2023年09月15日

9月30日、10月1日はオンラインで学会発表します。(日本創造学会)パネル1件、発表2件

創造性の学会である「日本創造学会」の研究発表大会が、今月末に、産能大であります。

大会のあらましは学会ニューズレター7月号にて プログラム詳細は9月号にて

Day1(9月30日)はパネルディスカッションのパネラーとして登壇します。
Day2(10月1日)は2件の研究発表を行います。

1つの学会で3度の登壇は石井としては過去最多です。
どれも全力でやりますのでご興味あればぜひ聴講ご参加ください。
(学会員でなくても参加申し込みと参加費を払えば聴講できます。また、石井はすべてオンライン発表ですので遠隔の方も負担なく聴講できます)

まとまったことを書きにくいので五月雨に書きます。

まずパネルです。

開催時間:9月30日 14:30〜16:20
パネルディスカッションテーマ:『創造性とリスキリング』(探究談義&質疑応答)
パネリスト(1): 産業技術総合研究所 本村陽一氏「ヒト、AI、社会のつながりの観点から」
パネリスト(2): 九州大学大学院 松前あかね氏「共創とソーシャルイノベーションの観点から」
パネリスト(3): アイデアプラント代表 石井力重氏「生成系AIと創造性開発の観点から」
パネリストのプレゼン時間:@20分

こちらはお引き受けする際に少し悩みまして、学会長にこう返信しました。

「面白い企画をありがとうございます。2022年の学会発表でGPT3にいち早く言及されていた先生もいるように思いまして、その先生をさしおいて、石井がしゃしゃり出ていくかのようなこの「僭越ではありますが」感が、あります。。が、まだだれもはっきりしたことを提案しにくい領域なので、それであれば、拙速をモットーとする石井がお引き受けして、今後の発表カテゴリーが1つ増えるように、先鞭付けしたいなぁと思います。ということで、力不足ですが、全力で取り組みます。」

と。
誰もはっきり言えない。そういう時には拙速をモットーに、ファーストペンギンになってみよう、と。
なのでパネルディスカッションでは、大恥かいているかもしれませんが、お話しする限りとにかくいいものにしたい。そう思って準備しています。

学会発表2件は「直観力」と「生成AIにアイデアワークをさせるカードセット」です。
まったく異なる2つですが、通底する1つの視点があります。
どっちかだけでは足りなくて、車の両輪のように、2つがいる。
この1年の間に表れた萌芽的なトレンド「生成AI」は多分、社会に浸透し、活用したら元の世界には戻らない不可逆な出来事です。その大きな流れの中でかじを切って進んでいくには、この両輪がいるだろう、という観点から、今年は頑張って2件お話しします。できることなら2つとも聞いていただけましたらば幸いです。

(簡単に言えば、AIが創造ワークも肩代わりする、ミドルレベルまでは。そうなると人がする創造の仕事は『科学ではまだよくわかっていない部分』をもっと突き進まねばならなくなります。その一つが直観力です。世界的企業から直観力の研究の相談が来ていたりして、ビジネスパーソンの「勘」のような、今まで軽視され排除されていたファクタが、今後の大きな能力になる、そんな気配を創造性研究と企業支援の仕事をしていて感じます。
一方でAIは、道具に過ぎないのですが、使い方次第で成果の出方がここまで大きい道具もなかなかないです。繰り返しAIへの指示をする中で、効果の高い「発想法由来のAIへの指示文」を見出し44枚のカードにしました。便利なだけでなく、発想力の使い方を知っていく、そんなカードです。皆さんに共有するべく学会の要綱に全カードを掲載します。これらをうまく使うこなすことで、効率的にアイデアワークを推進し、空いた時間で直観力を伸ばしていくための取り組みもできるだろう。石井はそう考えています。)

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posted by 石井力重 at 09:00 | アイデアプラント 6th(2021-2023)

2023年09月14日

稀有な体験「コロナで嗅覚がなくなる時期の食べ物」はモノクロ写真のよう

嗅覚を完全に失っている時期が終わろうとしています。
顕著に変化を感じるものにワサビがあります。味の感じ方を絵にしてみました。
わさびの味の変化.png


コロナの後遺症として一定の人が体験するこの感覚。自分がその状態である間に、できるだけ慎重に観察し、その言語化を試みてみました。

嗅覚ゼロ=白黒写真のよう。薄い塩味、苦み、わずかなうま味。同じような味のバランスの別の食べ物と区別できません。鼻にツーンと来る感じもゼロ。

嗅覚がわずかに戻った時=右下のポスタリゼーション写真のようです。ツーンと来る刺激が起こり、ワサビ本来のさわやかな香りはまだよくわかりません。刺激のコントラストで、薄い塩気、苦み、わずかなうま味は、感じ取りにくくなりました。

