2011年09月30日

良いアイデアも潰されることは多い。 人にアイデアを提示する時、 潰されないようにするには、どうすればいいか

この問いには、創造工学的に述べると、3つのアプローチがあります。そのうち、オーソドックスな物を1つを紹介します。

人は、他者のアイデアを否定する目できく。
新規なもの、知らない人のもの、であるほど。

良さばかりがどんどん大きく示されていく話を人は警戒する。
そのアイデアの良い所に目が行くのは、
アイデアのかけているところがなさそうである安心がともなって、である。

アイデアを述べ、
一方で主要な懸念事項も挙げ
それへの対策案も提示。
そのうえで、アイデアの良い所を提示する。

アイデアの強化プロセスの事を専門の言葉で「PPCO」といいますが、
大事なアイデアは出す前にPPCOで磨き、
提示は「C(懸念)」「O(対策案)」「PP(良い所、潜在可能性)」の順で出すわけです。

これで必ず、アイデアが潰されないかといえば、それほど現実は甘くありません。
しかし、潰されていたかもしれないアイデアを救える可能性は増します。


その他のアプローチは
「評価軸を活用したブレスト」と
「アイデアに"隙"を作る」というものがあります。

これは又の機会に紹介します。

posted by 石井力重 at 14:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2011年09月29日

先日の「復興創発会議」の様子が日経BP ITproの記事になりました。


「“創発の街”仙台から復興のアイデアを」--- 復興創発会議 in 仙台 レポート

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110922/369166/

全5ページにわたり詳しく、記事にしていただきました。ありがとうございます。

2011年09月28日

行くほどに、道半ば

昨日は、大きな仕事(創造工学の講義とアイデアワークショップ)がありました。お客さんも、クリエイティブのプロの方々。

8時間、精一杯やらせてもらいました。

今も駆け出しですが、もっと駆け出しのころ、自分ができたことへの「自己評価」がある水準でありました。今はそれよりもずっと多くの事を提供し、規模も大きい、お客さんのレベルもプロぞろい、という場で、仕事のステージは、その上限をどんどんあげていると客観的には思います。が、しかし、自分ができたことへの「自己評価」の水準は、駆け出しのころよりも上がっているかと言えばそうでもありません、ずっとそのまま、己の技量の未熟さを振り返る夜を過ごします。

むしろ、駆け出しのころよりも、自分のした仕事に感じる「自己評価」(あるいは、自分満足、というべきものかもしれません)は、昔より下がっているかも。そんなことを、ふと思い、書を一枚書きました。


sho_20110927.JPG



道、というのは、進んだら、奥がもっとよく見えるようになる。
行くほどに、ここは、半ばに過ぎず。

と、感じるものだなぁと、思いました。

それでもなお、進もう。

それが、道を行く、という生き方だろう、と思いますから。


posted by 石井力重 at 14:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

2011年09月27日

偶然、村上春樹さんの記事を目にする

少し文体を変えて書きます。

2011/9/28 深夜4時。もうすぐ明け方の、築地のビジネスホテルで、26日の新聞を読んでいる。

この日は大きな仕事が終わり夜中までやや興奮していた頭の静まるのを待って寝ようとしていたが、寝入りばなに隣室のお客が壁に激突したようで、強烈な音でハッと目が覚めて、寝そけてしまった。

情報端末でTwitterやメールをチェックして過ごすも、夜中になれど一向に眠れぬ。珍しい。

そう言えば前日と今日、エレベーターホール前にあった新聞をもらっていた。手付かずだったのでそれを読む。読んでみると、普段は読まない新聞社のもので興味をひかれる。

今日のをよみ、昨日のにも、手を伸ばす。めくっていくと、中頃に村上春樹さんの記事があった。94年ごろまでの作品はほぼ完璧に読んでいる。それ以降はほぼ完璧に読んでいない。持っていても読んでいない、ものもある。

僕にとって始めてのファン体験は村上春樹さんの作品だった。作品との出会いは東金駅。千葉の友人が通っていた高校の文化祭に遊びに行った帰り、電車を待つ間、英語の勉強をしてみようかと思い英語コーナーに行くと、面白そうな本があった。『羊をめぐる冒険』

