2015年12月11日

問題→解決の間

積み上げた文献と辞書の山の谷間にあるノートPCから、これを書いています。
この数日は、毎日8時間ぐらい、本、辞書、ペン、紙、コーヒー、だけの静寂の部屋で過ごしています。

ある文献で、シンプルながらに的を射ていて、心に残るものがありました。

「問題」
〔洞察〕
『解決策』

世の中には、この〔洞察〕の部分がない問題解決アクションがひしめいています。
いわば、即物的な解決法です。

例えば、こういうスタイルのものです。

「熱が出た」→『冷水をぶっかけよう』

「歪んだ」→『でっぱりを切り落とそう』

洞察、というステップをとるなら、

「熱が出た」→〔ウイルスかもしれない〕→(検査をしてそうだとなれば)→『薬を投与しよう』

「歪んだ」→〔土台の強度不足かもしれない〕→(検査をしてそうだとなれば)→『土台補強をしよう』(一度解体するか、ジャッキアップで行うかのいずれにしても)

と、なるでしょう。


<<大辞泉より引用>>
洞察:
物事を観察して、その本質や、奥底にあるものを見抜くこと。見通すこと。


別の文献で、ぐうの音も出ない、良い言葉がありました。

「われわれが課した制約によって解決不可能になる問題が確かに存在する」

これは、実にあることです。

心の中に巣くう心理的惰性が勢力をふるうことをゆるしている時、自己都合による制約条件を課して、問題解決にあたっています。真の制約条件ではなく。

それで、「解けないな・・・」と悩み、それ以上一歩も先に進まない。そういうことが、本当によくあります。



ミニ・コラム「心理的惰性について」

人には心理的惰性があります。
TRIZなどによく出てくる創造的心理をめぐる表現の一つです。

本格的な創造的取り組みは、大抵、問題をじっくり吟味するフェーズがあります。
目の前の”それ”の解決の前に、根底にあるものを見定める、という作業です。
心理上、「それは面倒なことをすることになるので、嫌だ」という反応が起きます。
「ちゃっちゃと、目の前の問題だけを解消したい」という気持ちがおこってきます。

木箱の中に、分解したら取り出せる大きなおもちゃがあり、それを強引に狭い穴から引っ張り出そうと、ガチャガチャやっているみたいなものです。出てこないので力任せに引っ張る式アプローチ。特に、眠い時、疲れている時、面倒な時、人はこういう荒っぽいことをします。

(石井風に説明しました。正式な表現はTRIZの教科書的文献を。 『TRIZ 実践と効用(1) 創造的技術革新』)



さて、・・・



と書きかけてやめました。

今、読み込んでいる文献群は、異種の領域(ビジネス、テクノロジー)のものです。
ここに書いたものは、まだ概念の整合性を見ていない段階の「断片的な知識」と感想メモです。

使い込み、本質を得て、技法に昇華させられた暁には、この先の話をもう少し書きます。

posted by 石井力重 at 16:39 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2015年12月10日

仕事中にふと、描いたもの

仕事のための文献を没頭して読み込んでいると「アイデア創出期」のようなものが、やってきます。

そうすると、思い浮かぶものが邪魔して読みにくいので、二度ぐらい頭をよぎったら書き出して追い出して、文献の読み進めに戻ります。

だいたいは、後で読めもしないミミズみたいな文字ですが、たまにはこういう感じにアイデアスケッチ風のものも書きます。

ideamemo_sharin-tsue.jpg
アイデアメモ。「車輪杖」

  • ベビーカーのような軽量高強度の材質。
  • ダブルホイールの車輪が前後に。
  • 松葉杖のように脇と手のひらでホールド。
  • 自転車のように全体重を、とはせずに、体重の3割〜5割を預けるもの。

  • 体重を支えることに使う筋力を軽減して、前に進むことに従来よりも多くの筋力を使える、というコンセプト。

  • 乗っかれてしまうと、道交法上の「乗り物」になりそう。
  • なので、あえて、乗れない。
  • 器用な人だと、月面を歩くように、ひとけりで2メートルぐらいは進むかもしれない。

