2015年08月31日

自分を計測する腕輪

アイデアの話じゃなく、でも発想の刺激として、自腹で使ってみている道具について、つづります。


「活動量計」が、欲しくなりました。

最近、私は、活動量計に強く興味を持っています。

その興味の起点は、正直に言いますと、「Apple Watch」です。

「商品ビデオおもしろそう、出たら買っちゃうぞー。一足飛びに我々は未来の生活が見えるだろうから。」という意気込みがありました。

そして、「iPhoneを持たない人には意味ないですよ」という製品仕様により、じゃあiPhoneも買うかーと思っていたのでしすが、実物を試着してみて、「しょぼーん。の顔文字」みたいな気持ちになりました。

その理由は細かく振り返っていないのですが、試着してみて、意気消沈したのでした。(まだ、これは、僕には)早いみたいだ。と。

ところが、人間の面白いところが「代わりに何か欲しい!」という、火が付いた気持ちのもてあまし。

さりとて、いきなり、バイタルデータをフルフルに記録するデバイスに大枚はたくほど、そのファンじゃないし、なんかお試しで高いものを買って失敗していくかっこ悪さも、見栄っ張りサイドの自分がやめろ、と言っているわけです。


クリップ式の安価なものでスタート

そこで、腕時計をしない自分でも、相手に時間を確認したことを悟られない時計としてつかえる「歩数計&睡眠時間記録のスマートデバイス」として、クリップ式のものを見つけました。


です。これは、5千円ぐらいだし、時計に見えない時計がほしい、をクリアしたので買いました。結論から言うと、そのアプリの出来がよく、ものすごくそのセンサーを身に着けていたくなりました。もうずっとこれでいいかな、と思いました。アプリがこにくいことをいってくるんですよ。っセンサーが単純なことしかできない分、とったデータを統計データや最新の身体科学に照らし合わせて小粋なアドバイスをしてきたり。

これをちょうど一か月たつ頃に、気が付いたら旅路のどこかでなくしてしまいました。ちょうど、身内の不幸があって、旅仕事の途中で大きく旅程を変えて元のルートに戻るというエクストリームな行程をこなして気が付いたら、ない。普段だったら気が付くのですが。


本格的な腕輪デバイスに進む。

そこで、活動量計のファンになった身としては、ほしいわけです。ただ、同じものを買いなおす代わりに、「高くてやめておいた」ものをここで買います。今度は二万円のもので、腕にはめるバンド式のものです。


です。

腕時計が肩がこるので嫌いで、30歳からの12年間つけていませんでした。

でも、起きてても寝ててもつけている生活に4~5日で慣れました。それは寝るときには思い切りルーズにしておく、という運用の工夫もあったのですが、何より、バイタルデータを取ってくれると、こんなにも、自分を知れるのか、という効能の大きさがもたらしたものです。

私にとってのこれの有効な機能は4つあります。

1.睡眠時間が分かる。(自動で記録します。浅い眠り時間と、熟睡時間(深い)と、途中で目覚めた(覚醒)が、記録されています。)

2.心拍数が分かる。(常時記録しています。ドキドキしているときに、さっと確認できるので、この鼓動は140か、とか、わかります。)

3.歩数が分かる。(これは、UP moveと変わりませんし、アドバイスの小粋さ、多様さは、UPが圧勝してしまいます。)

4.時間が分かる。(手首を上げれば、数秒間。ワークショップ中や就寝中に腕時計があったら、やっぱりとっても便利でした。)

他に、面白いのは、階段を何回分上がったか、という機能もあります。坂道をたくさん歩くと結構な回数を上がったことになっていますし、平地しか歩けない時には、ほとんど変わりません。大変な運動をしたことを認めてくれる、ってのはちょっとうれしい。

1と2は、特筆するものがありました。Facebookにもよくその辺のことを書くので、よく何を使っているの、とか、使用感をきかれるので、ここに記しておこうとおもって(今日はブログにこれを)書いています。

1.睡眠時間がわかる。

日々のデータの蓄積を眺めているうちに、私の場合の身体特徴が分かってきました。
まず、計測は、3パターンのものを記録しています。
A熟睡時間、B浅い時間、C覚醒時間(寝返りとかトイレに立ったとか)。

何もデバイスがないときには12時に電気を消して、朝5時に目覚めたら「5時間眠った」とだけ、認識します。

このデバイスは眠りに落ちたことを自動で判定しています。その精度はかなり正確です。5時間の内、熟睡時間が3時間15分、浅い眠りが1時間40分、覚醒3分(1回)、といったぐらいにだしてくれて、「眠っているつもりの5時間」が、そうなっていることに気付けます。

睡眠時間は、A+B(正確には、A+B+Cになっちゃっていますが、Cはすごく短いので無視しています)
熟睡時間は、A
この「熟睡時間/睡眠時間」を私は「熟睡レイト」と(勝手に名づけて)呼んでいます。

毎日のデータを眺めていくと、発見が3つありました。(これは、私の身体特徴からくるものと思いますので一般化はできないでしょう)

発見その一:熟睡レイトは、5~7割。
発見その二:熟睡時間が4.5時間を超えると、若いころと同じような思考の回転数が得られる。
発見その三:9時間を超えるぐらい長く眠っても、熟睡時間が5時間10分ぐらいで頭打ちする。(それを超えた睡眠時間の尻尾のほうは浅い時間がほとんど。)

そういう体のルールが分かりました。

そうすると、今度は、戦略が出てくるわけです。

やたら早起きして仕事時間を稼ぎたい、と好きな仕事で飯を食っている身としては本気で思っているのですが、パフォーマンスMAXですごす方が生産量は多いので、熟睡時間を、4.5時間とろう、と。

そうすると、睡眠時間は、それよりも長くないといけない。最高によいレイトでも7割、ということを勘案すると、睡眠時間は6.5時間、最低でもとるぞ、と。

さらに熟睡レイトの低かった日から熟睡を妨げる要因が分かります。朝方に人々が活動している時間は熟睡ゾーンが来ません。ホテルでも自宅でも。そうすると、AM5時ぐらいからホテルはトイレの流れる音がするので、PM10:30ぐらいから眠るスケジューリングが欲しい、と。

