2014年05月31日

良いブレストは、啐啄同時が起こる

啐啄同時_良いブレスト.jpg


タイトルの啐啄は ”そったく” と読みます。

啐(そつ)は、さけぶ、という意味の言葉で、孵化する時に雛が内側から殻をこつこつとつつくさまを表し、啄(たく)はクチバシでつつく、という意味の言葉で、雛が内側からこつこつやりはじめたら、親鳥がつついて殻をわってやるさまをあらわします。同時とは、これが同時に行われることをさします。親鳥が先につついて割ってしまうと孵化の途中である命は死んでしまいます。遅くてもだめで、時宜を得た、まさに良いタイミングでなされることが必要です。

この啐啄同時のような相互関係は、良いブレストにおいても、アイデアの孵化のときに見られます。

誰かが、もやもやっとした直観から、未成熟なアイデアをいう。
他の人がそのアイデアの良い点に光を当ててコメントする。
その良い点を素材として使ってさらに発展したアイデアが出てくる。

そういう、生まれかけで、まだ力の無い、弱い存在に対して、ひっぱり出してやるようなブレストパートナーがいることで、たくさんの発想が表出化します。

良いブレスト(あるいは、アイデア・ラリー、といってもいいかもしれません)では、啐啄同時が起こるーー。

そんなことが、たくさんのアイデア創出の活動の中から透けて見えてきます。


なお、啐啄同時、ということばは過去にも見たことがあって知ってはいたのですが、最近、この言葉が心に留まった瞬間があり、覚えていて、ブレストの場で「あ、これは、相互関係のパターンとして、啐啄同時、だ。」と思い行ったのでした。

その心に留まった瞬間と言うのは、出張にでる前の夜、机の上に乗っていた、八木山南の事務局便り?的なもので、校長先生の一日が記されていたものでした。遅めの夕飯をとりながら、見るでもなく見ていると、最下部に校長先生のコラムがあり、そこで「啐啄同時」と言う言葉をつかって教育のまなざしを述べていました。

読みながら私は「なるほどー、弱い力の命が生まれようとするときに、外からつんつんつついて、生まれるのを助ける。そういう自然の摂理が実際にあるのかー」と印象に残りました。


ブレインストーミングにおいて、推奨したい心理様式(ルール、あるいは、ガイド)として、プレイズ・ファースト(アイデアの良い点に光を当ててコメントする)がありますが、これは、啐啄同時が起こる頻度を上げることをしている、とも、いえるでしょう。
 
posted by 石井力重 at 22:34 | 研究(創造工学)/検討メモ&資料

2014年05月17日

【本日のスライド】創造学会、クリエイティブサロン第31回(渋谷、5月17日)



二月の大雪での延期の分を今日やっています(やりました)。
スライドの日付は過去のままですが、内容的には本日のものです。

2014年05月11日

【ご案内】富士通フォーラム2014(5月15日、有楽町)

5月15日の「富士通フォーラム」(有楽町)にて、
https://seminar.jp.fujitsu.com/public/session/view/2192
に登壇します。

先日のさくらハッカソンのことを起点に、創造的努力についてのいろんなことを、壇上でディスカッションできそうです。

残席わずかー、というタグが付いています。

この枠の僕以外の講師のお二人(山寺さんと佐々木さん)は、とても面白い方です。

ご興味&お時間があれば、ぜひ、申し込み&ご来場ください。

申し込みサイトは、こちら


追記

5月15日、予定通り実施しました。

その中で紹介された、富士通さんが作られた成果報告PVを掲載します。

今回のイベントは中身も充実していましたが、見せ方も、きちんと手をかけておられるなぁ、と。

posted by 石井力重 at 01:24 | アイデアプラント 3rd(2012-2014)

2014年05月10日

【スライド】ファイブブリッジ・アイデアワークショップ(5/10 仙台)

5月10日、仙台は五橋にあるファイブブリッジで行うアイデアワークショップ。

そのフル・スライドと印刷用資料を掲載します。
予習をしたいー、という方はいないかと思いますが、事前にご覧になりたい方はどうぞー。
(説明とセットで効果的理解が出来るように設計していますので、読んでみても詳しくは分からないと思いますが。)
 
 
フル・スライド


このフル・スライドは、PDFファイルでも掲載しておきます。 こちら 
 
 
印刷用データ

印刷用資料も、掲載しておきます。こちら

上記に比べて、印刷しやすいように、スライドを間引いて、圧縮紙面にし、かつ、ワークシートも付いています。
 
・・・ ・・・ ・・・

補足)

今回のワークショップでは、”5分”交代のペアブレスト「スピードストーミング」の特別スタイルとして、3分交代、にして、代わりに、7ラウンド実施する形式にアレンジしています。これは、発想のお題の特性がライトであることと、接触人数の最大化を目的に、アレンジしたものです。いつもとは違った、一層スピード感ある、スピードストーミングが体験できます。
 
