2015年04月29日

【発想技法】二段階ブレスト


ブレストしててもすぐに批判が出ちゃって、ぜんぜん拡がらないよ、というときには、二段階ブレストが役立つことがあります。

構造は簡単で、Whatのブレストだけをして、1つを選び、Howのブレストをする、というものです。

アイデアにはミクロ構造があります。WhatとHowから構成されています。何をやるか、と、どのように実現するか。その構成要素にそって、ブレストを分割する。それだけのことですが、知的能力を使いやすくなります。

2step_brainstorming.jpg

ちなみに、実践上のコツがいろいろありそれもスライドの中で紹介しています。特に、HOWのブレストの補助が欲しい、といわれることが創造研修では多く、(手前味噌で恐縮ですが)TRIZから作った「智慧カード」を発想パターン集を使うことが多々あります。


How_brainstorm_tool_CHIECARD.jpg
Howのステージに入ったら、このカードを配り、各自考えて、共有しながら発展させていく、という方式です。

思考の初速をつける道具としてこういうものがあると便利です。

posted by 石井力重 at 22:26 | アイデアの技法

2015年04月28日

【発想技法】シーズニーズ変換ワーク

要素技術を商品化しよう、事業化しよう、というときに、用途アイデアがなかなか、出ない、ということ、ありますよね。


で、開発チームでブレストをすると、いつも同じメンバーで、同じようなアイデアばかり出てしまう。

もっと、広く、用途アイデアを出したいのだけれど、どうすればいいのだろう。

そんなときに、シーズニーズ変換(及び、そのあとの手早い調査)のワークプロセスをスライドにしてみました。

ビジネスと技術のメンバーがチームを作って、社から新製品を生み出そう、という時にも有効です。

ぜひ使ってみてください。


追記:

なお、狭義のシーズニーズ変換、の後に続くプロセスも良い技法をつなげて、全体ワークプロセスとして作っています。

出典の書いてある技法は、深く知りたい、という時には、それぞれの原典を当たってみてください。それぞれに、こんな短い言葉では語れない深いナレッジが拡がっています。



余談:組織が創造する

シーズニーズ変換ワーク.jpg
事業部の企画や営業メンバーと、研究所の研究や開発のメンバーで、時折行う情報交換が、大企業だとあると思いますが、そもでは、いつもは「技術」から「商品」への一足飛びのジャンプが見出せるものしか、言及できないはずです。ゆえん、細い。

ここに紹介したシーズ・ニーズの変換ワークは途中に「ファンクション」フィールドをかませることで、一旦は遠回りに見えることをしますが、結果的に、可能性の糸を太く出来ます。

そういうことは、知らなくても、瞬間瞬間に、優れた企画センスのある人は頭の中でやっているわけですが、その途中(ファンクション・フィールド)も共有していくと、一人のセンスではつなぎきれない、可能性の糸を沢山、使うことができます。

センスのいい人には当たり前のこと。考えあぐねていた人には福音となる。
それが、組織にとってのよい発想技法なんだと思います。

企業内でじっくりやる創造活動とは、そういう「優れた人の当たり前の共通体験化」が、ベースであろう、とおもいます。

トップ5%のCreativeに頼りきりにならず、組織が創造するようになるでしょう。

posted by 石井力重 at 14:39 | アイデアの技法

2015年04月27日

【発想技法】TRIZ(9windows、あるいは、9画面法)

未来における当たり前にあるはずの製品を、構想する手法がTRIZにはあります。


優れた思考を展開した発明家や事業家達の多様な思考。それを整理して、9つの枠として整理したもので、技術のことも、社会・ユーザのことも、過去からの流れで想起させるようなものです。

それをやっていくと、9ステップ中の8ステップ目が終わった段階で、未来の「社会状況、インフラ、ユーザライフスタイル」という製品を取り巻くものの姿が分かります。未来の「要素技術、要素部品」という使える要素も分かります。

