2013年01月31日

【ご案内】東京大学にてアイデアワークショップを行います(2月21日)

 
東京大学 open i.school で、2月21日、アイデアワークショップを行います。


これは、i.schoolのopen講座的なイベントで、一週間毎日、違う内容で行われるワークショップです。

私の前日は、博報堂イノベーションラボさん
私の翌日は、なんと、IDEO!(IDEO Tokyoさんです)

プログラムをざっと見ると、どれも参加してみたい構成です。

その更に前日はビジネスエスノグラフィー研修で講師をしてくださった田村大さんです、この時点では私は未だ岐阜にいるはずなので参加のしようがないのですが、田村さんの講義がたぶん、もっともi.school的には中核的で興味深いと思われます。

そうそうたるメンバーの中に混じって、アイデアプラントでいいのだろうか。と、実の細る思いですが、自分側の視点はそこまでにして、胸を借りるつもりで全力で、ワーク設計とファシリテーションを行いたいと思います。

創造的なアイデアを創出する4つのフェーズをフルで体験する5時間の予定です。時間帯は午後を想定しています。詳細は未定です。

新しい可能性を作り出す人を作る。そういう動きが最近の日本では多くなってきたと思います。イノベーションのしっかりした技法は、i.schoolやイノベーションラボの皆さんの知識とスキルにゆだね、石井のパートでは「いざ、アイデアを出すぞ、となった時にその発想という活動においていかに創造的なパフォーマンスを発揮するか」という部分に絞って、内容を展開します。

アイデアが好きな方も、苦手だけれども興味がある、というかたも、ぜひご検討ください。一緒に、ブレストをしましょう。

(※ 定員が割と少ないイベントです。申し込み多数の場合は、申し込み内用にもとづき選考になる、とのことです。)
 

2013年01月30日

VE協会の協会誌、連載完了。横河電機さんでのアイデアワークショップの事例を掲載しました。

日本VE協会さんの協会誌、バリューコンピテンシーで一年にわたり連載させていただいた発想法の連載が掲載されました。予定通り、最終話まで書くことができました。

VE協会誌36_ideaplant_01.jpg

早稲田大学の澤口先生がTRIZとVEで連載を開始されました。興味深い内容です。

VE協会誌36_ideaplant_02.jpg

本連載は、実は、拙著、アイデアスイッチ、の章立てに実は対応した4回構成になっていました。

VE協会誌36_ideaplant_03.jpg

最終話は、特別版。いつもは架空の企業さんでの発想事例を展開しましたが、今回は、ご了解を得て、横河電機株式会社さんでのワークショップでの発想事例を含めて、発想技法を紹介させてもらいました。掲載を快諾してくださった同社の皆様には心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

一年間、貴重な紙面にスペースを下さり、ありがとうございました。読んでくださった各企業のVEリーダの皆様、ありがとうございました。

(なお、次号からの一年間、別の連載として、イマジネーションやブレストについて、ご紹介していく連載として、また筆を執らせていただくかもしれません。)

2013年01月29日

【ラジオ】北海道のラジオ番組で「アイデアトランプ」が紹介されました。

もう、3週間も前ですが、1月8日に、北海道の朝のラジオ番組で、「アイデアトランプ」が紹介されました。

メディア名:HBC 北海道放送 ラジオ 「朝刊さくらい」
放送日時:2013年1月8日 朝
取り上げられた製品名:アイデアトランプ

北海道放送_ラジオ_1月8日_アイデアトランプ.jpg

製品について、電話で取材をいただいたので、放送されることは分かっていたのですが、「ああー、北海道じゃ、聞けないなぁ」と思っていたのですが、ラジオ局さんから、「音源をお送りしましょうか」とおっしゃってくださったので、お手数恐縮ですがお願いしますーー、ということで、CDをいただきました。

内容としては、女性と、渋い素敵な声の男性(さくらい氏、と思われます)が、二人でトークしていく形式で、女性がアイデアトランプ、をさくらい氏に紹介、実際にテーマを決めて発想をしてみるー、というものでした。楽しいテイストで紹介してくださって、ありがとうございました。



アイデアトランプ



小学一年生の終わりぐらいの国語力に合わせて言葉をデザインしていますので、とても平易な「発想のヒント」が書かれた52枚のカードです。ですが、発想ツールとしての品質と内容は、本格的な発想ツールであるアイデアプラントの各製品と同じぐらいに、しっかり、作っています。一人でブレストする人なら、カードをめくって一人ブレストにも使えます。お子さんと、家庭の困りごとをテーマに、アイデア出しを競って遊ぶのも、自然と発想力トレーニングになりお奨めです。
 

