皆さん、こんにちは、石井力重です。
(この一文を述べてから、書いた方が筆が進みますので、書きました。)
オンライン講義をする際に、「作業の指示内容が伝わっているか」、「ワークを始めてもらう前に実践上の不明確な点はないか」、ということを確認する時は、日直(受講生代表)というシステムが便利です。
以下、それについて紹介します。
<<よくある失敗>>
まず、対面のころは、「短いレクチャー」→「個々人や少人数での演習」という構成を何の苦もなくとっていた授業でも、オンラインにすると理解しないままに、質問もしないでその演習時間を過ごしてしまいます。
そろそろ、演習が環境に入ったかと、言う頃合いで、Zoomの小部屋を回ってみると、全然作業指示が通っておらず、止まっていたり、違うことをしてたりという徐多胎になっているのに気づき、慌ててみんなをメインルームに呼び戻す、ということもよくあります。
<<対策>>
そこで、講義の初めの方で「受講生代表、というシステムを取ります。皆さんが質問しずらい中でも、先生の作業指示があいまいで、演習を進めるうえで、情報が足りない、指示の解釈が一つに絞れない、という点を指摘してほしいのです。本人が質問はなくても「あ、ここは、迷う人がいるな」という点を拾って、教えてください。いわば日直さんです。」と告げます。
<<人選>>
そして、誰を日直にするか、ここは大きなポイントです。
日直になってもらう人を”ランダム指名”で実施してしまうと、かえって滞ります。
3つのポイントがあります。
1.ITツールの操作に慣れ、マシンパワーやネット回線に不安のない人であること
2.意見ことを、すっと言葉にするのがうまい人
3.メタ認知能力が高い人
さて、この人材と、どう見出すか。
講義の最初の方で、講師が画面共有などのミスしている際に、声を出して教えてくれる人が出てきますので、そういう人に
「〇〇さん、ちょっと初めの方だけ、日直をお願いします。疲れたら日直を変えますのので、おっしゃってください」
とお願いしをします。
すっと声を出してくれる人は、上記の、1,2を満たしている(ことが多い)のです。
3については、声を上げてくれた際に
「私の説明で、他の方が不明に思っていそうなことって、ありそうですか?ぜひ教えてください。」
となげかけると、その反応でわかります。
日直は、1名で十分ですが、受講生の多様性が高い場なら、2名体制にすると、「他の人の迷いを拾う」という行為の負荷が減らせて、良いです。
<<問いかけ方法>>
「さて、では、この技法を実践してみましょう。皆さんを小部屋にお送りたら、そこで開始してください。」
という段階まで来たら
「ちょっとその前に、皆さんが疑問に思っていそうなこと、私の作業指示があいまいで、迷いそうなこと、を日直さんに聞いてみましょう。〇〇さん。いかがでしょう。ご自身の質問でも結構ですし、『あ、他の人で、ここは迷うかも』という点を、あげてくださっても結構です。」
と問いかけます。
(”日直さんに聞きます”、と述べることで、ミュート解除の心づもりができています)
そこで、彼、彼女と
「いえ、たぶん大丈夫かと思います。」
(→全員に「ありがとうございます。ほかに『疑問あるんだけど!』という方がいらっしゃれば、ぜひ教えてください。チャットでも、音声でも、結構です』とアナウンス)
「やってみないと、実際はわからないですが、今確認したい点はないですね」
(→全員に「小部屋で迷った時には、ヘルプボタンを押して呼んでください」とアナウンス)
「先ほどの、〇〇という点ですが、これは、今回は□□に絞っての実施、ということですか?」
(→全員に「いい質問ですね、そういう迷う部分を拾って教えてもらいたかったのです。
で、答えですが、「はい」です。今回は、そう限定します。」とアナウンス)
という会話をします。
二人の日直がいる場合は、「では日直の、Aさんに」「次は日直のBさんにもうかがってみましょう」ということで、名指しをします。どちらが先に言うかを迷う時間を削れます。
<<受講者側の心象>>
これはのちの研修アンケートに見られます。
「日直方式は進行中の疑問を残さないスタイルで良い」
といった感想を持たれるようです。
石井は、2020年の”世の中オンライン化”元年、に作業指示が通っていなくてよく失敗していました。
2021年からはこの方式を採用してから、非常に進行がスムーズになりました。
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起源の話
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<<この方式の起源は、Schoo、に元があります>>
この、日直(受講生代表)というシステムは、オンライン教育サイトのSchoo(スクー)に出演した際に、きわめてよい方式だったので、援用させてもらいました。
Schooで「ブレスト」を検索すると結構講義が出てきます。石井もいます。(2コマだけですが)。
過去の放送の石井の担当回、ぜひご覧になってみてください。
受講生代表、として、講師のお相手、となる人がいます。
Schooのアナウンサーなのですが、気持ちとしては、受講生を代表して感想を述べたり、時々は合いの手を入れたりして、学習と進行をスムーズにしてくれる役割を持っています。
更には、司会進行として、また、受講生のあげてくるコメントをピックアップして講師に口頭で伝えるといったこともしてくれます。
後者の役目は、普通の受講者さんにお願いするにはレベルも負荷も高すぎます。学習する内容の吸収を妨げるタスク量になるので、ここは除きます。
前者の「受講生を代表して、みんなが疑問に思ってそうなことを、先生に知らせる」という役割だけを、切り出して、「日直さん」という形にして、援用させてもらいました。
ということで、いい学習方式を編み出してきてくれたSchooさんには、大きな感謝と、彼らのユーザ増加に報いることも必要かと思いますので、ぜひ皆さん、Schoo、利用してみてください。
posted by 石井力重 at 11:36
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