ステップ9、それらが使える状況であれば、当然誕生しているであろう製品を描きます。

これが、手法の概要です。

最後は、思いっきり飛躍した考えをする、というのではなく、使える技術と環境を、思考材料にしたコンセプトデザイン、と言ったところですので、割と、飛躍的な考え方に冷ややかな人たちでも、順当に発想していけるよい手法です。


TRIZ_9windows.jpg



Information

9windowsのワークシートはこちらから、ダウンロードできます。

かつて、ホワイトボード素材のブレスト用ホワイトボードを作っていたことがあります。
現在は、廃盤になったのですが、そのときの紙面データは、ダウンロードできるようにしてあります。
社内や勉強会で使う分には自由にお使いください。
(ボードデザインを商業出版などへ、転載するときには、相談ください。)


posted by 石井力重 at 17:36 | TRIZ

2015年04月26日

【発想技法】エクスカージョン(&バイオミミクリー)

頭の中にある発想の材料をザクザク掘り出して、アイデアをノートひとつで大量に作り出せる方法(のひとつ)、エクスカージョンの特別版スライドです。


特別なのは、ここでは、動物エクスカージョンと呼ばれるものを拡張して、生物(動物+植物+生態系などの自然環境)を発想起点にしている点です。

Ideation_Method_E.jpg

また、それらから有益な要素を発想するために、バイオミミクリーの観点4つを借りて使っています。

そのために、本来のメソッドに入る前に、「バイオミミクリー」という知についても手短に解説する構成にしてあります。

biomimicry_for_brainstorming_session.jpg

学習用なので、ペアで練習課題をする設定にしてありますが、通常であれば、一人ブレストをする時に使ったり、プロジェクトメンバーでブレインストーミングに新しいスパークがほしい時に使ったり、、という使い方をします。


メリットは大きいです。

発想の材料を頭の中から掘り出すことを先にするので、発想の思考作業という高負荷な作業でも多様な考えを次々浮かばせることが出来ます。

デメリットもあります。

発想に入る前に、20分ほど、掘り出す作業が必要になる、という点です。なので、新鮮なアイデアが生まれているような局面であれば、これをやると、もたもたした感じも出るでしょうから、出尽くしたその先へいこう、となったときなどに使ってみてください。強力な道具です。

posted by 石井力重 at 18:59 | アイデアの技法

2015年04月25日

【発想技法】TRIZ(技術の進化トレンド)

TRIZの中には、次期製品を発想する為の便利な思考ツールがあります。


進化トレンド。 
(あるいは、技術の進化トレンド。)

まず、31のトレンドを「進化の定規」として使います。

「この製品は、どのレベルまで進化段階を進めているか」をまずチェックします。
31の軸がありますので、各軸に対して。

次に、それらの段階をひとつ進めたならば、それはどういう姿になるか、を発想します。
31個のうち、発想をくすぐるような気配のする軸だけでやればOKです。
軸を変えて、いくつもやってみてください。

なお、進化段階が最終段階にたどり着いている軸もあるでしょう。
そういう軸は発想ヒントとして使えないのでパスします。

進化段階がまだ沢山残されている軸に注目していくといいでしょう。

posted by 石井力重 at 09:00 | TRIZ

2015年04月24日

【発想技法】ブレイン・ライティング と グルーピング作業

一言もしゃべらずに出来るブレインストーミングの方法があります。

書くタイプのブレスト「ブレイン・ライティング」です。


やり方は、結構簡単です。

皆で一枚ずつシートを持ち、5分間で各自がアイデアを三つ書く。
時間が来たら時計回りに回す。
回ってきた紙に既に書かれているアイデアも発想の刺激にして、そこに新しいアイデアを三つ書く。

これを6行目まで繰りかえします。

30分で6人で108個を生み出すことが出来ます。

より詳しい説明は、昔、外部に書いたブログ ITmedia オルタナティブ・ブログ 記事 2010年4月22日 をご覧ください。

余談)