質の悪いさわび(を普通の体調で食べた時)=左下のモザイクのように粗い味と香りがします。


私は仕事柄嗅覚が必要なわけでもないので、気楽にこの時期を楽しんでみていました。

味覚はあるので、味はあるのですが、嗅覚はゼロ。風邪をひいても鼻をかめばにおいはわかりますが、コロナ後遺症では、鼻が通っている状態でも匂いが一切ない、というのは新鮮な体験でした。

と同時に、嗅覚が戻り始めると、さわびをぱくんと食べることができなくなり「一種の無敵状態」も、もう終わるんだなぁと、一抹の寂しさを感じました。かなり変な感覚であろうことは自覚がありますが、とにかくそう感じました。

多分、「味覚の鋭敏化」が起こっていたことと関係していそうです。嗅覚がないので、味覚は非常に鋭敏になり、その食べ物の味を繊細に感じようとしていました。多くの食べ物に、五味の他に「うま味、コク」のようなものがあり、それがじわっと味覚を刺激している。そんなことを感じていました。ワサビや和からしに、美味しい味がある、なんて、以前は全然気づきませんでした。

また、嗅覚はおいしさのレンズのようなものだとも思いました。卵料理は嗅覚(かおり)がないと、ほとんど味がない料理でした。調味料をかけると「味のない素材に調味料がかかった味」がします。食べ物のおいしさは「味覚+嗅覚」です。嗅覚によってわずかな味覚要素(塩気とか甘み)をかなり引き立てている料理があります。塩分控えめ、糖分控えめの料理でも美味しいのは嗅覚がレンズのように少ない五味を引きたてているからなんだなと。一方でスナック菓子というのは嗅覚にも訴えるけれど、ものすごく強い味覚成分(塩気、甘み)を持っていることも気づきました。ジャンクフードは嗅覚のない時でも、結構、味の形を保っていましたから。

なお、嗅覚のない期間は6日程度でした。
コロナ陽性判定が出て、高熱が出ていつから嗅覚を失ったかスタートをはっきり認識できませんが、9月7日前後だと思われます。ワサビの刺激を感じ始めたのが、9月13日。およそ1週間です。人により程度の差があるようですが一サンプルとして、無嗅覚時期は6日間であったことも書き留めておきます。

あ、でも、困りごとが一つ。

日々の日課としている山歩き。においを感じないというのは、マズいなと。
臭いにおいがする場所には本能的に避けます。野生動物の存在を感じる(ふんなどの獣臭さ)とか、よどんだ水があるとか、そういうのをセンサーとして鼻は担っています。まったく匂いを感じないと、周囲にある危険を視覚と聴覚だけで感じなくてはいけません。視界のきかない木々の中を歩くうえで、嗅覚というのは遠距離センサーとして非常に重要である。そのことに、気づきました。
posted by 石井力重 at 15:03 | 日記、価値観、仙台オススメ

2023年09月08日

実に嬉しくない初体験。コロナにかかりました。

長い旅仕事に出ています。8月20日に仙台を出て、「埼玉」「千葉」「奈良」とめぐってきました。次の滞在地は「東京」のはずだったのですが、コロナになってしまい、一人で過ごすことが推奨される期間(5日間)を過ごすために奈良にとどまっています。もともと奈良滞在は11泊の予定でしたが結局13泊になりました。

奈良女の最終講義(9〜18時)×3、八尾のワークショップ(10〜17時)×2が連続していて、ここで過去最長の一週間講義量に達します。(41時間講義/1週間)
この消耗度から一つ気づきます。一週間に講義する時間の総量は35〜36時間に抑えるべきだと。というのも、全力講義をするので、その辺を超えたあたりから疲労度がすごくなって講義中に言い間違えて言い直すことが増えました。肉体は大丈夫でも脳の疲労は限界に近いなと実感しました。一層集中して言葉を発するので疲労度は加速度的に上がります。