いきなり英語版は大変そうだ、と追うことで英語版は戻し、原著、つまり日本語版を買った。実はこれきり英語の勉強はさっぱりしていない。受験英語を受験生時代にするが、本の英語はやらずじまい。ここが分岐点だったかもしれない。羊をめぐる冒険、を読み終えた僕は、英語版を買う代わりに、村上春樹さんの、『風の歌を聴け』、を買ってしまった。英語の学習より、村上春樹ワールドにすっかりはまり、引き込まれて行った。高校生のうちに、『遠い太鼓』、のような分厚い海外生活記も読んでいった。ギリシャの熱い日差し、地元の定食屋で焼いてもらう白身魚に醤油を持参してかける村上春樹さんの姿を印象深く覚えている。

ただ、当然のことながら一人の作家の作品というのは有限である。徐々に村上春樹さんの未読作品を見つけられなくなって行って、エッセイ本も読んだりした。『ランゲルハンス島の午後』、とか。

一浪したあと、仙台にある東北大に進む。大学二年生まではまさに、学生生活を謳歌する時期。友人との遊びもしたが、読書をして過ごす日曜日も多かった。そんな環境には『ノルウェーの森』、は最適だった。千葉の実家にハードカバーがあるのに、大学生協で文庫版も買って読む。

刺激を受けて、パスタぐらいは自分で茹でたりもした。今でも作れる料理はそれくらいだ。村上春樹さんの話しには良く、パスタをゆでているシーンが出てくる。

大学三年生に上がる頃、それは1995年頃のことだが、次第に、理系の院に進みたい僕は、小説よりも、パリティーとかの学術雑誌や、ファインマン物理学、などをよく読むようになった。村上春樹さんの作品を読みたいけれど、読んでしまって次の新刊が出るのをいまか、いまかと、待つのは辛いので、読まずにとっておくことにした。

この時を境に、再び村上春樹ワールドに没頭する時間はずっと取れていない。新婚旅行では、三冊村上春樹さんの未読書を持って行ったが、読み切るまえに日本に帰って来てしまった。モルジブで読むにはディープに入りすぎるし、妻は読書が早いので、あっという間に自分の本は読み切り、暇を持て余していたから。

そんなこんなで、いま、2011年の九月末、たまたま、本来なら読まない新聞社の新聞社の、一日前の記事をつぶさに見る、という状況で、僕は、村上春樹さんの作品集のその後をしった。こんなに出ていたのか。

いまの僕には、あの頃ほど時間がない。でも、昔みたいにディープに本の世界に浸かる時間が実はまた、必要な時期なのではないか、と、記事を見て直感した。

『海辺のカフカ』、辺りを、帰りの新幹線では、手にしている自分を想像したら、ワクワクしている自分に気がつく。

僕は本を読むのが極度に遅い。行間を読むからだ。その時の主人公の気持ちになって行為の意味を想像しまくる。いまのような仕事をしているのも、そういう部分は関係しているだろう。

海辺のカフカ、それと、ブルースハープ。この二つは、旅の空でも、最小化した荷物に中にしばらくはずっとあるだろう。
posted by 石井力重 at 23:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

2011年09月26日

東北大・片平キャンパスで「農商工連携プロデューサー育成塾」のアイデア創出パートの講義をしました

東北大、宮城大、東経連らが行っている、農商工連携の高度人材輩出のプログラムがあります。

農商工連携プロデューサー育成塾
http://www.nou-shou-kou.jp/

縁あって、毎年、「アイデア創出の技術1、2」という講義(ワークショップ)を担当させてもらっています。

ここでは、「プロデューサーメーカー」というオリジナルの発想ワーク促進ツールを使います。このプロジェクトのために創りだしたカードツールで、それは、農商工連携の新製品アイデア発想を、力強くサポートします。

ワークはこんな感じでした。

ideaplant_DSC00701.jpg
(肖像権に配慮してすこしぼかしを入れています。)

ideaplant_DSC00705.jpg

こんな感じに、発想ワークをしてゆきます。

会場となったのは、東北大学・片平キャンパスのエクステンションスクールです。東北大の片平もずいぶんきれいになりました。お昼休みに歩いて一枚、近くの建物をとってみました。

ideaplant_DSC00711.jpg

私が学生だったころとは、もう隔世の感です。

それはさておき、今年の参加メンバーも各地域の明日を担う地域プロデューサーとなりえる方々です。いつもと同じく、精一杯、提供しました。道をひり開く方にとってほんの少しでも役に立つもの提供できたならば幸いです。