そんなアイデアメモを書きました。

こういうものが日々沸いてきては意識の奥に沈み込み、それがまたどこかのワークショップの際にあがってきて、何らかのコメントの材料になっていきます。

posted by 石井力重 at 17:38 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

au未来研究所さんのページにも、ハッカソンの様子とアウトプットが。

一日の仕事を終えて、書斎を発つ前に、モバイルWifiでネット環境に入りました。
(書庫書斎には静寂と、ということで、常設Wifiは入れないのです。)

先の記事に加えて、追加で報告を。

au未来研究所 WEBサイトにも、イベントの様子が公開されました。

レポート

プロトタイプ

エンガジェットさんのレポートとはまた違ったテイストで場と産物を知ることができます。
(ページを下がっていくと、写真が浮かび上がる効果も素敵。)

多様なことが展開する現場を切り取り、報じる「表現」の事例としても、ぜひご覧になってみてください。
posted by 石井力重 at 17:28 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

【Engadget日本版】ハッカソンの様子と作品が公開されました(Idea to Prototype の実例)

銀色の空を見上げて、遅れていた冬がすっかり来たなぁと思いつつ、机に向かっています。

ある冬、北極圏に1週間ほど滞在したことがありますが、夜に閉ざされた世界を体験してからは、冬の日差しがとてもありがたいものだと感じるようになりました。

それはさておき、本題です。


先月行われたau未来研究所のハッカソン。

このプロジェクトを一言で称するならば、本格的な”Idea to Working Prototype”のイベント。
アウトプット(=稼働するプロダクトの創出)に重きを置いているのがこのハッカソンの特徴です。

その様子が、エンガジェットさんのサイトで公開されました。



いい文章と構成です。
読んで楽しいレポートであり、かつ、抑えの効いたテイストの読ませる長文記事です。
三度読み返し、感服していました。



余談:

このイベントの主催者さんとやりとりして、そこでも感心したことがあります。

2週間のために、外から見えない膨大な精力的努力を運営側はしています。

  • 参加者募集と選考もかなり心砕いておこなわれています。
  • DAY1とDAY2の間の二週間、エンジニアサイドからのサポートや事務局の見守りや合の手などもかなりなされています。
  • そしてそのあとも具現化に向け綿密な運営サイドの活動がなされています。

ここまで詰めるのか、そしてそこまで時間をかけて準備しているのか、というのが、素直な感想でした。
どういう結果に辿り着くのであれ、それが、その時点で出せる最高のパフォーマンスだろうなぁと、思いました。

hach-a-thon.jpg
写真はDAY1のもの。
右の男性は、エンガジェットのTさん。
動いて、スマホ打って、話して、目は何かを確認して。怒涛の仕事量。
posted by 石井力重 at 14:56 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2015年12月09日

特色というのは、オリジナリティという一振りの枝から、葉っぱや小枝を削ぎ、ほとんど汎用品に見える杖を作ること

何度もアイデアを出し、ツールデザインとテストプレイを重ねてきたとある開発プロダクトが、だいぶ落ち着いてきたところで、パートナー企業での二度目のテストプレイをしました。

ところが、やってみると、どうも違うんだよなぁという違和感。

別のところでやったテストプレイのフィードバックを受けて、簡素化してみたルールが、かえって思考しにくさをあげてしまったり。

こういうことは、語られないだけで、開発過程にはよくあります。聞けば聞いただけよりよくなる、というのは幻想で、時には「得たフィードバックの内、取り入れるものと、取り入れないものとを、意思をもって選り分ける」ことも、必要です。

こういう時、若いころは「ああ〜、せっかく変えたのに、戻すのかぁ」と、がっかりしたものですが、今では自信をもって「こっちの選択肢のほうがいいということがこの変更によって分かったのだ」と感じるようになりました。

(良い実験とは、望む結果が出たときに何らかの計測がなされ、望まない結果が出たときに何らかの発見ができるものだ、と昔何かの文献で読みました。望まない結果がもたらすものを、「情報」としてとれるような、仮説と検証をまわすように、開発は進めたいものです。)

さて、改良方針も見えてきましたが、これは、たぶん、もう一度、バラバラに分解して、アイデアの素材箱に戻して、結晶化を待った方がいい系統のプロトタイプだな、と、直感が働きました。

そういう場合も、もうひと手間かけて、これはこれで、どこかの研修で、最適なシーンがめぐってきたら使えるようにして、最終形を保管します。


さて、それとは別に。

この開発の中盤で、テストプレイを終えて振り返り洞察をしているときに、ふとアイデアが湧き出てきて作った別の試作品があります。
先日の三重でもテストプレイしてもらったものでして、今日のテストプレイその2、として体験してもらいました。

