2011年08月10日

「SHOT NOTE」の産みの親。実は若いころに仙台で出会っていた青年でした。

8月10日、珍しく人と待ち合わせて新幹線に乗りました。

私はこの日を非常に楽しみにしていました。


話しは少し前にさかのぼります。

「SHOT NOTE (ショットノート)」
http://www.kingjim.co.jp/sp/shotnote/

2011年2月に、キングジムが発売した「デジタル連携を容易にするノート」で、すごく面白いコンセプトだと思って注目していました。

ノートにマーカーが付いてて、スマートフォンで撮影すると、その紙面が台形補正されてデータとして取り込める、というノートです。

ラインナップは、4種があります。


■メモパッド
214x148(だいたい、A5サイズ)

このLサイズの他に、MとSのサイズもあります。



■ポストイット
100x75(よく使う真四角のポストイットを縦に少し長いサイズ)


デジタル連携だけじゃなく、単体としてもよくできていると感心するのが、粘着部です。上部の帯状についているのに加え、中央に一円玉ぐらいの大きさで粘着部があります。これにより張ったものがカールせず、風にあおられてめくれて取れることもありません。剥がしやすさはそのままに。



■リングノート


ミシン目があって、切り取れます。



■リフィル
210x148のルーズリーフのリフィル

サイズは、このA4と、B5版(大学ノートサイズ)があります。これも、よく考えられていて、これ単体でも利用が十分可能です。かつ、他の形状に比べて安価なので、これを試しに使ってみるのも良さそうです。どう工夫されているかというと、やややわらかめのクリアフォルダのような材質の透明なケースに入っていてこれ単体を持ち歩くことができます。黒い仕切り板があるので、書いたものを板の後ろにおくれば、「A5版のアイデアカード;フォルダー」として、運用できます。ルーズリーフを所有する予定がない人(私もそうですが)にも、単体での利用を提案しているあたりが、面白いですね。


・・・

私は、カメラ付きのスマートフォンを持っていなかったので、純粋に文具としてだけこれらを一通り使ってみて、よくできているなーと、そのアイデアの重層さに感心していました。いつか、これを作った人に会いたいなぁと思っていました。


さて、新幹線を待ち合わせた話に、一気に戻りますが、その新幹線で待ち合わせたのが、キングジムの遠藤慎さん。ショットノートの産みの親です。

ideaplant_DSC00153.jpg

どうやって知り合ったの?、そして、なんで一緒に仙台に向かうの?というと、長い話もあるのですが、簡単に言うと、遠藤さんは仙台出身で、昔、アイデアプラントの創世期の活動(アイデアだしの代行サービス・アルバイト。カヤックの元気玉に似ています。)に、大学生として参画してくれていた遠藤君でした。彼の参画したブレストは、非常に顧客からの評価が高く、アルバイト代としては過去最高金額をたたき出したアイデアプラント内、伝説の案件です。(ちなみに、クライアントからもらったお金はすべてアマゾンチケットに変えて、参加した学生さんが教科書や専門書を買うお金にしてもらっていました。)

彼が、その後、文具メーカに就職したことは覚えていたのですがうろ覚えで、KoかKiのどっちだったかなと、思っていました。そして、6年ぐらいの月日が流れて最近、遠藤さんからメールをもらいました。そして、彼がなんと、「SHOT NOTE」の開発者だと知り、驚きました。

その目で、この文具のデジタル連携する紙という、メインのアイデアや、リフィルの単体での活用方法の提案が暗に入っているところなどの細かい点でのアイデアとか、なるほど、とうなずいていました。


今回は、私が、東京から仙台に戻る日と、彼が仙台に帰省する日が一緒だったので、時間を合わせて上野から一緒に乗りました。

ここには書くのをやめておきますが、「創る」という営みについて、面白い話もたくさん伺いましたし、文具や知的活動の周辺の事を話している中で、よく脱線して文具アイデアをブレストしては、また、本題に戻る、という感じの楽しい車中でした。

ideaplant_DSC00157.jpg

ノートがさっと、出てきてメモをとりますが、それはやっぱり、SHOT NOTE。作った本人が使っている様子は、興味深く。中身に配慮して写真はぼかし気味に。

特に、遠藤さんのチーム組成の視点や、ブレストの方法、ブレストをする場所など、この辺は、創造工学の研究の観点からも実に興味深く。一度キングジムの食堂にお邪魔してみたいなぁと思いながら、いっぱいメモを取っていました。


