2012年12月31日

2012年。活動報告、及び、御礼

2012年始に目標を8つたてました。

IDEAPLANT、2012年の目標



それらを達成したい、という思いは、2012年を全力で推進する上で大きな力となりました。結果は、以下の通りです。

IDEAPLANT_2012_final.jpg

達成率昇順に述べます。

【アイデアプラント、脳波デバイス事業の開始】・・・10%
【テーマ設定ツールの開発】・・・33%
【Androidカード】・・・50%

【大手とのタイアップ商品】・・・66%
【ブレスト実験場】・・・75%

【Kids発想ツール】・・・100%
【北欧訪問】・・・100%
【院生時代の借りを社会に帰そう】・・・100%

こうしてみると、達成率の悪いものは、そのアイデア〜プロトタイプを、自分の中から(ほとんど)出していない、ということに気が付きました。この意味でも早いうちに、アイデアをラフでぼろぼろでもいいから形にして、人に見せて、磨いてもらう、ということが必要だと認識しました。ぎりぎり50%のAndroidカードはそういった意味では試作物をずいぶん人には見せていて、最近も協力してくださった方がいて、大分高まってきています。

テーマ設定ツールは、年末年始の開発合宿(1人で、自宅で)を通じて、プロトタイプができてきました。ここまでサボったわけじゃなく、ずっとずっと考え続けて、ブレストを初期の開発メンバーから付き合ってもらって、折に触れてやってきました。それまで、その技法領域についてきちんと調査した資料がなく自分でそこをやり始めたことで膨大な時間がかかりましたが、それはとても良い経験となりました。ないものをみいだすことで、より社会的価値を作り出せた幅が大きいと思います。ただ、年内のプロトタイプによるテスト実施まではいませんでした。

脳波デバイスについては、その機能を補助するアナログな道具を作りたい、と思っていました。集中ノート、とか、α&β波領域をスイッチさせるような思考状態や閉眼などの身体的運動を伴う指示カードを作ることで。これについては、道具(脳波デバイス)を常時持って旅先に行くことができず(重さとの兼ね合いで)、いつも身辺に老いておけなかったことも大きいかと思います。私はある素材で試作品アイデアを大量に出す時には、布団の中にまでその切れ端を持っていて、寝るまでもてあそんでいて、いろんなシーン×それ、という掛け算をいつもしています。脳波デバイスは常時付け続けるのが楽になると、もっと想起できる周辺概念がありそうです。まずは身につけておく、ということをもっと意識したいと思います。脳医学、ユーザ体験、行為、認知心理学、ITアプリ、という総合的なところが必要なので、すこし、勉強量を増やすことも意識したいと思います。

大手とのタイアップも、実験場も、12月に入ってから急加速したものでした。

Kids、北欧、院生時代、の3つは、新春〜春〜夏、という感じに今年の半ばまでに完了していました。

やはり、早めに次々達成してく様な、前のめりの姿勢というのは、目標をクリアーする人には必要だなと思いました。


当時のブログ(2012.1.2)に、こう書いています。

「昨年(2011)も最後に書きましたが、半分ぐらいは達成できて、半分ぐらいはできずに、急に入ってくる何かによって代替えされるでしょう。昨年も、6つできて、1つは中止で、1つは別のものに差し替えられています。」

毎年思うのは、一年前の自分の見通しはそれなりに鋭いなあと思います。実際ほとんどその通りです。

今年は、途中で急に入ってきたものとして(韓国ワークショップ)(A3together 受賞 笛モールスアプリ)(日経ビジネスONLINE連載)(日本創造学会の論文査読)(TRIZシンポジウム、二か国共同発表)(NHK、アイデアトランプ取材)(AERA、書斎取材)などがありました。

次の年も、8つの目標に対して、予期せぬものが7,8つは飛び込んでくる、その中で8つをやり遂げようとするのだ、という意識を持って、進めていこうと思います。(目標立ては、次のエントリーにて。)


ちなみに、過去一年間のブログを見ていて、ふと、これは、いずれ取り組んでみたいものや、時々読み返したいものがありました。


Traditional Toy(伝統的玩具)から新商品を

BruteThink用「モノカード」

【発想道具】はちのすノート(大・中・小)

IdeaからPlanへ(6W3Hシート・ワーク)

