2022年02月28日

心理的安全性の石井遼介さんと対談イベントをしました(11か月遅れの開催報告です・・・)

心理的安全性。

チームをより良いものにし、質の高い成果を出すためのキーコンセプトとして、最近一層注目されています。

 
私が、この概念を最初に目にしたのは、グーグルの調査結果(2012年)です。

調査名、Project Aristotle(プロジェクト・アリストテレス)。

”生産的成果を出すチームの成功要因は心理的安全性の高さにあった”ーーと。

この調査以降、言及記事が多数あがり、心理的安全性がビジネスパーソンたちに意識され始めます。

その経緯から「心理的安全性は、グーグルの発見したコンセプト」であるとの印象を形成していました。

しかし、そうではありません。
それ以前に米国の心理学者、組織論の学者たちにより確立された概念でした。


心理的安全性の原点〜発展

Personal and organizational change via group methods.
Edgar Schein/Warren Bennis(1965)


Psychological safety and learning behavior in work teams.
Amy Edmondson (1999)

そうした心理的安全性の土台があり、
Googleのプロジェクト・アリストテレス(2012)
で、日本でも広く認識されるように。


日本の大家、石井遼介さん

心理的安全性の、日本の第一人者といえば、石井遼介さん。

(蛇足:私も石井ですが、血縁とかは全くありません。)

石井遼介さんの『心理的安全性のつくりかた』は、21刷(2022年2月末時点)と、本当に広く読まれている良書です。

そうした石井さんとの対談の機会を頂き実施しました。
11か月遅れの実施報告なのですが、記します。


対談イベントの機会を、Mさんが

発起は、友人Mさんです。
私が20年12月に新刊を出し、いろんな人とのオンラインイベントをシリーズで行っていました。
その過程でMさんが「石井(力重)さん、心理的安全性の石井遼介さんとの対談をしてませんか」と提案してくださって、先方に打診してくださり、実現の運びとなりました。

当時のPeatixのバナー↓
石井石井Night002.jpg
(すでに終わったものですので誤解無きようお願いします)

「ブレストは、心理的安全性でもっといいものにできるのではないか」という仮説。

これを軸に対談したら、多くの人の創造活動に役立つもの知見が得られるのではないか、と。

そんな経緯と、切り口で、100分間の対談が実現しました。


記事続きます

対談は、じつに、示唆の多いものでした。

まず、このブログの冒頭の、心理的安全性の歴史は、石井遼介さんのスライド(の引用文献)から知ることができました。

そして、メイン部分です。心理的安全性の専門家の知見から、ブレストをバージョンアップさせるためのヒントやアイデアをたくさんコメントいただきました。

その内容を、整理して掲載するのは、別の記事にします。

今日まで、報告を11か月間も、温めてしまった理由が2つあります。

1)心理的安全性を十分理解して発信したい。

2)心理的安全性からの示唆を活かして「進化させたブレスト」を作りたい。

どちらもまだ途中です。

ようやく2)は目途が立ちました。(「亜ブレスト」という技法を形成できそうです。)

これ以上遅れると、1年たってしまい、報告タイミングを逃しそうなので、何とか「11か月前」と言い張れるギリギリのタイミングで、イベント開催報告だけしたいと思い、筆を執りました。

ということで、「石井遼介さんと、対談イベントをしました」という報告だけを、しておきます。

(ここまで読んで「その示唆は書かないのかよ!」と突っ込まれたかた、ごめんなさい・・・)


最後に、謝辞を。

イベントを視聴してくださった多くの皆さん、
貴重な時間をくださった石井遼介さん、
プロデュースをしてくださったHさん、
つないでくださったMさん、
どうもありがとうございました。

そこでいただいた示唆は、人々の創造的活動をブーストする知見や技法へ昇華させ、広く社会に供してゆきます。

((示唆内容を記す記事は、いずれ、また。))

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posted by 石井力重 at 14:36 | アイデアプラント 6th(2021-2023)

2022年02月10日

「アイデアの分類」の本質 【講義スライド】

アイデア創出をした後、アイデアの整理段階で困りませんか?