このツールは出だしで数枚のカードを書き出す時間がちょっとあります。
当初、私がそのコアになるとおもって載せていたオリジナルの発想技法は、各地のテストプレイで異口同音に「これ、難しいよ」と言われて、汎用的なものに方針転換。(素直にタイプAに。)

この辺は、開発者として、愛をもって癖のあるエッジを立て、そのうえで公平な耳で声を聴き、癖をそぎ落としていく、という作業がいるのだ、と長年の経験で身に染みています。

特色というのは、オリジナリティという一振りの枝から、葉っぱや小枝を削ぎ、ほとんど汎用品に見える杖を作ることだ。

そんな風に、私は思います。

テストプレイの終盤の風景を、一枚。

IDEAPLANT_idea_assist_tool_making.jpg

試作品1より、ずっとシンプルで、ビジネス市場的にはアリだよな、と自分でも思っていたのですが、今日のテストプレイでも、同じ感触が得られました。

プロジェクトチームの創造的トークの醸成用途に使えます。

更に、プレイ後にディスカッションして「普段の会議のアイデア創出のサポートツールとして使う用途」も、あるといい、ということになりました。

実はこのツールが最初に頭に思い浮かんだのは、「会議のアイデア創出のサポートツール」でしたので、その場でざっとそれを説明して、ラフに対して概ね賛同が得られました。

後は、大まかな価格政策や、製造容易性を上げるのための検討などをして、終了。

この後は、石井なりにマニュアルを作り、テストプレイでそれを磨いていきます。


余談:

昨晩はこの第二のプロトタイプのデザインのことを考えていて眠りにつき、夜中に急に、第三の製品、が頭に浮かび、深夜起きだしてメモをとって眠る、ということをしていました。

この開発の他にも、クライアント企業さんに回答しなくてはいけないことや、文献を読み込んである資料を作らないといけないこと、などが目白押しの年末進行のさなかなのです。

しかし、こういうひっ迫の時期にこそ、最良のアイデアがやってくることを何度か経験しています。

最良のアイデアは最悪のタイミングでやってくる。

なぜかは知りませんが、アイデアとはそういうモノのようです。

ただ、そういう特性があるのだとしたら、普段からできる努力があります。

  • それは、体力をつけること。繁忙期に、頑張りがすごくきくように。
  • それから、普段は睡眠をよくとり、粗食を心がけること。
  • あとは、文房具をストックしておくこと。
この数日は、(外から見えない)タスクの嵐の中を一気呵成に突き進んでいます。
posted by 石井力重 at 21:40 | アイデアプラントの試作の目線

2015年12月08日

博士課程の院生さんたちに、講義&ワークショップをしてきました。

東北大学の主に博士課程の院生さんたちに対する特別プログラム「イノベーション創発塾」で3時間講義をしてきました。

innovation_juku_.jpg
プレゼン・トーナメントの風景。

tohoku_Univ_003.jpg
好きな事×得意な事のマトリックス。ビジネス・アイデアのブレストの素材として。

tohoku_Univ_004.jpg
今日のタイムライン。
(講義詳細は、このブログ記事の前の記事に、スライドで掲載)

院生さんたちが、想定したよりもずっと多く、踏み込んでワークに取り組んでくれたので、急遽プログラムを変更して、ブレインストーミング、ディスカッション、プレゼンの部分を大幅に拡張。

プレゼンでは、皆さんの中から勝ち抜いて、ファイナリストとしてプレゼンしてもらったアイデアは、いい事業アイデア・製品アイデアに展開しそうなものが結構ありました。

(そこでそれを、私が口に出して言うので、講義時間が長くなってしまった、という側面もあります。)


<<ここを見てくださった受講者の方に>>

皆さんが、名刀を研ぐこととは違うことをしようとなったら、自分の才覚で「ひとり分の飯ぐらい、食うたるわい!」という気概とアイデアをいつもあたためつつ、未踏の闇を切り開いていってください。