スライド
農商工連携プロデューサー_2011_アイデア第一回.pdf


蛇足:

プロデューサーメーカーは使い方によっては、農商工に限らず、いろんな新規事業立ち上げの「新製品アイデアを発想すること」と「問題を解決する方策を発想すること」を促進すると思いました。(手前味噌で恐縮ですが)。このエッセンスを個人的には、他のプ用途で使うこともありますが、なかなか、具合が良いです。ある領域で得られた智慧というのは、他の領域でも示唆となる。そんなことをよく思うのです。

2011年09月22日

【スライド】目を凝らして未来を見通す時に私たちがしていること他(TRUNKデザインセミナー)

本日、TRUNKでデザインセミナー第4回があります。今回は私石井がお話をさせていただきます。


スライド:

TRUNKデザインセミナー4__石井力重.pdf

いつもの講演やワークショップでは、私は自分の事や、アイデアプラントの事、或いは、私的な洞察に近いこと、はあまりお話しすることがないのですが、今回は、かなりそれに近いものをお話します。

私の視点、世の中の見え方。そんな話しを一番最後にしたのは、2008年の東北大での地域プロデューサーという講演会シリーズです。

あれからもう3.5年たったんですね。次にこういう話をさせていただく機会があるならば、3.5年後(2015年の春ごろ)とかではないかと思います。いろいろなものが、生まれて今とはまたもっと違うものを話すでしょう。

時間は、本日の19時から、90分です。

今夜は天気が悪そうです。Ustでの放送も大上さん(マグネットデザインさん)がしてくれるので、ご興味のある方は、Ustをご利用下さい。(ただ、一部、Ustreamでは、お話しできない内容もあり、マイクを外す時があると思います。お時間と足のある方はぜひおいでください)


 Ustream
  http://livestream.4ktech.net/channel/ideaplant


  TRUNK(会場)
  http://www.trunk-cos.com/access/


今日はスライド画面の端に、「 @ishii_rikie 」へのリプライが表示されます。ご質問やご意見があればぜひ、ツイッターで私(@ishii_rikie)に投げかけてください。



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追記:

この日の講演は無事終わりました。

この講演の原タイトルと、概要説明はこういうものでした。

タイトル:

道は拓ける。暗い未踏エリアの目指し方「先駆創型」

概要説明:

既存から新規へ。しかし、誰もトライしたことのない、未踏領域では商機が見えない。だが、それでも進もう。進めばとりえる戦略が増える。未踏エリアの目指し方「先駆創型」を、アイデアプラントの創業と展望を踏まえお話します。

 
これだと、セミナーシリーズというコンテキストの中で大分トーンが変わってしまうので、先日のセミナーでは「未来予測、トレンドを見る」という趣旨のタイトルでした。その為、前半側では、未来予測の技法として3つほど紹介し、後半はもともとの構想に近いお話をさせてもらう、という形でした。

嵐の次の日で、道はひどく込んでいて、しかしそんな中でもおいで下さった皆さん、ありがとうございました。中には新幹線で戻られる方もいて時間が伸びてしまい大変恐縮です。

2011年09月21日

networking-thon(役割付与型会議)

先日の復興創発会議のワークショップ内で行った「役割付与型会議」というワーク。それを整理したスライドを掲載します。


このワーク(イベント)は、ハッカソンの後の開発チームに資源アクセスを促進する側面を持っています。

ハッカソンで結成されたチームがその先、人材を拡充したい時やメンバーが有しない専門知識を得ていくための場として、先日の観察の結果、このスタイルのワーク、有効のようです。

これまで、ハッカソン・イベントが増えるにつれて、その前段であるアイデアソンが増えたように、ハッカソンの後の発展を促進する「なにか」もまた、確立が望まれている、そんな時期にあるかと思います。この「networking-thon」も、その一つになれば幸いです。

なお、このブログでは「アイデアソン」→「ハッカソン」→「〇〇ソン」という形を意識して「networking-thon」という表現を使いましたが、一般に使われる言葉ではなさそうです(多分)。

2011年09月20日

仙台ITの未来(石井私見)

今日の大阪&仙台のUstイベントで、事前に準備していた考え(これはあくまで石井私見ですが)を、掲載します。

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震災後、仙台のIT業界はどうなったか
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地域の予算は復興(復旧)に。
建設、 自動車板金塗装など、ホテル、アパートなど、活況。

