急遽、台湾に行ってきました。昨晩帰国しました。
【1.新竹の話】
台湾の公的研究開発機関(日本でいう、産総研に近い組織)から、講演とワークショップの依頼をいただき、その打ち合わせに来ました。
渡航しないで、オンラインミーティングという選択肢もありました。しかし、3つの理由があって、渡航することにしました。それは長くなるので、最後に。
訪問先は、シンチュー(新竹)です。
台北から少し南にあります。(桃園空港から車で北へ1時間行くと台北、南に1時間行くと新竹、といった感じです。)
台湾のシリコンバレー(でも、そういう言い方を台湾人が広く認識しているわけじゃないな、と今回の渡航で感じました。)
台湾の都市の中で、人口規模が第一の都市です。(ちなみに台北は4位です。高雄、台中が2位、3位に控えています。)
そのほかの都市のプロファイルとしては、“風のまち”であり、“ビーフンの産地”であり、台湾新幹線の駅があります。“新幹線”に関する情報も長くなるので最後に。
新竹のサイエンスパークにあるその研究機関では、デザイン志向やイノベーションのための部門があり、毎年大規模な講演会があり、さまざまなスピーカーを探していました。チームの中で日本語のできる方が、日本語でも検索し、私のアップしている「SlideShare」(プレゼンファイルをネット上に公開できるWEBサービス)を見つけてくれて、連絡をくださいました。
その講演、および、それと合わせて、後日、ワークショップも小さい規模で行いたい、ということでした。
現地を訪問し、情報交換して、講演の内容と、同時通訳での講演の方法について、10時から昼を挟んで、4時間ほどディスカッションしました。担当の方が日本語が非常にうまいので打ち合わせもすいすい進みました。
講演とワークショップのこともありますが、これがきっかけで縁が出来たので、時機が巡ってきたらこの機関に、日本の知人(イノベーションに取り組む企業や開発系の公的機関の方たち)も紹介したいと思いました。
この組織は、面白いものや、他分野の技術の高度なものを開発されているんです。
技術をいろいろみせてもらいました。古くは異なる金属同士を接合したねじからはじまり、インプラントへと発展してきた技術。タイヤの流化を脱硫化させてまた再利用できるようにする技術。人間科学に関する技術。また、中には、消防士の使うホースと吐出口の間にかますアダプター型の水流発電ライト、なんていうものもありました。銃につけるレーザーポインターのようなものです。夜の火災現場で消防士が狙う先をそのライトで照らせます。こちらは初めに技術があり、そのアプリケーション(現実世界への適用)が見つかったものだそうです。(シーズ主導型のイノベーションにはそういうことが良くあります。)
そんな風にして、新竹の打ち合わせが終わりました。
【2.懇丁の話】
さて、せっかく旅仕事に出たら、感性の仕入れもしてきます。
どんなに時間がなくても、絶対に何か見たり食べたり体験したり、をしてくることを自分に課しています。創造やアイデアのことを仕事にしているからには、感性を刺激するような、楽しいインプットが豊富に必要ですから。
というわけで、ここからは台湾を思いっきり南下した話を。
日本人の台湾旅行のイメージは「台湾旅行≒台北旅行」だと思います。
そして、「二度目の台湾は足を延ばして台北の郊外へ」なんていう感じでガイドにあります。九份(千と千尋の神隠し、のモデルに似た景色がある)、十分(願いを書いた大きな紙のバルーンを線路から飛ばせる)、淡水(夕日が美しい)など。
それでも台湾全土のスケール地図でいうと北端のちょこっとしたエリアです。
「そういえば、新竹と高雄、って聞いたことにあるけど、どこだっけ。」というぐらいの認識。
今回は、三度目の台湾渡航でしたので、台湾の最南端へも行ってみることにしました。なにかの拍子に耳にしたのですが、台湾の南端では海岸のきれいな街があってそこで滞在するのもいいもんだよ、と。で、今回は、そのことにトライしてみようとなった次第です。
その最南端のエリアは「懇丁(Kenting:ケンティン)」といいます。漢字変換的には、開墾・丁寧、と打ってから前後の文字を消すような感じで入力します。
