以下、BWの概要です。
6人がそれぞれに、A4の紙に、6×3のマトリックス書きます。

紙の一番上の余白に「アイデア出しのテーマ」を書き込みます。
はじめ、一行目の3つのセルに、アイデアを書き込みます。5分間。
5分経ったら、左隣の人に、紙を回します。自分は右手の人から紙を受け取ります。
2行目に3つ、アイデアを書きます。前の人がうめたアイデア(一行目のA,B,C)を転用したり、逆にしたりしてみたり、あるいは全く無視して独自に考えたり。5分間。
そして、5分経ったら、また左手に。以降これを繰り返します。(後半ほど、上に出てきたアイデアをひねってみたり、組み合わせてみたりする機会が増え面白くなります。)
こうして、30分後には、3個*6行のアイデアが書かれたシートが6枚出来上がります。つまり108個です。
この発想作業のいいところは、シャイな人でも十分に発想のセンスを発揮してもらうことができるところです。ブレストが持つ課題が克服されています。(ブレストはしゃべり続ける作業なので、じっくり考えて発案したい人には、すでに考えていたことが流れから離れしまっていたり、発言の機会を捉えにくく発案のチャンスを逃したりします。一般に、ブレストは、コミュニケーションスキルの高さが影響します。)
そのほか、BWには、アイデアが残りやすい、荒唐無稽なアイデアを出しやすい、というメリットも、実はあります。
とはいえ、デメリットもあります。BWは、30分で出されるアイデアの数は108個(=18秒に1個)です。メンバーのテンションが高い状況のブレストでば、単位時間当たりにもっと多くのアイデアがでます(およそ、5秒〜10秒に1個)。また、インパクトのあるアイデアが裾野を広げていく機会もやや抑制されます。BWにはこうしたデメリットがあることも理解して、チームの状況にあわせて使うと効果的です。
(参考サイト)日本創造学会 ブレインライティング
■簡便な評価、をする方法もあります。私のワークショップで行う○☆チェックを、BWシートで行えば、ざっとあらく優秀なアイデアを把握することができます。
(追記 2006年12月8日)
IDEO(イノベーティブなすばらしいプロダクトデザイン会社)の本、『発想する会社』では、ブレストに言及しています。その中で、1時間で100くらいのアイデア、と言及されています。150を超えるのは相当にホット。
そのことから言えば、ブレインライティングは、30分で108個。決してアイデアといえないものが含まれていることもありますが、数の面で、少ないことがこの手法のデメリット、とは必ずしもいえません。むしろ多いくらいかもしれません。
デメリットは「口で伝えたいアイデア」「本当に分かってもらうには、絵と文字では伝わらないもの」「あ、思いついた、でも、発言はできないや。。。」という部分。これがBWの弱点といえば沿うかも知れません。補う方法あります。BWはシンプルであるのにパワフルです。シンプルさを犠牲にすれば、弱点を補う手順も工夫次第でつくれます。それについては、別の場で言及したいと思います。