描かれるビジネスプランの3段階

Zoo Card

最も優れた書斎は、旅立ちの一時間前のちゃちな机である

怠惰が枯らせているもの

【ブレストの技法】ランダム再分配ブレスト

【ブレストのコツ】プレイズ・ファースト

【ブレストの技法】会議に”ゼブラ”を入れよ

【創造力を使う】(1)発散ルール (2)収束ルール

発散と収束の根底ルール

アイデアトランプに「Brainstorm Card」

残り時間効果

浅草橋から自転車で、あの塔へ行く

「充分考えたら4日離れる」

生涯、学び続けよ

フィンランド 発見のまとめ

新事業アイデアを発想する用のTRIZ

【1つの可能性】ビジネスアイデア生成のワーク道具

【Workshop試案】6観点Walk

【素材】伊達政宗

【智慧カード(TRIZカード)】セレクト・ガイド・シート

TEDxTohokuに、私のインタビュー記事が。

IdeaからProductまで。14の観点、73のステップ

技法の要諦を知る方法

アプリアイデアを発想する方法6種(2012年Final版)

【アイデア】高齢者向けの知的遊戯、卓上かくれんぼ

【NHK】おはよう日本(アイデアトランプ)

『アイデア創出ワーク・プロセス』(2012年ファイナル版)

新生児の選好。原始的な認知に依拠したデザイン



これらを、ざっとみて、優れた情報の流入源として、普段忘れがちなものが4つありました。

「専門書のコンテンツ性」
「放送大学の有益さ」
「古い日本の伝統のコンテンツ要素」
「ボードゲームカタログ(すごろくや)」

(もちろん、各領域で活躍する友人知人からのインフォメーションは非常に大きいのですが、それは忘れるべくもないことなので、抜いています。)



御礼)

一年間の活動、これらはすべて一人では決して完遂できないモノばかりでした。依頼をもらうこと、一緒にブレストすること、作り出すこと、実施すること、きちんと完了すること、それらには多くの人々の助力があり、一年間を走りきることができました。本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。

2012年12月30日

素数の時だけ円になる3時間弱のweb時計+α

少し前に面白いサイトが詳細されました。

Dance, Factors, Dance


http://www.datapointed.net/visualizations/math/factorization/animated-diagrams/?infinity

1~10000までのあらゆる数を、その数に応じてマルで表現するのですが、素因数分解をして並べてくれています。なので、33のようなものだと、3×11、ということで、三つのマルのセットを、11個円周上に並べたような形になります。

次々切り替わる中で4649のように、素数が来ると、びしっと薄皮一枚のきれいな円になり、見ていてなごみます。

10000まで、1秒ごとに進むのですが、その時間はおよそ3時間です。60×60×3=10800
なので、正確には、3時間から800秒前で終わります。正確には13分と20秒前に、です。

(例えば、お昼丁度に見始めると午後2時46分40秒で終わります ← でも、こんな例え要らないですよね。)

時々、アクセスしたいサイトなのに、あっという間にSNS上から情報が消えてしまって誰も言及しなくなりましたが、つなぎとめておきたい情報なのでここに記録しておきます。

・・・

ちなみに、私のお気に入りは、この時計をWEBに表示して思い切りその画面を小さくして「数字と素因数分解の結果」だけを表示しておくスタイルです。円はほとんど見えなくなりますが、それでいいです。ひたすら秒数をカウントアップしていく時計なのですが、時々素因数分解のできない数でPrimeと表示されるのはなかなかのうれしさ。

(余談ですが、腕時計を眺めて、サイクリックに回るだけじゃなく、生まれたときから数えた秒数でカウントアップして素数が来たらボディーがふんわり光ってくれる仕様とかだとうれしいなぁと思います)


・・・

なお、この時計のあるサイト「 Data Pointed 」は面白いビジュアルの情報がいっぱいあります。2つほど紹介します。


His And Hers Redux


http://www.datapointed.net/visualizations/color/men-women-color-names-d3/
色と名前が、水彩画をグラデーショナルにまき散らした感じのサイトで見ているだけでも楽しいですが、ポイントするとその色の名前が出てきて、好まれているレイトも出てきます。下半分は男性、上半分は女性、真ん中あたりはジェンダーニュートラル。