名刀(高度知識)を携えて冒険の旅(ビジネス)にでる、というのも、伏線的なキャリアパスとして、実は結構、悪くないです。

今日この場で考案したこと、ぜひ、いつか「道が行き止まりだ」なんてことがあったら、ふと思い返してみてください。

孤高の尾根を歩く日々でしょうけれど、目を凝らしてみるとものすごい数の人生の可能性が、いつでも、どんな段階でも、たくさんあります。

もちろん、アカデミックキャリアを行きたい人は、全力でその軌道を駆け上がるといいと思います。

芸の道、学の道、商の道。人生のパスというのは、どれもよいものです。
そして、そういう道は、分岐するばかりでなく、また交差するときもあります。

教員免許もアカデミックキャリアも、まったく目指していない道へ踏み出し、突き進んできた私が、今では早稲田大学の非常勤講師や、いくつかの学校のゲスト講師”も”しています。(メインはあくまで、ビジネス、アイデアプラントの代表としての仕事、ですが。)

つねに第三の選択肢を作り出すことを、繰り返してみてください。
それを選び続けると、10年後には、きっと思いがけないところ立っています。

アイデア一杯の人は、つねに道が明るいものです。





余談:

久々の母校で見た風景を、何枚か。

tohoku_Univ_001.jpg
青葉山キャンパスの内部者しかとおらない通路に。
これがなんであるかは不明。

tohoku_Univ_002.jpg
ソーラーバレー。
カタールは震災からの復興の原資をずいぶん出してくださった国です。

しばし散策し、自分が修士課程だったころ冬が来ると、深夜に研究室を出ると青葉山の森林から湧き出すみずみずしい空気をすって、頭を冷やしたなぁと、思い出しました。
  
posted by 石井力重 at 16:35 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

2015年12月07日

【スライド】イノベーション特論「ベンチャー企業とキャリアパス」(12月8日、東北大)

アインシュタインの言葉を借りて、講義は始まります.jpg

東北大学での講義資料を掲載します。
(12月8日、イノベーション創発塾、石井担当回)


アイデア発想法は、ほんの1エッセンス、使うだけで、ほとんどは、皆さんのディスカッション時間です。

自分の創業ケースを偽りなくしゃべるというのは、苦労、迷い、芽生える奢りと戒めなど、恥ずかしいことを開示することでもあります。

母校に貢献するのは、かつて受けた恩を、次の世代へ返していくことです。精一杯話してきます。








posted by 石井力重 at 15:53 | アイデアプラント 4th(2015-2017)

目的関数(何を最大化しようとしているか)

最適化問題は、ある量を最大化しようとして、構成する要素が内包するもろもろの変数の値を突き止めていくことです。
「目的関数」というのは、この「最大化しようとする量」のことです。

純粋な数学や物理の問題であっても、この目的関数は、必ずし、二次関数のような線型方程式で表現されるわけではありません。
変数の中には、コインの裏表、のようなものもありますから。

さて、本題。
ここからは話を、人文の世界に。


人生の目的関数

人生の目的は何でしょうか。
お金?楽しい娯楽?食事?

あらゆる人についてそれを一言でいえば「幸せ」でしょう。

近似的に「お金の増加=幸せの増加」と見る人もいるので「お金」と応える人もいるでしょう。

ただ、年収はある一定ラインを超えると、年収の増加と人生の良さの増加は単純な比例ではなくなります。

幸せを学術的に研究する研究者も世の中にはいまして、定量的に、1000万円※を超えるあたりからは、「年収∝幸せの度合い」という比例関係はなくなる、と。

(※ 研究文献はドル単位なので、円表記上のザックリ数字ですが。)

もちろん、研究された結果だからそれが絶対とは言えません。

データ分析するには可測量でなければならないので、幸せというのを何らかの量で代替えして別の量でみたり、幸せの感受に相当する質問を設定し本人の感覚をリッカートスケールで回答してもらうなど、特定のアプローチで調べるわけですが、それが将来、否定される可能性がないわけではありません。

さらに言えば、幸せ、とか、創造性のような、統合的で複雑な営みで、曖昧だけれども皆が把握している概念というのは研究が難しいものです。研究には、さまざまな反論や別の研究アプローチによる別の結果もたいていはあります。上記の1000万円というのもまた、1ケタぐらいの違いをもった研究もあります。

こういう「捉えどころのない量を最大化しようとすると、やりにくい」ので、ついついわかりやすい「収入」とか「労働時間の短さ」とか「ライブに行く回数」とか、そういう即物で考えてしまおうとします。