また、カーテンを開けて眠ってしまった日や、空調を切って寝た日や、お酒を眠る直前まで飲んだ日も熟睡レイトが悪化していましたので、対策が取れます。かならず、遮光する。(養生テープがあれば使う。)空調は26度で暑くも寒くもない一定温度する。お酒は眠る90分前から飲まない。すなわち、9時には飲み終わる。

そんなことを、自分の身体ルールから、割り出して、熟睡時間改善の戦略がたつわけです。


2.心拍数が分かる。

これも、ほどほどに、役に立ちます。ウォーキング中にものすごくハードに坂を上ると、140ぐらいになるんだなーとか、全力疾走したりすると180かーとか。予定がつまって、焦り気味の時にもそうであることを自覚できます。

私は安静時の心拍が60台と低めらしいのですが、若いころに不整脈でよく健診でひっかかってはたいしたことはない、と言われていたのですが、睡眠時に180を超える心拍数の状態が出現しているようで、一つに2度ぐらいそういう夜がありました。

そういう日は朝起きると辛いのですがその辛さの原因が分かりました。無理もしないようになり、そういう日は、リスケジュールして、身体をもう少し休める、という行動もとれるようになりました。

看護に詳しい知人に、そのデータを見せて、どうなんでしょうねー、みたいな会話もできたりして、「血圧も同時にはかっておくと、だいぶ、判断の参考になる」なんてアドバイスをもらえたりもして。


以上です。


おすすめスペック・コメント

 
これのブルーバースト(白いラバー、青い本体)が、デザイン的に良かったです。


 
これはサイズ二種類。大きいほう(Large)を使っています。眠るときにゆるゆる(それでも計測してくれる)にできていいです。色は、迷いましたが黒。腕時計のバンドに見える主張の控え目さが、常時利用にはあっていたみたいです。


ちなみに、この冬には、東芝の活動量計で、温度や血圧も計測できるものが出るようです。

自腹カスタマー、でいることはとても大事で、バイタルセンサー、ウエラブルのスマートデバイス、身体科学の新しい可能性について、体験の下地を作るいみでは、今後も使ってみようと思います。


でも本心は。

冒頭に話が戻りますが、本当の気持ちは、Apple Watchが、どーんと、いろいろな先駆者を飛び越して、ウエラブルの主戦場の可能性をががっと切り開いて見せてくれるのを、待ち遠しく待っているんですけれどれどね。6年前、アメリカのアップル本社を訪問した時に「ジョブズがいなくなったら、どうなるのでしょう」とエンジニアの一人にたずねたときに、伺った複数の予想の一つの姿に収斂しつつあるのかもしれません。

posted by 石井力重 at 22:32 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2015年08月30日

場に「創造的な交流」を生み出す仕掛けとしての「特別アイデアソン」【スライド】

会津のITベンチャーと言えば、Eyes, JAPAN。山寺純社長率いる、医療セキュリティー領域での開発や世界のハッカソンでの優勝などで、その筋では有名な企業ですが、20周年を記念したパーティーが8月29日にありました。その席上の「余興の一つのブースで、即興のお題で、アイデアソンをやる」というなかなかに、ワークプロセスの設計が悩ましい、デザインしがいのある場を事前にいただきました。

Waltz for Debby、じゃないですが、Ideathon for Jun&co., ということで、特別版を設計しました。そのスライドを掲載します。



簡単に言えば「その場から、ランダムに10歩歩いて、周囲の人と三人組になって、6分ブレスト(最初にちょい自己紹介)」を繰り返すスタイルです。

実は、原型があります。TEDxTohokuが、震災の翌年、仙台であったのですが、お蔵入りした企画に、交流会にブレインストーミング・セッションを入れてみたいといわれて設計していたものが、そうです。

その後それは、交流パーティーの中の30分セッションとして幾度かやってきて、その後の場のムードがよくなることを観察していました。

今回は、山寺さんのもとに集まる世界中の人々に、ということで、そのベースに立って、ゼロからつくり直して、実施したものです。

(とくに、テーマが当日持ち込みをうけてやる、ということで、どういうものも受け止められるように、言葉や発想手順をシンプルに作っておきました。)

今回も、イベントのオープンマイクでやる(その横では、ポールダンスがあったり、利き酒ブースがあったり、そういうパラで催されている環境下でやる)スタイルでしたが、それでも、想定よりもだいぶうまくいきました。

パーティー版の創造的な場づくり、という点では、参考にしてもらえる人もいるかと思いますので、ブログに掲載しておきます。学会の懇親会でちょっと、アイデアソンのごく短い版を、というときにもいいでしょう。研修の夜の立食交流タイム、とかにもいいでしょう。

お酒を飲んでいる人が多くても、行動に柔軟性があるので途中退場や参加も許容できる利点があります。

(ただし、テーマは、即興で決めるのは相当に難しい=下手なお題設定をするとワークが盛り下がる=ので、参加者属性にみあったテーマを設定しておいた方がいいでしょう。たとえば、この学会の蓄積した知見を活かして会員増につながる新しいWEBサービスをするなら、どんなものがいいだろうか?、といった感じですね。)

2015年08月22日

42歳の目標:ブレインストーミングの補助道具を、小さく、たくさん作る。

8月22日。42歳になりました。

今年は珍しく仙台の自宅と書斎で誕生日を迎えました。過去の8月22日の記事を読み直し、今日からの一年の目標を心に浮かび上がらせていました。


ブレインストーミングの補助道具。あるいは、アイデア創出ツール。

これをつくることが、私の本業です。


2007年に誕生したブレスター以降、いろんなアイデアプラント製品が登場してきました。作りたい者はまだまだ山のようにあります。

しかし、最近は、旅仕事(これも使命の一つで、創造研修やアイデアワークショップのファシリテーションを各社各地でする仕事)に一年の大部分を費やしています。

結果として、開発の手が著しく停滞している、とはっきり認識しています。


ただ、最近、すこし変わってきました。

創造研修やさまざまな領域のアイデアソンをすると、「ブレストをもっと引き出す知見」が増えていきます。それらを受け止めるものを、ワークシートや、新しいブレインストーミング・スタイルとして、組んで、実戦投入して、さらに直して、というプロト&テストのサイクルを、仕事上で回せるようになってきました。