商品設計をする人が使う色のパレットとしても面白そうだなぁと思います。


Viz The Seasons


http://www.datapointed.net/2011/11/history-of-the-sky-ken-murphy/
年間の空の様子を、400枚近い小さい窓から同時に眺めているような動画です。
だんだんと端っこの窓が明るくなっていき、空が流れて全部の窓が明るくなって、、、最後はまた、真ん中あたりから暗くなります。

これは、フィンランドあたりでやってもらったら、白夜やらほとんど日の照らない冬などが資格として分かって面白そうです。

思考速度を強制的に上げる食後の過ごし方

休みの間に、作る形の仕事をしていると、なんとなく街の中のまったりムードに影響されることがあります。

休む時には、ズバッと休んで、心身の瑞々しさを取り込むのがいいと、私は思います。なので、休みたいなら、すぐに切り上げてしまうほうがよいと思っています。

ですが、やりたいけれど、イマイチ、思考速度がゆっくりしているなー、という日は、何らかの不調のせいでだれでも生じえるでしょう。

そういう時に役立つかもしれない工夫として、私が、年末年始・と・お盆、に行っている工夫を書きとめておきます。

強制的に思考速度を上げたいなー、という時には、食後に、撮りためていた資料動画を見ます。その時に、再生速度を、50%増しにして、早口な言葉で話が進むようにします。放送大学の興味ある分野のものがおすすめです。音量レベルが常に一定で、先生方は明瞭な声でゆっくりしゃべられるので、早回しの時に早口になっても音声として聞き取ることができます。少し早口の先生のものはかなり早く聞こえます。かなりゆっくりのご高齢の先生の話でもかなりのピッチで進みます。

これを5分、10分と、聞いていると、思考の速度が、そのインプットの速度に合わさって上がっていきます。

本当に早すぎて、ついていけないときには巻き戻して聞き直しますが、平均すると、45分番組(を30分で見る)において、巻き戻すのは2,3回といったところです。

昼食の後にこれをすると、頭は忙しく回りますが、体はゆっくり休む時間が取れます。

映像の中で興味のあるものをいくつも知ることもできますし、それらを書きとめたら、頭の回転数が高いので、すぐにやりたい仕事に取り掛かれます。

(実際は、見始めると興味深くて、1本のつもりが、2本、3本と、みてしまって、すっかり学習タイムにしてしまうことも、実はなくもないのですが。)
posted by 石井力重 at 01:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | メソッド&ハウツー

資料メモ「ポジティブ心理学」

今は便利な時代です。

長い休みに入り開発没頭しているのですが、休憩がてら、新しい知識のために、授業をオンラインで見ています。昔であれば、社会人学生として手続きをして試験を受けて通って・・・となっていたのが、ずいぶんな違いです。授業で見たこともメモしておいて、関連情報を検索すれば、TEDのビデオがあったり、本がさがせたり。もう少しすると、社会人が文献としてすぐに見たい本ほど、電子書籍ですぐに手に入るようになるのではないかと、思います。

今日はポジティブ心理学、について、大きなダイジェストの中の一部で言及されていて、前々からすこしちゃんと向き合おうと思っていたものでした。開発メンバーの中の心理学の教授や、韓国訪問時の朴教授らも、言及していましたので。

ダイジェストの中で知ったことをメモします(例によって、記憶のフィルター経由です。正確さに欠いています)

ポジティブ心理学。心理学者Martin Seligman(マーティン・セリグマン)が、アメリカ心理学会の会長だった時に、提唱し展開してたもの。世界大戦以前の心理学は、広かったがそれ以降のものは、人の心の弱い所や問題を専門に研究してきた。人々がより幸せになるための部分についての心理学をテコ入れしよう。ということで、ポジティブ心理学、という研究領域が発展。


以下、周辺的な情報として、ネット上で調べてみた、情報密度の高い所を挙げておきます。

・・・

TED

マーティンセリグマンポジティブ心理学 | Video on TED.com


ペンシルバニア大学のセンター長をしているセリグマンらのサイト(診断機能あり)
http://www.authentichappiness.sas.upenn.edu/Default.aspx

wikipedia
日本ポジティブ心理学協会
http://www.jppanetwork.org/JPPA/about.html


〜Books〜

参考書籍として講義中にたぶんこれを持っていたと思われる本
ポジティブ心理学―21世紀の心理学の可能性

他、面白そうな本

幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論 (シェーン・エイカー)
フロー体験入門―楽しみと創造の心理学(チクセントミハイ)
世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生(セリグマン)

