2012年12月02日

創造行為の観察からの仮説「ある種の脳波状態は伝染する(仮説)」

”創造的な人が登壇し、普通に話し始め徐々に興が乗ってきて、目が輝き、腕の動き、表情は文字では表しきれない複雑であいまいな情報を含み、講演する声の抑揚は、聞いている人の心拍数を高めるぐらいにわくわくとした疑似体験を相手の中に生成させる。”

そういうことを何度か経験しているうちに、昔読んだ小説の話をふと思い出しました。確か商売をする女性の話だったと思うのですがこんな話です。

”その女性は、相手の男性が眠ってしまうと、暇を持て余しその人の寝息にぴったり合わせ呼吸をする、という遊びをした。そうするとそのうちに自分も眠くなって寝てしまうのだけれど、奇妙なことに相手の見ている夢と同じものを見てしまう。しかし、それは精神的に疲れてしまい、危険なことなのでしないようにした”

そんな話だったと思います。

相手の頭の中で起こっていることを寝息から再現する、というのはあまりに高次な脳活動の再現する情報量としては少ないので難しいとして、でも、次のことはあり得るかもしれないと思うようになりました。

人の脳波いろんな複雑なことを考えます。脳の活動のある程度サマリアップされたもの(脳波もその一つ)が、身体的な出現(寝息や表情)として出てくることがあります。

それを、他者が呼吸や表情などの模倣という形で、正確に長い時間、相手の身体的出現特徴を真似し続けることで、それをある程度相手の脳の状態のサマリアップされたものを脳内で再現し、その人が感じていることを大まかに理解することができる可能性はあるのかもしれないと。

人間は、潜在意識では理解していない情報を脳の刺激としては受け取っていることがあります。60ヘルツと50ヘルツの蛍光灯があった場合、同じ光に我々は見えます。ただ、脳波を測定するとその周波数で脳波が出現していて脳波から見ると脳の方はある程度周囲の、認知が不可能なぐらいの情報も甘受しているようです。

そう考えると、身体的な動きや声の抑揚などを自分の中で、受け入れて再現していくうちに、相手の「頭の中で感じているものを再現する」ことはきっとあるのではないかと思うにいたりました。創造的な人の講演中に行う身振りや手振り、瞳の開け方、声の出し方、そういうものが、人を創造的な気分にする、それはたぶんそういうことなのではないかと。

そして、そういう人の話には、フロー状態のように、深く没入して時のたつのを忘れて、アドレナリンの快感と緊張に体が力を使い、そして終わった後、ぼんやりと脱力し、もっと聞いていたかった、もっとその素敵な状態に浴していたかった、と思う部分でも、似ています。


人間の思考状態というのは(ある条件を満たした環境下では)伝染する。
この仮説を一つの視点としていろんな物事を見たときに、少し見えてくるものや、新サービスのヒントがある、そんな気がします。

2012年12月01日

幸せを入れる容器として、人生、をみる

人間の幸せのサイズというのは私はちょうど、胃袋みたいな形と大きさをしているのだと、常々思います。すこし、その所を一人語りしてみます。

happiness_tank_1.jpg

・・・

まず、言いたいことを、先にざっくり述べると、こうです。

「人間は自分だけを愛する時より、他の人も愛せるような時の方が、享受できる幸せの量は、大きい。」

・・・

(もうすこし、その背景に考えていることをつまびらかにかきます)