2013年01月28日

【スライド配布】アイデアワークショップ2013年1月28日(横浜某社、8時間)

2013年1月28日。

横浜の某社研究所にて行った8時間アイデアワークショップのスライドを掲載します。

※ 当日にお見せした別のスライドも差し込み補った【補完バージョン】です。



ご参加いただいた方は、社内や仲間内での勉強会での利用であれば、ご自由にお使いください。


追記:


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2013年01月25日

【スライド配布】アイデアワークショップ 2013年1月25日

2013年1月25日、仙台にて、某協議会において、3時間のアイデアワークショップを行います。

スライドを掲載します。

アイデアワークショップ 2013年1月25日 仙台 ( ↑ スライドの中盤から始ります。)

ワークシートは ワークショップ【シート】集 にあります。


ご参加になられた方で、この資料が紙だけでなく、データでも欲しい、という方は、ダウンロードしてお使いください。社内や内部の勉強会であればご自由にお使いください。

(※ なお、当日の資料にある情報とこのスライドでは、ごくわずかに違います。情報がこちらの方が少ないです。具体的には、この協議会殿の業界に由来する固有のテーマにあたる部分を消し込んであります。ここは、自社で行う時には、自社用にテーマを再設定して、トライなさってみてください。)

2013年01月22日

【共同開発】集中力を高く保ち、学習という体験をほんの少し良いものにする道具、を作るべく、トライを続けています。

アップルプラント(※)で年末年始に制作を進めてきた、共同開発の「教具」が出来上がりました。

アップルプラント、という活動の経緯の説明はさておき、まず、その作品を紹介します。

集中しおり

shuchu_siori_001.jpg

半透明の「しおり」です。普通のしおりは読んでいる時は使いませんが、これは読んでいる時こそ、使います。

shuchu_siori_002.jpg

本にしおりを当てて、読んでいる行を「ハイライト」します。

目線を進め次の行に意識を集中する。そんな簡単なことが、集中力を欠いている時にできないことってありませんか?さっきからおんなじ所をよんでいるなー、という時が。そういう時、指でなぞりながら読む、とか、線引きを当てながら読む、という習慣を持っている人がいます。これはいわば、認知資源の枯渇を補うための、肉体的な動きによる補助、だと、私は思うのですが、それを、より良い体験にしよう、というコンセプトの元、試作を重ねて、作りました。

shuchu_siori_003.jpg

家庭教師のアップル。その創業者の畠山さんと、半年にわたるブレストを繰り返し、いろんなアイデアを出しあいました。

集中しおり、にも、いくつかのデザイン候補が残りました。最終的に絞られたのがこの2つです。パキッっとしたハイライトの右側のタイプと、すうっとしたハイライトの左側のタイプ。

人により感じ方が違うので、両方を、作りました。

shuchu_siori_004.jpg

ちなみに、しおりですので、写真左側のように、普段は本のしおりとして、機能しますので、邪魔になりません。

切り抜いて使ってもらうタイプのシートとして作ったのですが、余ったフィルム部分には、アップルさんのキャラクターをつかって、使い方の一言説明があしらってあります。開発とデザインの協力はマグネットデザインさん。(彼らのすごいなあと思う所は、もらったキャラクターデータが正面しかないのに対し、後ろを向いた絵も入れて、全体デザインをしてくれたところです。)


動画で、雰囲気を


グラデーションタイプを、本に当てて読んでみたところ。




ストライプタイプの場合。



もう一つ。新聞に当ててみた場合。



いずれも大人の読む紙面にあてがっていますが、小学生の読む教科書のフォントサイズと行間、では、また感じ方が違います。


道具としての有用性や、多くのユーザが使ってみてのフィードバックを得つつ、更にこれや、そのほかのものを発展させていこうと思います。



アップルプラントのという活動

家庭教師のアップル、と、アイデアプラント、で、アップルプラントです。

別に、リンゴジャム工場とかを始めたわけではなく。この2社が組むことで、子どもや大人の学習をよりよい体験にする道具を作り出そう、という活動です。

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2013年01月12日

【ご案内】【スライド公開】アイデアワークショップ(1月19日)@仙台

2013年1月19日、仙台にて、アイデアワークショップを行います。

フルスライドを掲載します。



ご参加いただく方は、社内やうちわの勉強会であればご自由にお使いください。


【ご案内】

このワークショップの参加者は最大40名の見込みです。

公的なイベントとして実施しますので、参加費は無料です。

技術者向けの発想法、カジュアルなブレストの方法、それから創造的な話し合いができる社外の友人を見つける機会です。

ご興味あればぜひご参加ください。

イベント全体についての情報と申し込み方法は、宮城県庁のサイトからご覧いただけます。
http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kohou/130111-4.html
 