そのうえ、この時は、中3日挟んで前に早稲田の集中講義4日間があり、ギリギリの体力でした。

そして、この時期には学会発表論文提出締め切りがあります。今年は例年になく2本を出す、という意欲的なことをしていたため、講義でくたくたくになりホテルに戻ると、夜もひたすら論文作成、という激務の時期でした。

自分のマネジメントの悪さ、見通しの甘さが招いたことですが、やりたい仕事は全部やる、という50歳の指針に従ってこうしました。

しかし、重大な問題が起こります。
八尾を終え、翌日の日曜日、ようやくホテルで一日に過ごせる時間があり、学会論文を完成させ2本とも提出。すると、その前の夜に妙に体がだるい気がしたのですが、のどにも違和感が。
これは初期対応が大事だと思い、月曜日に奈良の滞在ホテルの近くの耳鼻咽喉科医院へ。名医とレビューが多いし待つのもやむなし、と思い行き、症状がとても軽いので、ということで漢方薬3日分をもらいます。

しかし、月曜日夜に高熱が出ます。火曜日は部屋にこもります。そして高熱が38.7度に達します。頭はいたみ、体はしんどく、のどは水飲んで激痛で、さすがにおかしいなということで、その医院に電話相談します。すると、コロナの可能性があり診れないとのことで、発熱外来を紹介してもらい、行きました。初めからコロナ以外の病気である前提で処方していたわけで、この初動を誤ったのは痛いミスでした。(しかし、患者側にその部分、難しいです。)

そして発熱外来までマスクして公共機関に乗らず人に接しないようにたどり着きます。
検査結果は、コロナ陽性、インフル陰性、ということでコロナ確定に。
そこまでも極力ホテルの部屋から出ないようにしていましたが、ここからは徹底します。

もらったガイドの紙によると発症から5日間は人に接さないようにし、移すリスクの減るそれ以降の10日まではマスクをし人としゃべる時は距離を置く、とのこと。

次の案件の東京のクライアントに状況を説明し、延期。東京の宿もコロナの事情を鑑みて無料でキャンセルをしてくれました。
そして今いるホテルにも発熱して引きこもっていることは伝えてあり、コロナ陽性になったことも報告。
このまま延泊が可能かを相談し、予約サイトから予約を手配。
指導に基づくなら、本当は今日(9月8日、発症から6日目)でも、移動をすること自体はできたと思いますが、道中でうつしてしまう可能性を極力下げるために、明日までの部屋での療養を続けることにしました。

経過としては解熱剤を飲まずいられるようになるのが5日目の朝。それまではほとんど思考力を失っていて、なにもできず昏々と眠っていました。
夜には、喉の激痛は半分になりました。食欲が出てきます。

六日目に入ると、のどの痛みが我慢可能なレベルに収まり、頭は普段通りに回ります。

以上がコロナになり、2〜3日の発熱、そして収束、という過程でした。

何事も体験しておきたいたちで、日々初体験を心がけています。
しかし、疫病にかかることは、実に嬉しくない初体験。二度度かかりたくないなあ、と思いました。

なお、熱のさなかに当時の自分が書いた日記(FBの投稿)がありまして、原文ママを引用します。

とにかく、お客さんにうちさないで済む状態になれてよかった。
黙って講義しちゃえばその日はやり過ごせるけど、出席したうちの何割かが翌日から同じぐらい発熱するようなことになったら、組織的に壊滅状態だ。そんなことにさせない。顧客への愛があるから全力なのであって、全力の押し売りをしているようになったら、間違ってる。
(それにきっと、石井が感染源だと分かれば恨まれる。二度と呼ばれない。疫病社会で付き合う相手に信頼してもらうには、かかっている可能性がある時に合わないといえることだ。)

そうなんです。
コロナの回復タイミング的に次のクライアントに行けば行けてしまえて、症状もないことから気づかれないでしょうけど、顧客を愛するならそんなことはできないわけで。

そして疫病社会において、持ち込まない配慮をしてくれることって、信頼の大きな要素だと私は思うんです。
「ええ、ちょっと風邪気味ですけど、大丈夫、行けますんで。な〜に心配には及びません」みたいな、昭和の会話。昔は、頑張ってる人でしたけど、今の社会じゃ、勘違いしている迷惑な人、です。

もしかしたら、延期することで案件がなくなる(中止になる)こともあるかもしれません。
でも、信頼までは失わない。
”この人は、うちにリスクのあることはきちんと提示してくれる人だ”、と思ってもらえること。
それって大事な要素です。

