日経新聞社のサイトに、興味深い記事があります。※1 ※2
10の起業アイデアの型を、シリコンバレーのスタートアップス(ベンチャー企業)に精通した方が紹介されています。
(1)中間プロセスの排除 (2)バンドルを解いて最適 (3)バラバラな情報の集約 (4)休眠資産の活用 (5)戦略的自由度 (6)新しいコンビネーション (7)タイムマシン (8)アービトラージ (9)ローエンド型破壊 (10)As a service化 |
どれも端的に、今のベンチャーの着想の型を記されています。
この中身を、アイデア発想法の研究者としての石井の視点から見ると、「なんとなく、SCAMPER ※3 のフレームワークに似ているな」と感じました。
そこで、10の型を、SCAMPERのフレームワークに、写像してみました。(クリックすると大きくなります)
※本画像は、転載引用せず、元データに必ず当たってください。(記事サイトより内容を引用し、かつ表現を石井が圧縮・再表現してしまっていますし、また記事の解釈の誤りも含まれる可能性があります。ぜひ元の記事をご覧になってみてください。)
なお、記載の順は「CEMRAPS」順に、整理しなおしています。※4
スタートアップがエッジィに切り込んでいくときには、やはり、「E=削除する」という思考様式が、型としておおいという印象を、並べてみて感じました。
E(削除系)=〔中間プロセスの削除〕〔アンバンドル〕〔ローエンド型破壊〕
なお、分類した際に、全部がすんなり分けられたわけでなく、「強いて、SCAMPERの型に当てはめるなら・・・」という感じに分けたものもあります。SCAMPERの項目では、受け取り切れない本質もありました。たとえば「集約する」という型が欲しいところですが、ないので「拡大する」という枠に入れています。
BMCなどを用いて、ビジネスを整理し、そして、新事業を構想していくようなワークによく立ち会います。
そういう時に、こういう切り口をたくさん知っている人は、発想の材料が多くなり、検討作業の質が上がります。
良い記事だと思いますので、新事業に携わる方は、元記事をご覧になってみください。
===捕捉===
※1
起業アイデアを検証、代表的な10個のフレームワーク
起業の科学(第10回)
2018/7/14 6:30日本経済新聞 電子版
※2
日経新聞のサイトは、IDがないと開けませんが、IDをつくれば無料で月数本の記事が読めます。
※3
※3
SCAMPER(スキャンパー)、アイデア発想法の一つ。発想トリガー法、と呼ばれる技法のひとつで、トリガー法の中ではもっとも汎用性が高いもの。「くっつけてみたら」「削ってみたら」「形を変えてたら」「逆にしてみたら」などの7つの問いかけで構成されている。(オズボーンの、あるいは、アイデアのチェックリスト、と一般的に呼ばれているものとほぼ本質は同じ。)
※4
CEMRAPS(セムラプス)、石井が研究者としてアレンジした現代日本版SCAMPER。SCAMPERは、その順に発想すると、発想における心的操作の量が大きいものが先頭にあり、使いにくいので、思考処理量の少ない順に並べなおし、多くの日本のビジネスマンたちに使ってもらい調整したもの。C=結合、E=削除、M=変形・拡大縮小、R=逆、といったすぐに思考展開しやすいものが先頭にきている。)