これまでは、提供するメソッドの深化を図ることに没頭していたのに対し、それを7割の部分で提供しきり、のこり3割に新しい実験的な発想スタイルを入れてみることができるように。

もちろん、企業さん向けの創造研修では、そうしたことはさすがにしません。単価の高い私にオーダーをくださる企業さんのイノベーションに向けて最適な知見を提供することで100%。

でも、学校系の仕事や、地域活性系の仕事で、取り組みに先鋭的な、実験的な要素を入れても構わないケースでは、積極的に、その3割で、試作投入と改良フィードバックをもらっています。

それが全くダメダメな水準であれば、受講者の時間を奪うばかりですが、いずれの場合でも、実験的な、まだ誰も経験していないスタイルの体験を通じて、受講者さんが多様なことを得て帰ってもらえっているので、このスタイルを行っています。(実験的なものから、受講者さんが得たというものは、回答内容が多様です。定番の発想メソッドに比べ。)


試作品(あるいは、未完成のアイデア発想メソッド)のほうが、時には、完成品よりも、学びとれることが多い。

そういうところが人にはあるんだなぁと、そういう場面でよく思います。なので、実験に付き合ってもらって悪いな、という気持ち100%だった時代から、そういうタイプの学び体験も、バラエティの一つとして入れよう、と力強く意思決定できるようになってきた、という状況です、今は。



さて話を、元の流れに戻し、続けます。

作りたかった、ブレインストーミングの補助道具、これをもっと、作ろうと思います。そして、使って直していく。

これまでは、かなりの仕上がりに到達して、かつ、テストプレイも専用の場をしっかり作って、という感じになってきていましたが、創業のころは、頻繁に思いついたものを、ラフにつくって使ってもらうことをやってきました。
その時代には、着想、試作、良点発見、製品化、というサイクルを、小さく、たくさんしていました。それらの超ニッチユーザへの一点突破の先に、広いユーザ層(全面展開)に波及していく、という展開でした。


いきなり全面展開を目指すことを、近年は考え続けて、アイデアの結晶化(製品完成)をすごく少なくしてしまっていました。成功した企業が徐々に、大きな市場を見込めないと製品投入できなくなっていく、いわゆる「成功経験の弊害」が、私の中にもあった、と正直に書いてしまいますが、そうだったと思います。

その結果、私のPCの中の「★開発」というフォルダーには、たくさんの製品アイデアが並んでいて、日の目を見ることを待っています。

没にしたなら、それでもいいのですが、「開発ストップ。理由は、市場が小さいから。」というアイデア群なので、一点突破型で、ごく小さい市場を目指していくならば、出したいものがいっぱいあるのです。


今年はそれ(小さい市場から初めて、いずれ全面展開)に、免罪符を与えて、作りたい限り、作り出してみようと思います。ブランドとか、コンセプトをぶれているものも、できれば、出してから淘汰されていくぐらいに、発芽の自由度を上げてみようと思います。


なお私のいう、ブレインストーミングの補助道具、というものには、AとBがあります。

A 「アイデア創出ツール」

発想法、というメソッド。
ブレスターや智慧カードのような、発想創出カードのセット。
廃版にはしましたが、ブレインストーミング専用ホワイトボード紙。
・・・などなど、アイデアを出すことを、真正面から、サポートするものです。

B 「ブレインストーミングの作業を、より円滑に、効果的にする道具」

含みのある書き方をしましたが、例えば、
「概念適用の柔軟さを上げるためのゲーム」とか「頭の回転数を上げる遊び道具」(発想力は、前面に出さないもの)もありです。
前に試作した、都道府県の要素を用いた遊び道具、とかも、これに含みます。
また、「ブレインストーミングの間のアイデアの記録と利活用をより良いものにするガジェット」もありです。
最近私はFitbitという活動量計リストバンドをつけているのでが、心拍数をずっと精度よくセンシングしてくれていて、行為や心理状態と照らし合わせてみると、心拍数の変動というのは、興味深い活用の可能性があると感じました。

専用のガジェットは作れる事業環境がありませんが、市販品の機能を組み合わせて、ブレインストーミング・極大点を検出することはできるでしょう。
その時の音声だけをクリップして、ランダム再生し、ブレスト後半側でアイデア・リコールを促す、なんていうことも、今の技術を組み合わせればできそうです。電球の色を変える、音楽を切り替える、などの「部屋レベルでムードに影響を与える」ということ範疇に入ります。


Bについては、居酒屋でブレストするときに、こういうものを昔はよく話したのですが、最近は、その頻度が減ったと、気が付きました。
昔より「先生」といわれて飲み会に参加していることが多く、各地で見聞きしたアイデアにまつわる話を紹介する、みたいな、先生っぽいことをして、時間の大半を使っていたなぁと、気が付きました。

「仮説として、こうだったらもっとアイデアを引き出せると思うんだけど、なにかいい具現化方法ないかな」という話、今年一年はもっとしようと思います。

昔から周りには優秀な人がいっぱいいましたが、その人数が飛躍的に増えています。アルコールブレストをもっともっと、アイデアツールの創造の場として、使っていこうと思います。

さらに言えば、一緒に作れるTech企業さんとつくって、アイデアプラント単独の製品ではなく、共同開発の製品も、目指してみたいなと思います。とはいえ、発想の道具というのは、そんなにたくさん売れるものでははないので、作ったものは、コンセプト品(広告的な製品)にはなるけれど、開発費の回収は期待できない、その前提に了解してもらえる場合にだけなので、かなり難しいことではありますが。


今年の目標の達成に向けてもっとも枯渇している資源は、時間です。

使える時間の大半を、旅仕事、すなわち企業さんでの創造研修やアイデアワークショップ各種に投入している現状。
これを変えるつもりはありません。
社会に求められて、好きで得意なことが喜んでもらえるならば、それは使命と決めた道だから、全力でやりたい、と。

なので、ブレストは、基本的に、飲み会の席を、アルコールブレストに。


それから、睡眠をもっと長くとって、頭の回転数を寝る直前まで下げずに使えるように。
そうすることで、時間かけるパフォーマンスの面積はもっと大きくなるだろうと思います。

頭の回復をまって、ぼんやりしている時間が長い、というのは、旅がちの日々で結構あります。

睡眠を長くすることで、時間がさらに無くなる感じですが、たぶん、逆に有効面積を増やせるのではないか、と思います。

(Fitbitの算出する熟睡時間が毎日4.5時間を超えることも、ミニ目標にしたい。)



43歳の自分への問い:

ブレインストーミングの補助道具(※A,B)を、小さく、たくさん作りましたか?

