年版)



航海マネージメントツール(2011版).pdf


未踏領域を進むリーダを、文献・実施で見ていて、創ってみたツールです。


posted by 石井力重 at 17:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 航海マネジメント・ツール

2月25日にその場にいた人々(FBアイデアワークショップの開催報告)

2011年2月25日。

震災の半月前のこと。昔からのごく親しい人々とで、アイデアワークショップをした時があります。ずっと書こうと思っていた開催報告です。今書きます。

場所はFiveBrigde(ファイブブリッジ)。

仙台僕らの周りではFBといえば1.ファイブブリッジ。2.フェイスブック。という辞書が頭の中にあります。

この場所はNPO的なところです。ソーシャルベンチャーとしての性格を持つデュナミスの地域やソーシャル的な部分がずっと前に具現化したところ。名ばかりですが、私もファイブブリッジの理事の一人です。

その一環で、毎年、年度末頃に、ファイブブリッジでのアイデアワークショップをして、その開催費用を運営費に充ててもらっていました。

今年も、それをやりました。

いま、想うと、このメンバーというのは、その後の復興期の仙台で鬼のように動いていくメンバーたちなのです。多分、僕が一番、動いていないぐらいでしょう。

写真をアップして、しみじみ思うのは、平和だった時代、ここに集う人は皆、楽しい未来を仙台に作りたいと思っている志しドリブンの人々だったと、今思います。


写真左手は、FBの理事長、畠山さん(河北新報社)。我々の層をゆるく引っ張るアニキ分。彼が言い出すと、みんなもし、”わかばやしく”さんがいうなら、もうやるしかねーなー、と言わせしめる人。

その横が、レムールさんに河合さん。

sendai_DSC07558.jpg

奥のテーブルの中央は、言わずと知れた渡辺一馬さん。デュナミスの社長であり、今のこの地域のNPO的復興支援活動の大黒柱。死ぬんじゃないかというぐらい復興支援に向けて働いています。

その右は、山田さん、後に韋駄天のような活躍で復興ファンドを起こし、人を募り、沿岸部へ経済的な支援の流れと心の流れが起きます。



sendai_DSC07562.jpg

手前のテーブルには窓際に座っている男性がTDCの小泉さん。復興期のエンジニアの奮起に大いに活躍している中心人物の一人です。

この日のアイデアワークショップは、平和だった時代に、私が行った最後のアイデアワークショップでもありました。旧知の仲間たちと、いつもの時間でどんどん進める進行とはちがった、ゆっくりした安寧の空気の中で行ったワークでした。

 この日の様子は、山田さんがブログに書いてくれています(多謝です!遅くなりましたが)。
 http://yamada.da-te.jp/d2011-02-26.html

その夜、みんなで飲みに行きましょう、ということで、畠山さん、一馬さん、山田さん、そしてワークショップ終りに駆けつけてくれた、津田君と、私石井で、周平へいきました。

津田君は、三陸おさかな倶楽部の津田君。のちに、故郷の石巻が丸ごと流されて、経済復興に向け、彼もまたえらい活躍をしていて、つい先日は、国会の場でも津田鮮魚店の名前が出て、今朝もフジテレビに長く出ていたそうです)

津田君がオーダーしたフライ。え、こんな夜中に、えー、1人一個もいらないでしょう、、と思いきや、これが激ウマで、わいわいいって食べました。中身は思い出せません。

sendai_DSC07563.jpg

地元仙台で私が飲み会に行くのは、珍しいのですが(翌日ワークショップがあればマイルール的にお酒が飲めないので)、この日はなぜか、みんなでゆっくり飲みたいな、と珍しく私からみんなを誘って飲みに行きました(そして終電がない)。

なんというか、いろんな意味で、震災前の最後のアイデアワークショップが、ここで一区切りしたんだな、という日でした。変わってしまう前に居間の時間をもう少しだけ楽しみたい。この日が終わってしまったら、次のステージへ、1つ段階を自分自身が上がろうとして、それはワークショップに限らず、いろんなものが、変わり始める、そんか気がしている夜でした。

その変化が、まさか地震だなんて微塵も思いませんでしたが。



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アイデアワークショップの開催報告としても、きちんと、ここから、書きます。