(日本語で読める漢字は打てるのでいいのですが、例えば、「恆春」(Henchung:ヘンチュン)という地名は、日本語の日常遣いの漢字になく読めないので、読み方を検索しようにも漢字が入力できず困ります。恆は恒星や恒温槽の”恒“という文字と同じ意味のようです。懇丁は、恆春の中の一部の地域です。”恆春飛行場“があったりするので、懇丁に行こうとするとよく目にする文字です。)
HSR(日本でいう新幹線)で、新竹から南端(高雄にある左營駅)まで90分ぐらい。快適。
(高雄じゃないの?と、初見で混乱しがちですが、HSRで高雄までゆく、というのは、この「左營駅」まで行く、という意味なんです。高雄駅から地下鉄で20分ぐらい北の位置にあります。)
左營駅から、懇丁の中心地まで、懇丁快速、というバスが出ています。高速道路と一般道を走って2時間ぐらいです。やや快適。トイレのないものが多く、途中で休憩所があるわけでもないので、そういうバスに乗ったら、二時間トイレに行かない心づもりで体づくりをしておかないといけません。これが、ちょっときつい。座席そのものは悪くないです。
そんな感じで、新竹から「90分」+「2時間」です。HSRの切符を買って乗るまでの時間20分前後と、駅を出て左營駅でバスを待つ時間20分前後、も併せて、最短でも4時間10分はかかる、という感じです。(私はトータル5時間かかりました。)
懇丁の中心地である懇丁通り、は、台湾でも最大級の賑わいともいわれる夜市、という話です。シーリンヨイチ、よりも?と思いつつ、夜7時ごろにつくと、ものすごい賑わいの夜市でした。広さもそこそこありますが基本的に一本の通りの両側に仮設屋台がずらっと並んでいて、そこにビーチリゾート滞在者が、わんさかいます。両側二車線の車道の外側に屋台があるのですが、一車線は人々が密集してそぞろ歩きつぶれていて、立ち食いする人を避ける人が二車線目にも出ているので、夜市の時間帯にここを通る車はかなり徐行してはりします。ですが、大型バスも結構たくさん走るので、人々も適度に車に気を付けて車道にあふれているような感じです。台北のシーリンヨイチは様々な雑貨や多種多様なフード屋台が縦横無尽に広がりますが、それとはちょっと違います。懇丁通りの夜市にも雑貨はありますが、それはマリン雑貨の店舗が張り出した感じで営まれています。屋台の大半は、フード屋台です。ねぎもちやき、いかのすり身ボールをあげたもの、小籠包、といった日本人でも楽しみやすいものもおおく、南国の海岸リゾート独特の開放的な雰囲気が、わくわく感を醸成してくれます。(オーストラリアのGold Coastのサーファーズ・パラダイス、と空気がよく似ています。)ちなみに、マリン雑貨は、サンダルとか水着は、価格も安く品質もいいのです。日本の地方の海水浴の海の家でよく見る高くてダサいのしかないアレとはかなり違います。
店舗型の飲食店もあり、有名店トップ2もありますがそのさらに隣にある「南台湾」という店が僕はとても気に入りました。海鮮料理のついでにカクテルも飲めて、おすすめの「ケンティン」は、シンガポールスリングのココナッツ・フレイバー版、にといった感じで楽しく飲めました。
一泊目は、夜市を楽しむ時間にしかつけないので、懇点通りのど真ん中の宿を取りました。そこから海は見えないけど安くて広いホテルで、なかなか良かったです。
翌朝は、そこから2分ほど歩いて海岸に出てみました。噂通りのきれいな海でした。ただ、遊泳禁止の看板だろうものがあったのと、そこに流れ込む川が、ちょっと海水浴のモチベーションを下げる感じだな、、、と。(巨大な夜市がすぐそこにあって、そこが流す水は、たぶん、川にもそれなりに流れ込んでいるのかな、と。)
そんなことは、世界中の人気ビーチリゾートでよくあることなので、徒歩では往復できない奥の方の小さい湾のビーチに滞在するのがいいだろう、と思って来ましたが、それはやはり正解でした。
二泊目・三泊目は、SailRockビーチの目の前に立つ小さな宿に滞在しました。ビーチアクティビティがあるビーチなので、皆は車で乗り付けて楽しんで帰っていきますが、早朝は人っ子一人いないビーチです。流れ込む川もそこそこきれいで、水の透明度が高いです。私が足のつかないところまで泳いで行ったとき、海底はきれいにみえるほどでした。