※A「アイデア創出ツール」
※B「ブレインストーミングの作業を、より円滑に、効果的にする道具」

A+Bの総計で、

  • デザインスケッチ:24枚(月に2枚)
  • ワーキングプロトタイプ:6つ(二か月に1つ)
  • 商品化:2つ(半年に1つ)

を数値目標と。

珍しく、数値目標をつけました。

一年後の自分が、夏になって、大慌てで、やろうとしている姿が容易に想像できます。

予想するに、達成に向けて最も大事なことは、お酒の場面を、アルコールブレストにすること。睡眠をよくとること。この二つを習慣にできれば、旅の日々でも、きっと作れる。そう思います。





最後に、昨年の問いに答えます。

固有の言語を超えて使えるブレスト道具を作っていますか?
(販売できる製品の形がベストだけれど、発想ワークシートやワークショップスライド、あるいは、なんらかの物体ではないもの(プロセスとか)でも、いいので、この一年間で作った?)

に対する回答:

今年は、ヨーロッパ(北欧、南欧、バルト地域)での海外のブレインストーミング事情の調査や、海外パートナーを見つける取り組みをしてきたので、全くやってないわけじゃないのですが、問いにYesと答えるには、足りていません。20%といったところ。

Quad-stormingを、開発チームでのディスカッションや試作を繰り返してきて、大量のテストユーザによる実用とフィードバックももらっていました。(200名を超えます。)。
ただ、これも、改良を繰り返して形は変わり、シンプルさを突き詰めていけばいったで、生まれる制限もきつくなり、アイデアのPivotを繰り返して、最適地を探し当てている努力の途中でした。

作っていますか?に対して、(結構)作っています、とは言えますが、完成はしていません。

特に、8月上旬、早稲田大学での夏季集中講義を終えて仙台の書斎にもどり、一人で過ごしているときに、昨年の目標を読み返して、大急ぎで取り組み、2つの形が見えてきました。

◎ IDEABOARD(アイデアボード)、ついに?

ブレスターをはじめアイデアプラント製品群は、グランドビジョンは、アイデアボード、というまだ存在しない「ブレストの補助道具」をベースにして生まれています。その初期のモデルはむちゃくちゃ複雑で、一度解体していますが、そのコンセプトを継承し、非常にシンプルなものが、Quad-stormingという種から、描き出せました。今は、ラフのラフ、といったレベルですが、光が見え始めました。
ノンバーバルなもの、とはなりませんが、固有の言語を超えて、どの国の言葉に翻訳するのも、さほど難しくない、シンプルなものが出来つつあります。
具体像にして、チームでディスカッションを早くしたいところ。自分が旅がちなのが恨めしいです。


◎ IDEAPLANT版、連想の6法則(ブレストの補助道具の一種)

ブレストにおいては、2つの営みがよく見られます。

  • 新規の要素を持ち込み、既存の要素に結びつけて、新しいアイデアを生み出す。
  • すでに出たアイデアの本質を土台にして別のアイデアを生み出す。

これらの作業を加速するには、インプット系メソッドや、アイデア発想メソッド各種、があります。

とっさのブレストでもすぐに使え、より根底に近い発想技法は「連想の法則」なのですが、ギリシャ時代に3法則、オズボーンにより4法則、となったものを、石井の分析で、6法則に、上げました。

正確な連想のパターン分類、とはいえませんが、アイデアを大量生成・多様展開するときに必要な、基礎的な頭の中の概念操作の全体を、連想の法則スタイルにあてはめなおすと、4では、どうしてもカバーしきれず、あと2つ、加えました。

6枚のカードはかなりPictogramっぽいので、かなり理想に近くはなりました。ブレスト中、アイデアの幅や多様性を作りたい時にそれらは、補助道具として機能してくれるでしょう。


どちらも、試作品とテスト利用の繰り返しをこれからしていく必要があります。

国内、可能であれば、多言語メンバーでやりたいところ。

今年の目標のとも一致するので、この道具も、どんどん育てていきます。


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蛇足:


posted by 石井力重 at 18:56 | 8月22日

2015年08月12日

ブレインストーミングのルールの本質(+テクニック)


A.F.Osbornの各種文献から、抜粋した言葉(+α)集です。




ブレストってもっと自由でいいんです。
眉間にシワ寄せて、じゃなく。

でも、いざすると、仕事なんだから真面目にっていう空気が蔓延して、かたっくるしくなりがち。

なので、学んで、ブレストの本質を知ることで空気に抗うこと、つまり自由でいることができます。


PDFでも、掲載しておきます。

(小さい文字なので、実際には講演形式ではなく、3段学習方式で学びます。)




補足:

鍵かっこは人名がついていないものはすべてA.F.Osbornのものです。

スライドのヘッドの部分の表現は、現代のブレストの表現として、IDEO本社会議室に掲示されていたものを採用しています。




参考:

IDEOのブレストのルール

IDEO_BS_7.jpg

4,5,6については、オズボーンがルールを述べるくだりで言及したこと対応しています。
ただし、6「Be Visual」だけはオズボーンの言及に相当するもの「記録共有しよう」とは、かなり変わっています。

posted by 石井力重 at 19:53 | アイデアの技法

2015年08月11日

ビデオ・プレゼン(見本テイク、失敗テイク)

アイデアワークショップ(アイデアソン)において、最後の最後にプレゼンをする局面で、全員の前でのプレゼンにする代わりに、ビデオ・プレゼン、という方法がとりえます。ちょっと紹介。