遠藤さんは、キングジムに入って六年。これまで、リーダとして3つぐらいの製品を手がけていて、ショットノートが出る時点では、市場の反響もみて、次の事を考えていたそうです。クリエーターは、大きなヒット作品を生み出した後の動き方について、共通の悩みや壁にぶつかる事例もよく見られますが、遠藤さんは先輩からのアドバイスをもとにのびやかな視線で未来を見据えてどんどん進んでいるようでした。



今日の教訓)

会いたいなぁと思う人に、昔、会っていた。
今日会う人も、いずれそうなる人かもしれない。

男子三日みざれば括目してみよ。
最近、よく、そう思うのでした。
括目してばかりじゃ、だめ。自分がされる側にも、やっぱりならないと。

今日、無名の私に会った人が、いつの日か、「これを作った人に会いたい」と思ってもらえる日を想像する。創ることに一生懸命になる。そういう内燃機関の回し方も、ありだなぁと思うのです。

2011年08月09日

新しいモノづくり、コトづくり、のプロジェクトに呼んでいただきました。

8月9日。東京で、面白い新製品アイデア創出のワークショップを行いました。

今回のご縁はケイズデザインラボ(東京都渋谷区)の社長、原さん。アイデアワークショップで以前出会ってからお付き合いをさせてもらっています。原さんの事業は面白いことをしています。デザイン、デジタル、モノづくり、その辺りの未来のあり方を感じさせるものです。

たとえば、FreeFormという面白い、触感のある3Dモデラ、があります。
http://www.ffms.jp/index.html
ペンを三次元上で動かすと、削る表面に触ると手ごたえがありつつ、表面を成形していくことができる、というもので、従来が、表面形状を数式であらわさないといけなかったのにたいして、非常に有機的な表面形状をデータの中で作ることができます。これをやろうとすると従来は、粘土でモデルをつくりそれを3Dスキャンするという行程が必要でした。それは、それなりに精度のこともありますし、複雑に入り組んだ形状に対しては制約がありました。それをFreeFromは払しょくしています。

同社のWEBサイトも見てみると、事業の説明として、こんな風に書かれています。
http://www.ksdl.co.jp/company/profile.html

3次元デジタルツールを活用した新しいプロセスや新事業の企画・提案をしている会社です。
もちろん、それら3次元デジタルツールの販売もしています。
しかし、ツールは所詮ツール。使い方、運用方法でその効果は大きく変わります。
当社では、それら3次元デジタルツールの様々な活用方法を日々研究しています。
3次元デジタルサービスを様々な分野のお客様から実際に受託しているのもそのためです。
いつでも気軽に当社に遊びに来てください。
ちょっと進んだ、新しい技術と発見を多くの方々に体験していただきたいと思っております。

3Dプリンターを出力機器としたとき、出力されるものの価値によって、この種の機械の価値は大きく変わります。同じものであったとしても、企画やコンセプト部分の良し悪しはその出力されるものを大きく変えます。その辺は、紙をコピーする機械が登場した時もそうだったでしょう。それのずっとハイグレードなことが、今3Dにも、あるわけです。

その意味では、原さんの所は、3Dで出力したい人に道具や出力行為を提供する、というだけでなく、コンセプトワークやデザインワークを含めて、お客さんの価値創造を力強くサポートすることを提供しています。

面白いなぁと思っていたのですが、原さんから、あるプロジェクトの、アイデアワークの進行を担当してほしい、という依頼をいただきました。面白そうな仕事は二つ返事。そんなこんなで、秋葉原のとある企業さんへ、原さんとエキスパートな仲間たち(デザイナー、コピーライタ、の方々)と共にいきました。まるで、漫画・ワンピースのよう。いろんな分野の達人がプロジェクトメンバー。おら、わくわくするぞ、的展開です。(このセリフは鳥山先生の作品のフレーズですが)

