2011年10月04日

この製品、次はどこへ向かう「技術の進化トレンド」

TRIZという創造的な技術開発の理論があります。そこには、面白い知識が沢山はいっています。

私は、創造工学の観点、特に「アイデアを引き出す道具としてこれは、どう使えるのか」という点から、知識を解釈し直します。(で、おせっかいにも、人に解説したりしています。)

世の中の、古今東西の発想法の文献の中で、TRIZはいい意味で異色です。他の技法にはちょっと見られないほど、リッチなコンテンツを内包しています。この水準は他にあまり例がありません。(ならば、なんでもっと、広く使われないのか、は、長くなるので、後で述べます)

そんなTRIZから、メカニカル系のエンジニアに使いやすい手法の1つを紹介します。


「この製品、次はどこへ向かう?」
技術の進化トレンド.pdf


スライドの中では、スコップを例題にして、「次世代型のスコップを企画することになったあなたは、どう発想するか」を解説しています。

「え、スコップ、、、?
 そんなの、もう、十分に熟成していて、
 新しい製品の余地なんかないでしょう?」

となりそうな製品ですが、実は多くの可能性が眠っています。

(ちなみに、こういうモノの工夫の説明では、説明しやすい対象の条件がいくつかあります。スコップはそれを満たすので、取り上げています。ですが、手法を適用できるものはもっと多いです。基本的には物体の構造や機構を考えているような範疇であれば、だいたい適用できます。)



追記:

例によって、スライドは、説明付きでしか、よく分からない構成で恐縮です。いつかは動画とかも交じえて形にしたいと思っています。

或いは、僭越ながら、TRIZのいくつかの発想技法的な要素を、「ビジネス小説」や「漫画」で学ぶという感じのコンテンツも、世に提供したいなぁと思っています。できれば、30代のうちに。

TRIZが、理系、とくに、工学系の人が使う発想技法であるため、なかなか、企画系やクリエイティブ系の書籍のようは、カジュアルなトーンの解説書がないのですが、見せ方如何によっては、企画系の職種の人にも、かなり強力な武器になることは、間違いないと思います。アイデアワークショップに来て下さる方は、理系、文系の両方の創造系の仕事をしている方々ですが、そういう感触をいつも感じます。

posted by 石井力重 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | TRIZ

2011年10月03日

かけていない間も、何かが醸成されている。

懐かしい写真が出てきました。

SF.jpg

通信機器なんかろくになくったって、頭とメモ帳(テキストエディター)と、足があれば、仕事はできるなぁと、旅する日々で感じたのを、ふと思い出しました。

この写真は、『アイデアスイッチ』を書く半年前のころ。結局、この、アメリカへの旅の間には、1行たりとも、本の原稿となる文章は書けていなかったのですが、原稿が書けていないことと、本を作る仕事が進んでいないことは、少し違うようだ、と感じました。「かけていない間も、何かが醸成されている。」今思えば、そんな気がします。

posted by 石井力重 at 15:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

2011年10月02日

「マインドマップ&マンダラート」

いろんな発想技法の文献を調べていくと、発想をじっくり引き出す時に、箇条書きのよりもずっとよい「かきかた」が見いだされます。

発想を促すようにノートに記す方法、ということで、「発想ノート記法」とカテゴライズしています。

そうしたものの中でも特に「シンプル」で「強力」なものを2つ、PDFで紹介します。(クリックで開きます)

マインドマップ&マンダラート

「マインドマップ」は、エキスパートである上田さんのビデオを参考にしています。
http://www.youtube.com/watch?v=b4qr_1YROuc 
マンダラート」は、加藤昌治さんの『考具』を参考にしています。
どちらも、私なりに圧縮したり説明を加えたりしています。厳密な表現は原典をご覧ください。

どちらも、良い方法で、発想を「自由連想」に近い形で行っているうえで図案的な特性をもちいて「思考に対して発想する強制力をかける」という共通点があります。ただ、曲線がモチーフとなるマインドマップに対し、直線というか箱がモチーフになるマンダラートはその違いから、人によって「相性があう、あわない」が顕著にみられたりもします。両方が得意な人もいます。(私は、いろんな発想技法を使ってみるのが仕事なので、両方とも使います。)

最近、ある方からコメントをいただいて「なるほど、それは確かに」と思ったものがあります。

そのエッセンスを、PDFの最後のページに乗せています。図として掲載しますと

mmmd.jpg

というものです。

言われてみて、気が付いたのですが、あるテーマに対して、こっちが使いやすくあっちは使いにくい、別のテーマに対してはその逆、と感じたりします。それは、ちょっとややこしい表現で恐縮ですが私なりの言葉でいえば「探索的なフェーズであるのか文脈の中の多様性を紡ぎだそうとしているのか」で違ったりします。