「アイデアの分類ってどうするんだろう。」
「アイデアをきれいに分類してみたけど、そこでスタックしちゃった。」

そういう経験は、企画的な仕事をする時にいつも現れます。
その際には「発展に資するようにグルーピングするべし」と思って、実施してみてください。

そのレクチャー・スライドを掲載します。


このスライドの中でも一番大事なのは3枚目です。

「発展のためのグルーピングであれ」 グループ化で、共通する要素から「アイデアの本質」がよりハッキリし、 その本質に立脚して、発展アイデアが生み出せることが、重要。 (= きれいな分類は、それ単体での“合意” はしやすい。しかし、発展の示唆に乏しく、次に進みにくい)

表面上似ているものを手掛かりに分けると、分類学的な綺麗さは出て、合意形成もしやすいので、つい、そうしがちですが、それではだめで、難しい、合意もしにくい「本質が似ている」もので、分けてほしいのです。

そうして、分けてみると、本質はよりハッキリする。
ハッキリしたそのエッセンスに立脚して、発展案が出てくる。

分類の作業時間を、価値あるものにするには、そこを忘れてはいけません。

「でも、その本質を突き止めるのは難しいでしょ?」

と、言う声も聞こえてきそうです。はい。実際はそうです。

なので、本質があぶり出されてくるまでは、”一旦、わかりやすい切り口で分けてみる”んです。
で、違和感が出てきて、分けなおしてみる。
仕上がった、それにまた違和感を、、、と繰り返す。

そうしていくと、本質的なグルーピングに近づけます。

いきなり完璧に分けなくてはいけない、という完ぺき主義は捨て、
下手でもいいからやってみる。
そのうえで、1回で満足しない。何度もやり直していく。
ということが大事です。

この辺はメソッドとしにくい点ですが、
創造的チームに一言声がけするとしたら、
という感じで作ったレクチャースライドでした。

<<余談です>>

宣伝ぽくなっちゃいますが、アイデア収束を学ぶゲーム教材を作ろう、というコンセプトで、IDEAVote(アイデアボート)という教材をリリースしたことがあります。アイデアプラント・オンラインショップ、および、Amazonでも販売しています。ご興味あれば使ってみてください。(「それをすると、本質で分けられるの?」といわれると「いえ、もう一段階下の感じで、まずは、アイデアを10の評価軸で吟味するチームディスカッションを体験する感じのものです」と答える感じの、ツールです。)

石井力重

2022年02月05日

アイデア創出をもっと創造的にやりたい、という方へーー。『すごいブレスト』抜粋記事7本

アイデア創出&ブレストのノウハウを紹介したのWEB記事シリーズがあります。

会議に関するWEBメディア「会議Hach!」さんの
連載コラム「ブレインストーミングの教科書」

すごいブレスト』の抜粋コンテンツです。

書籍無しに記事だけで学習可能。
導入無しに、要点だけに絞った文章量で
全体的にドライな雰囲気に。

黒い囲みは書籍引用個所。











記事は以下の「基本」「オンライン」の2部構成です。
ニーズに合う記事タイトルをクリックしてご覧ください。




=== === ===

(余話)

基本的には、この記事(と、その底本になっている『すごいブレスト』)は、私が、早稲田大学(デザイン論)、奈良女子大学(創造学)、東北工業大学(アイデア基礎)で講義している内容と同内容です。

このWEB記事シリーズは、書籍の販売促進というよりは、書籍内のコンテンツを無料開放して、(直接は講義を届けられない人へも)広く届けたい、という思想で書きました。

なので「記事の続きは書籍で補おう!」とかそんな構成ではなく「(呼んで)ふむふむ、分かった。この記事単体で役立つわ、ありがとう。」となるように、書いています。

会社内のイントラネットなどで、ブレスト初心者に向けて、「ブレストのやり方」を紹介をするような記事を書かれる際に、お役に立てば幸いです。

続きを読む
posted by 石井力重 at 10:23 | 『すごいブレスト』2020年



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