この技法は、理詰めのワークショップをするような場においてアイデア発散が必要な局面などでも、重宝されます。

「あ、私の研修でも、ブレイン・ライティング使ってますよ。便利ですよね」とおっしゃる講師の方が、私の周辺に結構おられます。創造的な専門性よりも、ロジカルな方向性の専門性の方が好んで使われるようです。

やれば必ず大量のアイデアが出ます。ブレインストーミングの進行が得意であろうと、苦手であろうと、一定水準を得られる点は、この技法の最大の強みでしょう。

posted by 石井力重 at 22:02 | アイデアの技法

2015年04月23日

【発想技法】「属性分析」と「属性列挙法」

「属性分析」と「属性列挙法」は、思考展開上は殆ど同じです。

両方の共通部分を太く説明するとこんな感じ(スライドの中身)です。

要は、「分けて、ずらす」という思考展開。

なお、テクニックレベルでは、両方のいいとこを融合してあります。



ものの本で、属性列挙法を調べて使ってみようとすると、難しくて良く分からなかった、という声を良く聞きます。

主に、VEなど、開発工学領域のことを学んでいる方々からです。

ですが、実際は簡単な発想ステップです。

良く分かっている人と、ゼロ知識の人とでは、学ぶべき知の見せ方は変えるべきなので、ここではゼロの方に向けて表現してみました。緻密にやろうとすると急激に、作業コストが上がりますので、アバウトに属性っぽいものをあげちゃう、ぐらいのトーンで、ひとまわし、ふたまわし、するのが良いでしょう。

課題解決にしろ、既存製品の改良案にしろ、結構出せます。


追記:

企業内研修でも、エンジニア系の場で、創造研修系だと、この「属性列挙法」あるいは「属性分析」をやってください、というリクエストを良く貰います。

何十回とやってきた中で、皆が飲みこむのに苦労するごつごつしたところを削り、補ってきたものが、このスライドです。

社内で、その辺の技法を講習しなくちゃ、という方に、参考になれば幸いです。


追記2:

ロジカルな思考が好きな人々(or組織)において、創造研修をするような場合にも、はじめのメソッドとしては、この当たりはいいでしょう。

いきなり、アートな技法をやるとみんなの気持ちが入りませんが、こういうロジカルに、分析的に、発想する方法、しかもさほど、クリエイティブ・ジャンプを必要としない方法、というのは、そういう場では皆の入りが良いです。

で、徐々に回転数を上げていくと、もっと、創造的な飛躍をする思考技術も出来たりします。


posted by 石井力重 at 15:29 | アイデアの技法

2015年04月22日

【発想技法】TRIZ(智慧カード&発明原理)2015


TRIZの発想効果を、さっと味見して、本格的に学びたくなる動機付けと、学習のための基礎的な情報を一通り分かるようにする、という趣旨で作った2時間講義&ワークです。

TRIZの本陣に切り込んでいく人にも、この発想効果をカードでやれれば、それでいいや、という人にも、対応できるようなフルセット内容です。

大抵は、全部をやる機会はないでしょう。 この中から、必要なパートだけを、手短にやる、というレクチャー方法をする、というのが妥当だと考えた上でのフルセット・スライド、です。

これを、フルでやる機会があるため、フルで作りました。

創造的な仕事をする人が増える、それが今よりもっともっと明るい未来を作ることにつながる。私はそう信じて、その一助となることを仕事にしています。これもまた、そのひとつです。

講義&ワークショップを設計するのも、現地でレクチャーしたりファシリテーションしたりするのも、毎日これが最後の仕事でも悔いのないよう、全力で、臨んでいます。

(そういう姿勢で長く道を行きたい。)

posted by 石井力重 at 23:04 | TRIZ

2015年04月21日

「INNOディスカッション・リスト」

INNOディスカッション_リスト.jpg

これは、部門横断で新しいことをやろう、というチームにおいて、着想にいたるための自然な雑談(カジュアルミーティング)のスターターとして、つかってもらうために作りました。