ですが、それは一足飛びに結論をだして、大事なことを欠いています。

その人が、人生において、本当に最大化しようとしているもの。
人生の「目的関数」。

最適化問題(ある量を最大化しよう)という行為は、人生のあらゆる局面、あらゆる時間的尺度でわれわれの心に立ち上がってきます。
互いに矛盾するものもあります。

たとえ話。

旅先で興味深いミュージアムに入ったら、「できるだけたくさん、興味深いものを見たい」という目的関数が立ち上がってきます。
また、「移動の電車はできるだけ、体力を使いたくない」という目的関数も別にあります。
昼過ぎの電車はすいていますが、夕方の列車は混んでいます。
この2つの目的関数は、矛盾します。

いくつも湧き上がってくるものを全部抱えて自分という人間が生きています。

人生がなんども巻き戻せて同じ一日を仮に過ごせるなら、いろんなパターンのその一日をすごすと、「ミュージアムを見たい欲求は3ぐらい叶える」「電車で楽に、は7ぐらい叶える」と目的関数が最大化するのだ、分かります。

ただ、我々は、最上位にある目的関数(たぶん、幸せ)をはっきりと関数で定義し、全変数の値を算出し、その上で正確に行動する、なんていうことは、現実にはできません。

ただ、自分の声に耳を傾けていけば、経験を重ねることで分かるようになったりしもします。

自分の選択した行動がどれぐらい自分を幸せにしたか、ということはだんだん蓄積されていきます。
そして、行動の精度が上がります。
関数そのものはわかりませんが、だんだんと、自分の根底にある願いをかなえるように行動できるようになります。(なれるように人もいます、というべきでしょう)

一見、非合理的な意思決定や無駄に見える行動をしている人がいますが、その人の最上位にある目的関数を最大化することに則ったものであるならば、実は、最適化問題の合理的行動なわけです。


迷いが芽生えるのは良いこと

1.目的関数というものがある。
2.人生はたぶん、統合的な要素の最大化が、目的関数になっているはず。
3.捉えにくい量は扱いにくいので、近似的な即物的なもので表現してしまいがち。
4.その近似的ファクターもあるレンジまでいくと比例関係から落ちてしまうこと。

そうなってくると、人は迷います。
「それ(即物的ななにか)を追い求めたかったんだっけ?」と。

そこで、

5.自分が、最大化しようとしている目的関数はなんであるのか、を見直す。

そうすると、乗っていたレールを飛び出して、軌道修正をすることもあります。
(ライフスタイルやワークスタイルを変えるケース)

最大化しようとする目的関数を、現在の道の上に「再設定する」ケースも出てきます。
(当初の最上位の目的関数とは別の目的関数がより上位になるケース。)

迷いが生じるのは、相関性のある即物的な量の増加に取り組めばよいフェーズを卒業しかかっている時なのだろうと思います。


才人のスランプ

スランプの時期にいる才能ある人に、私はこう言っています。

「スランプというのは、自分の心が『このステージはやり尽くした。そろそろ次のステージに上がるべき時だよ』とシグナルを送ってきていることだと思いますよ」と。

ゲーテの言葉があります。

「Es irrt der Mensch so lang er strebt.」

森鴎外の翻訳、などもありますが、よりヒューマンな作家、手塚治虫の日本語訳を添えておきます。

「人間は努力するかぎり迷うものだ」


努力をしないなら、即物的な目的関数で近似できるレンジを行ったり来たりして一生は終わる。
しかし、努力の人はいずれ、相関性のあるレンジの端っこぐらいまで行く。
それが、人によっては、悩み、だったり、スランプだったり、不調だったり、虚無感として、心に登場するのだろうとおもいます。

  
努力する人は、迷うもの。
迷いは進歩の途上にあることの証。

そう思って、目的関数が本当は何だったのかを見直して、道を行くべきなのでしょう。


石井の見ている風景

私は、いつも思います。

”行くほどに、道半ば。”

進むほど、この道の先に見える道はもっともっと遠いところまで見えてきます。

1つ分かると10個分からないことが出てくる。

芸も、学も、商いも、人も、そういうものなのかもしれません。
posted by 石井力重 at 14:38 | 日記、価値観、仙台オススメ



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