そういう宿に泊まって、手ぶらでビーチで泳いでビーチから宿まで10秒、かえってシャワーを浴びて、エアコンの効いた部屋でビーチを眺めつつ仕事をする、という感じに過ごしていました。(まったく仕事を忘れてリフレッシュする、というのは、私には向かない、かえってストレスのたまる休み方なので、毎日数時間はデスクワークをします。その時、気持ちよくできる環境が欲しかったんです。この宿は理想的でした。日の出のすぐあと、誰もいないビーチで泳いでシャワーして執筆。昼は泳いだり、仕事したり。夕方は、部屋のテラスで一杯。そんな感じで充実した感性の仕入れができました。
こういうエリアに泊まると、移動の足がないと不便です。そこにだけ閉じこもりっきりになってしまうのはつらい。夜市のあるあたりへ気が向いたらみにいきたいし、最南端ポイントも見に行きたい、台湾の東海岸もすぐそこなわけで、日の出を見ることもしてみたい。そんなこんなで、今回は、バイクをレンタルしました。
懇丁で日本人が二輪を運転をすることは、比較的簡単です。車道は広く二車線あり、自動車の交通量がかなりすくなく、滞在客たちのたくさんの電気スクータが音もなく走っている(この風景はちょっと未来感のある感じがします)ので、日本人でも容易に運転できます。この電気スクーターは「電気自転車」と呼ばれていて、国際免許を持っていない日本人が、乗り物を借りようとすると、これ一択になるようです。
私は、今年はほかの国で運転する事情があったので、国際免許と日本の免許証を持っていました。懇丁通りのはずれ、北から来る人にとって、入り口のエリアにあるバイク屋さん(向かいにマックがある)で、この2つを見せて、“バイクを借りられますか?”と聞いたら、“OK”、と。エンジンのついたスクータ(125cc)を48時間借りっぱなしで、1200台湾ドル。日本円で4,500円。4時間とか8時間の電気スクーターのレンタル代金でも数百ドルなので、借りっぱなしでいられるならまあいいか、と。
(バイクのレンタル時には、試し乗りが出来なくても見るポイントがあります。まずタイヤ。車体がきれいでも、タイヤの溝がすり減っているものは避けます。タイヤの溝がきれいな新しいタイヤをはいているものを探します。最も重要なのは制動時の前輪。そして、次に後輪。両方ともきれいなものはそれなりにメンテされている可能性が高いです。そして、握れるならば、ブレーキもぐっと握ってみます。握りこんでいくと気持ちよく手ごたえが強くなるものがよいです。スッカスカものや、握ってすぐに握りこめないほど固くなるものは、ちょっと扱いづらいです。止まっているバイクでチェックできるのはここまで。本当は試し乗りできるなら、ある程度の速度まで出した後にハンドルから軽く手を放してみます。そしてハンドルがたたたと左右にどんどん揺れていくものは、できれば避けます。とはいえ、スクーターはハンドルから手をはなすのは、ニーグリップもないので危険ですので、乗りなれない人はしない方がいいですが。)
バイクを貸す人が「これがいいんじゃない」と目立つ色のスクーターをすすめてくれました。
出しやすいところにあるし、色もきれいでしたが、タイヤの溝がだめでした。選べる中で一番、前輪タイヤのいいのを選んで、後輪もチェックして、ブレーキも握ってみるころには、言葉があんまり通じなくても、“あ、この人は、バイクが分かっている”と、安心して、よりざっくばらんに接してくれました。
僕は、このバイク屋さんは、朴訥としているけれど、価格も車体も信用できるだろうと感じて、借りることにしました。(もしかしたら、もう少し安いところもあったかもしれません。でも、バイクは最安値じゃなく、しっかり整備しているものがいいですから。)
店の場所も、街のはずれ(懇丁快速が懇丁の中心地に入る入口あたりですが、バスは入口よりもう少し入ったところに停車するので、多くの人は滞在中に、一度もこの店のあたりまで来ません)なので、まじめな商売をしないとやっていけないだろうと思いましたし、バイクの品ぞろえがとてもよいのもありましたし。