ポジティブ心理学は、「幸せ」に対して光をあてるので、何度なく本のタイトルが「あやしげ」感を醸しますが、多分、一番上にあげた本は手堅いと思われますし、そのほかの本も、その道で有名な研究者の本であり、良いものだと思います。

→ ポジティブ心理学協会のサイトに、推奨図書一覧がありました。
こちら

・・・

そういえば、過去のメールを拾うと、今年の2月、高橋興史さんが、ポジティブ心理学協会主催のイベントをされていました。

2012年12月29日

リーダーは地図をつくれ

いろんな組織が周りにあります。過去にもありました。自分が組織の一員のこともありました。組織の創設者の事もありました。アイデアプラントや宮城TIRZ研究会はずっと、代表をしています。

そういういろんな立場の中で、自戒の念を(思い切り)こめて、想起したことを書きとめておきます。

リーダーは地図をつくれ

その組織の参画者が、そのフィールドで「何をしていいのか」「何をしようとするとそこから外れてしまっていることになるのか」が分からない場合、参画しているメンバーは、徐々に自発的行動意欲が減少します。

人間は、何かをするにつけても、それはしてもいい事なのか、代表者の考えを聞かずには進められない、という状況では、自分の中の裁量に幅が持てず、だんだん貢献的行動も無駄になるなどの経験を積み重ねて徐々に最低限の事しかしなくなります。これは、多くのつくられてきた組織を内外で見ていて非常によく出現するシュリンク・パターンです。

一方で、メンバーが生き生きと自律的に動いてさまざまな展開をしてくような、疾走しつづける頼もしい組織もあります。そういうところは、リーダーが明確な”ことば”を振り出しています。それは「何をしていいのか」を具体的なレベルでこまごま決めるというスタイルの”言葉(規律)”ではなく、自分たちの目指す方角を指し示す”言葉(ビジョン)”です。現場で各々が対応し、思考し、選択肢を挙げて選び取っていくときに、その意思決定を補助してくれるとてもよいツールになっている、そういうタイプのリーダーのコトバ、です。

その言葉は、地図、に似ています。部下それぞれが、「その方向に前進するという目的に照らしてみれば、俺のこの選択は正しい」と自信を持って、素早く判断できる、といった地図に、似ているのです。

・・・

自分でもそういうことがきちんとできているか、というと、全然できていません。ここまで明確にその必要性がわかっていてすら、なお、出来ていないので調子悪いのですが。。


昔、企業から、大学院(MOTの博士課程)に戻った時、経営の修士の戦略論の講義も同時に受講して、リーダーが持つべき道具をカード型アイテムで作ろう(自分のために)、と思って作ってきたものを、掲載します。



毎年ちょっとずつ変わっています。

昔の記事はこのカテゴリー「 航海マネジメント・ツール」に、あります。

2008年頃の自分のエントリー「手段が目的化する」心理を把握することから始めよう を読んで、昔の方がいいこと言ってたな、とおもったりもしていました。

未来の自分がまた読むであろうことから、ここにメッセージを送ります。

「自分だけが方向がわかっている、自分だけが事業ドメインを可視化できている、そのレベルでは駄目。まず、自分自身がすっごく具体的にくっきりわかってようやく人にシンプルで具体的なことがいえる。もっともっと、カラーで、動画で、自分の頭の中の地図を、たどり着きたい未来像を、持たなくてはいけない。」

2012の年末、書斎にて、私はそう未来に向かって、言っておきたいと思います。一年後の自分が見て「あー、ハードルあげやがって、、、過去の俺め、うらむぞよ・・・」と思うのでしょうが、過去の自分は別の人。頑張ってください。

来年の12月の上旬は、311の震災から1000日目を迎えるタイミング。社会が、にわかに、311から1000日たってもこの様か、とざわつくでしょう。でも、それでも、そこまでもそこからも、自分の志した道をまい進して行こう、と思います。
 
posted by 石井力重 at 23:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 航海マネジメント・ツール