2013年01月11日

【スライド配布】技術から市場を発想する(シーズ→ニーズ変換の簡易ワーク)

シーズ(要素技術)からニーズ(用途・製品アイデア)を発想するための簡易的なワークのスライドを掲載します。

 


今年最初のワークショップでは、地域の公的なイベントで、エンジニア向けのアイデア創出ワークショップを行います。今日はそのためのワークを設計していました。

今回は、要素技術として優れたものがあるので、それを、どれだけ面白く活用したアイデアが創出できるか、が勝負になります。そういう時に向く良い発想方法として、ここに掲載した発想法を実践することにしました。

この発想技法の根底にあるものは何なのか。

かつて私が独立行政法人のフェローとして、科学技術コーディネータ的なことをしていた時に、トレーニングを受けた様々なモノの中の一つに「シーズニーズ変換」という手法がありますがそのエッセンスをベースにしています。その技法は、アカデミアとビジネスパーソンの言葉が通じない会議の状態から、お互いが共通して議論できる「媒介」となるある概念を発想の中継地とした構造のもった優れた手法です。

それをフルスペックで実施しようとすると結構な複雑さですので、その作業ステップをどんどん削ぎ落し、最後に残る骨組みだけを発想の基本ステップとして、整えたものがこのスライドのワーク内容(発想方法)です。

この発想の本質的な構造を何度かやってみると、技術→商業、シーズ→ニーズ、へと発想していくのに、ワンステップをかますととても発想の幅が広くなることを体感できるでしょう。事業開発をする動きも必要なタイプの技術者には良い思考法だと思います。

一、二度やってみると、自分ひとりでも再現できるようになるでしょう。社内で自社の保有技術を活かした開発プロジェクトをはじめる時の最初のディスカッションをこのワークから始めるのも着想に広がりが出ていいでしょう。

(より本格的な技法にトライしてみたいという時には、「シーズニーズ変換」で検索してみてください。少し堅い表現が多いかもしれませんが、ち密に進めるための指針が得られます。)

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2013年01月10日

テーマ設定ボード。試作品のテストプレイ

1月10日。今日は、仙台のcocolinで、試作品のテストプレイをしていました。

テーマ設定ボード_テストプレイ20130110.jpg

最初の被験者は、かなりメタ認知ができ、かつ、企画力に長けてアイデアの扱いが上手い人を選び、ツールのあちこちかけている部分を補いつつも最後まで乗り切ってくれる人を選びました。友人の原さん。そして、最後まですいすいとやりきっていく中で、私も(あー、ここは、こういう説明を補足しないと不十分だなー)と気がつけたり、ステップごとのフィードバックをもらったりして、かなりたくさんの発展材料を得ることができました。

彼はプロデューサー能力の高い人なので、最後に、この製品全体を通じての感想や、一般化する時の補正点などももらって、とてもたくさんのことが得られるテストプレイとなりました。

これまで、アイデア創出のプロセス全体像の中で、唯一、確たるサポート道具を持っていなかった部分なので、これができると、2006年の秋に立ち上げた「アイデアボード開発プロジェクト」で描いた「アイデア創出に関する総合的な活動をサポートするボードゲーム風ツール」が完成できそうです。

また、コンセプトモデルの、原初の段階です。これから、プロのプロダクトデザイナーや、製造&ビジネススキームを持つパートナーとのブラッシュアップの段階を駆け上がっていく必要があります。でも、早く世に出したいので、成すべき努力を全開で展開していこうと思います。
 

2013年01月02日

IDEAPLANT、2013年目標

後で無難にしてしまわないように、書き上げたものを即、アップします。


IDEAPLANT_2013.jpg

2013年01月01日

新年のご挨拶(2013年)

新年、あけまして、おめでとうございます。

まず、不義理へのお詫びから、述べさせてください。

今年も、年賀状について不義理しております非礼をお許しください。

お年賀をいただくもののお返しできていないことについてとても心苦しく思っております。礼節を大切にするという姿勢には以前と何ら変わりはないのですが、2011年4月以降、儀礼的なものに対しては冠婚葬祭をのぞきほとんど廃止し、その分の経済的資源を沿岸部の支援活動に向けて集中的に費やすようにしております。何卒ご高配賜りますよう、伏してお願い申し上げます。

また、仙台で入会していた地域産業団体等からも、殆どすべて退会させていただきました。会員の皆様に退会のご挨拶もできておりませんで、その非礼をこの場を借りてお詫び申し上げます。

