2012年01月30日

帳簿を「手で考える」キット(のアイデア)

創業3年目。大好きな仕事ですが、確定申告は別です。クリエイティブに発想力で乗り切れないか、と何度も思うものの、帳簿をつける、という行為が何とも、味のしない算数みたいで、気が乗りません。でも、国民の義務であり社会への貢献の一つでもある納税はやっぱり大事で、帳簿付けをもっといい体験にできないものか、と常々思っていました。

記帳指導に定期的に通って、つけ方を学んでいるのですが、複雑な処理が入ると、時々勘違いをしてしまいます。どうも貸方借方が、私の頭の中で実質的な意味を形成していないから、直観的に「ん?これは逆じゃないか?」という感じる感覚がないのだろうと思います。

そこで、ちょっと、「チップや駒を動かして、この商取引はどうなっているのかを手で考えるキットがあったらいいのではないか」と思い、キットのアイデアを考えてみました。全部でこんなパーツがあれば、大抵の商取引をテーブルの上に再現できそうです(個人事業主ぐらいならば)

アイデアメモ、帳簿付け説明キット.jpg

個人事業主の場合、初期のころに、よく帳簿付け上、こんがらがりがちなのは「事業」と「個人」の間のお金の移動です。普段は、その2つが一緒ですが、ミクロにみると、お金の移動がそこでもあるので、その両者を分離してお金の流れを見せるといいのではないかと。その辺と、売掛金(のちにお金になるもので、権利だけの状態)、買掛金(のちにお支払いしないといけないお金で、物はもらったけれど支払日前の状態)を、実質的にお金に将来化けるものととして移動させるといいのかもしれません。(たぶん、かけ、という名前の、点線のお金、もしくは、いずれ化ける、という状態を、葉っぱ、というフィギュアで示す。もっとも、狸の葉っぱは、時間を経ると、のちにお金が葉っぱに戻るものなので、逆な感じもしますが。)あとは、ややトリッキーな感じですが、物やサービスを提供したら相手にプレゼントのフィギュアが移動していくのは普通ですが、おさめた仕事のうち一部が消える(たとえばいくつかが不良だったとかで)と、マイナスのプレゼントが移動します。(実際はプレゼントの一部がこっちに戻ってくるのですが、自分の帳簿起点で説明するときには「仕事のマイナス量の提供」というややこしいことが起こります。(電流がマイナスに帯電した粒子のホールの移動として見える時みたいに、マイナスが右に流れる=プラスが左に流れる、的な、概念操作、で、そんなに難しいことじゃないのですが、感覚がわかるまでは、帳簿の処理に対応した「マイナス相当の仕事を相手に提供する」動作をしていくとわかるのだろうと)

こういう道具を作るのは、アイデアプラントの仕事の範疇ではないのですが、学びというのはその初期に出て考えられるようにして、そのあとにショートカットして、複雑行為の記号化で、高速な処理へと進んでいけばいいと思うので、自分用にこういうものを、ちょっとだけ作るのもいいなぁと思うのでした。シールにして、おはじきを20個ぐらい用意して、そこにはって、その移動で考えるとたいていの帳簿処理は一目瞭然なんだろうと思います。(いや、正しくは、一目瞭然になるといいなぁと、思うのです)

その調子で、確定申告を、ビジュアルでわかるようにする(それはひいては、PLやBSを手を使って考えることに近い)ものも、この時期になるといるよなーと、毎年思うのですが、だんだん慣れてきて、三年目でややその動機は薄らぎつつあります(慣れてきたのでいらなくなってきてしまいました)。

ただ、創業する人が私の周りには常にいて、いつも「あー、帳簿ってなんやねん!デザインだけやってたい。会計みたいなことって憂鬱!」という人はいるので、その一年目をすいすいいけるような補助道具を作っておく、というのは、一つの社会価値の増加ではないかなとも思うのでした。
 

2012年01月29日

TRIZに学ぶ、子供の発想を引き出す3つの発想方法

 

「何か、新しい発想が必要な場面、何か創造的に問題を解く場面で、子供に発想の切り口を3つだけ渡すとしたら何がいい?