一方で、地場の主要産業は停滞。
第一次産業。大打撃。
第二次産業(電子機器、精密加工など)、物流も乏しく停滞。

主要産業に関連するITやクリエイティブ予算は一気に乾いた。

逆に復旧に関わる周辺が伸び、企業によっては、多忙を極めた
IT企業もあるが。

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Fandroid立上げのきっかけ
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東北のクリエータに仕事を作る。
クリエータは、エンジニアやデザイナーなど広い意味。作る人。
この前後半年の急伸する萌芽的産業領域に、たとう。

それは、今だと、Android。カヤックの協力もあり、
一点突破をめざし、ここに狙いを絞った。

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Fandroidの活動内容
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フェーズで変わる。

■第一フェーズ 6-8月

● 集まる時機
●ブレストCafe
 一緒にやれる仲間と出会える場、
 作る努力が大きく生きるすぐれたアイデア。
 Androidの有力な開発者による講演など。
●アメリカからの受注。
●Fandroidメンバーからのアプリリリース。

■第二フェーズ 9-11月

●機会を作る時機
●デザインCafe(などが始まる予定)
 デザインと技術のコラボイベント
 デザイナーからの教育。
●東京からの仕事を取る。
●沢山の作り手を集める。
●企画書Cafeも、構想。
  魅力的な企画書、アイデアを練る。

■第三フェーズ12月以降〜

●検証センター
●デモデーなど。
●あと、ファンドをつけて開発の本格的なものも。


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現在(今後)、仙台のIT業界はどうなっているか(どうなっていくか)
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仙台のIT産業の未来、を語る前に大きな地域経済のトレンド感として。

[産業全般の未来]

公的、民間の予算
復旧系産業に

[宮城の主要産業]

宮城の主要産業は、
「水産」などの第一次産業と
「電子機器・精密加工」の第二次産業。

:水産など(第一次産業):
非常に厳しい。
派生する周辺産業(食品加工の二次産業、パッケージ)なども厳しい。
長期に渡りかなり低下。

:電子機器・精密加工(第二次産業):
物流の混乱でいっとき大きく停滞。
首都圏も経済低迷があり、厳しい見通し。

[IT産業の未来]

復旧(復興)に係る領域のIT産業は、
非常に短期的な仕事の増加がみられた。ただし永久に続くトレンドではない。

全体を、総じていうと、地域の予算は、土木など復旧系にとられて、
IT・クリエイティブ系に流れる予算は大幅減。

[仕掛けていく未来]

萌芽的な産業を見いだし、流れに乗る必要がある。

Androidはこの前後半年ぐらいが、急進の時流。
この上昇気流に乗ってクリエータに仕事を作る。
宮城は、県レベルで自動車産業。組み込みなどを支援。
Androidはその流れと合う。
「業務系」「組み込み系」など、
「nonアプリの路線」も拡がるだろう。

また、脳波のデバイス周りの開発も、構想の1つ。
知識産業へのシフトはますます加速する中で、脳波は、今後拡大していくだろう。
初期の活用への足掛かりはできた。
今後、ソフト、ハード(電子機械などなどの)の先進地域にしたい。

[追い風となるかもしれない周辺環境]

「復興×スマートシティ」の可能性。
街を丸ごと再建するにあたり、世界的な企業群から、スマートシティの都市実験の舞台としての
展開可能性もある。その場合、大手企業の開発の一部を担い得るのは、エスタブリッシュな企業に
対応のできていた企業。地元では電力系の仕事を行っていた技術系企業などだろう。
沢山のエンジニアが外部から来たり、地元人材の募集をかけられたりして、流入する可能性はある。

[総括]

IT産業は、まだら模様。
普通にしていれば、幸運な復旧系の事業があるが、短期的中期的なもの。
総じていえば、従来の仕事は大きく減る。

小規模群は、
「Androidのアプリ」や、
「脳波デバイス系」など、
敷居の低い萌芽的産業の領域で、仕事を作ろう。

中堅群は、
「Androidの組み込み系」や、
「スマートグリッドなど先進技術隣接領域」
での仕事で、伸張を計ろう。

大企業群は、まだ不明。


・・・

以上です。いずれも2011年9月20日現在の私レベルの洞察なので、生暖かく、ご笑覧ください。

2011年09月18日

ワークショップが作られるまで。骨格→ブロック→連結→成形

ワークショップを作る時に、沢山の過去のスライドパーツ群の中から、どうやって作るのかを自分で観察してみました。

1)骨格

まず、ワードで骨格を作ります。過去のスライドがある、ない、は関係なく。これで、主催者さんとやり取りをしていき、これで行こうか、という所まで骨格を作ります。メールの本文で展開することもあります。