―――

補足

両方の技法を横断的に使いたいと思い、「はちのすノート」というシートを作り、拙著『 アイデア・スイッチ  次々と発想を生み出す装置 』で紹介したことがあります。本の初めの方のページにあるURLをたたくと、ダウンロードして出力して使えますので、それも試してみてください。(記入用ページのほかに、書き方4ステップが付いています。)上で紹介した2大ノート記法とはまた違った感じがあるとおもいます。(私はずっと使ってみて、「ものがたりを作る時」と「発散的に未整理なことを話していく時のことばを書き落としていく時」に良いように感じます。かなり主観的でありますが。)

posted by 石井力重 at 18:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2011年10月01日

「コピーライターのチェックリスト」

創造工学の範疇に入る文献を読んでいると、各分野の面白い「発想トリガー」と出会うことがあります。

『新編 創造力事典』に登場するもので「コピーライターのチェックリスト」というものがあります。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.習慣や伝統、常態の逆を考える
 
2.特徴を新語・古語・奇想語で表現する
 
3.特徴が静的なら動的表現に直す
 
4.3の逆をする
 
5.特徴や商品の通常の配列を変える
 
6.特徴を次に結びつける
  • 動き、肉体、力、重さ、エネルギー、 味、色、臭い、温度、他

7.特徴を次に結びつける
  • 抽選、推理ゲーム、パズル、 謎、ギフト、質問票、他

8.特徴を次の状態に引き起こしで考える
  • 驚き、挑戦、愉快、当惑、誘惑、ショック
 
9.特徴を次に関連させる
  • 幸福、魔法、運命、名声、因果、 火、水、神秘、土、宇宙、生命
 
10.特徴を次に結びつける
  • 旅、スポーツ、余暇、性、 想像、官能、働き、安全
 
11.次の点より考える
  • 成功、達成、幸運、名誉、感謝、 不調和、歪曲、誇張、意外
 
12.特徴を擬化する
  • 人間、動物、静物、超人的な物、機械、他

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

『 新編 創造力事典 』によると、古い文献が引用元のようです。「ABW(アメリカ・ビジネス・ライティング協会)」という組織のもののようですが、うまくその元データを見つけることができませんでした。

発想力を引き出すトリガーとして、各分野ごとにまとめられた発想パターンが、次々発想を引き出すためのチェックリストの形(それを、発想トリガーと私は表現しています)は、実は結構あり、その代表格は、Aオズボーンのチェックリスト「SCAMPER」があります。

こういうトリガーを自分の領域に適用しようとすると、どうも「自分にとって関係なさそうな項目がある」一方で「自分はもっと細かくその辺について考えたいのに項目はすごく大くくり」だというものもあるでしょう。

オズボーンや何人かの発想技法の文献で大家が異口同音に述べるのは、「自分のリストを作る」という点です。リストは早く発想をすることを助けてくれますが、使っていって習熟したら、それでは発想の自由さの面で狭くなります。発想技法は論理や法律のナレッジとは違って「手法を遵守することはあまり重要ではない」し「自分に相性のいい発想技法があるし悪いものものある」という特徴があります。

リストも自分でくわえたり、細かくしたり、削ったりしながら、世界に一つだけの自分オリジナルのリストを持っている事、それを作っていく過程自体がかなりの発想力の肝要にもなるでしょう。人間は一度にたくさんの事を覚えて考えるのはある程度で限界があります。「短時間の中でいっぺんに考えられること」のスペックは人間である以上、多くの人はそんなに変わらないはずですが(例外として、サバン、のような方もいますが)、平時から自分の思考力を補う道具を自然と作っている人はいて、そういう人には、発想トリガーの「ジブンノモノ化」はぜひおすすめしたいところです。

ちなみに、発想トリガーセットを人のために作る私たち(アイデアプラント)の仕事の中で見つけた、幾つかのコツがあります。絶対のルールとは言えないしなぜそうなるのかは、明確な理由はわかりませんが、書きますとこうです。

1.一つのフレーズは20文字以内に
2.フレーズの総数は40〜50個に
3.発想を触発する表現で
4.含む内容を1つに絞り
5.出来ればアナログで使う


最後の5はやや無理やりです。iPadの中に入れた発想カードを使うこともありますが、持ち歩けワンタッチで開けるので、逆によかったりします。アナログっぽいデジタル機器も十分によい、と最近は思います。

posted by 石井力重 at 14:06 | Comment(1) | TrackBack(0) | アイデアの技法



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