もし、この一瞬でしか教えられない、そして、3つしか教えられないとしたら、子供に覚えておいてもらいたい発想のヒントとして、次の3つを渡したいと思います。

1.場所を小さく分ける
2.時間を区切る
3.少しずつ解決する

困ったら、この3つで、何か意味を持つものがないか、考えてみると、多くの場合には、なにかアイデアを見出すことができるよ。と添えて。



 ■ ■ ■

(割と、堅苦しい長いコメント)

創造的問題解決の理論「TRIZ」に「”物理的矛盾”の解き方」があります。

物理的矛盾、克服する4つの方法。「分離」
http://ishiirikie.jpn.org/article/832664.html

その4つの「分離」をベースに、子供の理解の水準にして、発想トリガーとしてデザインしてみたものが上の三つです。(今、キッズ向けの本格発想ツールを作っているのですがその中で、最後に「3つのお札」的にTRIZ由来のものを入れようとして、上記のフレーズを作りました。)


補足1)

発想トリガーは「あいまいさ」が必要

それは、解釈の幅を作り、多様な状況や問題の織り成す文脈に適用させることを許容する一つの「特徴」なんです。アブダクティブな推論に基づく発想の力を、人は持つので、その思考力の水準において「ハンドルの遊び」をこういうフレーズには持たせておきます。


補足2)

子供用の思考力と知識前提をもとに、発想トリガーのエッセンスに新しい衣(具体的な表現)を着せる。

「物理的矛盾」の解き方を、直観の理解の範囲に引き戻す必要があります。小2の娘に相当に丁寧に(しかし、うるさくない程度に)、物理的矛盾の概念を説明し、娘は理解した。次に問いました。「これを、お友達のAちゃんに説明するとしたらなんといえば理解できると思う?」と。彼女が答えたものが上記の概念にほぼ近いものでした。

知識前提を小2にかりにすると、かなり知識前提は限られています。「下位システムへの移行」や「条件で分割する」という点についてどう表現するべきか悩んでいました。なんどか喋って娘が示唆をくれました。「そこに含まれる一部分(=下位システム相当の概念)とか、、、とか、条件で分ける、、、とか、言ってもわからない。それって、いろんな場合に、ちょっとずつ、分けて考えるってことでしょ」と。なるほどなぁと思いました。こういう言葉がまとえているかどうかは、「写像としての適切さ」だと思います。この場合は、これはきわめて適切な写像だと思いました。すこしその吟味を書いてみます。この表現だと、「上位システムへ移行して解く」という概念だけは抜け落ちてしまいますが、およそ、物理的矛盾の解き方3と4で行うことになる思考の内容を、やんわりと実践させるものになっています。


補足3)

概念拡張が上手くいくように易しくする

いずれ、もしTRIZをかりに学ぶ時が来たら(相当に、少ない可能性ですが、一応、論じると)、幼き頃の学びというのは、本格の道に進んだ時に、無理なく拡張される必要があります。それがうまくできるようにしておく。ここについては難しいには難しいのですが、そこも一応チェックしてます。


ここに書いたのは、TRIZと子供、ということについての決定版といういう感じの話ではありません。たぶん将来、TRIZの日本人ユーザの中からTRIZのキッズ教材を作る事例が出てくると思いますので、その事例に期待しつつ、今述べることができるコンテンツとして、ここに残しておきます。
 
posted by 石井力重 at 18:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2012年01月26日

九九の答え、というのは、1〜81までの数のうち、いくつを占めるのだろう?

夕食の時に、ふと、娘のテストを見ました。小2で掛け算を習うと、今は、掛け算の順番に正解・不正解、があるというので、教科書を借りて熟読してしまいました。「1ユニットあたりの内包数」を先に書く、というルールのようで、カケルの後ろに来るのは「そのユニット数」だということでした。掛け算の順番を決めてみた、というのは、『へー、面白いことを教科書を作る人は考えたもんだ』と、ひとしきり家族で議論していました。どんな数学的な思想に基づくのか。

さて、それはさておき、教科書をみていて、ふと、興味がわきました。

九九の解の構造01.jpg

九九の答え、というのは、1〜81までの数のうち、いくつを占めるのだろう?

3×7も、7×3も、21なので、九九の表の上には、何度も出てくる「答え」があるし、一方で5×5のような、九九の表の上で1度しか出現しないものもいくつかあります。その意味では、だいたい、1〜81の整数(81個の整数)の半分弱、ぐらいだろうか、と見通しを立てました。

地道に数えてみると、こうなることがわかりました。

九九の解の構造00.jpg

4回登場する数が「5個」ありました。
3回登場する数が「4個」ありました。
2回登場する数が「22個」ありました。
1回登場する数が「5個」ありました。

合計で「36個」でした。(44%)

81個の数のうち、36個しか、九九の答えとしては登場しない、というのは、「けっこう、スカスカなんだなぁ」という感じがしました。



〜 そして、長い余談 〜

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posted by 石井力重 at 00:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ

2012年01月25日

「6W3H」(Idea to Plan)

 
Idea to Plan

閃いたビジネスアイデアを、ビジネスプランにする道具「6W3H」の2012年版を掲載します。

■ カラー版

6W3H(記入用)

6W3H(ガイド)


■ グレー版(白黒出力に便利)

6W3H_gray1(記入用)

6W3H_gray2(ガイド)



この道具についてのコメント

・アイデアというのは、思いついたばかりの時点では、とても未成熟な存在です。いわばアイデアはいろいろと欠けているのが当然なんです。のちに非常に優れたアイデアになる閃きでも、それは同じです。