2)ブロック

ブロックを、がががっとつなぎます。進行の流れに沿って、1つずつブカスタマイズしておいていくのではなく。もちろん、まったくのゼロベースの時には、1つずつ作ります(その場合は、3時間のワークショップを作るのに、5日ぐらいかけます。)

3)連結

大抵は、冗長な部分があり、それを削っていきます。削るのは苦しいけれど、削るほど伝わりやすくなるのも確かで。そして、前後のつながりをふくめて、つなげていきます。

4)成形

ここで完成、と、思いきやここからが、勝負です。実際に頭の中で、ワークショップを行います。そんな暇なことをしているの?!と言われそうですが、実際にそうです。実際の時間の1/4位の時間をかけますので、8時間ものなら2時間ぐらいは、ずーっと、頭の中でワークショップが展開されています(その時の私はかなり、コミュニケーションに問題がある状態になります)。

頭の中での世界(それは、村上春樹さんの、ハードボイルドワンダーランドの中の世界みたいな感じ)で、進行に手間取ったり、参加者の方がつまらなそうだったり、指示がよく分からない顔をしていたりするので、それをプレイバックして、スライドやら、時には構成やらを改善してまた、進行します。


・・・

だいたいこんな感じで完成します。

ワークショップは長くなりがちです。だいたい3時間で設計すると4.5時間でぴったりとか。でも、設計する時点では、このスライドは1分、このスライドは6分プラス3分、と行った具合に、分単位で時間を出しています。それでもなお、伸びる、ということは、わかっているのですが。

2011年09月17日

案にウンと言わせるには、InとEnが必要


ある方のアイデアの困り事に対するやり取りから抜粋・紹介します。

Q「アイデアは出るが、説得力ある説明が難しい。いい方法は?」

A「思いつきは時に理解されない。
特に分析的、論理性を重んじる思考様式の組織・個人には。

そういう場に向きやすいのは、分析的な思考法。
多くの分析的な思考法は「In」と「En」の両方を持つ。

Internal(対象の内側)と
Environmental(対象を取り巻いているもの)の
それぞれに対して、変化から近い未来を想起して、
その内面と外側のある状態を提示する。
対象の未来が自然と想起される。

この方法は「In」に強くよれば、クライアントインサイトとか
エスノグラフィーかと、そういう領域のアプローチだし、
「In」「En」両方を考慮するものも結構あり、例えば、
事業性の高い発明の発想法である9windows(TRIZ)など。

ユーザや生活者の内側の変化を示し、
彼らを取り巻く外側の変化を示す。

少し未来に、たどり着く場所を示すことで
聞き手も自然とそのアイデアにたどり着く。

これだけで完璧に「説得力が出る」とは到底言えませんが、
問いへの創造工学的な一つの解として、述べると以上のようになります。」


最近、説得力とはなんだろうか?と考えていました。人間は、自分の思いついたアイデアに高い価値性を感じる傾向がある。アイデアをプレゼンされている時に聞き手は、リアルタイムにその発想を追体験して、スライドがめくられるわずかの間に「あ、じゃあ、こういうアイデア、あるよね」と自分で思えたら、それと同じアイデアが提示されれば高い価値性が自然と想像できますし、違っていれば質疑応答で「いいアイデアだと思うが、こういうアイデアもある」として指摘してもらえることもあります。いずれにしても、聞き手が思わず、何か言いたくなるような、そそり、をつくることが出来たりします。

プレゼンのテクニック論は世にごまんとありますので、それはそれで、あるとして、アイデアの提示の仕方をあくまで創造工学的な観点から書いてみると、こんな感じになるかな、といったところのメモでした。


(この記事は、誠ブログ http://blogs.bizmakoto.jp/ishiirikie/ で、先に掲載したブログを、少しリライトしたものです。時々、そちらも更新しています)
posted by 石井力重 at 15:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2011年09月16日

【ご案内】9/22@TRUNK(仙台)、未来を見る時の私の内面的なことをお話します。あと、雑談。

久々に、ワークショップなしの講演オンリーのイベントで、登壇させてもらいます。

日時:2011年9月22日(木)19:00─20:30
場所:TRUNK ( 仙台市若林区卸町2-15-2  5F )

内容:
TRUNKデザインセミナーVol.4 
トレンドを予測するということ
〜社会の断片から未来をデザインする〜
http://www.trunk-cos.com/news/article/83

半年先に何が起こる。3年先に何が起こる。

大きな話はTVからでも見聞きできるとしても
自分の周囲で起こる身近な未来は?

