私の初の書籍『アイデア・スイッチ』(2009年)は、11年かけて、初版が完売しました。
本の著者というのは、ときどき自分の本が必要になります。
最近、買おうとして、売り切れていることに気づきました。
出版社さんに問い合わせたところ、
初版完売で、売り切れ・重版無し、になったそうです。
(在庫残し絶版、とかにならずよかった・・・)
アイデアスイッチは、記憶では確か、
初版5000部ぐらいだったんじゃないかと思います。
(追記:当時のメールを検索したら、6500部でした)
世の中にそれだけの数が出ていったんだと思うと感慨深いです。
読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
そして、完売が、二冊目の本を出そうとしている今だというのが
奇妙な縁を感じます。二冊目は別の出版社さんなんですが。
常々思うのですが、
「マーケティングがすごくうまく、要らない人まで買う商品」は不幸です。
踊らされて買った人によりレビューは荒れます。
メルカリには二束三文で出回ります。
そうして価格が下がります。
商品は何も変わらず、価値も変わらないはずですが、使う気になる・読む気になる、というファクターを失ってしまいます。
愛用者も、他者の評価が影響することは心理学的に知られています。もう使うのやめた、となりがちです。
話題の「旬」の品がこうして、旬を過ぎて消えます。
願わくば、必要な人だけが買ってくれる地味な売れ方、じっくり世に出ていく売れ方がいいなぁと。思っています。
アイデアスイッチは、その願いの通りになったと思います。
今日現在(2020年9月30日)、アマゾンの評価は、☆4.2でした。
(私がカイジなら『圧倒的感謝』といっていてひざを折っているところです)
日本実業出版さん、本にしてくださり、そして11年かけて売り切ってくださり、ありがとうございました。
読者の皆さん、ありがとうございました。
普通、読み手としては、本は著者あとがきで終わるものだと思っていました。
ですが、著者としては「完売のご挨拶」で終わるのかもしれないなぁと、今思っています。
((余談:))
余談です。アイデアスイッチの名前がご縁で、福岡の文具店「アイデアスイッチさん」とつながりができました。
一方的に私が、遊びに行って、できたつながりですが、書名と同じ店名、という縁がなければ一生で会うこともなかったかもしれません。
アイデアスイッチの名の通り、いくとクリエイティブなボタンがつんつんおされて、「ああ、この文具で仕事したいなあ」という商品がいっぱいで、行くといつも両手いっぱい、商品を買ってしまいます。
コロナの今、完全予約制の文具店、というおもしろい運営のされ方をしています。
ほか、アイデアスイッチがあることで、出会えた専門家が沢山います。
余談が過ぎました。
皆さん、ありがとうございました。
石井力重
2020年9月30日
仙台の自宅にて