創造性が変わろうとしています。2023年の夏に、北欧の研究者が創造性テストを人間とAIに受けさせました。人間かAIかを明かさずに、人間の評価者が創造性を判定しました。結果、人間の平均値とAIの平均値を比較すると、AIが優れていました。ただし、最高得点は人間が獲得しました。
この結果から、ローレベルからミドルレベルの創造性においては、AIを用いる方が有利であることが示されています。
これからの創造性は、普通レベルであればAIを活用し、人間はその成果を素材にしてクリエイティブな仕事を行う時代になります。
もちろん、人間の資質を育てる従来の方法も重要です。最高レベルの創造性を人間が示したことから、その潜在能力があることは明らかですが、創造性教育を完全に停止すると、その水準に達する人材が生まれなくなるでしょう。
しかし、トップクリエイティブ人材も全てを自力で行うわけではなく、大半の仕事にはAIを積極的に利用し、本当に高い創造性が必要な部分に時間をかけるような働き方が普及するでしょう。
そして、「人」と「AI」の関係は、役割分担というよりも、共に創造するモデルになると石井は見ています。この未来の基本スタイルを石井は「人機共想」(ジンキ キョウソウ)と呼んでいます。
仕事を奪われるか、人間に残るかという議論が各分野で繰り返されますが、過渡期を超えた未来では「人とAIが共に仕事をする」ことが当たり前になっていると私は予想しています。各種の「人機共ナントカ」が普及し、それが当たり前の認識になるでしょう。
この萌芽的な仕事のスタイル「人機共想」が今までなかった単語だけれど、これから当面の間、キーコンセプトとしてよく使うようになるので、この単語について、ここに書き残しておきます。
人機共想:ジンキキョウソウ 「人」と「AI」が共に想像すること。具体的には、人の曖昧な投げかけからAIが具体案を広げたり、AIの大量の生成物の中にヒントを見出して着想を得たりすること。典型的にはブレインストーミング的対話だが、必ずしもテキストや音声の対話には限らない。入出力するものは、絵や動画や音楽など、多様な創造性への刺激物であるものも含む。 将来的には、人がバイタルセンサや脳波計などで非言語反応をAIに提示することも含む。 |
まあ、わかりませんけれど。多分、そうなるんじゃないかなと、という創造性の研究者からの提案(あるいは定義)でした。