 

2014年05月09日

多様性が織り成す無限の可能性。その土台を。

【複数人の創造性を発露させていく場】と【一人の人による創造的発散と熟慮深化の作業】では、後者のほうが、効率的とみる見方もあります。

それについては、賛同反論の両方の立場が、私の中にあります。

ただもし【複数人】のほうが勝る道があるとすれば、それは、

「多様性が織り成す、無限の可能性」

に真正面から付き合うことだ、と思います。


そうなると、(統制の取れた大人数というのは生産性を上げるのにはいいのですが、)創造の初期段階では、ちょっと違った観点が必要になります。

多様性の掛け算が圧倒的にたくさんの選択肢を生み出すためのいくつかの要素が要ります。

自由挑戦の空気失敗発展の土壌本質注視の知性、というものが。

そして、それを生み出すものは、「身の丈にあった仕事をきちんとやりとおし」一方で「上限を決めた予算枠の中での、思い切りの遊び」ではないか、と、若いころから私は思います。(古い本ですが)日本の優秀企業研究、という文献を読んで以来、思っています。
posted by 石井力重 at 15:22 | アイデアプラント 3rd(2012-2014)

2014年05月08日

【スライド】北陸先端大でのイノベーション系の講義、石井担当回

5月16日の北陸先端大でのイノベーション系の講義、石井担当回の講義スライドを掲載します。

フルスライド



印刷用資料

 Prints_JAIST_2014_inno_ideaplant.pdf
 (印刷用スライド & ワークシート類)


※注

今回の配布物には、IAMASの小林茂先生の著作画像をご了解をいただいて掲載しています。(デザインスケッチと、表現しているところです。)通常の石井の配布物は、比較的自由に使ってくださって結構ですー、としてしますが、部分についてだけは、無断での転載を禁止します。ご注意ください。
 

2014年05月07日

製品構想の観点「大企業が早期撤退した新製品に着目せよ」

連休が終わって、新緑を吹き抜ける風と日差しが気持ちいい午後です。日本でも、今日みたいな、地中海性気候のような日がもっとあればいいのになぁと思います。

さて、本題です。

仕事がら、ベンチャーや中小企業の新製品ブレストの場面によく同席します。オフィシャルにあるいは飲み会の席で。

アイデアは思いつくけれど、売れるかどうかは別問題。・・・創造的な話し合いが出来ると、その先に、この壁に良く当たります。

そういうときに、かつて、大学院で新事業創造やハイテクベンチャー論を学んでいたときに、得た一つの観点があり、そういう場で伝えています。

それは「業界内の大企業がかつて、新製品として参入したものの、ほどなく撤退したものには、小さい市場がある」と言うものです。

大企業が製品化まで行くときには、市場として、例えば年間30億円ぐらいある、あるいは一桁小さいぐらいの市場がある、という事前市場調査や分析的算出があって、Goがかかります。

そして、実際にやってみると、そんなには行かなかった。
そこにはある程度のサイズの市場があることは分かっているわけです。

なので、例えば、3億円の市場には満たないけれど、数千万円の規模のサイズの市場がそこには潜在的にあることが分かります。

大企業の量産によるコスト競争力には、中小の生産量では太刀打ちが出来ないので、そこにある「大きくは無いけれど、全くないわけじゃない市場」に対して全部をとりに行くことはできませんが、市場の中には非常に高い値段でもそれを求めるようなエクストリームな顧客がいます。そそこに標準をあわせれば、ある程度の高い価格の製品でも初期の市場が望めます。市場の1割と見て、数百万円。

そのサイズであっても、(そのサイズの顧客群だからこそ)、高収益の見込める製品にはなります。

ということで、この話の最後にいうのは「同業界の大企業が、かつて取り組んでやめた事業/製品を大量に調べる。そしてそこに新しい可能性を見出せないか、ブレストしてみる。すると、中には結構、自社ならちょうど良いサイズの市場をもったものが、発想できるでしょう。」と。


・・・ 執筆余話 ・・・

古いアイデアも、現代の技術や社会インフラで、命を与えなおせば、結構な可能性を持っています。

最近私が経験したを少しつづって終わります。

「大学院に戻った10年前の当時、技術的には到底無理だと判断した企画製品」があります。

その際には極簡単なコンセプトテストもしました。
そして、割り出した、仕様と販売価格。

10年たった今、その仕様と価格と非常に近い製品が、市場に登場しています。

もっといえば、実は5年前ぐらいから、非常に無骨ででかくて使い物にはならない製品は、登場していました。
なので、アイデアが現実の射程に入り始めていることは感じていました。