そんなわけで、長い3週間の旅仕事は、後半にとっておいた「旅先での休暇」の日程すべてをホテル療養で食いつぶし、最後の案件のクライアントには、リスケで迷惑をかける、という締めくくりになりました。
頭ではわかっていましたが、コロナになると、スケジュールはめちゃくちゃです。

5類に移行してなんだか軽い病気に変わった気がして、油断していたと思います。
コロナ禍の出張では人の多い場所は極力避ける、なるべく換気をする、なるべく黙食、といった行動をしていました。
その3年間で一度もコロナにかからずに旅仕事をしていました。
運もあるでしょうけれど、今回の自分を振り返り、換気方法や人の多い飲食店への入店など、原因を推定するにいくつかのことが思い浮かびます。

かかるたびに、各地の顧客に同じ迷惑をかけることになります。
アイデアプラントの行動規範をここで、一段階厳しくしなくては、いけないな、と思っています。

いつコロナが終わるのか、その見通しは全くわからない状況ですが、衛生管理・健康管理はプロとして徹底しなくてはいけないことの1つであると考え、行動していきたいと思います。

ひたすら、ホテルで過ごすので、天気のいい空を一日眺めていました。その時のタイムラプスです。
JR奈良駅に隣接するホテル日航奈良の9階の自室から撮影。



追記:(嗅覚のない食事編)

嗅覚が鈍いレベルではなく嗅覚が完全にゼロになっています。
鼻は詰まっていないし、風呂場で鼻うがいしたあとでも、ボディーソープなどのニオイを一切感じません。

味覚は全く影響なく味がします。

さて食べ物は舌と鼻の両方で味と風味を感じているわけですが、あらゆる食物ものが風味ゼロになると、味はこうなるのか、と驚いています。これはなかなか新鮮な体験で、愉快。

コップについだ、冷えたりんごジュース→
口に含むと優しい甘さで香りがないので、甘露な清水でも飲んでいる爽快さ、しかし砂糖水とは違い、コクがある。風味があるときはりんごジュースにコクを感じることなんてなかったけどりんごジュースの香りを抜けば、コクと甘みの調和した液体。
うまくて一気に2杯も飲んじゃう。

味噌汁→
塩っけ、とろりとした舌触り、豊かなコク。コクばっかりじゃ語彙が乏しい気もしますが、他に言いようがない。コクは多分旨味成分が香りを伴わずにたちあられたもの。ただしょっぱいお湯だったらとてもじゃないけど飲めない濃い塩味があるが、コクと塩気のバランスでかなりうまい。

野菜サラダドレッシングなし→
野菜の青臭さが一切ない。ドレッシングがないとサラダが食べにくいのは青臭さがあるからであって、今ならなくても行けるのでは?と思い食べる。いける。なんといえばいいのか。シャキシャキポリポリと面白い食感を楽しめる。味がないから飽きるかと思ったけど意外と楽しい。青臭さが苦手だったプチトマトも甘いフルーツに感じて美味しく。

梅干し→
酸っぱい。梅の風味はないので、スッぺぇ、という感じではなく、あ、数回噛むと酸っぱいね、という感じる。

わさび→
辛い味がする。和がらしより辛味が多い。チューブから一センチ出して、パクンと食べる。あ、辛。でも食えちゃう。ごくんと飲み込むと喉がヒリヒリとして、辛いなと。わさびが鼻にツーンとくる、あの感じはまるで無い。わさびには辛い以外の味がある、ということも発見。普段は強烈な刺激に隠れて味など感じなかったが、苦いと塩気のニュアンスがある。実に面白い。

卵焼き→
味ゼロ。美味しい風味で食べているものは、香りがないと食感だけの物体に成り下る。宇宙時代、形状だけ真似したレーションを食べている人類はきっとこんな感想を持つかのも。栄養のために食べるが食べて美味しかったりまずかったりしない。正確には、コクの薄い感じはある。