項目は、自由に設定していいのですが、石井のおすすめスタイルとしては

◎アイデアの概要(100〜400文字)
◎絵(製品そのものか、ユーザが使っているシーン)
◎ユーザー像

を必ず入れて、3分以内のものにしてください、と。


会津でのアイデアソンで取った見本ビデオを掲載します。


いきなりこう話せたわけではなく、テイク1では失敗しています。


こうして、何度か撮り直し、客観視していくと、プレゼンがぐっと良くなります。

最後は事務局にこのビデオ提出してもらうと、プレゼンの質は高く、後に残せるので、便利です。

どうしても全員で見たい場合は上映会をします。これは、お好みで。
posted by 石井力重 at 16:22 | アイデアの技法

2015年08月08日

会津地域の新商品を考案するアイデアソン(8月8日、アピオスペース)

会津の行政系の事業で、地域ブランドというか、会津発の新商品、新サービスを考案して、発信していこう、という事業があります。その中で、アイデアソンをします。

スライドを掲載します。



会津の伝統的なものや、地域産品が、という発想の起点もありですが、まったく地域性なしに、新製品アイデアを考案して、それが会津で育って世界にでていく、世界を変えていく、というものだって、いいんです。
(途中参加はできませんが)、開始時刻までにくれば、突然参加する、ということも可能ですので、ご興味ある方は、ぜひ!

日時
  • 8月8日 13時〜(17時)
  • アピオスペース 一階展示ホール (会津若松駅から車で少し北のほう)にて。

詳細

2015年08月07日

早稲田大学の夏季集中講義(2015)、完了しました。




早稲田大学の人間科学部の学生さんたちがブレストに造詣が深くなっているので、企画系の人材が欲しいという企業さんにむけ「早稲田、よい学生がたくさんいますよー」のPRもかねて、紹介します。

三日目の様子(ビデオ)

このシーンは、「アイデア出しの方法を、考案しよう」というワークです。
アイデアの出し方をアイデア出しする、という「メタ」的な作業。

学生さんたちのアイデアを聞いていると、中には”逆立ちをする”、という案を言っている人もいて、「お、それって、”あばれはっちゃく”ス-タイルだね」とコメントをしかけて、やめました。彼ら彼女らは、知らない世代だよなー-、と。

この、書き出した「アイデアの出し方の方法」のリストは、実は未来の自分をもっとも助けてくれるノウハウになるでしょう。発想方法っていうのは、自分が作ったものがもっとも使いやすいのです。彼らは、アイデア発想法の本を買うよりもずっと効果的なものを手に入れて帰りました。(そして、それが、最終日の「最終試練」に効いてくるのです。この時は知らずにいますが。)


四日目の様子

物語カード(石井がつくった、お話のプロットのアイデアを考え出すための49枚のカード)をもちいて、新しい物語をブレストしているシーンです。

「物語を発想するアイデア技法を学ぶことに何の価値があるのか」という問いをこの学部だと突きつけられることも想定していたのですが、昨年と同じく、ストーリーを考案するこのアイデアワークは、問題解決のアイデアワークよりもずっと盛り上がります。これはどこの大学でも同じというわけはなく、やっぱり(”そんなに読まない”と本人たちは言いつつも、現代の平均的な若者としては)読書量の多さが根底にあると感じます。

ちなみにこのメソッドはこの講義においては(発想トリガー法を用いる際の)「概念適用の柔軟さを鍛えるトレーニング」と位置づけています

(ただし、それだけではありません。社会人になって商品企画や広告などに進んだ場合には、商品のストーリーが大事になります。その時になって、ちょっと「あ、なんかたくさん思いつくぞ。」と思ってくれるだろう人もいるでしょう。)


・・・


四日間のビデオ記録(もっとたくさんあります)を振り返ってみると、日に日にブレインストーミングの”体力”がついていることが分かります。なんというか「出なくても、出す」「出すぞと強く意思を持つから、苦しさの先にある良案に手が届く」を次第に繰り返していると、体力がついて、アイデアワークが楽しくなります。スポーツに似て、基礎体力がついてくると、実践が楽しいわけです。

もともと、地頭力の高い早稲田の皆さんなので、基礎体力という素地があるので、そうなってくるのも、すぐです。
15コマの半分、7~8コマ目ぐらいまでが苦しいけれど、その先は、変わります。

・・・

さて、この講義、昨年と変わって、単位認定の方法がシラバスに明記されているのですが”出席ポイントでもなく、レポートも、試験もなく、独特の方法で、単位認定をします。

その方法とは、「100ideas」というものです。

講義の14コマ目の冒頭に提示する「発想のお題」。
これに対して、15コマ目の終了までに、専用のシートに100個のアイデアを書いて提出する。
1秒でも遅れたものは、受理されず不合格。

さて、こういうルールだと、学生たちは、極端な話、13コマ目までは、講義に出てこなくてもいいわけです。
眠いのに出てきて眠っていたり、他にしたいことがあるのに出席のために出てくる、というのもいらず、「聞きたい人だけが出てくる」と。

すると、200名(たぶん実質は150名ぐらい)の集団が、緩急をつけてワーク中心講義ができる。これは、ありがたいです。

さて、で、その「100ideas」ですが、学生さんたちの初日のツイートを見ていると「講義は楽しい、でも、100個も出せる不安」という声がありました。

しかし、15コマの終了時刻時間までに提出された180名超の学生さんの内、未達成だったのは1名だけでした。その一名も、アイデアは非常に熟慮され、構造化されたものであり、分割したら100の達成をはるかに超えているものでしたので、受理しました。

講義終了後、とある学生さんのツイートを見ていて「(頭をすごく使った後で)夜勤のバイトがきつい」といった声も見ていましたが、それはそうでしょうね。

「最終試練」となづけたのこ単位認定のやり方は、どんなにアイデア出しが苦手な人でも、授業に全部出ていたら、(へとへとになりながら)クリアできるものです。カラーバス、発想トリガー各種、自ら考案したアイデアの出し方を実際使う、などして。

「スキルを持った」というのと「それを、全力で使う。使い切る」というのは、全く違う。
だからこそ、この講座の「最終試練」なわけです。
100個出せないものは、修了要件に能わず。
Know→Do→Canのところまで、行って単位認定。