知能。流動性と結晶性

冬休みは、勉強のシーズンでもあります。知っていくことを書きとめていく、学生時代ライクなブログの運用も、この長い休み期間ならではの使い方です。

印象に残ったことをメモしておきます。

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知能には、二種類のものがある。流動性知能、と、結晶性知能
それらを総合したものが従来の知能として表現されていたもの。


流動性知能。これは、新しい環境への対処の能力など。幼児期からどんどん伸びていき成人になる前にピークを迎え高齢に向かってずっと降下していくもの。
結晶性知能。これは、積み上がっていく経験からくる能力など。幼児期から成人期に向けてどんどん伸びていき、それ以降も、ずっと徐々に伸びていくもの。

この2つの足し算のカーブとしては、幼児期から成人期にかけてぐんぐん上がるカーブが成人期をピークに下降していくカーブへとつながっていく。従来の知能の考え方は、この曲線をみて、知能が下がるばかりという図になっていたが、ミクロに見てみると、結晶性知能、という点では、人は高齢になるに従い上昇し続ける知能領域がある、と言える。

━━━━━━━━━━━━━━━━━

この概念は、実社会の「老いてますます能力の高い人物」を説明する時にとてもよくマッチしています。企業などで、多くのベテランの方は、ご謙遜されつつ「最近、年齢のせいか、頭が固くなりまして。」とおっしゃられるのですが、仕事のクオリティなどは、それこそ若手が到底及ばない水準のことをされ続けていたりします。

上記のモデルで言えば、理屈としても合点がいきます。加齢に伴う「流動性知能」の低下、つまり、新しい環境にあてはめて考えていくようなことは確かに、衰えとしてあり得るのかもしれず、かつ、一方で加齢に伴う「結晶性知能」の上昇、つまり、経験からくる高い技能や思考力は、後人には及ばぬレベルに上っていく。もちろん、個人差はあります。体のキツサはさっぴくとして、新しいことに次々飛び込んでいこうとするような、流動性知能に近いことを老いてますます盛んにしていく方もおられます。なので、必ずしも、皆が皆、上記のようなカーブに乗って知能が遷移するわけでもないかもしれません。

私はいま39歳ですが、総合的な知能カーブから言えば、ピークから20年ぐらいがたったわけですが、昔から流動性知能が低かったようにも思うのであまりその点で変化があったようには思えませんが、結晶性知能については、いろんな分野を学び、専門家の友人も増え、多様な業界に仕事でよんでもらえて、情報量の増加幅は年々増えていきます。その意味では、何かのブレストに参加していても昔よりも非常にたくさんの発案が湧き出てくるし、引用できる関連事項も増えているように思え、確かに、結晶性知能、という側面があるな、と感じます。

(ただ、有限の脳の能力域を、より多くの部分をクリエイティブシンキング系のものに割り当てる改修工事が常に行われているもののプラットフォーム全体は徐々に狭くなってきている、ということもあるかもしれません。若いころに身に着けた商社での仕事の仕方のうち何割かは、いま、意図的に再現しようとしても難しくなっていますし。)

印象に残った学びと、そこから想起することは、以上です。

いろいろ不確実なことを書いたのですが、一つここから抽出しておきたいことは次の事です。

”年を取ったから、頭の能力が全領域的に衰えていく、そりゃ仕方ない。自然なことだ”と開き直るなかれ。”天寿を全うするその最後の日まで、脳のある領域の能力は、伸び続けていくのだ。”という信念に近いものをもって、成長する人生の坂道を上るように生きていくのが良さそうだ、ということです。

出来ぬとことへスマートなエクスキューズ、怠惰への免罪符、を手に入れてしまって、久しく力を使わなければ、いざという時にすっかり失っている。人間とは、伸びて実りて最後に種に戻るような、存在だと思いますから。
 

新生児の選好。そこから想起する、原始的な認知に依拠したデザインルール

幼児の心理学に面白い、古い研究があります。今日も一つ学びましたが、なかなか、大人のスキルにもヒントとなる示唆が多く、反芻していました。

まず、ファンツらの研究で、調べられた『新生児の選好』について。

学んだこと:

