2014年09月30日

タイムチャートの書きかた(ワークショップの遅れの焦りをホワイトボードに押し付けよう)

これが正解、というものとは、程遠いかもしれませんが、年間50回ぐらいアイデアワークショップをしている石井なりのたどりついた「タイム管理」の方法を紹介します。

_timeline_.jpg

とあるイベントでのタイムチャートです。

この日はアイデアワークショップの前に、Inputパート(セミナー)が予定されていました。あるアクシデントで、このセミナーパートが大幅に遅れた場面でした。

<予定>
13:35にセミナー終了。休憩10分。13:45にワークショップ開始

<実際>
14:05にセミナー終了。休憩5分(に短縮)。14:10にワークショップ開始。

この日のワークショップは、3時間15分の内容でした。
それが、スタート時点で、25分ビハインド(遅れ)で始まり、2時間50分で進めることになりました。

170分/195分≒0.87、なので、単純に言えば「10分のところを8分ちょっとで進行する」という感じですが、実際はそう簡単にはいきません。

早くできるところ、そうでないところがあります。参加者さんたちの状況によっては、時間枠を伸ばしてでもやらないといけない場面もあります。

なので、ここからは、2分、3分の時間を摘み取り、徐々に時間を戻していく努力をします。

■冒頭

冒頭の写真は終盤が近づいていますが、タイムラインに対して、右肩上がりのふにゃっとした線を引いています。これが逐次書き込んでいる実際の時間です。

(ちなみに、スタート時点での反映はしてありません。初めはとにかく円滑に流しだすことに注力する為に、ホワイトボード前で調整を始めるのは、流れができはじめてから、にしているからです。)

■スピードストーミング

この終了時点で、15分ビハインドに、戻しています。スピードストーミングの前のテーマ説明を大幅に簡素化して4分削り、SSの準備と終わりの机の並べ替えをハイピッチで進めて6分をひねり出しています。(逆に言えば、通常はテーブル移動に、3分ぐらいずつのロスタイムを見込んで作ります。)

■ハイライト、アイデアレビュー、発展ブレスト

この終了時には、8分ビハインドまで戻しています。大きいのは発展ブレストを5分削り、後は、2分ほど、ハイライト法で少し削れました。

■プレゼンの準備、プレゼン

ここが終わる時点で、オンタイム、に戻しています。今回は予定していたチーム数の半分だったことが助けとなりました。現場に入ると、人数が違う、と言うことが良くあります。今回は、ホワイトボードの左側に、3×4、という計算式がありますがこれは、実際のチーム数で計算しなおしたところ。(そこの下に、3.5×4、とありますが、これが実際にかかる時間です。プレゼンの交代時間がありますから。)

今回、もし、チーム数が当初の予定通りだったら、急ピッチで進めて、それでなおかつ、4分ビハインド、ぐらい、だったでしょう。(その場合、次のまとめ、をかなり削ぎ、最後であわせます。)

■まとめ

オンタイムにもどったので、このパートは、きちんと15分使えています。(そして、時間通り終了)


ファシリテーションの合間に、こんな風に、思考を展開しています。


ということで:

ここで述べたかったのは、だんだん繰りかえしていくうちに経験則的にこういうタイムチャートを書くようになったのですが、こういう風に、時間を反映していくと、徐々に遅れをカバーしていくことができて、焦りも心から追い出して、客観的に進めることができるようになりますよ、という話です。

ちなみに、主催者さんの意向を汲んで進行していくうちに、終了時点でどうしても30分超過せざるを得ない、といった事態も時々あります。そうなったときも、残りの時間と予定を、ざっと話し合って、取り除くべきパートを合意したり、最大遅延時間を相談したり、という行為にも便利です。

posted by 石井力重 at 12:25 | アイデアプラント 3rd(2012-2014)

2014年09月29日

イベントの実施報告の達人に学んだこと

「実施してきました」の記事の作り方について、なるほどなぁという、SNS上での報じ方、について学びを得たので、書き記しておきます。

昨日の図書館アイデアワークショップ、良くまとまっているSNS上の記事まとめ(Togetter)が、今回の企画のオーガナイザーの岡本真さんによってなされています。


彼も、時々前でしゃべったので、結構忙しくしていたはずなのに、イベントの様子が良く分かるように書いてくれています。会場の外側や立て看板など、会場へ来た人の目にするものも含めて。

その写真をみていて、そうそう、そういう場だったな、と。

そして、良く見ているうちに、あることに気が付きました。

写真には、場の動きや会場で出されるアイデアの雰囲気が良く分かるような「人の姿」が映っています。

が、誰一人、個人参加者(大学生、高校生)の顔は映りこんでいないのです。

しかし、写真が全部そういう写真だと、違和感が出ます。

そこでさらにうまいなと、気が付いたのは、顔が映っている写真も適度にあること。でも良く見るとそれは、登壇者(もともと、ネット上に顔を出しても問題の無い人達)なんです。

そういう写真が混ざっていることによって、何度か見るまでは「あれ、これって参加者の顔が一度も入らないように配慮されている」ということに気づきませんでした。


ちなみに。

僕が取った写真は、個人の肖像権や成果物の主催者さん内での扱いに配慮して、自粛しています。

昨日取った会場のブレスト時の風景で、最後のラップアップのスライドにつかったものは次のものです。

L.jpg

アップする為に、ぼかしを大幅に入れています。

実際の写真は、ピントがあっていて、こういう感じに写っています。(顔がわからない部分だけにカットして)

Li.jpg

こんな感じで指先まで分かるぐらいの写真で写っていますので、そのままネットに上げてしまうわけにはいきません。

リンク先の岡本さんの写真テクニックは、ソーシャル時代のある種の撮影方法を、教えてくれています。


追記)