(その意味では、ほとんど講義に出てこずに、100ideasをスパッとやりきって、単位を取った30名ぐらいの学生さんたちは、そもそもこの講義を受けずとも力があったので、ルール通り、C評価ではありますが、単位にしました。それは、誰も損をしていないので、みんなにとって、いいだろうと思います。やる気のある人だけで授業ができますし、能力か創造的努力で、単位が得られる。)

その30名も含めて、180名超の学生さんたちは、全員、3時間で100個のアイデアを生成しました。
(手書きの紙、書いた紙を本人が石井に手渡し、その場で100個をチェック、ちょっと質問もする、というスタイルなので、ここは逃れようのない作業で、学生本人がとにかく実施したわけです。)

この最終試練をクリアすると、この先の人生、企画的局面で、アイデア創出、恐れるに足らず、となります。

100個を出し切れた経験。しかも3時間で。
それがあれば、20や30出すのは造作もない。
早稲田大学でこの授業を受けた学生さんは、そういう「筋力」をもって、社会に飛び出せるわけです。

数年先に就活があるでしょうけれど、その場で大量のアイデアを提案せよ、と言われたときに、”5個しか浮かばず、それを提示する学生さん”と、”短時間で30個も思い浮かべてそこから5案を提示する学生さん”では、圧倒的にちがうでしょう。

スポーツでいえば、アイデア創出の力というのは、脚力を鍛えるようなものなのでゲームを有利にして、勝ちやすくはしてくれるでしょう。脚力だけで試合に勝てはしない。しかし、大きく試合運びは有利になる。強い脚力があれば、高度な戦術も展開できる。

この「デザイン論」という名の「アイデア創出のトレーニングの授業」は、そういうものでした。




講義資料は昨年と似ていますが、一応、アップしておきます。

2015年08月03日

早稲田大学の夏季集中講義15コマは、アイデア出しの訓練の時間です。

今日から、早稲田大学での夏季集中講義が始まりました。

ほかの大学での講義とは大きく違い、ここだけは、非常勤講師、として、15コマをフルに担当し単位認定もします。

ということで、この一週間は、先生業をしています。

思えば、学生時代、いい生徒とは言えなかった私が、こうして早稲田の学生さんにお教えする立場になっているなんて学生時代の私を知っている恩師たちがしったら、げらげら笑うしょう。「石井が?うそでしょ?」と。自分でも思いますが、人生は意外なもんです。

さて。

今年はスライドを掲載しませんが、昨年と概念範囲的にはほぼ、同じです。一年前ぐらいにそれらは掲載はしていますので、ご興味のある方は左の検索窓から、早稲田、などの言葉で検索してみてください。

スライドではなく、今年は、様子をもっと紹介します。

学生さんたちに写真と掲載の許可をもらいましたので、講義の様子を掲載します。

idea_001.jpg
ブレストのカードで、発想ワークをしているところ。(最後にビデオでお見せします)

idea_004.jpg
5分交代のペアブレスト。写真の瞬間は、アイデアのmemoタイムです。

idea_005.jpg
全アイデアスケッチを見て、面白いものに星をつけているところ。後でカウントしたら、スケッチは593枚ありました。


生徒さんは、この夏季集中講義の中で、最多人数となる200名だそうです。

私は、机間巡視(机をぐるぐる回って進捗を確認したり指導していくこと)をしていて、今日は相当な移動量だなぁと思っていたのですが、腕に着けている活動量計は10000歩を超えていました。企業内での創造研修では多い日でも4000歩ぐらいでしたのでケタ違いに多いです。

Fitbit.png



ちなみに、場所は、所沢キャンパス。

101号館の101教室、という、きれいなデザインの設備の良いところです。
食堂までが遠いですが、長い時間過ごすにはこの教室はいいですね。

校内の風景もちょっと載せてみます。

idea_003.jpg
これが101号館。北門、とよばれるマイナーな入口から入るほうが近いです。

idea_002.jpg
早稲田といえば、やっぱりこの方。像が中央部にあります。真夏の暑い盛りにこのキャンパスに来ると、森の夏、といった風情が。


ワーク中の雰囲気のビデオ(10秒ぐらい。音が出ます)



この講義は、今日から4日間続きます。

学生時代に僕が受けたかったような講義を、今、自分でやる。

そういう心意気で、取り組んでみています。
posted by 石井力重 at 23:57 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2015年08月01日

20年後のアイデアの本のあるべき姿(を発想法の大家からいただきました)

加藤昌治さんと行ってきた往復書簡が、いよいよラスト2となりまして、前回私のはなったでっかいボールをしっかり返してくださいました。

私から投げた質問は「この先20年で、社会から求められていくアイデア発想法の本は(あるいは、広くカテゴリーを切りなおして、創造技法の本は)、どのようなものになるんでしょうか。」でした。

加藤さんの答えを転載します。

「単行本からテキストへ」の流れが大きくなるといいな、と思ってます。

 書籍って、おそらく3パターンあって、
1)学問として研究された成果をまとめた一冊(学術書/論文的な)
2)厳密には学問までは届いていないが、ある程度の網羅性、汎用性がある一冊(入門書的な) 
3)個人や少人数の体験をまとめた一冊 
の3種類。

 3番目の個人メソッドが劣っていることはなく、本質をズバリ突いていることも多くあると思います。著者が有名人だから、だけが売れる理由でないはずです。

だから、どの種類であってもよいのですが、これらが単行本、文庫本といった、一般的な書籍の形態をとっている以上、読んだ後で行動するかどうか? はあくまでも読み手の判断にゆだねられている構造になります。

 好い本は、人を動かすだけの力を持っているはずですが、そうした「性善説」だけに頼っている環境では、総体・全体としてのアイデア力は向上して行かない、あるいは向上するスピードがそれほど速くはない、と考えます。

 この先20年経ったときに、世界中のアイデア発想力を上げていくためには、性善説だけの一本足打法に寄りかからない学びの構造、習得の構造があると素敵です。
イメージは九九算。子どもの頃に強制的にかもしれませんが訓練を積んだからこそ、いま暗算がある程度できるようになっている。インドでしたか、九九算ならぬ20×20までやるのは? 
それと同じことで、創造技法も「技」として使えるレベルまで「常識化」することができたら、アイデア力ってもっともっと増していくんだと思っています。