未来という薄暗がり。
そこをぼんやりとでも見通すことができたら、
いろいろと事業展開上の準備ができます。

私石井が普段していることを、
今回報告させてもらいます。

発想法の講義でお話しているような
カチッとした内容ではなく、もっと、雰囲気に近い内容です。

「空気の流れを目を凝らしてみようとする」

という感じの。
それをできる限り言語化して報告してみようと思います。

根底には、数多くの発想技法・創造手法のエッセンスがありますが
多分、あまりパチッとした言い方はできないでしょう。

多分、私の内面世界をお話しするのでいろんな脱線もして、
予定内容をしゃべりきれない可能性もありそうですが、
そういうスタイルで話してみます。

精一杯お話してみようと思います、
ご興味あれば、ぜひおいでください。

TRUNKさんの主催ですので、無料です。


(今、報告しようかと考えている事を、以下、書いてみます。
30分ぐらいで書いてみました。多分、時間の都合上、
全部はお話しできないかもしれませんが、
リクエストがあれば、それは優先してしゃべろうと思います)


  • アイデアプラントの代表として、アイデアの組織が初期にしていたこと、そこからお金の付く事、お金が付かない事、「顧客にとっての価値」を理解し始めたことなどを雑談的に。

  • 好きなことに1000日没頭することで、あなたしかできない領域――それはもしかしたらとても小さいかもしれないけれど――が生まれる。という話。

  • Fandroidの理事長として、これまでの事をお話。脳波で動かすアプリの誕生秘話も。

  • 私たちを取り巻くこの社会、未来にどうなるのか、を見通そうとする時に私たちがしていることを、発想技法も踏まえて、お話します。これを発想手法的に、タイトルを言うならば「9windows(TRIZの9画面法)」「未来年表」「技術の進化トレンドの”トリミング”という未来」の3つ、これを紹介。

  • 真っ暗で進むべき道が見えない時。そんな時でも、自分で目的地の方向を示す遠い北極星を割り出すこれができる。TRIZ理想解をもちいて。現在地とそこを直線で結び、三年先にとどり付ける点(理想のスペックをかなり甘くして3年で到達できる状態のものにしたもの)を打つこと。

  • 新卒で入った会社、商社にいたころに発見したこと。お客さんを愛する営業マン、そうでない営業マン。顧客の顧客戦略。

  • 多くの対立する人々がいる、皆が共有できる「達成したい事」は、問題の上位概念へ階段を上がって、見晴らしの良いところで、考える事。

  • (進まない問題がある。それは「何がそれを制止するのか」を見ていく作業(これも、創造工学のテーマ設定技法の一部)をする。重すぎる課題の一番下側には、解決可能な課題がある。そこから外そう。)

  • 幸せを入れる容器は「胃袋」みたいなもの。あんまり大差ない。満たせるかどうかは別にして。生き方によっては、器の大きさを大きくすることはできる。沢山の人を本気で愛すること。奪い合うより、交渉で負けない準備をすることより、相手を愛することを、第一に。それは、長期的に見た事業性とも関係する。長期的な自社の収益を最大化する道は、顧客満足の追求、でもあり。



なお当日は、マグネットデザインさんがUstreamの放映を行う予定ですが、撮影には被写体になる方々への配慮がなされ、映りこなまい場所も用意されていますので、安心してご参加ください。詳しくは、会場で、Ustを準備している大上さんからアナウンスがあるかと思います。

トランクって、クリエータのいっぱいいるオフィスでなんか敷居高いなー、という方も、そんなことありませんし、学生さんでも、ビジネスマンでも、次のチャレンジに向けて力を蓄えている方でも、どなたでも、ご参加ください。