これにつきましても、先述と同じ思想の元に、経済的な資源、及び、時間的資源を、沿岸部の支援活動にむけて集中させるべく、このような形を取らせていただきました。ですが、各組織・団体の持つ理念−地域産業や経済の発展や、それを通じたより良い市民生活の実現−については、私も依然と全く変わらず、同じ方向の志しに向かってまい進しております。活動組織やその展開の仕方は違えど、地域の皆が描く未来にむけて歩み続けていく中で、その軌道はいずれまた交わるものと信じております。


さて、2013年ですが、今年は、東日本大震災から、1000日目を師走に迎えます。正確には2013年12月5日です。

日本中が国難として取り組んだ結果として1000日後にはどこまでの復興(あるいはせめて復旧)が見られたか、を、今年の年末は振り返る瞬間が来るでしょう。沿岸部の支援にあたる活動の現状に触れるにつれ、人々の復興へのそのひたむきな姿勢に、言葉にできない思いで、ひたすら心の中で頭の下がる思いでおります。

一方で、人間は脳の正常な機能として「忘却」というものがあり、現地との接触機会のない・少ない、ところでは、震災は過去のものになっているのを実感します。気になりつつも、日々の仕事にまい進することに皆が専念する。それも人間の織り成す社会の一つの側面であろうと思います。皆が喪に服した2011年の4月は、経済が停滞しました。皆が景気よく消費し経済を回すことは経済的な発展において大事なことでもあります。

そんな中、1000日目、として、にわかに、閖上の更地の街、南三陸や陸前高田、あるいは、東京電力の原発、に光が当たり、遅々として進まぬ現状を目にすることになるでしょう。(もちろん、今年の間に、急ピッチでもっと良くなる可能性がゼロではないですし、できればもっと良くなってほしいです。)

この状況に対しては、個々人としては、無理のない範囲で「ずっと、長く、続けられる」ような助力の仕方をして、何十年も行くしかない、少なくとも震災遺児孤児の殆どが成人するまでの20年ぐらいは、とにかく、長く続けられるようなスタイルで、石ころだらけの道でも行くしかない、と思っております。

政府、自治体、公的機関、いろんなレイヤーの組織とご縁があって話しますが、全力で取り組んでくださっている所、そうではないところ、難しい調整と財政の中で頑張れたりそうでなかったり、といろんな対応がまだらに混ざっています。無限資金があるわけでもないので、完璧なことというのは難しいところでしょうから、可能性を紡ぎだして、皆でよりよい社会を作っていけるように、公も民も協力して進んでいけたらと願っています。

東日本大震災の話は、ライフワークとして取り組んでゆきますが、新年のご挨拶として語るには長くなりすぎましたので、次の話に進みます。


今後の10年で、日本、特に、世界の中における日本、が迎えていく大きな変化は次の三つの特徴がある、と、私は見ています。

1.言葉の壁が低くなる
2.距離の壁が低くなる
3.時間の壁が低くなる


一つ目「言葉の壁が低くなる」は、言語翻訳機能の性能の飛躍的な発展に依拠するものです。

既に2013年の年頭でもテレビCMで、ドコモなどがスマフォが翻訳してくれる姿を描き出していますが、技術的には一年ぐらい前からそうしたアプリはありました。私も韓国でのワークショップ中、韓国語にスマフォで翻訳してみました。単語レベルであれば、そこそこ、当時でも通りました。この技術は利用データの蓄積が進むと加速度的によくなるでしょう。この10年で、耳かけ式か、データメガネ式の、マイクとイヤホン&翻訳チップ、という形になるでしょう。

これは、今まで言語的に隔離されていた「1億人市場」と「70億人市場」が大きな一つのたらい桶の中で敷居を外したような、拡散流入が起こっていく10年を経験することを意味します。チャンスと疲弊の二つが生じます。

日本の伝統産業が持つコンテンツ性が、反物のような物質だけでなく、文化やサービスという範疇まで含め、言語的な問題なしに提供ができるようになります。1億人市場ではぎりぎりだった伝統産業が、70億、あるいは、そのうちの10%で7億とみても、7億人市場で仕事ができるようになると、潜在的な市場は単純に8倍ぐらいになり、食えるようになる所が出てくるでしょう。

一方で、日本語ユーザだからできていた仕事、というのは、どんどん競争相手が出現するわけで、すっかり日本人が減ってしまう仕事もあるかもしれません。意外と講師業や講演事業、本の執筆、メディアのライター、といったところも、賃金は同等であってもよりよいものが提供できる人がいれば、彼ら彼女らとのしのぎの削り合いに。