ここまで書いて、思いついたアイデアをメモしておきます。

イベント報告カメラ・アプリ
━━━━━━━━━━━━━━━━
○人の顔が映らないモード(顔のないところを四角く切り出す)
○ぼかしモード(顔認識が働かないぐらいにぼかす)
○スライドモード(暗い中で明るい四角領域があると切り抜く)


こんなアプリがあったら、いいかなぁと。

近い将来、静かなカメラドローンが出てきたときには、イベントの風景撮影&リアルタイムアップは、それが担うのだろうと思いますが、たぶん、その時には、こういうアプリが必要にもなるかもしれませんね。

posted by 石井力重 at 09:10 | アイデアプラント 3rd(2012-2014)

2014年09月26日

【掲載】AB会議。ペアで発想して、全員でブレスト編

さて、アルコール・ブレスト会議(AB会議)も、記事の中身が、だんだんと佳境に入っていきます。



ABK_3_1a.jpg

 


前回のAB会議から日をまたいで実施しています。第二回の終わりのリード(と言うんでしょうか、終わりなので、エピローグというのかもしれませんが、記者さんのコメント※にあるとおり、この回から話題が変わります。

※ 今回のトライアルを経て、次回は本気の企画会議を実行することが決定! アルコールの力を借りて、商品化目指して行われた会議の模様を紹介する。



テーマは、アサヒビールの精鋭社員さんたちにとって、より実践的な範疇のものが設定されました。

飲み二ケーションが得意なアサヒビールが、他の企業に向けて「17時以降の社内コミュニケーション」について提案」する、というものに。

さあ、この”新しい夕方〜夜の社内コミュニケーション”のアイデアを考えよう、ということで、今回は、前回までとはまた違った方式を試してみました。

ABK_3_1e.jpg

5分交代のペアブレスト、これを席移動しながら、3人ぐらいの人とやって(〜計15分)、より気軽に、ちょっとした思い付きを言いやすく、時間で次々、トークが変わることで多様なエッセンスを混ぜていく会議方式にしました。

(アイデアソン&ハッカソン、や、アイデア創出ワークショップに参加された方は、「あ、これは、スピードストーミングだ」と気づかれるとおもいますが、そうなんです。スピードストーミングのコミュニケーション構造をエッセンスとして、会議で利用する方法は、こうするんです。具体的な模様は以下につづります。

ABK_3_1d.jpg
仲さん、松田さんのペアの様子。仲さん、ノートにしっかり書いてくれています。仲さんは、面白いトークの方ですが、根底にあるこういう丁寧さもあって、人気者なんだろうと、思いました。

もちろん、ノートとかが、無ければなしでもいけるように、後で工夫がしてありますので、気軽にはじめてもらってかまいません。メモを取りたいときには、テーブルコースターや箸袋にちょっと書くってのもありかと。

ABK_3_1c.jpg

藤井さんと木原さんのペア。木原さんは比較的、どっしりとした熟慮された考えを提示される方で、ブレストで矢継ぎ早のアイデアが出ている時には、そのピッチ・タイミングでは、充分に出してもらいにくい、いい意見が多い方なんですが、こういう、「ミニ・さし飲み」みたいな時間構造があると、そういう部分もよく発露してもらえます。

ABK_3_1b.jpg
松生さんと、石井ペア。たぶん、6人中もっとも年齢の離れた二人だと思います。早稲田大学で授業を受けてくれている生徒さんたちの年齢に近くて、会社でよくある、お父さんと娘ぐらいの幅で離れた人たちがブレストで話す、というシーンです。「5分間のペア」なので、まごまごしてたら過ぎすぎてしまうので、お互いどんどん、アイデアを出します。周りがなにぜ賑やかなので、気軽にぽんぽん、アイデアを出し合えますし、整合性の無いような未成熟なアイデアでも、とりあえず思いついたら出す、ということが気軽に出来ます。

さて、こういう5分間のペアブレスト、時間が来たらペアを変え、二ラウンド、三ラウンド、と行いました。

ABK_3_1e.jpg

この人形は、石井をモデルに作ってくださったそうです。おしゃれなスーツは僕はきませんが、全体的に雰囲気ありますね。

それはさておき、ペアブレストをAB会議でやってみて、実際に結構でたな!という所に到達しました。

・・・さて、次は。


ペアから、次は全体へ。


場を6人全員でのブレストの場に戻します。

で、すぐに全体ブレスト・タイム!ではなく、ファシリテータがこう、告げます。

「いまの3ラウンドの中で、全体ブレストの場に出したいアイデア、を手元のメモに書き出してください。複数OKです。まずは、印象に残ったアイデアから書いてみる、ぐらいの感じで結構です。」と。

※ペアブレストの間にメモをとったコースターなどがあればそれを見るのもいいでしょう。石井は個人的には、水性ペンで手の甲に、キーワードだけを書いておく、って言う方法が、カジュアルに出来て、なくならなくていいかなと思いました。これは個人差がありましょうか。

さて、書き出し時間は、時間にして5分か、10分ぐらいが、いいでしょう。

いざ書こうとなったら、固くなってなかなかかけない、という方も、発想の燃料(ビール)をゆっくり楽しんでもらいながら、リラックスして書き進めてもらいます。

タイマーがなり、そこから全体ブレストです。

ABK_3_2a.jpg

アイデアを共有していく際にも、それにさらに便乗案が出ます。

ペアブレストをして微妙にアイデアが混りあい、考えが発展していますので、アイデアの光るところを育んでいきやすいように見えました。

ABK_3_2b.jpg

こういう共有部分、通常の会議だと、シーン、としながら、順番にボードの前で説明。。。みたいな、フォーマルな空気がでますが、ビール片手に、しぜんと、わいわい、出てきたアイデアを広げていく空気が出現しました。

アイデアに便乗して新しいアイデアが出た場合は、それも、出した人にかいて、メモを加えてもらいます。

アイデアの中身は次回の記事に譲ります。さて、それがどういう風になるか、次回をご期待ください。


(( アイデアのワークの点での補足 ))