ワークショップでは、テーマ設定ワーク、というものをやります。効果的なグループワークができるように。

FB_iws2011_テーマ設定ワークでできたテーマリスト.pdf

この時のテーマを見ると、当時の仙台・宮城の企画的な人々の意識が垣間見れます。ほほえましい、テーマも結構あります。

進行スライドは、こんな感じでした。

FB_iws2011_001.pdf

最後には、「一年前のワークショップへの回答」を入れました。

20090902_FB_質問シートへの回答.pdf

こんな感じの盛りだくさんの内容でした。

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来年の2月頃、また、ファイブブリッジで、このメンバーでアイデアワークショップができるだろうか、と思うと、最後の飲み会は、ある意味、予感だったのかなぁと思わなくもないです。皆、疾走していく日々をおくっていますからね。この時代の友人の一人は、今日から、シリコンバレーに修行に行きました。かつてそこに集っていたメンバーが、大きな歯車をあちこちで回し始めた時期。それが、震災から3~4か月、という時期なんだなぁと思います。

Fandroidキックオフ スライド



キックオフ.pdf


「結論から言うと、それでも進もう」
「人々のにぎわいにつながる道へ」

映画『魔女の宅急便』が好きです。なんども見たい物語。

久々に日記的なものを書きます。


映画「魔女の宅急便」を娘たちとみました。学生時代からこの作品が大好きで、テレビで放映される度に見ています。

 

この場所って、どこなんだろう。若いころに見たナポリの景色と似ているようにも思うけれど、ちょっと違うようだし。

 

そう思って今回は、調べてみました。

 

 

http://www.ghibli.jp/40qa/000026.html#more

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%94%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AE%85%E6%80%A5%E4%BE%BF_(%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%AA%E3%82%B8%E3%83%96%E3%83%AA%E4%BD%9C%E5%93%81)

 

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%BC


 

舞台の町並みとなった(所の1つ)は、Visby(スウェーデン ゴトランド島)という街だそうです。

 

いつか、そんなところに、鞄1つでいって、何かを作りながら2か月ぐらい暮らしてみたい。そう思いました。

 

 

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posted by 石井力重 at 11:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

キックオフ(Fandroid)

7月8日、ファンドロイドのキックオフイベントを行いました。

開場は、旧141の5階。ざっと見、60〜70名ぐらいの方においでいただきました。

内容は、前半は、運営メンバー全員が、ライトニングトーク的に短く目線のずっと先にあるものを語る、ビジョンパート。

後半は、全員でブレストとアイデアスケッチ作成です。ファンドロイドは、参加者の一人一人が、主役であり、考えしゃべる。案を沢山出しあえる風土をこの場が持つことも願って、楽しくブレストを。

その様子を写真と動画でご紹介します。

Fandroidキックオフ_アプリのブレスト_.jpg

(もし、映ってはまずい方がおられたらご指摘ください。)


ブレストの前は、静かですが、東北人は、結構、場があれば、闊達にアイデアを出しあう人が多いのだと思います。

10秒ビデオを、2本とりました (音が出ます)





なるべく、知らない人同士で、3~4人組を即興で組んで、行っているブレストです。作る人はそもそも、クリエイティブな所がベースにあるので、場をうまく設計しさせすれば、発露するものはするし、短い時間でもかなりの数のアイデアを生み出しています。

今回のキックオフの後、懇親会も多くの方においでいただき、いろんな展開の可能性が見えてきました。

2次会は技術や面白さについて朝方まで___.jpg


経済的復興、東北のクリエータに仕事を作る、というのは、喫緊の課題で簡単なことでないのも重々承知していますが、長く険しい道を行くのだからこそ、楽しく復興したい。

皆さんの笑顔や活気を見るに、この地の未来を拓く力は、元から備わっている。それを引き出す何かが必要だ。そう思います。ファンドロイドもその呼び水の1つ、になっていけるといいなあと思います。



追記:

翌7月9日の日経新聞に、ファンドロイドの事が、紙面とWEB媒体の両方に、掲載されました。(キックオフの事ではなく、その前に取材時の内容です)



 



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