場所は秋葉原。守秘があるので細かいことは避けておきますが、実に面白い立地にあります。原さんと仲間たちは、5名。お客さんは7名。合計で12名でアイデアワークをしたのですが、アイデアスケッチを窓に貼るので、ブラインドを開けてみると、目の前には、メイド喫茶のビル。最上フロアーのメイド喫茶は、スクリーンが上がっていて働くメイドさんたちがよく見えます。眼下には秋葉原の街が見えて、人行く中に交じって、客引きのメイドさんがうろうろ。「うーむ、、カオス・・・。」と内心おもいつつ、そういう環境は発想には良いので、眼下を眺めつつアイデアワークをやりました。

ideaplant_DSC00148_.jpg

守秘に配慮して、一般的な表現でワーク内容を表現するとこんな感じです。

1)発想テーマに関連する情報の共有(ユーザについて、要素技術について)

2)エクスカーション(詳細はすこしデリケートなので省略)

3)5分交代のペアブレスト(5回、実施)

4)全員でフリップボード・ブレインストーミング(アイデアを紙に書き出し、提案)

 書いたら、それを壁(今回は写真の窓)に貼っていきます。

5)全員でハイライト法(魅力度の高いモノに☆を書くワーク)

6)レビュー(☆の多いアイデアをレビューしていきます)

いつものアイデアワークではここで終わりでしたが、最後に神田さん、原さんに、アイデアのグルーピングや次のステップへ向けてのアイデアのまとめをしてもらいました。

ideaplant_DSC00151.jpg

写真右手は、原さん。左手は神田さん。

この時出たアイデアは、残念ながら公開できませんが、ぜひアイデア→デザイン→製品化となった暁には、1つ購入してみたいなぁとおもうものでした。

お昼ご飯を、このプロジェクトメンバーで食べたのですが、興味深い話が沢山ありました。お仕事で呼んでいただいたのですが、そうした方々との出会いだけでも、とても貴重な体験となりました。

2011年08月07日

【11日15時〜】拡大版ブレストCafe(及び、開発ノウハウ勉強会、他)

来週のFandroid アイデア創発分室 オープンアワー(KAYAC仙台でのファイナル回)は、11日に行います。

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日時:2011年8月11日 15:00〜18:00(どれか一つだけの参加も大歓迎!)
場所:カヤック仙台支社(サンラインビル8階)



■15:00〜16:00
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第一回A3受賞者 タカハシ氏を囲んでの開発ノウハウ勉強会

予定内容(※状況により、変更になることがあります)

「コンテストに受賞するために取った戦略」
「開発者に聞いた「自分が初心者の時に知っておきたかったこと」」
「最新のAndroidは今までと何が違うのか(2.3, 3.1)」

 トークと、その後は、参加者との対話式で、時間の許す限り。

講師:タカハシケンイチ氏

・NTTソフトウェア株式会社勤務
・A3 2010 Winter にてLook and Feel賞受賞
・日本Androidの会横浜支部運営委員
・エンジニアとスタートアップベンチャーをつなぐ活動
 ・Engneer Startup Meetingに参画
 ・Startup Weekend Tokyo講演
 ・LinuxConオープンイベント講演



■16:10〜17:10
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ブレインストーミングCafe

 カヤック仙台支社で行う最後のブレスト。
 ぜひ、創造性を刺激しあう時間を楽しんでください。
 アプリのアイデアを皆で話し会います。



■17:20〜17:50
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企画書ライティング勉強会

「Fandroid秘伝のアプリ企画書フォーマットを
          使った企画​書づくり勉強会」

 アプリの企画はあるけれど、がっちり説明できる企画書を 
 書くのは苦手。そんな時に役に立つツール(ひな形)を使って
 みんなで企画書を書いてみましょう。

(初の試みなので、不手際があるかもしれませんが
 ご容赦ください)