好きなもの選んで雑談するのもいいでしょうし、ブレインストーミング・セッションとして本格的にやるのもいいでしょう。あらかじめ考えてきてもらって、情報共有する、というよりは、お茶でも飲みながら、わいわい話すほうがよい、と感触的には思います。

(参考情報)


文献:マッキンゼー流ブレインストーミング術「製品開発をめぐる21の質問ハーバード・ビジネス・レビュー2008.8


講義メモ:早稲田大学・柳孝一教授「メガトレンドの傍流」 衛星講義)

これらをベースに、発想お題として整え、多様な企業での製品アイデア創出ワークショップを実施。そのうち、発想の引き金として有効性の特に高かったもの9つを選出したものです。本格的なことを知りたい方はぜひ元・文献を当たってみてください。問い意外にも示唆深い内容がつづられています。



中でも、私が好きな切り口は、「顧客の手直し」です。

「顧客が製品にした手直し(改良)は?」というトピックは、現場に出ている人に多く情報があります。

企画部、技術部という本社づとめの人よりも、営業、サービス、輸送、という顧客接触部門のメンバーが吸い上げるリアルの空気が、場を沸かせます。

posted by 石井力重 at 14:49 | アイデアの技法

2015年04月20日

ご縁のある本、いくつか。

今日は、ご縁のある本の話を書きます。

いまは、2ヶ月の旅仕事の期間がおわって、ようやく、ようやく、ゆっくりと仙台にいられる(かもしれない)時期に、入りました。今から、15日間ぐらいは、たぶん、ホームタウンで過ごせそうです。

お手伝いした本、たくさん引用をしてくださった本、ご縁のある方が書かれた本、を、近刊、既刊おりまぜて、紹介します。



発想法の使い方 (加藤昌治さん、2015年4月、日経文庫)


この道の師であるかとうさんの新刊です。作るにあたって、大企業の創造研修を沢山担当している石井も、構想練りチームにいれてもらいまして、大企業において自前で創造研修をされたり、研修中にブレインストーミングを進行されたりするかたに、必要なものが、ちょうどよく、ぎゅっと入っています。かとうさん流に軽妙な文体で読みやすいのに、「属性列挙法」のような、VE領域でよく使う発想法とかも、さらりと入るように書いてあります。「あっ、こんなに簡単にやっていんだ。」が分かります。

これがご縁で、いま、往復書簡、と言う形で、ラリーをしているところです。



アイデア発想フレームワーク(堀公俊さん、2014年8月、日本経済新聞出版社)


いろんな発想法、ありますよね。それを、思い切りそぎ落として、一メソッド1ビジュアル、ぐらいにした発想法カタログ。そういう本が欲しい方にはいいと思います。ある程度アイデアの技法に広く精通していて、俯瞰が出来れば、あとは、細かいことは他の本で調べるからいいや、と。この本単独でアイデア発想法を知ることは適わないと思いますので、発想法をそろそろ、整理して、ファシリテーション時に、さっとどれを使おうかな、とぱらぱらめくる、そんなシーンがある方には、便利でしょう。

で、こういう本は、カタログとしてどういう技法が載っているのかが、もっとも購入潜在層にとって大事ですが、ネットにはamazon含めて掲載技法が載っていません。そこで、さっと目次をビデオに撮りまして、Youtubeにおいてみました。 https://www.youtube.com/watch?v=XGomEeRS1Jk テキスト打ちして紹介することも出来ますが、もしかしたら、堀さんてきには、検索にかかってこないことが重要なのかもしれませんので、動画でおいておくことにしました。

ちなみに、石井の作ったメソッドも、光栄なことに4つほど、掲載していただいております。それよくご存知でしたね、という石井のマニアックなものも、入っております。



これからの思考の教科書(酒井穣さん、ビジネス社、2010年9月)