10年後の今、ぴったり同じ物が形になり出現したのを見て、思いは複雑です。

先に述べたことに関係することから書けば、

当時は不可能だったアイデアが、可能な仕様になった

ということ。そして、多くの人がかつて思いついていたアイデアが、充分な機能&リーズナブルな価格として、世に出現するのは、ずいぶん後のことであり、

古びたアイデアの、製品としての新しさ

とでもいうものが、常にあるのだ、ということ。


それから、本論には関係の無い、思いとして湧き上がったことは、”当時、そのアイデアを評価した審査員が「良いアイデアではない」と評価し、自分もそういうもんだと思い込んだ”ことに気がつきました。

いま、そこから思うのは

評価者の評価(--それが、Goodであれ、Badであれ--)その評価の正しさには賞味期限がある。

ということ。

いいね、も、駄目だね、も、人間の下した判断は、10年たてばゼロ・リセット。

そんなことを、五月晴れの中、仕事の休憩中コーヒーを飲みながら、思っていました。

posted by 石井力重 at 14:21 | 研究(MOT)/検討メモ&資料

2014年05月02日

【スライド】アイデア、どう磨く?(発展、本質化、強化、デザイン、プレゼン)

「アイデアを出した後、それ、もっと磨きたい。」

そういうニーズは常に、アイデアワークをする場面で生じます。

それを行う一つの形として、アイデアプラント流ですが、ワークスライドを紹介します。


●  玄人向けにいくつかの補足

※コアアイデア化、と呼んでいるのは、Story Weavingに出てくる技法をベースに、石井なりに汲み取って、補いと編集をして、使っています。

※アイデアの強化プロセス”PPCO”を、COだけ実施しているかのように見えるスライドですが、これは実質、アイデアの魅力の掘り起こしをコアアイデア化の中でしているためです。PPCOの定石として、良い面に光を当てることを、批判列挙の前に実施しなくてはいけません。

※スライドタイトルのナンバーが飛び飛びなのですが、大きなワークプロセスから切り出して、補って、これだけで意味を持つように構成したためです。ゆえに、このナンバーのとびにはあまり意味はありません。

※最後にプレゼンをしていますが、複数チームが同時に作業をしている、という前提での資料です。1チームしかいなければ、プレゼンではなく、振り返りをグループ内でする行為と読み替えてください。

※アイデアをデザインにする、というワークは、オススメは、IAMAS流アイデアスケッチです。(私は、これを、デザイン・スケッチ、と呼んでいます。通常、アイデアプラントで言うアイデアスケッチとは、ヘッドライン1行+詳細補足3行まで、の文字だけのアイデアスケッチ(原典は『考具』に登場します)ですので。



執筆余話

〜 石井の近況報告 〜

5月3日。連休が始まりました。

4月はほとんど旅仕事で国内各地を回っていて、5月に入り、ようやく、仙台にもどり、落ち着いたところです。

最近の活動報告(このブログ)は、ワークショップスライドの掲載スペースのようになっていて、あまり活動の詳しいことをかけていませんでした。

最近は、大手企業のイノベーション本部や新製品プロジェクトチームと守秘義務のあるアイデア創出支援の仕事がいくつも走っていまして、前のように、リアルタイムな活動報告が書きにくい状況にありました。

その状況は今後一層増えるだろうと思います。

一方で、最近は、思考の断片を書き散らすように、Facebookにいろんなことを書いていました。しかし、向こうは思いつきたての、推敲レスの文章であり、文体もゆれ、表現も日記に近いものです。自分のラクガキ欲求の解消の場といいますか。

しかし、それではいけないとおもい、活動報告ページに、こうして何かを掲載したときには、近況を書き記してゆこうとおもいます。


〜 最近の気づき 〜

5月1日に、すこし不思議な感じがありました。

講演&ワークショップの依頼×3件 (電子機器、スポーツ、市民)
師事している方の本の執筆協力依頼 ×1件

依頼が次々と舞い込みました。

それと似たようなことが、「4月5日」にもありました。その日も、バタバタっと依頼の連絡。

そこから、世の中と言うのはこんな風なのかなと、思ったことがあります。

・4月の新年の大忙しの時期。

・スタートのばたばたの一段落した、第一週の終わった次の週の月曜日に、「前年度に相談していた案件に正式なGoがかかる」ケースと「そこから社内稟議を回していく」ケースがある。

・回した稟議の可否が、連休直前に分かる。(・・・上長の書類箱が、月末処理をへて空になる。書類に可否の判定が付く。)

実際はどうであるのか分かりませんが、実際に働いたことのある職場をイメージして書いてみました。
 
しかし仮にそうだとしたならば、稟議を回していく際に、石井が何をしている人であるのかを示せる資料があると、担当されている方は楽なんだろうぁと思います。

その意味では、私のプロフィールのページが相当するものかもしれません。英語/韓国語の履歴書もPDFで掲載しています。このブログには、60分間の講演(ミニワーク数分つき)についてのサンプルとなるスライドも掲載しています。

最後は少し、PR的な感じのことを書いてしまい、あまりスマートじゃないな、と思いますが、情報を探していて見つからない方にとってお役に立てば幸いです。



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