たとえ天下を取っても、、、という言葉として「立って半畳、寝て一畳、天下とっても二合半」というのがあります。

外挿して考えてみると、どんなにおなか一杯、世界の美味な料理を食べたとしても、胃袋がいっぱいになるまで精々100万円もつかえるかどうか。

仮に三食を食べて、長生きして100年間だとして、これらをかけると、

1,000,000*3*365*100

=109,500,000,000

つまり、1千億円。

住む家だって世界中の一等地や別荘地に家をもっていたって、毎日泊まり歩いても精々365件もあれば、一年に一泊できるかどうか。これが上限。

むしろ毎日移動するだけで忙しいなんてつまらないのでもっと少なくていいでしょう。

10億の家が300軒あったとして、3千億円。

それから、高額医療と言っても1千億円ぐらいと仮定する。

こうしてみると、一人の人間が自分のためだけに使えるお金は、生涯で5千億円。

人間の意識は広大な空間に住んで無限という概念を扱うこともできますが、身体をもちいた享楽には、有限の、それもかなり低い所に、限界があります。

荒っぽい計算ですが、5千億円、です。

happiness_tank_1b.jpg


幸せの器は、5千億円でうちどめ。

それ以上はあふれて容器に入らない。


しかし、もし、その人が、他者を愛するならば、話が少し違ってきます。

たとえば、一人の他者。愛する子供。子供をもっていて、その子が幸せいっぱいになるとき、脳はとても強い幸福を感じます。その相手が、2人、3人、5人、7人、、、とおおくなっていければ、それだけたくさんの幸せを感じることができます。もちろん、容器が広がると、その分、それを満たすための努力は大変になりますが、上限は上がります。

happiness_tank_2.jpg

自分用の容器は「胃袋」の形。でも、拡張できる容器は「人型」みたいなもので、そこにも、注いでいくことができる。なので、伴侶、家族、友人、もっともっと、広がって、お客さん、地域の隣人、まだ見ぬ同時代の人々、未来の子孫。。そういうところまで、人を愛することができれば、幸せの器は、満たしきれないほどの容積を持ちます。

happiness_tank_3.jpg

自分ひとりしか愛せなかったときに比べて、ずっとずっとたくさんの幸せを享受しながら生きることができます。


私は、よく、思うのです。

人生、というのは、本質的こういう「容器」なんだろう、と。

人の分まで人生を生きることはできない。しかし、人の容器も共有して自分の幸せの器に変えることはできる。

だから、人を愛そう。他人を愛そう。自分を愛そう。お客さんを愛そう。地域の人たちを愛そう。2030年ごろのまだ生まれていない人々も、愛想。

そう思うのです。


もちろん、人間は複雑なので他者を憎んだり拒むことも、マイクロ感情としてはあります。

あまりに忙しい時、心が枯れてエネルギーがない時、満員電車でえらい体勢になっている時、とかとか、、。

でも、それでも、人間はずっと同じ感情にはとどまりません。今日みたいな久々に書斎でじっくりと制作の仕事にとりかかり、家族で一緒に一緒に食事がとれるようなときには、いつも、志しの原点に返ってきます。

そういう時には、いつも、思います。

「他者を愛そう」

「顧客への圧倒的な愛が製品のフォルムに宿る。そういう仕事をし続けよう」

「なにより、いつも自分が幸せであるように努めよう。」
(そうでないと、嵐の夜の船上で自分が生きぬくことだけにまず注力してしまうから)

と。

利他主義というのは、滅私、じゃないと、私は思います。

利他主義というのは、「みんな幸せ。その中で自分もしっかり幸せに生きる。」ということだと。

そういう風に生きるほうが、世界狂乱の中で一人だけシェルターにこもって衣食住の幸せをいきるよりも、何倍も、ご飯は美味しい、心も未来も暖かい、から。


幸せを入れる器は胃袋の形。でも増設は可能。人型の容器をいくつもつなげて、いっぱい価値を作りとどけたり、いっぱい稼いでみんなでおなか一杯幸せです、という形にできたら、人間はとても大きな幸せを享受できる。


そんな風に思います。

(どこか宗教的なセリフですね、とよく言われますが、自分自身には何か特定の宗派や宗教を選択したり(否定したりも)しません。自分が信じる「律するための心の中の長き階段」その総体を私は、いつもことばにしています。それが、人からそういう風に見えるのかもしれません。)


posted by 石井力重 at 15:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記、価値観、仙台オススメ



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