時間としては、ペアブレスト15分+各位書き出し10分+全体ブレスト15分、=合計40分ぐらいの感じで展開しています。

アイデア生成の側面でも、なかなかの成果が出つつあるのですが、その効果以外にも、気がついたことがあります。

ビールも飲みつつ、アイデア発想を共通の話題にして、トークが弾んだなぁと。前回、今回、と石井はアサヒビールの皆さんにとって社外の人間ですが、加速度的に仲良くなってきあなぁと。(で、ファシリテーションも、どんどんしやすくなります。)

そんなところも、記事のこぼれ話として、書いておきます。

(もしかしたら、次回の記事でそのあたりをコメントしたことが、載るかもしれませんが、石井のこのブログは読者数がすくないとおもいますので、お許しください。)


実践者に向けて、気づきのシェア:

この点は、普段よりも興がのってどんどんアイデアだしが進むため、メンバーが書き取れないものもあり、ファシリテータ(石井)が、こぼれるものを拾いにいっていました。(書き留めやくをしていました。)

アルコールはリラックスしてのアイデアや闊達な発言のできる場の空気をつくりますが、一方で、発生するアイデアを蓄積していくという行動には、それぞれの実践で工夫がいるところでしょう。

ファシリテーターやプロジェクトリーダーをしている人ならば、その辺はどんどん、自分なりに工夫して、良い形を見つけてもらえるかと思います。

個人的には、キングジムの4カメラ記録道具(ミーティングレコーダーMR360)を使うのもアリかな、と思いました。内臓電池の性能が分かりませんが、内臓電池で20分ぐらい、記録できると理想的かなと。

最後に、おまけ。

今これを読んで急に〜、とは行かないと思いますが、浅草界隈で飲みに行くなら、この記事の会場となっている、アサヒビールさんの本社隣接の「フラムドール」(金の炎玉の巨大モニュメントがあるふもとです)さんに入ってみてください。

飲んで食べても安いわりには、ビールは絶品にうまいですし、飲むのが好きな人たちの会社のお膝元、良い感じの空間が広がっています。

浅草の夜の街って、意外なほど、飲み屋があるんですよね。二次会に繰り出すのにも、店選びが楽しく出来そうです。

posted by 石井力重 at 15:55 | アイデアプラント 3rd(2012-2014)

2014年09月25日

【掲載】AB会議、ビールが入って発想が変わっていく編

アルコール・ブレスト会議、紙面(カンパネラ)が定期的に更新されています。

前回パート1では飲まずにビアホールでやる編、でしたが、パート2は、いよいよ、生ビールが出てきて、飲みながら、企画を考える編です。



今回のテーマは

ABK_02_1a.jpg

というもの。

ビアガーデンは雨の日は中止になる。みんなで楽しみにしていたのに楽しめない。これが普通の考えなのですが、雨の日でも楽しめるビアガーデンって無いだろうか、というテーマでブレストに取り組みました。

従来の、昼の、会議室の、ネクタイ締めたままでの会議なら、「うーん、、、そうはいっても難しいねぇ・・・。そんな良いアイデアがあったらきっとすでにどこかでやっているだろうし・・・。 ・・・。 (そして沈黙へ)」となりそうな難しいテーマです。





ABK_02_1b.jpg


さてAB会議では、どうなったか、というと、1ページ目と2ページ目、気軽な雑談交じりにトークが展開しはじめていきます。


ABK_02_4.jpg


次第に、おおこれは!と思うような、魅力的なアイデアも展開されていきます。昼の会議と違うところは、他の人のアイデアを便乗的に発展させる発言パターンが増えていくことです。これがもたらすのは、最初に提示される未成熟なアイデア、皆でそれがもつ可能性を短時間で引き出していく、そんな集団の創造力の発現です。

そうして魅力的なアイデアがでて、まとめに入ります。

この3ページ目の、皆さんのコメント部分を引用します。


ほろ酔いレベル?のアルコール・ブレスト体験は終了。みんなが感じた前回のアルコール無しのブレストと今回のアルコール有りブレストの違い、感想は?

仲:みんなに楽しいことを感じてもらおうというテーマや内容の場合、アイデアを出すときにはやっぱり飲んでいる方がいい。飛んだ楽しい発想が出てくるんやなあと。お酒を飲むと、「そうっすね」みたいな砕けた会話になりますね。

木原:今日はブレストをはじめる前に他人の意見を否定しないというルールがあったので意識しながらできました。でも、会議室でやると、自分より若い人の意見を「いや、でもおまえさあ」っていう入り方になってしまう。ビアホールのような場所でやると、本当にさっくばらんに意見が出るし、場所や空間も要素としては大きいのかなと思いました。

松生:入社前の最終面接で、アサヒビールに入ってやりたいことは? と聞かれたときに、「世の中の会議が飲みながら、みんなざっくばらんに話せる “飲ミーティング”をやったほうがいいと思います」と言う話をしたんです。今回まさにこれだなと思いました。お酒を交えながら話すほうが、若い人にとっては一層意見を出しやすい環境になると思います。

藤井:うちの会社は人と人が仲がいいなという印象があるけど、それは一緒に飲む機会が多いから親密な雰囲気になるからだと思うんです。今回もお酒を飲んで親密な雰囲気になって、もっとあなたのことを知りたいという気持ちで人の意見を聞くからよく聞くし、自分の意見も知ってほしいという気持ちになれたんだと思うんです。

松田:営業現場にいるとあまりブレストはなく、報告事項を追って、チームとして何をしないといけないということが前提の会議が多いんです。そこから生まれるものは伝達でしかないんです。今回は、一方的な話じゃなくて、会話の中でこういう考えもあるし、こういう考えもあると繰り返していくことによって磨かれる部分が非常に大きい。「これを言っても大丈夫かな」という雰囲気になるのはお酒の利点なのかなと思いました。