 補足すると、「技化すればいいアイデアが出る」ではありません。
アイデアを出すこと自体が苦じゃなくなれば、アイデアの数がもっと増える、その中には好いアイデアが含まれる可能性が高くなる、って流れを想定しています。

 その意味で、単行本からテキストへ。読み物じゃなくて「やる物」。ないしは「使うもの/使い倒すもの」。
書き込みだらけで、端々が折れ曲がっているような? 本として完結してなくてOKで、ドリルみたいなものかもしれません。あるいはペーパーの集合で、綴じてすらないかもですね。
 使い終わってから何年かしたら、再び読む気にはならないと思うんですね。でも大事に取っておこうかな? それとも、もう全部アタマに入っているから要らないや! と思うような。そんな感じな「もん」になるといいなあ〜と妄想しています。

(引用:かとうさんのWEBページより)

なるほど、発想法の本というのは、本(読み物)じゃなくなって「やるもの」「使うもの」になるんだ、とうんうん頷きながら読みました。

  • ”書籍の形態をとっている以上、読んだ後で行動するかどうか? はあくまでも読み手の判断にゆだねられている”
  • ”この先20年経ったときに、世界中のアイデア発想力を上げていくためには、性善説だけの一本足打法に寄りかからない学びの構造、習得の構造があると素敵”
  • ”イメージは九九算。子どもの頃に強制的にかもしれませんが訓練を積んだからこそ、いま暗算がある程度できる"
  • "創造技法も「技」として使えるレベルまで「常識化」することができたら、アイデア力ってもっともっと増していく"

というわけですが、加えてなるほど、と思ったのが次の下りです。

  • ”補足すると、「技化すればいいアイデアが出る」ではありません。アイデアを出すこと自体が苦じゃなくなれば、アイデアの数がもっと増える、その中には好いアイデアが含まれる可能性が高くなる、って流れを想定しています。”

創造のための足腰を作る、基本所作や武道でいう型を教える、ということの先に、独創の水準に至る。
結論となるものの一つはそういうものでしょうね。

さて、そうなってくると「本を書く」ことは、書く、というのとは変わってきます。Bookという概念だけが残って、物質レベルでは紙束ではない。いうなれば、NewBook、というものが出てくる。ITよりなら、iBookとかって、言いたいところですが、生身の、リアル空間の、身体行動に刷り込むような、そういうものなので「i」じゃないんじゃないかとも思います。

じゃ、なに?

それはたぶん、「p」か「Ex」じゃないかな、と。Practice。あるいは、Excution。
Ex-だと、外に、という語感がいいでしょうね。ただ、すでに「Eメール」のようにEが消費されているので、ちょっと外したいところ。

仮に、pBook、という「実践のための、バインドされたナレッジ群」があるならば、それを想像してみると面白そうです。


おっと、そうすると・・・、思い浮かぶことがあります。

この往復書簡トークに合いの手を入れてくれた倉下さんのブログの記載内容が、とんとんと頭をノックしてきます。引用します。

一つめは、ウェアブル端末などのセンサーの活用。特に脳の状態を観察し、利用者にフィードバックを与えることができれば、発想技法に強いインパクトが生じる可能性があります。

二つめは、あたらしいディスプレイの可能性。Microsoftが打ち出してきたVRグラスの「HoloLens」は、私たちに狭いディスプレイからの解放をもたらしてくれます。

私が常々iPadで付箋系ソフトを使っていて感じるのが「こんな小さい画面でやってられるか!」というものです。逆に、その点さえ除けば、指で操作できるデジタルの付箋ツールはすごく便利なのです。もし、視界にある壁を付箋ボードとして利用できるなら、それはアナログでもデジタルでもない__といってもデジタルなわけですが__新種のアイデア発想体験となるでしょう。


ここから、心象風景の中に、一気に視界がハイテク方面に開けてきます。

発想の現場で、思考状態に即したものを「pBook」が提示してくれる、発想ガイドステップを提示してくれる、なんていうシーンも想起できます。

あるいは、脳波方面から、対話機能に技術ベースをずらしますが、記憶の中でぼんやり思い出せるあの情報ってなんだっけ、ほら**みたいな感じのさ、ってつぶやいただけで過去の紙面候補をポップアップしてくれる「pBook」もありでしょう。

また、最近、見やすそうなヘッドマウントディスプレイが出てきましたが、動きの中で、思考をガイドする情報表示方法が急速に発展していくと、ブレインストーミング中に、あのヘッドマウントディスプレイをかけて、全身を使ってわいわいブレストしつつも発想法をどんどん使って、アイデアの水準を上げていくシーンも想起できます。

さらに倉下さん”ビッグデータ”に絡めた話を展開し、そのあと暦本氏の言葉を引用しています。

「たとえばチェスの例だと、世界チャンピオンよりもコンピュータが強くなってチェスリーグの存在が危ぶまれたとき、「アドバンスチェス」という発想が出てきました。コンピュータと人間のチームがチェスをするというものです。両者の力が合わさるので、人間よりも、コンピュータよりも強くなる。そこがポイントです。「機械だけでは実現できないし、人間だけでもできない」という、新しく、そしてよりよい関係がつくれるわけです。」
(引用の引用で恐縮です、引用ここまで)

この点は、示唆深いです。

ビッグデータという変動しつづけるものを固定化した書籍コンテンツが自在に使いこなし続ける方法があるだろうか、あったらおもしろいな、と。「pBook」がそういうものであるならば、相当にオントロジー的な、メタデータのメタ処理といいますか、そういう汎関数みたいなものを内に多く取り込んだ姿をしているでしょう。ここまで来ると、「pBook」は、特定知識セットを抱きかかえた人工知能のようなものに近い気もします。

ナイトライダーのKitのように、カーチェイスに関する知識を膨大に持っていて、マイケルと対話しながらよりよい選択肢を提示したり、その戦術実行の一部を補ったり。

アイデアワークに特化したKit、いうなればそういうスタイルまで、想起しえます。

・・・という話は、らした先生(倉下さん)もそのあとに続けて書いていますね。

興味深いので同ブログから、もう一つ引用します。

しかも、それは「それとなく」行われるはずです。コンピュータが私たちの前から姿を消す(≒見えなくなる)ように、「アドバンス発想技法」も、見えないところに潜り込んでいくでしょう。