申込み・お問い合わせ
http://www.trunk-cos.com/news/article/83


2011年09月13日

試作品)スマートフォンの習作アプリのアイデアを発想する道具

IDEAPLANTは「発想を助ける道具」を作る組織です。ブレストの道具だったり、アイデア会議専用ホワイトボード紙だったり。

最近、FandroidというAndroid系の活動も私がしているので、すっかり、仙台では、Fandroidの人、という印象ですが、本業は本業でしっかりとやっています。最近、出張をしている中でも、「アンドロイドのアプリを発想する補助道具の考案」を進めていました。

すごく、荒い段階のものですが、プリンターとはさみ一本で作ったものがこれです。

Android_DSC00487.jpg

数十枚のカードからなっています。いろんな文献やエンジニアの方の助けを借りて整理したアンドロイドアプリの要素技術をカードに切り取ったものです。

遊び方(発想道具としての楽しい使い方)を、作れるのか、が次のフェーズです。

オーソドックスな方法をまずは試してみましたがなかなか、ありだなこれ、という感じでしたので、簡単に紹介します。

使い方1:3card発想法

1)目をつぶって三枚引く。

2)三つを使ってできるアプリを発想する。

3)極力他の要素技術は使わないで済むようにしたいが、使っていたとしても、いったんよしとする。


例えば、上の写真では
14:二地点間の距離を測る
64:端末のモデル番号を調べる
61:端末の明るさを調整する
がでています。

これだけしか使ってはいけない、となるとかなり厳しいので、これを使っていればOK(他の要素技術を使ってもOK)、という条件で発想してみました。

「アプリを使って、使う知らないユーザ同士が人ごみの中でも出会うことができるアプリ」です。

まず、アプリにログインすると、他にログインしたユーザでランダムに近くにいる人をつなげます。ユーザ同士は、「相手の端末機種名」しか手がかりがありません。画面は周期的に明滅をホタルのように繰り返します。二人が近づくにつれ画面の輝度周期が変化し、近づいていることを感じることができます。相手の画面も同じ周期で明滅しますので近くまでくれば目視で、明滅する端末を見つけることができます」

こんな感じに発想します。

この3枚のカード以外の要素技術も使っていて、多分、習作を作る人には厳しい部分もあるでしょうけれど、「作るには、あと何が足りないか」を残りのカードセットから引出し、これは制作が簡単であろうか否かを、検討していきます。


或いは、このアイデアを少し改変して、派生アイデアを考えてみると「二台に分かれて高速道路などをドライブをする車同士の距離を計る簡便な道具」としてはどうだろうか、と思いました。

車同士が離れていくと明滅の周期が変わりそれを認知できる。スマフォの画面を見ることは違法でしょうけれど、視界の端っこでわずかに認識できる程度なら可能性はあるかもしれません。あるいは、明滅の代わりに音をつかうことで、問題はクリアーできるかもしれません。



使い方2:手を動かして仕組みを理解する

1)四人ぐらいで使います。カードを各自に分配します。ランダムでもなんでも結構です。

2)シンプルで、優れたアプリを一つ、題材として選びます。これは各自があげてその中から選べばOK。

3)自分の持つカードの中から、そのアプリに使われていそうな要素技術カードを選び出します。

4)もっとも大事だと思われるものを、場に1枚ずつ出します。各自が。(7並べに似ている)

5)順番が次々回ります。自分の番で、できるだけ、最初のカードにつながるカードを選びつなげます。基本的には時間軸的に、右に行くほど、後の処理になります。

6)自分の順番でカードを出していって、誰かがもう出せなくなったら、残りの出したかったカードを皆に見せて、つなげていきます。

この作業を通じて、勝ち負けをするよりも「これはどうだろう」「こっちの方がより適切じゃないかな」という話し合いをすることで、アプリを見た時にその裏で動いている機能を想像する訓練を主目的にします。

カードセットでは足りないものがあったり、何度も必要なのに一枚しかないモノがあったりして、苦しいと思いますが、完全でなくて良いとします。

時間軸上に処理がならべられて、時に分岐したり、分断したりしているような、そんなものが最後に出来がります。

これは、アプリを作らない人も含めてやると、なるほどこういうことができるのか、という知見も溜り、プロジェクト内で発想する時により具体的な発想を引き出せるでしょう。


内部向けに作ってみたものですので道具としては荒いものですがニーズがあれば近くの方は一緒にやってみましょう。




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