簡単に言うと、新生児は、目にするものに対して『パターン/コントラス/大きい/多い/曲線』の要素が、あるものの方が、ないものよりも、好んでみる、というものです。

講義で示された内容を書き出してみます。

パターンがあるもの、を好む
均一より、同じ模様の繰り返し、を好む。
同じ形の2個配置でも、無地との比較でなら、2個配置を、好む

コントラストが強いものを、を好む
同じパターンや模様なら、より濃淡のはっきりしたものを好む。
いろんなコントラストのものを混ぜて配したものより、全部同じ濃度でも濃くはっきりコントラストのものを、好む。

大きいもの、を好む
パターンの要素のサイズが小さいものより大きいものを、好む。
要素が大きくて少ないものと、要素が小さくて多数のものでは、大きい方を好む。

数が多いもの、を好む
要素のサイズや形状がおなじなら、その要素の数が多いほうを好む。
形についても、形状の特徴(でっぱりや角)が多いほうを好む。

曲線で構成されているもの、を好む
同じようなでデザインなら、角が円いものを好む。
要素は、四角より、丸を好む。
線は直線より、曲線を好む。

(Fantz&Yeh 1979、に対し、石井にて説明を加筆しています。より正確な表現は原典をご覧ください。)

新生児が月齢8か月ぐらいまで、視力が発達していく中では、大人とは異なる特徴的な見え方をしているそうです。それは単に瞳のレンズの性能だけによっているのではなく、それらを処理する視神経系側の性能もぼんやりとものを見るようになっていることに起因しているそうです。

このことの解釈として述べられることを、私の理解を通じて表現します。正確性に欠けるのと理解のフィルターを通してしまっていることをあらかじめ含みおきください。

まず、視力が低いことですが、これは学習においてよい効果として機能していいます。

見えるものをぼんやりと大雑把に見、人間の顔などの視認において細かな情報、たとえば、ホクロや皴など、は入力段階で捨像(しゃぞう)してしましまい、顔における特徴的な要素と配置だけをみて、それらの情報パターンを獲得していきます。獲得が進む一方で、視力が徐々に育ち細かいものを見ることができるようになり、より具体的な細かい情報を理解するようになります。

講義において、一つ興味深い調査がしめされていました。

それは高機能自閉症児の弟妹※の生後数か月の時点での視力を測定したものです。それによると、新生児期に高い視力を持つケースが多かったそうです。生後数か月で高い視力を持つことで、初期に形成されるべき、顔の大雑把な特徴パターンを形成できず、いきなり子細な情報を入れていくことが、その後の表情や意図の読み取りに対しての影響している可能性が考えられる、そうです。

(※当人ではなく、弟妹であることについて:生後数か月のデータが欲しいとなると、自閉症児の判断ができないがゆえにその後に生まれた兄弟の測定をする形にしてようです。ですが、講義では補足コメントもありました。調査対象者となったその子たちのその後の発達は必ずしも先に生まれた子と同じではないそうです。自閉症の症状のある子も、ない子も、折られたそうです。この結果は慎重にとらえるべきかもしれません。専門領域ではないので、ここには私の解釈のフィルターが多分に入っていることを、繰り返しますが、ご容赦ください。)




想起したこと:

ここまで学んで、学びながら、ぽこぽこっと、3つのことを関連して想起しました。

  • ノンデザイナーズ・デザインブック、4つの基本原則
  • アンパンマンの世界
  • 認知のメガネ



一つ一つ行きましょう。ちょっと、長いです。

まず一つ目は、『ノンデザイナーズ・デザインブック』です。
私が所有している本は最新版ではなくsecond editionです。その版の中、13ページ目にこういう記述があります。引用します。




4つの基本原則


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


上手にデザインされたどの作品にもみることができる基本原則の概要を次に示します。それぞれの原則を個別に説明しますが、実際には互いに関連していることを覚えておいて下さい。どれか一つの原則しか使わないのは、ごくまれなことです。


コントラスト


コントラストの背景にある考え方は、ページ上の要素同士が単に「類似」するのを避けるということです。もし要素(書体、色、サイズ、線の太さ、形、空きなど)が「同一」ではないなら、はっきり違わせるということです。コントラストは、ページ上で最も重要な視覚的な吸引力になることがしばしばあります。つまり、読者をまず読む気にさせる役割をするのです。


反復


色、形、質感、位置関係、線の太さ、書体、サイズ、画像などの視覚的要素を、作品全体を通して繰り返すことです。これは、織化を促進し、一体化を強化します。


整列


ページ上では全てが意図的に配置されていなければなりません。あらゆる要素が、他の要素との視覚的な関連をもつ必要がありま。これにより、明快、洗練、新鮮、という印象が生まれます。