また、国内コンテンツが外国に出ると同時に、外国のカルチャー込みでコンテンツが入ってきます。若い人は、流動性知能が高く対応しますが、年配の方は、知能の中でも結晶性知能は高いものの流動性の部分は一般に低下していきますので、外国のカルチャーが空間を満たすようになることで抱えるストレスはあるかもしれません。


二つ目「距離の壁が低くなる」は、出現期から発展期、そして熟成初期へと入っていく3Dプリンターに依拠するものです。

2012年末、Makersなど、3Dプリンターで誰もが「なんでも願いどおりに形を出現させる機械」で作り手になる、というムードを醸成しつつありますが、日本人は冷静です。安いものではそれなりのものしか出ないし、高精度の高額装置はそれなりに、技術がいる、それに作れるものは、樹脂もので射出成型ものの1/3ぐらいの強度であることなどから、誰でもメーカー、というのは、盛り過ぎだ、と。しかし、過去を振り返ると分かります。二次元のプリンターは当初は荒いものでしたが、今ではプリンタの品質がどんどん向上し、自宅で写真を出力してしまえる時代になっています。3Dプリンターも、多分、ミシンがたどったような製品発展の熟成プロセスで、この10年でよいものになるのではないかと思います。

そうなると、距離の壁が低くなります。すこし余談からですが、100年前の人々が100年後(今の時代)を予想した時に、半分ぐらいはかなりあたっていて、半分ぐらいは全然あたっていませんでした。あたっている部分は、物体の移動を伴わずに済むものでした。顔を見ながら何百キロも離れた人同士が会話できる、とか、そうしたデジタルでかなえられるものはかなりその予想通りの進化をしています。一方で「東京でこのダッシュシュートに入れると15分後に大阪の出口から出る」というものや「個人の移動はパーソナルヘリになっている」というものは、全く外れています。人間の予想よりも、物質の移動が伴うものは進化が遅いのです。

ここを、3Dプリンターは超えさせるでしょう。村の真ん中に、3Dプリンターセンターがあり、情報端末でオーダーすると、そのセンターに歩いて取りに行く15分の間に出力しておいてくれる、そんな時代になるでしょう。物流は、部材のペレットを運ぶ仕事に。ある程度の時代になると、ウッドボディーやスチールピースも出力してくれるでしょう。今はちょっと考えにくいですが、ギターぐらいなら、買うとプリンターで出力できる、ようになるかもしれません。

もちろん、全てが3Dプリンターで出る、というわけではないでしょう。食べものや、人間が直接触れるようなものは、10年では、現在の形を維持していると思われます。


三つ目「時間の壁が低くなる」は、ショートタイム・ワークスタイルの出現・台頭です。

この辺は人に依る話なのですが、ある種の人に取り、労働というのは”喜び”でもあります。”何か生産的なことをしたい――。””社会の一員として仕事という場に参加を続けたい――。”という潜在的な欲求を持っています。

しかし、フルタイムの勤め人のような働き方ができない人材もこの国にはたくさんいます。子育て中で一日不定期に90分だけ働きたい、とか、体力の面でフルタイムはきびしいので午前中の時間だけ働きたい、とか、そういった方の「細切れな労働資源」を活用できるような事業者がいずれ出現してきます。

旧来的な「生産人口」で定義した年齢幅の人だけを労働力として設計した制度では、労働資源が足りません。人間ができることのうち、ロボットの代替えがなされて、人間はより人間しかできないことに労働内容がシフトしていきます。それは、より、感性的な事、だったり、アーティスティックな事だったり、創造的に選択肢を作り出すことだったり。そういう労働内容だと、こまぎれて一日90分を提供する、という人でも、その時間の中でなら十分な労働資源を提供することができるでしょう。

また、年収は低いあるいはないけれど、国としての納税を免除する分「役務で納める」というスタイルが出てくるかもしれません。市民税の課税額をゼロにする代わりに、市民環境づくり仕事に3日間の役務を提供する。(納税なので、報酬なし)。そうなってくると、やはり、フルタイムでの仕事ができない人にできるような労働スタイルを作ることがもとめられるでしょう。


以上、3つの変化を述べました。

これらに照らしてみると我々が直近の未来で吹く風の向きが感じられます。これから起こる長くて大きな変化、そこには、創造力が必要な局面が、いくつもあります。そこに向かって、アイデアプラントの製品やワークショップを今年も精いっぱい、開発し、提供していきたいと思います。

今年も、どうぞよろしくお願いします。

石井力重
IDEAPLANT 代表
2013年1月1日





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