石井:そうですね。普段はいろいろなことを考えて口もだんだん重くなります。でも、飲んでいるときは頭のCPUが速く回転してないから安心して言えるというところもありますよね。

「砕けた会話」「意見が言いやすい」「飛んだ楽しい発想」というコメントが皆さんのコメントの中に見られます。

ビールが入ったことで、そういうものが出しやすくなる、と言う点は、誰もがなんとなく経験している印象があるでしょうけれど、今回のように、20分ぐらいの中で自分達の行動を振り返ってみると、やはり被験者(AB会議の参加メンバー)はそう明確に感じている、ということがわかります。

ブレストの4つの阻害要因、というものがあります。そのひとつに「評価懸念」というものがあります。これは「そんなことを言ったら馬鹿だと思われるんじゃないか。相手が何を考えているか分からないから、未成熟な案は言いにくい。」と感じている心があり、それが、アイデア創出を阻害している要因のひとつになっています。

私自身のコメントにありますが、アルコールが入ると、頭の回転は通常よりも遅くなります。特に、判断力の部分は。なので、「相手がどう思っているか、を気にする思考力」も「相手が言ったことの未成熟なところから懸念点が思わず思い浮かんでしまう思考力」も散漫になります。ブレストの阻害要因のひとつが緩和された状態になるわけです。そうして、生成された初期的なアイデアを制限なしに表出化させていくことがしやすくなります。

その辺の観察を、当時、私は、次のように言及しています。


最後にファシリテータの石井氏から総評。2回のブレストでわかったことは。

石井:カードに書いたアイデアの枚数、ひとつの文字量はアルコール無しの場合のほうが圧倒的に多かった。しかし、アルコール有りの場合は、コンセプトにふかくくいこんだアイデアが多かった。数だけでは計り知れない。みんなが乗りあえるテーマということも含めて、アルコール・ブレストの価値だと思います。アルコールが入ると、曖昧なものを曖昧なまま受け取って会話のキャッチボールができる。これは、アルコール・ブレストの効能ですね。

この時点では、皆さんほろ酔いをキープするぐらいの量で飲んでいます。石井もそうです。ほろ酔いの酒量が人によって違いますが、記憶では確か、石井の場合は、3杯ぐらい、皆さんもたぶんその前後ぐらいだったかと思います。(私は、最初の3杯目までを飲むペースがすごく速いようです。その後はスローペースになるのですが。)

人によってはほろ酔いは、ジョッキ半分、だったり、一杯ちょっと、だったり、するとおもいます。自分がほろ酔いになる酒量を知っておくと、こういうアルコール・ブレストのときは便利でしょう。

また、記事の後半に出るかもしれないことなので、後半側の記事に詳しくは譲りたいと思いますが、AB会議に最適な時間の長さ、というものもあるのではないか、と、この経験で心に浮かび始めています。

AB会議の効果を最大限に引き出すための工夫。シリーズの中盤〜後半にご期待ください。

posted by 石井力重 at 07:42 | アイデアプラント 3rd(2012-2014)

2014年09月24日

【スライド】名取市図書館アイデアワークショップ(9月28日、@イオンモール名取)

アカデミック・リソース・ガイドの岡本真さん(ヤフー時代には知恵袋を立ち上げた方)の復興支援、特に図書館復興の活動は、宮城でも、力強くて、門外漢の私でも、伝え聞いておりました。

その岡本さんとは、その後、横浜のNPOでつながりができ、今回、名取市の新図書館の企画に向けたアイデアワークショップをすることになりました。

natori_L_ideaworkshop.jpg
今回は、上の案内の通り、学生さん向けです。

この一風変わった、アイデア出しのテーマ「還りたくなる」という要素と、学生さん、という構成は、短期的視野で見れば、一見ちぐはぐのように見えるかもしれません。しかし、本質を見据えて、長期的視野で見ると、今回のセッションが学生さんというこの街の若者達を対称にして展開する意味がわかります。

内容的にも、企業や市民活動で行うような、本格的なアイデアワークショップのプロセスで進行します。使うことばは、学生さん向けにアレンジしてしゃべります。(このあたりは、石井が、早稲田大学の非常勤と、岐阜商の文科省の授業で展開している経験が少し役立ちそうです。)


今回、打ち合わせを経て、「名取のイオンにこんなワークショップをする場所があったんだぁ。」と驚きましたが、図面を見て、確かにありまして。

たぶん、会場にたどりつくまでに、迷われると思いますので、参加される方は、28日ははやめにおいでいただいたほうがいいでしょう。特に、土日のエアリは、なかなか車が止められませんから。

創造的な社会のある未来を作りたいなぁとおもって、アイデアプラントという事業を展開しています。今回、地元仙台の近隣でこうした機会を頂いたこと、感謝しております。今回も、全力で、取り組みます。

2014年09月22日

【スライド】教具開発プロジェクト <アップルプラント>第2回_(アイデアの研磨と発展)

アップルさんと行っている、教具開発プロジェクト <アップルプラント>、明日は第二回です。 


前回、社員の方を交えてスピードストーミングで大量に出たアイデア(アイデアスケッチ)の中から、具現化に向かって、次は何しようか、というところで、今回のワークをします。 

アイデア出しっぱなしは、もったいない。さりとていきなり絞り込んでも残らない。そういうときには、こうします。 

  • それぞれのアイデアを研磨して、中核だけにする。 
  • そしてそれに新しい衣を着て新しいアイデアに発展させる。 
  • その上で、Mappingして「++」ゾーンに入るアイデアを取り上げます。 

今回は2軸を、【使いたくなる】と【作りやすい】にしました。 
(そうすると、第三回は、ダンボール&ガムテープで試作、ができます) 

仙台のアップルさんが教育の世界を新しくしていく。 
そういう未来に少しだけ、協力できれば幸いです。

2014年09月15日

【スライド】県岐商、商品開発の授業(DAY4)「アイデア・ショーケース」


岐阜商での講義、いよいよ、公開プレゼンで、開発連携企業さんを募ります。


追記:

岐阜新聞の記事になっています。

高校生社長、知恵を結集 県岐阜商、15日に商品プレゼン

追記2:

発表プラン一覧

岐阜県立岐阜商業高等学校「アイデア・ショーケース」のご案内

2014年09月13日

【フル資料】アイデア創発ファシリテータ(第四期)(2014年9月13〜14日 @東京)

アイデアワークショップ(あるいは、アイデアソン)を育成する要請講座も今度で第4期。今回も全国から各界の逸材が集まり学び合います。使う資料(フルバージョン)を掲載します。


ワークシートの類で、必要なものがある場合は、ワークショップ【シート】集 を探してみてください。

この講座、自分でもオススメできるポイントとしては、シンプルなプロセスを、本質を踏まえながら体感的に理解していく点です。

それがもたらすものは何か、といえば、「使い込んだら、自分のやり方に育てられる」こと。

型があってそれ以上なにも変えてはいけない(変えるとパフォーマンスが下がるとか品質が維持できないとかで。)タイプの流儀というものもあります。

しかし、この講座はそういうものじゃありません。ファシリテータに達人がよりどころに出来る進め方の骨格は差し上げます。それだけを使い倒していくと、次第に自分の領域、自分の持ち味で、変えたくなってくるものです。そして、実際に変えることが可能です。(プロセスが組み替え可能なモジュール構造です)

アイデア創出はそれ自体は目的ではなく手段です。より上位の何かに至るための手段に過ぎないそれを、「これこれ唯一無二のやり方だ」ということは愚かしく、最終目的に合わせてどんどん手段はチューニングしたり、ばっさり切り替えたりするべきでしょう。

私がそういう考え方なので、スピードストーミングを中心とした現在のアイデアソンスタイルは、ファシリテーターの数だけやり方が派生する状態になりつつあります。石井自身もここに公開しているスライドは、何十通りものプロセスがあり、案件最適な組み立てを毎回しています。

余談が過ぎましたので戻りますと、

カスタマイズ可能な基本骨格を叩き込むかなりハードな2日間、これを、iCONというNPO法人の活動の一環でやっています。三ヶ月ごとにやっていて、卒業生も遊びに(再受講しに)くることで知識のそうの厚みが増していっています。次はたぶん、12月。アイデアソンの進行役をしなくちゃいけなくなった方とか、アイデア創出ワークショップの作り方、やり方に興味があるという実践者・研究者の方は、ぜひ一緒にやりましょう。

この講座の間だけは、私が普段は登壇中に口にしない特別なセリフがたくさんあります。「なんで、ここでこうしたかと言うと、」ではじまる”石井の頭の中”も、常に窓を開けてみてもらっている、そんな感じです。時には話しはじめたものの説明に窮して「なんとなく、こうするんです!」みたいな、普段は使わない感覚論な説明も、この講座でだけは、思い切り使います。

この様子は、FBの中で、たぶん、すこしアップされて、流れていくかもしれません。

2014年09月12日

9月は嵐のように、仕事の月

tabishigoto.jpg

最近は、近況をFBに書くので、活動報告のブログのアップ量が減っていますが、9月は年間に2度ぐらいある、無茶苦茶仕事が入っている月で、全国をぐるぐる回っております。

昨日一昨日は、田町で、某企画系の企業さんの新事業アイデア創出&コンセプト練成のワークのファシリテーションをしていました。この仕事は珍しくクライアント直ではなく、間に企画全体を展開される企業さんがいて、彼らの作ったプロセスをベースにワークをする、という、いつもの自分流にこだわる石井としては珍しいタイプの仕事をしています。

こういう仕事の場合には、ただそのまま引き受けずに、自分なりにそれをベースにゼロから設計していって、そのプロセスを最大限尊重しつつ、調整を入れたいところを再度ワークをデザインしていきます。この企業さんのプロセスは独自性が強く、しかし、根底にある哲学がしっかりしているので、分解して再構築するときもとても面白く、勉強させてもらっています。結果的には、当初のワークプロセスをほぼそのまま実施している案件となりました。

他には、東京で光学機器のメーカーさんでの創造研修を二度にわたって実施、電機メーカーさんでの創造研修を関西にしにいったり、と大手企業さんでの終日研修の対応が続きます。

他には、NPOでのファシリテータ要請講座を連続二日間、(家庭教師の)アップルさんでの新しい教具開発ワークショップ、トヨタ系工場でのTRIZ研修(間に岩手県庁さんが支援スキーム的にたって)、名取の新図書館建設に向けた市民アイデアワークショップ、岐阜商(高校)での商品開発の授業、といった、非・大企業の場での仕事もしています。

ちなみに先ほどようやく終わったのですが、早稲田大学での授業150名強の成績付けも、相当な作業負荷があってこれは正直こたえました。先生業っていうのも気軽に引き受けすぎてはいけないなと。

そんな調子で、今月はどれか一つか二つ、案件を飛ばしてしまうんじゃないだろうか、と二週間先のスケジュールをいつもにらみながら、寝るまで仕事、起きたらすぐ仕事、という生活をしています。

9月は、場所の移動もめまぐるしく、案件の業界、領域も日替わりでくるくる変わり、仙台の自宅には、帰れたかと思うと3泊としないで次の旅仕事へ、という日々を送っています。

仕事の嵐の後には、豊穣な実りがあります。多くの人との活動的な接触、案件から得る新しい学びや情報、あと、旅仕事の副産物としての、旅先でのいろんな景色を見て、アイテムを手に入れて、感性の仕入れもあります。嵐のように忙しい時ほど、よいインプットを実は日々している感じがあります。無理してでも、ちょっと足を伸ばして見ておく、食べておく、会いにいっておく、そんな日々を、送っています。

posted by 石井力重 at 23:55 | アイデアプラント 3rd(2012-2014)