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カヤックさんの仙台支社でずっとやらせてもらっていましたがこの日が最後のイベントになります。カヤック仙台支社さんは当初の予定通り、仙台支社の期間満了になるため。カヤックさん、今までありがとうございました、の意も込めて、拡大版を企画しました。お盆明け以降は、場所も中身も新しい要素が加わってきます。


余談:

ファンドロイドのオープンアワーは、これまで「ブレストCafe」オンリー
でしたが、徐々に、成長段階を上がるように多様化したいとおもっています。
私見ですが、企画書、デザイ​ン、デモデーなど、地域の作り手のご要望に沿い
必要なことを、やっていきたいと思います。

その意味では、純粋は「ブレインストーミングCafe」だけを行う時期の最終回
という面もあります。

ぜひ、気楽な気持ちで、ご参加ください。

拡大版は、一部だけでも結構です。出入りは自由です。
後半になるほど、開始時刻がずれこむかもしれません、大変恐縮ですがご了承ください。



2011年08月06日

属性列挙法(特性列挙法)の5つのステップ

技術者の方向けに、物の改良案を発想する時に便利なアイデア発想法の1つとして「属性列挙法」(※)を紹介します。

(※これは、VEのテキストでは「特性列挙法」とも表現されます。同じものです。以下の表現においては、属性=特性、として読んでください。)


■ステップ1
属性列挙法(特性列挙法)は、3つの観点(名詞的属性、形容詞的属性、動詞的属性)を念頭におき、改良を試みるものが持つ属性を列挙していく。

■ステップ2
重複するものを1つにし、矛盾するものはどちらかに絞る。

■ステップ3
名詞的属性、形容詞的属性、動詞的属性、の3つに、列挙したものを分類する。

■ステップ4
分類したものを見て、各属性ごとに漏れがないか、考えてみて、あれば加える。

■ステップ5(発想)
属性一つ一つに対して、その属性をもっと利用したり、別の物に置き換え、改良案を考えてみる。


補足:

詳しい内容と、その発想例(暗いスクリーンの改良案)は、誠ブログに掲載しました。

属性列挙法(特性列挙法)
http://blogs.bizmakoto.jp/ishiirikie/entry/3101.html

posted by 石井力重 at 22:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2011年08月05日

価値工学(VE)

世には様々な工学があります。私の専門、創造工学(非常にマイナー)も工学ですが、感性や認知系のものを工学的に扱うものは実は結構あります。工学、という名称をつけられていないだけで。

さて、それよりもかなり工学的な度合いの高い「Value Engineering (価値工学、通称 VE))」というものがあります。

産業界において、VEの使い手は、TRIZのユーザ層と似ているところもあり、お互いの手法領域はもっと融合的な新展開をみせてもいいのではないか、と思っていました。

そんな経緯もあり、かつ以前から、VE協会さんとは、講演でお招きいただいたこともあり、しっかり基礎の勉強はしたいと思っていました。

そこで、座学+『VE基礎講座テキスト』から、私なりに理解してメモしておきたいところをメモしてみました。それを、情報カード(名刺カードと同じサイズのカード)にまとめてみました。

VE_学習したことをまとめたカード.pdf

・・・引用 『VE基礎講座テキスト』

かなり、我流の理解ですので、初めて学ばれる方は、正確なテキストや講習で学ばれることをお勧めます。このファイルは、VEの雰囲気を表現してみたいのと自分なりにまとめておきたかったので作ったものです。



追記:

■VEにおけるアイデア発想法について

VEについては「代替案作成」のところで、アイデア発想法の事が出てきます。VEの文献を沢山見たわけではないので正確ではありませんが、そのアイデア発想法のパートに出てくる技法類は以下のハンドブックに技法のダイジェスト説明が多く、参照に便利そうです。(ただ、本格的な個々の技法を手取り足取り語るものではないのですが。あくまで事典。)