・ビジネスアイデアの場合、閃きをビジネスプランにしていこうという場合、「アイデアをプランの水準に引き上げる」のは、実際のところ、結構大変です。ビジネスプランコンテストに応募したことのある人や、事業計画書を書く必要に迫られ行ったことのある人はご存知の通りです。

・では、もっとカジュアルに、ビジネスプランの原案が作れないものだろうか、という視点から、2009年に作ったのが「6W3Hシート」です。拙著にはその辺のくだりも出てきます(ちなみに、本にあるURLからは、その他のツールもDLできます。)

・その「記入シート」と「説明ガイド」を、大幅にリニューアルしました。掲載します。

・内部の勉強会などであれば、ご自由にお使いください。(商業出版物への転載の時には、書籍版権元との関係もありますので、ご相談ください)
 
posted by 石井力重 at 00:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | アイデアの技法

2012年01月21日

【ご案内】「スマホ×MEMS」マッチングフォーラム(2/2 13:00〜)

僭越ながら、私が基調講演をやらせていただくイベントがあります。

■タイトル
アイデア創出の技術で、開発の可能性を拡げる

■日時
2012年2月2日 13:00〜

■場所
仙台駅前の「AER」の21階 (会場名=TKPガーデンシティー仙台)

■詳細、および、申込み方法など


なお、16:00〜18:00の間に、1時間のアイデアワークショップと、そのアイデアへの各ゲストからの貴重なコメントタイムがあります。テーマも面白くて、「MEMS(マイクロマシン)とスマホ(スマートフォン)の連携で出来る新製品アイデア」を発想するというものです。

スマフォのエンジニアの方にとって、この箱の中で勝負するしかないというアプリ開発の世界ですが、例えば、シリコンジャケットに一体成型したセンサーやマイクロマシンなどをつかって、より良い体験をユーザに提供できるアプリを発想したりすることができます。

その場には、スマフォ側の方もいれば、MEMS側の方もいたり、この街の面白いことをしている人が沢山来ているでしょうから、ものづくり×アプリ開発、の融合する面白いブレストタイムになると思います。学生さんでも参加できますし、ただ「スマフォのユーザなんだけど、こういうものがあったいいなと思うんですよ」というニーズに近いアイデアでももちろん、多くの方に喜ばれると思います。

ご興味あればどなたもぜひご参加ください。
 

2012年01月17日

(自分用の道具) 記事サクサクtool

 

記サクtool_PREP.pdf
記サクtool_PREP.ppt
 
良い記事を書く時に、いつも振り返る基礎があります。私なりの書き方なので、万人向けではないのですが、いまPCの移行期で、道具へのアクセス容易性を上げるために、ここにおいて置きます。

原稿をサクサク書くためのツール、として、昔つくったもので、最初はすごくこまごま、解説コメントを入れたのですが、道具というのは単純でなければならない。その原則にのっとって、これ以上削るとなくなってしまう所まで削ってあります。(自分に分かるようにしか書いていませんが)
 
posted by 石井力重 at 15:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

2012年01月13日

ノンエンジニアでもアプリが作れる教室、開催しました(Fandroid)

1月12日。Fandroidの新年のイベント第一弾は、昨年に引き続きApp Inventor教室を実施しました。

これは、私みたいにコードが1行も書けない「ノンエンジニア」が、ピースをぱちぱちとはめていくだけで、Androidアプリを作れる、というものです。(※)

(※ 正確には、アンドロイドのフルの機能ではなく、限定された機能です。ただ、アイデア次第では面白いものがわずかな時間で作れてしまったりする道具です)

今日は会場が満員で、急遽椅子も増やしての実施でした。

絵を描くアプリ、という単純なものですが、筆の色を選ぶボタンとか、キャンバスの背景になる画像を入れてみるとか、それをやってみるだけでもとても面白い体験でした。

Fandroidは、震災後の東北のクリエータに仕事を作る、というミッションで設立されました。こんかいの場はオープンアワーというもので、広く人々が遊びに来て交流できる、知識やスキルも得られる、ことを目的に時々開催しています。今回は、ぐっと層が厚くなるように、ノンエンジニアでも、アンドロイドアプリが作れる教室、というものを開催しています。今後も、いろんなものを展開していきます。ご興味があればぜひおいでください。
 
ちなみに、ノンエンジニアである私が2時間で、アプリにする直前まで操作していた画面を掲載します。(エミュレータが不調で画面の上で動いている感じの所ができませんでしたが、それでも、ブロックをぱちぱちはめて、機能を定義していく作業はとても面白いものがありました。)



App Inventor 01.jpg



App Inventor 02.jpg

実行すると、4色のペンで落書きができるドローアプリとして使えます。
 
posted by 石井力重 at 00:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | Fandroid



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