バイク屋さんを出るときに、4つのことを聞きました。
・「給油口はどう開けるの?」「ここまでひねるんだ」「しまったことの確認は」「こうだ」
・「ここ(メットインスペース)はどうやってあけるの?」「ひねる、おす、ひねる」「OK」
・「ガソリンの種類はなに?」「95」「それってガソリンの名前?」「そうだ」、
・「この町の制限速度はいくつ?」「60」「サンキュー」。
バイクはほとんどガソリンが空で乗り出します。返却時も残さないでいい制度です。
すぐそばにガソリンスタンドがあり、係の人に「95,Full」とつたえればOKです。
満タンでも90台湾ドル。これだけで2日間もちました。
街の入り口にあるこの店から、懇丁通りを抜けて、次の小さい湾を抜け、10分ぐらい走ると、Sail Rockビーチです。そこまでタクシーでいくなら、200か300台湾ドルぐらいかとおもうので、その往復費用を考えると、バイクをここで借りることはかなりお得でした。
ちなみにここで見たバイクと電動スクーターの利用者はヘルメットをかぶっていましたが、中には三人乗り(子供2人を乗せたお母さん)が三人ともノーヘルで走っていくような風景も割とよく見ました。めったに事故がないとしても、旅行者は、基本的にはヘルメットは被ったほうがいいでしょう。(あと、長距離のるなら、サンダル・短パンも避けたいところ。靴と長ズボンが事故の際のけがを大幅に減らします。)
私は、日本ではバイクを手放してからずいぶん経つのですが、大型二輪の免許はあり、バイクを安全に楽しむことに余念がないタイプかと思います。このくだりが、長くなりました。
バイクがあったことで、この、リゾート地の奥のビーチに滞在することがとても楽しいものになりました。夜市までは、南国の夜風の中を10分。最南端の岬まで15分、夜暗いうちに起き出して最南端を回りこんで東側の日の出スポットまで25分。
バイクがなかったら、路線バス(すごく本数が少ない、遅い)か、タクシーだけが選択肢で、面倒だっただろうと思います。(タクシーは便利ですが、降りたら次にタクシーを捕まえられなそうな場所だけにしか、いけません。出ないと何もないところで、徒歩で帰る羽目になります。)
ちなみに、あまり推奨できませんが、最初と最後だけは、私の荷物である機内持ち込みサイズのスーツケースを足元に乗せて走りました。スーツケースを寝かせた方が安定するかと思ったものの、最終的には立てて、シートとフロントカバーと足で四点挟み込みして走るのがもっとも安定しました。バイク屋さんもスーツケースを乗せて走る客は少ないようで、どう乗せようかと試行錯誤していました。(できれば、ゴム紐を貸してほしかったのですが、そういう風な乗せ方をする部分があるバイクはありませんでした。どれも二人乗りのためのシートになっていました。)
話がそれすぎましたが、台湾最南端の街「ケンティン」での滞在は、とても楽しいものでした。人にお勧めできるか?といわれたら、台北からの移動時間はちょっとかかるものの、大阪→高雄、と入国して、高雄空港からでている長距離バスに乗れば、2時間後には、つけるので、関西の方が「沖縄、それも、那覇じゃなくて、名護のきれいなビーチで過ごしたい」というニーズには、同じぐらいの移動の手間で、ここにも来れるのでいいんじゃないかと思います。
海のきれいさは、比較する場所によりますが、沖縄本島のきれいさと同じか、さらにきれいな水準です。南国としての気温の高さは、ケンティンです。沖縄本島の南端あたりと台湾の北端に近い台北が同じぐらいの緯度です。ケンティンまで南下すると相当に熱帯です。台湾の下側1/3ぐらいは、北回帰線よりも南にあるので、いわゆる一年の内に太陽が真上にくる可能性がある赤道にちかいエリアです。日焼けも半端ないです。
夜市は、非常にワクワクしますし、おいしいです。(沖縄本島でいう国際通りも、夜の賑わいがありますが、もっと、プリミティブな楽しさがあります。)
南端の岬では、冷えたヤシの実をその場で穴をあけてストローをさし、提供してくれます。それで50台湾ドル(=200円もしない、これはやすい!)