「新編 創造力事典」



これは、日本創造学会の現在の理事長「高橋誠」先生の書かれたもので、オーソドックな発想技法を知るにはこれがもっとも参考になるでしょう。

VEで言及されるような各種の発想技法は以下のページにあります。

302 形態分析法
307 チェックリスト法
312 マトリックス法
314 属性列挙法
316 希望点列挙法
318 欠点列挙法
325 SAMM法
331 ゴードン法
334 シネクティクス法
339 NM法
343 バイオニクス法



posted by 石井力重 at 20:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | TRIZ

2011年08月04日

東北工大の学生さんが授業で開発したゲームのプレゼンを見てきました。

最近、Fandroidの活動を始めたことで、また面白い出会いが増えました。その一人が、東北工大の堀江先生です。(雰囲気が生文高の倉本先生とちょっとにています。アートの先生っぽい感じが、と言いますか)

堀江先生の所の生徒さんが、授業課題としてアナログなゲームを作り、そのプレゼンの場があります、ということで見学させてもらいました。

写真を中心にアップしたいところですが、彼らのアイデアのレベルの高さや授業の風景ということもあって、今回は、ぼかした画像のみ、アップします。(かなり面白かったので、本当は、雰囲気も含めて伝えたいところです)


まず、冒頭に、各チームのゲーム内容についてのプレゼン。

game_kikaku_DSC00089_.jpg

ネコミミを付けた「犬役」と、もふもふの綿を付けたヘルメットを被った「羊役」の男子学生さん。はにかみながら、ネコミミカをつけているあたりが、場を和ませます。

全部のチームがプレゼンをしました。全てがさっとわかるチームもあれば、難しそうで、実際にやっている感じが想像できなチームなど。

プレゼンに力を入れて作ったチーム、割と、プレゼンがうまく行かなくて(多分)悔しい思いをしただろうチーム、など様々。

プロジェクターの輝度が甘い場合、スライドの中の文字のコントラストはぼやけるので「彩度」を意識していない文字色(黒字に赤の文字とか)は、かなり見づらいし、プレゼンの機器によっては、改行がくずれたり、背景色の設定が強制的に変わったりで、かなり大変な思いをされた方もいました。社会人になってプレゼンをなどもすると、そういう悔しい目に合うし、そうならないために、見え方や機器動作チェックもするようになるし、バックアップ用に画像化スライドやPDFファイルも作っておくようになりますが、そういうことを初めて人が学ぶ場に、立ち会ったようで、むずむず。失敗して次はもっとよくなる。学生のうちにそういう経験をさせるこの授業は、素敵だなぁと思いました。

その後は、お菓子を食べながら、実際にゲームを体験させてもらいました。多分3時間ちょっと。久々にゲーム試作の時間に没頭した時期を思い出しました。

game_kikaku_DSC00112_.jpg

これは、プレイヤー1が犬、ブレイヤー2が羊(白と黒がある)が、戦うゲーム。シンプルな操作、ルール、単純な板面ですが、年齢層が非常に低い層でも、楽しんで遊べる秀逸な作りでした。目の前に見えるこの段階に来るまでに、非常に工夫をされたなというのは、作り手側の経験に照らしてみてわかりました。ボードの盤面の広さ、コマの数、勝利条件づけ。秀逸だなと思ったのは、これは難しい戦略性を考えない二人でもすぐに完全なルールで遊び始めることができるし、その単純なルールは、板面広さ・駒数多さと相まって、かなり戦略的な仕掛けをプレイヤーがしていくこともできます。

駒が実際の動物であることもいいですね。リアル物をアイコン化していくとそれは、チェスの人形のような抽象造形だったり、将棋のように同じシェープに文字でその駒の名前を書いたりしますが、コストを度外視するならば、人間がより直観的にわかるアイテムにする、というのは、とてもいいと思います。量産する時にはもちろん、コスト見合いで工夫が必要ですが、基本姿勢としてそれはいいなと。

ちなみに、犬役をやってみたのですが、負けてしまいました。作った人は戦略パターンそのものを本質から知っているので強いわけですが、それにしても、なるほどこういうことが起こるのか、とかなり面白かったです。次には羊役をやったのですが、あっという間に捕まえられてしまいました。あれ、さっきは、あんなに捕まえるのに苦労したのに・・・。と。