本の好きなビジネスマンにとって、「〇〇の教科書」を目にしないことはないと思いますが、その流れの源流には、『はじめての課長の教科書』があります。その著者酒井さん。思考法について、創造系の学会にいてもおかしくない俯瞰的知識を勉強されていて、この本も、ビジネスパーソンにとってその辺の知のスピルオーバーをもらえる本です。もう5年前の本なんですね。僕にとっては、若い頃、商社にいて、一度だけ、先輩後輩の立場でお会いしたことがありました。彼が先輩です、超優秀な有名な人でした。

ご本人の迫力あるお人柄に加えて、文章は実にインテリジェントな思考の深遠からつむぎだすような文体で文章をかかれます。アイデア発想の本を紹介したいな、ということで、この本を紹介していますが、酒井さんの書くものは、ビジネスパーソンにとっていいものが多いと思います。



超マンガ大学(さそうあきらさん、朝日新聞出版社、2013年11月)


最後はいきなり、毛色の違う本です。マンガの創作のことについて書かれた本です。さそうあきらさん、は、京都精華大学のマンガ学部の先生であり、現役の漫画家として数々の文化的な賞を受賞されたりたくさんの作品が実写映画になっている方です。『神童』や『コドモのコドモ』、さらには、最近では『マエストロ』が実写映画に。

そのさそうさんとは、たぶん、5年以上、毎年春にお酒を飲んでいます。正確には、京都精華大学の講義で、ブレインストーミングの真髄や、アイデア発想法のワークショップをするゲスト講師として読んでいただいて、講義の夜は、お酒を飲みつつ、創作の世界についてディスカッション、を。

(私のこのブログの読者という稀有な方は)ビジネスパーソンの方がほとんどなので、この本は、実務では使えないとおもいますが、さそう作品のファンであれば、作者の頭の中を垣間見ることが出来る面白い本です。光栄なことに、私のことも少し言及していただいています。


以上、4つほど、ご縁のある本をご紹介してみました。

アイデア発想法は広い世界です。実に。

この2つの本の著者さんが「広告マン」「コンサルタント」「CEO」「漫画家」といういろんな属性であることからもそれが感じられます。

私のフェイスブックでつながっている方は、私の日常が旅仕事であり、長い場合は丸々1ヶ月旅して各地を回っていることをご覧になられているかと思いますが、仕事で訪問する先は実に千差万別です。アート系から医療、スパコン、宇宙産業まで、本当に様々です。

そんなわけで、ご縁のあった本を、ふと気が向いたので、いろいろな領域から、紹介してみました。

(自分自身の本については、二冊目を書かなくちゃ、とおもったまま、既に6年がすぎようとしています。文才があればなぁ・・・と思うのですが、それはまだまだ、修行中です。)
posted by 石井力重 at 09:00 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2015年04月19日

イノベーション創発塾にて、お話します(12月、東北大学)

母校、東北大学で、博士向けの講座でお話をします。ずいぶん先で、10ヶ月も先のことなんですが、公開になりましたので、書きます。

この講座というのは

イノベーションに関する知見、マネジメントスキル、 社会人基礎力、課題設定・解決力等を身に 解決力等を身につけ、 イノベーション創発博士リーダーに成長しよう!

というものだそうです。

PDFの最後にあります、「ベンチャー起業とキャリアパス」として、私の仕事を紹介します。

私は、社会自認なった後、母校に戻り、2つの博士後期課程に学びました。工学と経済。

どちらの研究かも単位の数としては、必要な数をとり、しかし、博士論文は出していないので、必須の単位はそろいきっていませんで、最終的には、在学年限にほぼなってしまって、退学という形をとっています。(途中で、休学して、行政法人のフェローを3年したことも、期間の使い切りにきいてしまいました。)

そんな感じで、退学ではありますが、割りと、大学や学問が好きで、入られる年限の限り、席を置いていました。

そんな私が現在、アイデアプラントの代表として、「一般的にはなんだか良く分からない仕事」で生計を立てています。事業形態は個人事業主。私の仕事は、顧客の半分以上が、一部上場の日本企業です。契約を結ぶ時は、大企業と石井力重で結ぶ、ということが日常茶飯事。