台湾の方は、日本人にとても優しいので、つたない英語でしゃべっても、なんとかくみ取って対応してくれようとします。これは世界中どの外国に行くよりも、精神的に癒される気がします。
天候は雨もあるようですが、スコールで短時間どさっとふって、からっと晴れる、とのこと。私がいた三泊四日の間は、起きている間には一度も雨が降らず、スコールもない晴れだけでした。(宿の人に曰く、それはとてもラッキーで、普通はスコールに毎日会うもんだ、と。)
宿の値段は、ビーチまで徒歩10秒、みたいな宿をとる場合は、有名でないエリアの小さい宿を選ぶと、環境も値段も満足できるものになると思います。個人的には、Sail Rockが夜市にもほどほど近く、さりとて、徒歩では人がやって来られないので落ち着いて長逗留するにもいいかと。冬の間に、海の見える部屋に長く滞在して執筆でもして過ごしたいなぁと、思いました。
一年中気温が高いので、6カ月は泳げるそうです。5月〜10月。5月6月は梅雨があるそうで、雨がち。8月下旬から9月は台風。なので、7月から8月頭ぐらいが、一番気温が高く、シーズンとしてもいいそうです。台風の終わってまだ気温の高い10月あたりもいいかもしれません。(沖縄の名護では、シーズンオフの冬でも、マリンアクティビティーはウエットスーツを着て毎日提供されていました。多分、熱帯のここの冬はさらに条件がいいので、真夏じゃないけど日本人の感覚なら泳げるんじゃないかと。通年、クラゲはあまりいないそうです。(ただし私は、二度ほど、クラゲに刺されました。浜辺から離れて沖の方まで泳いだときに、腕の内側や足の甲にピリッと痛みが。急いで宿に帰ってシャワーで洗い流しましたが、数時間はピリッとしていました。少しだけみみずばれがでましたが数時間後には跡形もなくなっていたので、どうってことのないレベルで、沖まで泳げばまた刺されるけど、別にいいか、と思っていました。(ネットの防護エリアも一応あったみたいです。)
以上、、台湾最南端のビーチエリアがどんな風であるのかを今回は旅してきてみました。
【最後に:その1】
((渡航してミーティングした三つの 理由))
一つ目。互いに母国語でない言語を使ってやり取りしていくなかで、どうしても意図の機微がくみ取りにくくはあり、一度リアルに会って直接会話ができるようにしておきたかったのです。
二つ目。依頼された講演日は、前日は夜まで東京で企業内研修の仕事があり、ぎりぎりの綱渡りで、深夜便で台北入りするしかありません。今回同様に、夜遅くに桃園空港についてみて、どんな感じになるかを把握しておきたかったのです。
三つ目。仙台→台北の直行便LCC・タイガーエアを使ってみたかったのです。それが使い勝手が良いと、台北を経由地にして、各国に出ていきやすいな、と思っていまして。
(今年9月下旬から、Peachの同路線の就航が始まります)
そんなこんなで、二日前に思い立って、急遽台湾行きを決めました。
(そして、行ったからには、例によって、「感性の仕入れ」も行います。三度目の台湾なので、台北や九分・十分はかなり体験していますので、今度は目的地・新竹から南のエリアをいきました。)
【最後に:その2】
((台湾新幹線))
“台湾新幹線“と、日本人のガイドブックにはそう書かれることが多いですが、現地ではそういう風に言いません。
HSR(High Speed Rail)、あるいは、高鐵(多分、高速鐡道の意味)と表現されます。
乗ると、新幹線です。ちょっと仕様が違います。普通車の座席間が広いので椅子を倒しやすいです。大型荷物の置き場があります。非常出口の窓があります。