将棋やオセロ、チェスはお互いに同じものを持って、攻守入り乱れるわけですが、これは、逃げる側・守る側にわかれる点がおもしろいです。ゲームでいうと環境ゲームで「地球破壊側」「環境を保護する側」に分かれたバトルや、スコットランドの街を逃げおおせる「犯罪者側」「それを捕まえる側」と別れているわけですが、そういう非対称な行動のゲームというのも、やはり面白いですね。


次は、秘法を集めて脱出するゲームを体験させてもらいました。

game_kikaku_DSC00115b_.jpg

最初に感心したのはルーレットでした。ルーレットはなかなか難しいパーツなのですが、チューブ歯磨きのキャップと画鋲であっさりと十分なクオリティーを出しているあたり、素晴らしいと思いました。

イベントカード、アイテムカードも各200枚を超えるもので、それらを考案する・制作するのは大変な労力であったろうと思います。一つ一つに絵も入っていてなかなかのクオリティ。

ゲームの盤面が均等にイベント出現アイテム出現なのですが、モノポリーライクな、盤面上に傾斜配分があってもいいかなとおもいました。しかし、ゲーム後半で一定のエリアに近づきたくないモンスターが出現(それがカードのランダムによって出現するけれど、一度出てしまうとそこにはしばし危険がずっとつづく)という面白い設計で、なるほど、と思いました。

私は、直前まで遊んでいた人に代わってもらったのですが彼女がフル装備を備えていたのでバトルは楽だし、カードの引きがいいので、無的に近い感じだったのですが(ちなみにまったくの余談ですが、カードの引きの良さ、というのは、あるんでしょうかね。やたらいいカードを引き当てる人が友人でいます)、最後の最後、もうこれで、自分の母艦マスにもどれば終わり!というところで、偶然に他のプレイヤーとのバトルになり、負けてしまい、最後の最後でまた旅に出ないといけないという状況に。これは偶然おこったからこそ、盛り上がる要素でした。そうこうしているうちに他のプレイヤーも次々と勝利条件をそろえ始めて、自陣に戻り始めました。そうなってくるとゲーム終盤は盛り上がってきて、私は他のプレイヤーとの接触で、勝利条件をくずさせてしまい、なんとほかのプレイヤーの引いたカードが(自陣に戻る)だったので、いきなりタナボタ的に勝利してしまいました。

長い時間、遊べるし、人生ゲーム的なものなのに、他のプレイヤーとの勝負があることも面白いと思いました。分岐では偶然性があり、うまく移動をできることもあれば、そうでないこともあり、その辺がゲームのひたすらな目的達成をさせない工夫でした。この長い時間を共有するゲームであれば、プレイヤー間にもっと、会話が増える要素があったらまた違ったトーンの面白さも含めることが出来そうだと思いました。

ボードがたたむとトランク(冒険者のトランク風)になっていて、その辺の楽しさの演出も素敵でした。この部品点数の多さが製造する場合には原価高になるなぁとは思うのですが、一品のコンセプトモデルとしては、十分ありかと。


長くなってしまったので先を急ぎます。

次は、カヤックの野崎さんがプレイヤーとしてやっているものを横から見学させてもらいました。

game_kikaku_DSC00121_.jpg
 
板面が三次元的になっていてお城に上る感じもあるし、板面がクリアなもの出てきているのもまた質感があって素敵でした。三種類のコマを使って相手の王をとることを遊ぶのですが、地下通路で板面をスキップできることで抑止力になったり、影武者のうち一つが本物でそれを予め伏せたカードで宣言しておく、というのは面白いゲームシステムだと思いました。ある意味、どら、に近いそれを、自分たちでセットするような。

ゲーム展開を多様にするイベントカード、攻撃カードがあって、一気呵成にいけるところもあったり。攻撃力はサイコロ勝負なので出目の偶然性にも影響されて危なくしのぐシーンも。