2014年09月01日

久々に、アイテムレビューを。「超極細のボードマーカー付きのホワイトボードノート」

今日は、知的生産系の文具の話です。

ヌーボード、といえば、ファシリテータやアイデア発想の人達、特に文具ずきの人たちには、有名な「ノート型ホワイトボード」ですが、それに、Fine Marker Editionが登場しました。紙面サイズも手ごろな大きさで、ミニマインドマップを書いたりするのに便利です。なにより、ペンが無茶苦茶、ファインになりました。ホワイトボードマーカーの細いの、とは、違うもののようにすら思えます。

まずは写真から。

NuBoard_FineMarkerEdition_00.JPG

紙面の右に置いたカードは、5mm方眼の罫線のカードです。

細い線の性能は、タブレットでも良くレビューしますが、僕が良くやるのは、ランダムドットを打って、それを線でつないでいく作業です。ペン先を一度紙面から話してしまうと、狙ったところにペン先が行かないもので、これがどれだけ狙ったところにおけるかで、快適さは全く違います。

細目のホワイトボードマーカーでも、まあ細いけれど無理は言えないかな、と言う感じだったのですが、このファインマーカーは、普通に紙に向かって使う極細の文具と遜色ありません。

紙面に、石井、というサインをいくつも書いていますが、隣の5mmの罫線から分かるとおり、大きさ3ミリぐらいのサイズで石井と書いていますが、なんとか、可読、です。これは、文具でも結構厳しく、ペン先と紙のにじまなさ、の両方があって実現できるレベルですが、このアイテムセットはそれができています。

紙面上の渦巻きも、線に触れないようにして出来るだけおおく渦を書いていく、という作業なのですが、普通の文具と同じです。ペン先のすべりが言い分、いくらかこちらのほうが快適かもしれません。

左に書いている、メモリのようなものも同じです。二等分、四等分、と入れていく線をどこまで書けるか、とやったもの。実に細かいところまでいけます。

ということで、ためしが気はそこまでにして、強化腹始まる旅シトゴにおいて、文具カバンに入れておいて、旅先で使ってみることにしました。

ちょうど今日は市谷で脳計測技術の応用シンポジウムがあり、聴講時のメモを、紙のノートでもなくPCへのタイピングでもなく、これをつかってみることにしました。時間は2時間。

NuBoard_FineMarkerEdition_01.JPG

充分使えます。つかえます、というのは消極的な表現ですが、積極的に言えば「かなり良い」です。惜しむらくは、ノールックで囲うとするときに、リングノートゆえ、ページによっては紙面がぽわぽわと浮いているため、文字がゆれることですが、これは左手で押さえれば充分ですし、紙のノートでも、紙面が浮いていれば同じことが起こりますので、これはたいしたことじゃありません。

NuBoard_FineMarkerEdition_02.JPG

ペン先を出したまま、冷房がんがん当たる場所で、しばらく使わないでおくとペン先が乾いて書き出しがうまく出ないので、書き終わるたびにキャップをしました。そうすると指が汚れます。これは、水性ペンで書いていたって同じように汚れます。毎回私の指先はこんな風です。ただ、ボードマーカーなので洗面所で一度手を洗えばきれいになるのは、他のマーカーに無い良い点です。

2時間で取ったメモを、ざざざっと公開します。(一部、伏字にしたりしています。)

NuBoard_FineMarkerEdition_11.JPG

縦長に書き始めてから、マインドマップで取ろうと思って、横長にしたところ。

NuBoard_FineMarkerEdition_12.JPG

かなり速記しても大丈夫。ペン先の走りがいいのは、ホワイトボードならでは。

紙面の中ごろに、べたっとしているところがありますが、これは、書き間違えたのですぐに消したらこうなりました。乾く前に消すとこうなるようです。この後は、消さずに、書き損じはガシャガシャッと書いておくことにしました。速記メモなので、乾くのを待って消すわけにはゆかないため。

NuBoard_FineMarkerEdition_13.JPG

このページは縦書きにしたところ。これも書きやすい。幅がない分、心理的な圧力からか、文字が幾分小さめになった気がします。

私は紙面を左手で押さえて書くので、この向きで速記メモをするのは、ちょっと(押さえるところが少なくなって)使いにくかったです。縦長なのは、ゆっくりかける時とか、Todoメモを書くときに、いいかと思います。(それと、マインドマップ系の言葉なのですが、創造的な思考状態は紙面を横長にして。という方針があります。アイデアをつらつらと書くときも横長がいいでしょうね。)

NuBoard_FineMarkerEdition_14.JPG

最後のメモ。

これらの写真は、ホテルに帰ってからデジカメで取りました。私の場合は、打ち合わせメモや、何らかのメモは、電子かできてしまえばその原紙は廃棄してしまうのですが、旅先だと守秘要素のある打ち合わせの後、ノートを電子化して捨てるのもまずそうなので、旅の間中ずっともっています。なので、電子化のメリットがないので、電子化せずに紙のまま扱っているのですが、このメモパッドなら、一日の終わりに、撮影して消せば、この辺も解消できそうです。

ちなみに、4枚(8面)中、2枚がいっぱいになりました。一日のメモ量としては、8面が上限と言うのは、なかなかいい感じだとおもいます。

このペンがこすれに強い、という点がまた、ポイントが高いです。外でメモをして帰ってくると、普通のマーカーだと紙面同士がこすれてかなり情報がロスし始めているのですが、このパッドに書いたことはほとんど損失がありません。わずかに消えているところがありましたがそれは、後ろのほうの紙面を書いているときに手で押さえてこすれたから、のようです。ですが、それでもわずかにしか消えていません。上記の4枚は、宿に帰ってからの撮影ですがほとんどかすれがないことがわかるかと思います。