さて、博士で学んだことを、どうやって経済的価値に変えているのか、創業の頃の実際の話(18ヶ月目までは、残預金が単調減少し、そこからは反転して増加になったこと、など)、事業をする上で見つめている遥か遠くの北極星となる指針はどう作るのか、などなど、そんなことをお伝えしようと思います。

で、大人には、実利が必要です。

聞いてくださる方々にとっての実利です。彼ら彼女らの今後のキャリアパスに、「もしも博士過程を終えたあと、自分の身につけてきたことで、自分で飯を食うなら、どんなやり方ができるか」も、想起してもらうようなミニワークもしてもらおう、と思っています。主催者さんの意向次第ですが。

大上段に構えた喋りではなく、後輩の友人達に、お茶の時間に読んでもらったように、率直な話をしてみたいと思っています。

例えば、以下のようなストーリー展開はどうかしら、と。


博士に長く在籍した身として、現在の日本のドクター人材の現状を知っています。博士まで行くと、就職が「すごく高度なもの」になるので、たまにしか出現しないレアなニーズがめぐってこないと、飯が食いにくい、と。いわば、博士人材は、スーパーコンピューターみたいなもので、企業側はノートPCは毎年無尽蔵に買うけれど、スパコンは時々でいい。事業部によっては、無くてはならないけれど、毎年大量に買うわけにも行かない。

で、自分の中にたくさんの価値があるのに、雇う人がいないから、そのCPUパワーは発揮する場がない。

しかし、私は思います。

石井の場合は、マスターは理系でした。理論物理、それも、量子力学をやっていました。そのあと、専門商社に進みます。商社マンといえば、聞こえはカッコいいですが、営業マンとして、ビジネスの現場にいきなりはいって、思い切り揉んでもらいました。そして、そのあと、更に博士に進みます。

そうすると、身に着ける高度知識の「売り方」が分かるわけです。

売り方、というと、下賎な表現ですね。

身に着けた高度知識の「貨幣的価値への転換方法」が分かるわけです。

そうすると、博士にいるころから「飯は自分で食う。」と自然と考えていました。

博士をでて、創業する人はすくないですが、博士の1つ目と2つ目の間に、某フェローをやっていたときには、博士たちの創業、という事例も多く見聞きしていて、中には危うい事例もあれば、示唆に富む事例もありました。

そういうケースに学んで、自分のビジネスをデザインして行きました。

世界で1番の何かがなけば、商売にならない、なんて、博士にいると思いがちなんですが、世の中の5の人たちに対して、自分が5.5の能力があれば、薄い商売が存在します。掛け算する量目が多くできれば、食えます。

5の人に9.5の能力の人がやる仕事は、利益が濃いですが、その量目はそんなにジャブジャブありません。でも一定の量はあります。そういう人たちと仕事をするには、何をするといいのか。それを考える方法もあります。

そういうことを色々知っておいて、いくつかのアイデアを暇なときに考えておくと便利です。

「いざとなったら、自分の才覚ひとつで自分ひとり食わす分ぐらい、稼いでやるわい!」という自信や覚悟があると、研究を続ける道を行くにしても、不確実さの不安と同居できるでしょうしね。

・・・なんていう語りだしから、してみようかなぁとおもいます。

高度な知識を身に着けた人が、もっともっとお腹いっぱいご飯がたべらるような世の中であって欲しいですし、そういう社会でなければ、未来の可能性はどんどん狭くなります。

ご縁をいただいてしゃべるからには、そうしたことへの一助になれるよう、全力でやってみようと思います。

posted by 石井力重 at 08:51 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2015年04月18日

加藤昌治さんとの往復書簡(2)

石井から先に質問を出せてもらいました。

目次というものについて。

私は、本を見るときは、全体像を把握しようとして初読で、目次をじっくり読むのですが、「発想法の使い方」では10ページ、という紙面の5%に当たる分量には、驚きました。

学習後、技法を使おうと思ったら、サマリメモがあると学習者は楽ですが、この目次は、二読目の読者のためのメソッド・サマリとして機能するようになっている、と思いましたが、書き手としては、そういうことでしょうか?