デジタルゲームならば、十分にいけそうなシンプルさで、アナログゲームとしては、最初の1ゲームで理解して次からが戦略的に動かせるかな、という感じでした。なんども友達と遊んで楽しんでいけるタイプのものですね。これはこれでよくできています。複雑な説明になりがちなところをかなりすっきりとした説明でマニュアルにしているあたりも、これはかなり練ってつくっているだろうことがわかりました。

アナログの世界でもここまで、デジタルゲーム風な感じのテイストやルールをつくれるのか、というのが大きな学びでした。最近のゲームは、アナログはデジタルにできないものにしていく傾向と、アイテムやルールを単純にしていく傾向があるように思っていましたが、それもその限りではないなと。


最後に飛び込みで15分だけ体験したのが、恐竜と卵のゲームです。

game_kikaku_DSC00131_.jpg

駒が全て手作り。恐竜。いいですね、男の子たちはすごく喜びそうです。もっといえば、商業化した時に、「がちゃがちゃでとってきたナンタラサウルスを盤面上に7体召喚!付属カードの攻撃力で敵を倒せ」みたいなカードバトル市場とフィギュア市場の融合点を想起することができました。

盤が大きければ、大人に人気のフィギュアで同じように遊ぶことはできるので、意外とこれは面白い可能性があるのではないかと思いました。

使うフィギュア―が何でもアリで、iPhoneで撮影すると、その写真の特徴点から、体力、防御力、特殊技能、が自動生成されて、それをフィギュアごとに付与して戦う。そんな商業イメージも想起で来ました。

ゲームシステムとしては、今の単純さはいいと思いました。一撃必殺ではなくある程度の体力を持っている、敵の心臓部を突進して叩きに行く事もできるし、総力戦で戦うこともできる。そういう自由度感は単純ながら遊びの幅がありいいですね。


他にも面白そうなゲームがあったのですが、時間の関係でここまででした。

貴重な体験ができました。多くの学びをいただきました。ありがとうございました。


2011年08月03日

ブレストCafeをしました(KAYAC仙台でのラス2)

8月3日。カヤック仙台支社内の「Fandroid アイデア創発分室 オープンアワー」は、ブレストCafeをしました。

今回は、急きょ決まったテーマで、「Fandroidの代表作になるような復興支援アプリ」という、むちゃぶり感あるテーマでやってみました。

最初は、いつも通りの3人ブレストから初めて、1ラウンドが終ったところで、いつもとは趣向を変えて、カヤックでのブレストに近い進行でのブレストをおこなうことにしました(方法を切り替えました)。

ブレストCafe0803.jpg

正しく言うと、ブレインストーミングというよりは、発案会議、といった感じですが、これもまた興味深く。全員が1テーブルを囲みます。

ブレストCafe0803b.jpg

皆さんに了解をもらい忘れてしまいましたので今回は、ぼかし処理をして掲載します。

野崎さんに進行してもらったのですが、その場が面白いなあと思うのは、企画的に発想しつつも、実現可能なアイデアであることも意識しつつアイデアを出していく事です。これも一つのブレストの発展形の姿と思います。

特に、野崎さんが進行役となった今回は、参加者がアイデアを投げると、さまざまな実現上のノウハウが返ってくる、という興味深いものでした。

 ご参加いただいた方のブログ
 http://d.hatena.ne.jp/arcanum_jp/20110803/1312384617



このブレストCafe、と銘打ってきたのは、Fandroidのオープンアワー(公開タイム)として行ってきました。そろそろ、このオープンアワーには、別のコンテンツ(企画的な練り上げを行いたい作り手のためのスキル)を提供するフェーズに入ってきたように感じます。ブレストCafe以外のコンテンツを行う会も出てきます。どうぞお楽しみに。


なお、次回のブレストCafeは、カヤック仙台支社で行う最後のブレストCafeです。「カヤックさん、復興支援ありがとう」企画として、ブレストCafeは拡大版で行いたいと思います。詳しくは次のブログにて、紹介します。





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