さいごに(※中見出し)

最終的に「発想技法の本」のいきつくところは、消滅という名の停留所です。しかしそれは足踏みすることを意味してはいません。むしろ、そこからバスを乗り換えるのです。

(引用ここまで。)

加藤さんの記事が出るよりずっと早く、倉下さんはブログを書いています。加藤さんの見つめる未来像も、倉下さんのも、同じ姿を結像していきます。

ビジネス書はすべからく、身体知に寄り添う。

そういう未来になるのもしれませんね。

一方で、古典文学などは、そういう方面にはいかないので、Book Classic、という「今の本」に似たものも残っていくのだろうと思います。

読むことを楽しむ人には、Book Classic
知識を使いたい人には、pBook

そんな流れ。

だとしたら、あえて「読むことを楽しむ人のためのアイデアの本」というものも、再びあり得るのでしょう。それはたぶん、孤独を強いられるクリエーターのマインドの気持ちを強化してくれるような本でしょう。

でも、それならそれで、その本には、作者の肉声での記録がついていたり、簡単な対話をしてくれる機能がついている方がさらによさそうなので、やっぱりちょっと「pBook」寄りになるのかもしれませんね、今よりも。

・・・

さて、さて。

加藤さんと続けてきた「往復書簡」いよいよ、次がラスト書簡。石井のターンで終わります。

加藤さんの最後のボールを受け止めます。

「単行本からテキストへ」なんて云ったココロは、「選択肢としてのアイデアをたくさん出す、という行為を至って普通の、誰にでもできる習慣にしたい」気持ちの発露からでした。

 石井さん、どうしたら「習慣化」されるんでしょうか???

2015年7月21日
かとうまさはる拝

(引用ここまで)

おおぅ、、、。最後の締めくくりは「習慣化するには」、ですね。

これ、アイデア発想法の研修やワークをしていく中での永遠の課題です。ある事例では相当に継続率のいい発想手法ですら翌年の継続率は、11%だったそうです。いい水準でそうなので、平均でいえば一年後継続使用率は、数%でしょう。

このボール、大事に温めて、秋ぐらいまで全国を回りながら、考えてみます。

posted by 石井力重 at 23:55 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

アイデアスイッチのメソッドが、経産省の本に引用されました。

旅仕事から旅仕事への日々で、書きたいことのストックがたまる一方、使える時間がすくなくて、久々に書斎に座ると、未開封の封書が山ほどあって、もう次の旅仕事が目前だ、なんていうと、いただいた書籍はとりあえずスーツケースに、ということがよくあります。

そんな中から、一冊。

経産省の本が届いていました。

6w3h_METI_Book_001.jpg

以前、FMSの三輪さんとともに、東北大学での農商工プロデューサーの教育コースで、連携しながらアイデア創出ワークをやっていた時期があります。その時に、アイデアのアウトプットのフレームワークとして、拙著アイデアスイッチから、6W3Hシートをもってきて使っていました。

6w3h_METI_Book_002.jpg

三輪さんはその枠組みを気に入ってくださったようで活用してくださっていると聞き及んでいます。この本も三輪さんのご執筆なされたパートがあり、その中でこれを引用という形で載せてくださっています。

6w3h_METI_Book_003.jpg

こういう配慮深いところは、三輪さんの(コンサルとしての力量と同時に)もう一つの側面ですね。連携する講義でお付き合いしているときに、とてもそういう部分を感じました。

以上が、この記事タイトルから、書きたいところでした。

━━━━━━━━━━

ここから、話はB面です。
(レコードやカセットのアナロジーなのですが、若い人にはわからないですよね。執筆余話、みたいなものです。)


アイデアスイッチが出てから6年がたちました。
頭の中の知識セットを、本にすることで、2つの側面がありました。

一つは「時間と関係性を乗り越えて、届く」ということ。時々、読みましたよと言ってくれる方とお会いすることがあります。

二つ目は、「引用できる知見になる」ということ。どれほどWEBで書いたり、講演でしゃべっても、揺れる存在である「流動的なコンテンツ」はかための本に引用されにくいです。(WEB媒体には、逆に、WEB情報のほうが引用されやすいです。)

次の本を書こう書こうと思いつつ、もう6年がたちました。41歳もそろそろ終わろうとしています。夏の終わりごろにカウントアップしますので。

夏場は、比較的涼しい仙台の書斎にこもって開発と執筆の時期に充てたいところなのですが、近年、学校系(大学と高校)の講義をもっているので、尻についた火が消えずに、蒸気機関車のごとく、旅から戻ってあわただしく次の旅へ、という日々。

じゃあ、講義を本にしたら、とも思うのですが、残すものだから、何かの副産物として作るのではなく、本のために向き合って、生み出したいんです。

フェイスブックに、旅の記録、日々見つけて考えている気づきやアイデアのかけら、をよく載せているのですが、その時間を削るかなぁとも、思います。少なくとも、数冊分の分量の文字と時間を、SNSにはこの6年間で書けたとおもいますので。

本の読者というものが、有限であり、人数×年数の面積積分が一定値だと仮にするならば、その形は、ほそく、時間の遠くのほうまで続くものがいい、と思います。

ヒットとは無縁で、しかし、ある種のひとの本棚には、引っ越し10回を乗り越えて残るような、そういうものが、書籍の理想だと、僕は思うのです。僕の本棚にもありますよ、そういう本が。「考具」と「スウェーデン式アイデアブック」です。加藤さんとは、往復書簡をする関係に今なっているなんて、昔の僕からしたら絵空事だったでしょう。

そう考えると、いずれ、フレドリックヘレンさんとも、お酒を飲んで会話できる日も来るのかもしれません。ストックホルムとかシンガポールのクエイティブエリアでお酒でも飲んでいたらある日偶然に出会えたりしないかなぁ、なんて。

posted by 石井力重 at 22:16 | アイデアプラント 4th(2015-2017)



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