近接


互いに関連する項目は、近づけてグループ化しなければなりません。いくつかの項目が互いに近接しているとき、それらはバラバラな要素してではなく、一つの視覚的ユニットとして認識されます。近接は、情報組織化し、混乱を減らし、読者に明快な構成を提示するのに役立ちます。


出典ノンデザイナーズデザインブック』P13





この4つと、先に述べた『パターン/コントラス/大きい/多い/曲線』では、共通する要素がかなりあります。相互に関連付けられないのは、近接、と、曲線、ぐらいで、後は何らかの対応関係を形成できます。

デザインについて私は専門外ですので深いことは言えませんが、人間が原始的な状態で好むようなデザイン要素は、大人たちにとっても、素敵なデザインと映るものであるのかもしれません。同種の事は、発想やアイデアの中でも言えます。子供が好きなものを選ぶと、ヒットしやすい、という考え方です。

正確には全く議論できないのですが、ここから一歩踏み込んで仮説的に言うならば、デザインの基本原則に+1して、5つの要素「コントラスト・反復・整列・近接・ラウンド」にしたら効果的かもしれない、と考えていました。

ラウンド
図形要素のうち、可能なものは、かどまるや円型を使う。直線を曲線にする。有機的な形にする。

あくまでも、未成熟な思いつきの仮説です。ただ、それもある種の人には一定の価値があるかもしれない、とおもい、記しておきます。





二つ目は『アンパンマンの世界』です。

視力の弱い新生児に見える世界はぼやけていると同時に、非常に近接した状態の顔が見えていると考えられます。昔流行った犬の鼻先から犬の顔を撮影する頭と瞳の大きい写真が、そのイメージとして近いです。赤ちゃんが見えている母親は、顔、特に目のあたりを大きく認識し、上半身から足へと遠くなるので胴体や足は小さく認識すると思われます。アンパンマンの世界はそういう新生児の見る原風景に近い「顔の造形」「身体バランス」をしている事に気が付きました。更に、『パターン/コントラス/大きい/多い/曲線』の視点で見れば、子どもの人気を二分する、アンパンマンとバイキンマンはともに、それらの条件を高度に満たしています。ショクパンマンはやや直線が多く、カレーパンマンはきつね色の顔色で、瞳と口のコントラストが弱い、という点で訴求に劣るのかもしれません。5つの要素をもっとも満たすはっきりした造詣のヒーローを考案するならば「レンコンマン」みたいなキャラクターがいいのかもしれません。食材の人気度的に一回限りキャラになりそうという欠点はありますが。




三つ目「認知のメガネ」とでも言うべきもの、について。

これらの示唆から「認知の特性を利用した面白いアイテム」を作れないだろうか、という漠とした願いです。具体的には、、、そうですね、、、もうちょっと考えてみます。でも、きっと、何か、原始的状態の人間が持っている認知の特性を利用した「学習をよりよい体験にする道具」とでも言うべきものが、アイデアとして可能性を感じるのです。メガネ、というのは、アナロジー的な表現で、視力を意図したとおりの度数に変えてやることができる道具、という意味を込めて使っています。なにもグラス型の物体でなくてもいいのですけれども。






以上です。

余談と、+α:

今日は年末年始で、開発専念期間ということもあり、いつもよりしっかり書き出してみました。普段、人の話をうかがっている時、あるいは、講義を聴いている時、私の思考の中では、隣接概念が想起されていて、いくつも着想を書き出したいことがあるのですが、普段は、次々と進んでいく用事に流されて思考の断片は記憶の底へと沈んでいくのを感じます。時には、こうしてブログの1つの文章を書くことに3時間ぐらいを費やしてみる、というのも、いいですね。(長々書いたわりにつまらないですね、というツッコミはあり得るでしょうけれど。)
 
追記: もう少し、Facebookには別のメモも書いたのですが、それを編集し表現するのは既に書き出したこととの関係でおさまりが悪いので、リンクだけつけて今のところは筆をおきたいと思います。 メモ https://www.facebook.com/ishiirikie/posts/588312207852677



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ファシリテータの小ネタ(1)