欧文印刷さんの汲田さん、という、洒脱なひげのおじさまがこの製品を作っています。アイデア帳を時々拝見するのですが、興味深いメモがいっぱいあります。そういうご自身でも、アイデアやクラフトに造詣が深いからこそ、使い勝手の良い製品へと舵を切って新製品を作っていかれているのが良く分かります。



このノートパッド&ファインマーカーをもって旅仕事に行く、というのは、私のほかにはあまり無いニーズ化と思いますが、レジ横とかにちょっとしたメモパッドがいつもあるとか、ブギーボードがちょっとおいてあると便利、と言った場所には、これはそのままぴったり行くでしょう。

でも紙でいいじゃないの?と自分に問いかけてみると、一番心に浮かぶのは、「ホワイトボードのつるるっとすべるペン先の軽さ」「くっきりかけるのに、書いたことがすぐにけせて確定感が無い、という、ホワイトボードと特有の「仮置きテイスト」があること」が、この道具がノートに勝る部分でしょう。劣る部分もきちんと書けば、消せば消しカスがわずかに出る(でも細いので極微量)、という点です。インク系のペンはアルコールくささが気になって新幹線とかでは使いにくい、というというのがありますが、これにはそれがありません。後は、一見ホワイトボードノート&ペンには見えないので、使う場所に制限が少ない、という点も良い点かもしれません。

ということで、このファインな先端のペンさえたくさん持っていれば、ノートよりタブレットよりも、何かを書き付ける楽しさを、かもしてくれる、そんな文具だと思います。

最後に。

このペン先で筆圧高くかくとどうなるか。ペン先がつぶれるのか?答えはNoです。ペン先は結構細いまま維持できます。ただ、紙面のほうが、へこみます。書いたことがへこみで残りますので、これは、何十回と使っていくうちに、今日のレビューとはまた違った「損耗した後の道具の姿」が見えるかもしれません。いまのところ、上書きしていて、凹みが気になることはありません。

(追記:ちなみに、この速記メモを書いているときに、ふと、別のアイデアが浮かんで、メモカードにさっとメモを書きました。このペンで。すると、思いのほか、普通のペンのように、うまくかけました。ホワイトボードマーカーで紙に文字を書くと、食いつくような感触と妙な出すぎとかすれがおこり、かき心地が悪いものです、しかしこのファインマーカーは、普通の水性ペンのように、ささっとかけました。)
posted by 石井力重 at 22:37 | 道具考/ALL

属性分析(あるいは、特性列挙法、とも)を、アイデア発想法の切り口で、手短に説明してみます

ごちゃごちゃに混乱して、何か考えてよいのか分からないけれど、何か改善ができるはずだ、という時には、アイデアを思いつく常套手段として、「属性分析」が便利です。分析的に発想していくので、いきなり新規なことを考えるのが苦手、という人にも向きます。

zokusei_bunseki.jpg
(クリックで少し大きくなります)

ごちゃごちゃの対象(これを私は「系(けい)」と呼称します。理論物理の世界の表現です。ちなみに英語ではSystemの意味です。いずれにしても、考えている対象全体を呼ぶ名称です。)があったとします。

たとえば、非効率なオフィスワーカーの机の上、もありますし、オフィスワーカーの一日で行動に登場するすべての空間を対象にすることもできますし、研究室で素材生成に影響を与える可能性のある空間内全体を対称にすることもできます。いずれにしても、系、があったとします。

その系の中に存在する「属性」をまず列挙します。で、「属性」というのは、なに? 一言で言えば、これは、対象に含まれる、物理的なパラメーター、です。例えば、室温、とか、部屋の明るさ、という、物理単位(℃、ルクス)であらわされるもの。あるいは、「ペンの本数」のようなものも、属性です。床のすべりぐあい(摩擦係数ミュー)もあります。

人間を含んで系を扱っているならば、すこし、物理的パラメーターから離れますが、「他の人の話し声」とか「電話のかかってくる頻度」とか「会議中の上司の発言量」とか「一度にする指示内容の多さ」など、も発想法のときには含めてかまいません。(この辺、どこまで、パラメータを拾えるかが勝負です。変な量でもいいので、とにかく拾いあげてください。)

こうして、その系を記述する属性を列挙します。

(なお、特性列挙法も、本質はほぼ同じです。特性列挙法のほうは、すこし面白くて、名詞的な属性、形容詞的な属性、動詞的な属性、を上げよ、と項目をたてて積極的に広くから拾わせています。(ちなみにそれぞれ、材料/性質/機能、にあたる属性を拾わせていることなのです。)

さて、次は、2つの大きなカゴと1つの小さいかごを用意します。具体的にかカードに書かれた属性をカゴにぽこぽこ、投げ入れていきます。

赤いカゴは「増大関係」。これは、その量(=属性の数値)が増えれば増えるほど、困りごとが増大する、というものを入れていきます。たとえば、デスク上の不要な空き缶(の本数)、という属性。これは、増えるほど、オフィスワーカーの生産性の阻害要因になります。なので、机の上の空き缶の本数は、赤いカゴ。

青いカゴはその逆です。「減少関係」。それが増えるほど困り事が減る、というものです。たとえば「じゃまされずに集中して作業できる時間(の長さ)」です。これは増えるほど、オフィスワーカーの生産性は上がります。青いかごに入れます。ただ、どこまでもそうであるかは、若干わからないな、とおもえても、発想の刺激としてつかうときには、ざっくり進めてしまって結構です。

たまに、どちらになるのかは、良く分からない、自明ではない、数値の帯域によって増減は変わる、という、不確定なものがあります。それは、黄色のかごに入れておきます。たとえば、隣席の人が振ってくる雑談(の回数)、とかはどうでしょう。相手次第だったりしますし、頻度が少ないうちは、気分転換によさそうなので、減少関係、といえそうですが、頻度がある一定以上になると純粋に邪魔になりますので、増大関係です。こいういう、単純な比例関係、あるいは、反比例関係、とはならないものは、黄色に入れておきます。