スクランブルエッグ→
同じく味が乏しい。

目玉焼き→
同じく味が乏しい。黄身のロトっとした触感は楽しいけれど、そこにコクを感じるようなこともない。

卵料理は極めて「香り」の食べ物なんだ、と気づきます。味だけでいえば、ほとんど何もない食べ物なんだ。

野菜の中華うま煮→
塩味と炒めた油の味とコクのすごく強いものを感じた。多分味が強すぎる。食感は楽しい。

フルーツ→
仄かな甘さの桃、強い甘みの梨。甘みと薄いナンラカの味はする。なんと言えばいい。歯ごたえも味の一瞬であろうなと感じる。

濃いめの緑茶→
茶の香り一切なし。しかし、とろりとて、丸い苦みがある。その丸い苦みが舌の先端の方へ来るに連れ甘みと旨味のニュアンスをもつ。出がらしのお茶とは、違う。やさしくバランス良いニガアマウマの味わいがあり、うまい。口の中が香りはないのに爽やかになる。

白米→
米の旨味はかなり弱くなる。香りに依拠している部分が多い食材なのだ。米を噛むと、次第にもちもちとしていくことに気づく。普段は噛むほどに味がするので食感の変化に鈍かったが、米というのは、結構緩めのモチにしてそれを飲み込んでいるんだ。そりゃ日本人はモチが好きなわけだ。モチを噛み切らず飲んでつまらせる事故がよく起こるが、ご飯の嚥下に似ているからかも。

ハンバーグ→
肉の食感、塩気、玉ねぎの食感、油に溶けた豊かなコク、デミグラスソースの甘い酸っぱい味。和風ハンバーグのポン酢だけをスプーン一杯すくって飲む。軽い酸味と甘み、それと奥の方に旨味のニュアンスがある。かけて食べる。油に溶けているコクと酸味が混ざってさっぱりとしてコクがある。匂いがないが、脳が共感覚としてハンバーグの香りを幻視ならぬ幻嗅をもたらし、風味を脳が再構成する、実に奇妙。次。米と一緒に肉を食う。さっきまで旨味がギュッと狭かったのに今は旨味の表面積が広がる。そうとしか言いようがない。油の中のコクが米と混ざり合い、ツルツルとした油の膜をはった米の食感は気持ちいい。味をもたらす成分の有効面積が明らかに広がっている。肉と米が最高なのは、米には肉の旨味を広げる役目があるからではないだろうかと思う。

焼きそば→
やさしい味付けに感じる、甘みと塩気と少しのコクのバランスで、美味しい。幼児用の薄味食事ってこういう感じかなと何となく思う。香りがあったら、療養中だとちょっとくどくて疲れるかも。香りというエンターテインメント成分は情報量が多い。意外とそれは、認知資源的に疲れるのだろう。

風景を白黒にすると負担が少ないそうです。食べ物の香りを抜く感じといのはちょうどそれに似ています。
「写真」には「色」と「形」が映ります。食事の「香り」と「味」はちょうどそれに似ている。そんな風に何度も感じます。
言語化してみるとこうです。
白黒写真でもはっきりわかるような物事もある。味だけでもはっきりわかる料理がある。
パステル画のようなものは白黒写真ではかなりきつい。香りで豊かな味わいを出している料理は鼻が利かないと味がしない。
一度見た風景は白黒写真でも記憶が色を補っていくけど、見たことないものの白黒写真は再現できない。
多分、一度も食べたことのない料理を今食べると「本当はどういう味なのか分からないまま」で食べるんでしょう。

一生このままだとちょっと不便だけど、香りの一切ない体験は、新鮮な体験としてはかなり上位で、面白いです。

((なお、もしや鼻うがいで、下手にやるとツーンとするあれも、嗅覚かな?疑問に思い、思い切り鼻の奥までシャワーを吸い込んでみました。絶対ツーンとなるほど奥まで水を吸い込み、ぶぷーと出してみる。。。痛くない。あ、、、でも、どこかに鈍い痛みは感じました))
posted by 石井力重 at 15:46 | アイデアプラント 6th(2021-2023)

2023年09月02日

八尾商工会議所で起業家・経営者向けのアイデアの講義をしてきました。

大阪の八尾で起業家と経営者向けに2つの育成塾のようなプログラムがあり、その2つが合同でアイデアの授業を受けます。担当として石井が呼ばれ、2日間の実践中心講義をしてきました。

isiiyao1.jpg
創造性の特性に関するミニレクチャー

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全員で立って動いて次々違う人とブレストをするワーク

2日合計14時間をかけて、各人の暖めてきたアイデアを広げ、発展させる、という行為を実践してもらいました。

こうした場が皆さんの創造的発展の一助になれれば幸いです。
機会があればまた一緒にブレストしましょう。



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