また、アイデア発想法にまったく慣れていない読者の初読の際は、この目次はざっと斜め読みして、先へ進んでしまうほうがいいでしょうか?



加藤さんからのお返事

石井さん、まずは書籍制作へのご協力ありがとうございました。締め切りに追われてしまうスケジュールになりがちなんですが、「発想法の使い方」についてはスタート時、合宿、そして途中段階の原稿作成時・・・と何度も各種の指摘をいただくことで、原稿の精度が格段に上がりました。
 自分としてもこういう本の作り方をしたのは初めてで、アカデミックな視点が入ると違うもんだな〜と思ってます。

 さて、そんな石井さんからの最初のご質問、驚きました。目次から来るとは! 実は目次にそれほど熱意を傾けてはいなかったかも。分量の割合についても初めて「そうか、多いのか」と気がつきました。

 改めて自分が目次をどうやってつくっているのか、を整理しますと・・・わたし個人のやり方としては、「本の企画=目次(案)」です。しかもある程度、そうですね「中見出し」ぐらいまで書いてあって、それぞれの中身をおぼろげながらも云えないと、まだ書き始められないタイプです。

 なので、目次構成案は何度もやり直すことになります。「発想法の使い方」にしても、出だしの当初案、編集会議に掛けてもらった案、合宿で「これでOK!」と思った案、書き始めた時点案、結局かなり入れ換えた案、下原稿を元にまた変えた案・・・と結構二転三転、じゃなくて右往左往しましたのは石井さんもご存じの通り。

 そういう意味では、目次とは書籍の全体構造であり、設計図。結果としてメソッドのサマリにもなっている、というところでしょうか。全体が何pだから、目次は○pまでとは考えないですね。本文のボリュームとは関係なく、設計図に必要なページ数。

 モノが違えば、例えば『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社)のような、そもそもが辞書のような構成とページ数の場合は、初読で全部を読み切れないこともあるでしょうから、目次がインデックス機能を持ってますし。

 「発想法の使い方」には、基調として部活動、あるいは最初のお試しコース的な機能があります。なので、まずは目次を含めてザッと読んでもらって。読むよりも「見る」ぐらいの感覚でしょうか。
 それで、できれば一回か二回は各発想技法を試してもらいたいですね。その時には必要な箇所だけは「読む」ことになります。キレイに読まないで、本を開いた真ん中、ノドの部分をグイグイ押し広げるようにしてもらうぐらいが嬉しいです。
 それで、二回目からは「好きなのだけ確認のために、また見に行く」でよろしいんじゃないでしょうか。

 どんな本であれ、目次を先に読んだ方が、理解も早くなるのは承知です。速読法なんかでも推奨しているケース多いかと。ビジネス系の書籍には当然その傾向が強いですよね。
 あえて目次をすっ飛ばして本文から入るやり方もありますかね・・・。ワクワクしたい時、なんかは? 拙著がその期待に応えられるのかどうかはさておき。

 すいません、長くなっちゃいました。今度はかとうから石井さんへのご質問です。

「知見を原稿にする時、どこまで省略」しますか?

 「発想法の使い方」は(名称は文庫ですが)分量的には新書なので、原稿量の制限がありました。
 個人技ではなく、一般的な取扱説明書としての発想技法を紹介するにあたって、どこをどの辺まで書けばいいのか、とても迷ったところです。
 実際にライブとしてのアイデア発想ワークショップや講義を数多く実施されていて、聞く側が理解してできるようになるまでのプロセスをよくご存じの石井さんとして、テキストが果たしうる限界は何処までなのか。一方で書籍のみで独学した、もあり得るなかで? 石井さんのご意見を伺いたいです。

かとうまさはる拝
(2015年4月17日)



ということで、石井に課せられた質問は「省略」について。

ただいま、思考を、練り練りしております。




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