つぎがいよいよ発想です。やり方は単純。

赤いカゴの中のカード(属性)の量は、出来るだけ減らせないか、と工夫を考えてみます。そうすると、いくつか具体的なアイデアが浮かんできます。増大関係の因子なので、減れば減るほど、うまくいくわけです。

青いカゴは、その逆です。それが増えるほどうまくいくわけなので、できるだけその属性の量を増やせないか、と考えて、具体的なアイデアを思い浮かべていきます。

どちらかといえば、赤いカゴのアプローチは普段も無意識にやっています。やっていないのは、青いカゴのほうです。助けとなるものをより使う、というのは、(特に日本人の思考傾向だと)発露しにくいようです。ですので、赤の時には、あったりまえ、というのもがでますが、気楽人どんどん発想して、青に入ったら、ちょっと面白いアイデアが出そうだなと言う期待感を持って進めていきます。

そして、最後が、黄色。黄色のカゴの中のカードは、一般には、どちらとも言い切れないものなんですが、条件をくぎったり、一連のプロセスの中の期間を区切ることで、有益な示唆が浮かんできます。なので、そういう、ちぎり、をいれてみて、新しい発想をうめないかと、考えてみます。

たとえば、先の例では、隣席の人の雑談の頻度、でしたが、頻度が8時間に5回ぐらいまでなら、円滑でストレスレスな空気を醸成でき、生産性が上がりそうです。5には根拠がありませんが、仮に、5がひとつの区切り位だと見立ててを立てて考えていきます。5回/DAY以下の領域では、この属性は減少関係になる。なので、少しアイデアとして飛ばしますが、「90分に一度、休憩アワーがやってくるオフィス運営。夏場の公営プールのように、一度、強制的に、その場からひきあげさせる。」というアイデアにもなりそうです。90分に一度、というのは、ざっくりめのこでいっていますので実施の際にはもうすこしチューニングがいるという補足付きですが、とりあえず、ざっと線を引いてみます。

また、5回を越えていくと今度は増大関係になる、とするならば、雑談が気にならない人同士で固まらせて座ってもらうという処置もありでしょう。

黄色の属性は、どこかで、極大値(あるいは、極小地)があります。そのあたりに値を動かしていくことで、ひとつのアイデアになります。この例でもなんとなくそれがわかるかと思います。

ただ、一般には、それほど、単純な増大関係→減少関係(またはその逆)という形のものばかりではなく、もっと、値と困り事の量の関数がふんわりしていてよく分からないものもあります。こういうものは、発想の材料から、はじいておきます。

このようにして、発想をするのが属性分析です。

まとめますと、この発想の方法の、基本戦略は2つ。

困り事を増やす量はなるべく使わないようにする。困り事を減らしてくれる量はなるべく増やす。(複雑な因子は条件で分けてどちらかの戦略に帰着させる。)

この発想技法は、系が複雑で単純な着眼点ではすぐに解決が思いつけないような場合に、分析的に見ていき、徐々に具体的な発想寒天を得ることができます。こまったらぜひ使ってみてください。

なお。

この技法の最もハードルの高いところは「属性を拾い上げる」ところです。温度ー、とか、明るさー、のような分かりやすいものはたちどころに誰でも上げるのですが、そのほか特に人間を含む系では、感性的な要素をどれだけたくさんひろってこれるかが勝負になります。先にコメントしましたが、変な量を拾い上げていたってかまわないんです。とにかく、属性を列挙していく。そこに専念して、対象の系をつぶさに観察したり、イマジネーションの力でそこに浮かび上がる属性を、たくさん、見出してください。


posted by 石井力重 at 10:22 | アイデアの技法



カテゴリ
プレスリリース&メディア掲載(61)
ideaplant 作品(26)
一人ブレスト(20)
電子書籍コンテンツを意識して(2)
今日の一枚(2)
IDEAVote/アイデアを、チームでスマートに楽しく評価していくツール(45)
アイデアプラントの試作の目線(84)
知であそぼう(4)
アイデアプラント 1st (2005-2008)(251)
アイデアプラント 2nd (2009-2011)(580)
アイデアプラント 3rd(2012-2014)(122)
アイデアプラント 4th(2015-2017)(161)
アイデアワークショップ(&アイデア創出の技術&創造工学の講演)(356)
アイデア・スイッチ(38)
アイデアの技法(218)
メソッド&ハウツー(189)
研究(創造工学)/検討メモ&資料(119)
研究(創造工学)/発表論文&スライド(13)
TRIZ(143)
日記、価値観、仙台オススメ(434)
仙台(4)
Fandroid(11)
フリー・オートシェープ素材(ご自由にどうぞ)(2)
創造工学の絵本(5)
社会活動/全般(39)
社会活動/Five Bridge(11)
シリコンバレー(23)
面白法人KAYAC(9)
社会動向を見る(9)
カード・メソッド(todoとideaと会話をカードで可視化)(2)
研究(MOT)/検討メモ&資料(41)
研究(MOT)/発表論文&スライド(3)
ベンチャープラン「音co知心」(8)
MMJ(37)
事業化コーディネータのお仕事(165)
航海マネジメント・ツール(11)
道具考/pomera(6)
道具考/scansnap(14)
道具考/YUREX(1)
道具考/iPod touch(21)
道具考/ALL(32)
道具考/iPad(8)
ブレイン・ペーパー(1)
石井力重とは(9)
8月22日(13)
311special(5)
ideaplantに、お仕事を依頼してみませんか(9)
創業初年度の確定申告(8)
こども用(4)
iPad+アイデアワーク(10)
旅先にて(11)
Finland(5)
新しい知識を学ぶ(1)
ブレストカフェ(2)
気づきは仮説に過ぎず。だが表現すべし。(1)
アイデアプラント・ノート(1)
加藤昌治さんと石井力重の「往復書簡」(4)
ファシリテータの小ネタ(1)