台湾新幹線は、北は台北駅(ともう一つ先の南湾駅)から、桃園、新竹、台中、台南、と左側の沿岸部の街をとおって、南端は高雄駅まで、走っています。(そのほかにも、日本人になじみのない駅もあります。)
この新幹線駅が、その街の中央駅ではないことが多い、という点を心得ておくと、旅のスケジュールが立てやすいです。
HSRの台北駅は、いわゆるちゃんと、在来線の台北駅です。わかりやすい。(その分、台北駅は結構複雑な作りで、駅の中の移動には少し時間がかかります)
HSRの桃園駅は、地下鉄の「高鐡桃園駅」です。空港までMRT(この辺りは地上を走っている地下鉄)で乗車時間は15分ぐらいです。運行は15分おき。夏の暑い日にホームで待つのは結構難儀します。(電車待ち時間を含めると、所要時間は30分ぐらい、とグーグルマップは言ってきますが、体感的にもそんなものです)時間を有効に使いたいときには、桃園空港〜桃園高鐡の移動は、タクシーがおすすめ。今回乗って345台湾元(≒1200円)でした。すぐに乗れて、ターミナル1のタイガーエアのチェックインカウンタのすぐまえの入り口につけてくれます。時間は15分。
HSRの新竹駅は、在来線の六家駅、と隣接しています。この在来線は、日本でいう長良川線みたいなレトロ感のある列車。30分に一度ぐらいの運行で、タイミングが悪いと長らく待ちぼうけです。在来線の新竹駅まで20分ちょっと列車に乗ります。(なので、さっとタクシーで街中へ行く方が時間が有効に使えます。1000円前後かと)
このルールで行くと、高雄もきっとそうだろうと思っていると、南端であるはずの高雄の駅名が、HSRの駅名にありません。代わりに「左營」という見慣れない名前。
HSRの高雄の駅は、駅名は「左營駅」といいます。ズォイン、みたいな発音をします。ここから、地下鉄(同じ駅名)で南に20分ぐらいで「高雄駅」につきます。高雄の読み方は「ガオシェン」。
南に向かう新幹線の行き先の表示も「左營」となっていています。新幹線は、北上か南下しかないのですが、「北上する新幹線は、南湾 行き」。「南下する新幹線は、左營 行き」と、いう感じで、事前知識がないと、ちょっと焦ります。旅人としては、台北行き、高雄行きって、出てほしいですが。
ということで、日本の新幹線と構造的ににた状況になっていました。(新幹線の大阪は、≠大阪駅、だけど、新幹線の東京は、=東京駅)
基本的に、HSRの駅は、在来線の中央駅から遠い、という認識でいた方が時間の読み間違いが少ないでしょう。そして、HSRの駅から街の中央駅までは、距離がある割には、タクシーで1000〜2000円なので、タクシーの利用を前提にしたほうが旅がスムーズに進みます。
列車には自由席、普通席、ビジネスクラス(グリーン車に相当する列車)があります。
おすすめは、ビジネスクラスです。新幹線の料金は日本の感覚にくらべかなり安く、そして、普通車とビジネスクラスの価格差が、長距離だと割と小さいです。(逆に短距離、例えば桃園〜新竹、とかだと価格は二倍以上と割高感が強いかもしれません。)
ビジネスクラスでは、お菓子と飲み物をくれます。暖かいウーロンティーがおいしいです。
また、旅人にありがたいメリットとして、切符を手に入れるまでの時間が違います。
窓口がビジネスクラスは別になっていて常に空いています。普通席は長い行列があります。
新幹線の切符をオンラインで予約しておいても、紙の切符を手に入れるには、窓口に行く必要があり、そこで行列に並ばなくてはなりません。乗り遅れないような安全を見た時間をとると駅での待ち時間が長くなります。すぐに帰ることもあるけれど、長い行列ができている時もあります。
ビジネスクラスの切符にしておくと、そのロスがありません。せいぜい1〜2分も待てば、順番が来ます。
以上、台湾渡航の報告でした。