8月22日。仙台から名古屋に向かうフェリーの中で41歳になりました。
今年も一年目標をつづります。
例年と違い、今年は、シンプルに、結論から書きます。
国境を越えて多くのと人とブレストしたい。
これが今年の目標です。
(1)英語をもっと身につけてブレストをしにいく、というのも当然あります。
(2)ただ、発想ツール開発者(−だと自分では自分の仕事を規定しているのですが−)としては、「固有の言語を超えて使えるブレスト道具を作りたい」、というのが願いの真ん中にあります。英語の集団でも韓国語の集団でも使えるようなものを日本発で生み出したいです。
(国民性とCreative thinkingのスタイルには関連性があるので、ある国のブレスト道具はただ翻訳しても駄目なんです。でも、それを、のり越えた道具を作りたいのです。)
(3)もっと欲張った将来的な願いも書きますと、「言葉の通じにくいメンバー間でも、その道具を使うと、創造的な相互刺激を誘発しやすくなる。−−そんな道具」を生み出したいです。
この(3)について、少し長く描きます。ぼやっとしたイメージですが浮かぶものとしては、概念を極めて簡単にPictgram(概念絵)にする道具、です。
Pictgramをネットで辞書で引くと、「a pictorial symbol for a word or phrase」とあります。
さらに「Pictographs were used as the earliest known form of writing, examples having been discovered in Egypt and Mesopotamia from before 3000 BC. 絵文字は、書き込みの最古の形式として使用された、例は紀元前3000前からエジプトやメソポタミアで発見された。」とあります。
すこし、これに関してアイデアがあります。
人間がアイデアを出すときには
- Input (刺激や情報という材料を入れる)
- Operation (概念要素の操作をする。つまり、併せたり、削いだり、逆にしたり、突然の想起だったり、と「ズラシ」や「新概念の生成」をする。)
- Output (生み出された未成熟な概念をうまく言語で他者や違う時間の自分に伝える。)
があります。
ブレストの最中は、他者の「3」が、自分にとっての次の「1」になっていたりして、サイクルがくるくる回ります。
さて、言語が通じない相手とブレストをして困るのは、「3」(相手の言語で表現できない。とくに、閃いたばかりのあいまいなモノゴトほど。)です。そして、その相手も「1」(相手が言わんとすることが分からない)がネックに。
「2」というのは、「1」さえ済めば、内的な処理なので、自己完結します。
そういう構造である、という仮説を仮に正だとしたなら、「概念操作の諸作業を、Pictgramっぽくする」ことで、素材(情報)に、どういう処理をかけたかを、絵(もしくは、絵の連続体)で表現できるはずです。
精密さをもとめれば、こんなことじゃ伝わってなどいないってことにしかなりえないですが、「あー、そのInput(情報要素)を、逆にしたアイデアを出したのか、この人。」というのが薄ぼんやり分かるだけでも、「それって、〇〇みたいなアイデア?」とこちらからも聞くことができます。
精密さをもとめれば、こんなことじゃ伝わってなどいないってことにしかなりえないですが、「あー、そのInput(情報要素)を、逆にしたアイデアを出したのか、この人。」というのが薄ぼんやり分かるだけでも、「それって、〇〇みたいなアイデア?」とこちらからも聞くことができます。
41になった今、自分に向き合い、何を願うのかをじっと見てみたところ、心にすとんと落ちてきたのは、こんなところでした。
泳いでいなければ死んでしまう魚のように、作っていなければ精神が死んでしまうかのように試作品を大量に作り出していく一年を過ごしたいです。
(この記事は、23日の早朝、琵琶湖のほとりの宿で書いていたのですが、ちょうど、フィンランドのユッカ校長から、最近どうー?というDMをフェイスブックで貰ったところでした。偶然と言うか、年齢的な役回りとして、ポジションとして、この目標に取り組むときに差し掛かっているのかもしれませんね。 なお、ブログの日付は、将来の読み返しで混乱がないように、バックデートで22日付にしています。)
追記:
いつもは長々と冒頭と文末に「昨年目標の達成結果」「来年への問い」及び、「誕生日周辺で考えていた振り返り」を書いてきました。が、その形式は、いつも、一年後の自分が読みにくいなあ、とおもっていたので、今年はその形式を変えました。
その情報も、要らないわけではないので、以下に、それらの要素をつづります。
(いったん、ここまで保存するために、公開します。8月22日)
8月31日:追記1
〜8月21日の夜のFacebookの日記を転載〜
船で不惑(40歳)の最後を迎えた。

◎本厄が終わった。
厄年の一年、体の故障頻発。対応するために、一気に旅仕事のコストが上がった。
◎震災が変わった。
終わらない。しかし三年=千日を経て、震災が自分の中でグリーフの後期に。
◎社会に返した。
早稲田大学と岐阜商(文科省スーパーハイスクールプログラム)、大学・高校、二つの学校の先生を拝命。仕事の繁忙期と被りまくって家族とひと月以上会えない旅の日々。でも、僕を育ててくれた多くの先人への恩を広く社会に返せた。まだほんのちょっとだけれど。
◎捨てはじめた。
よくも悪くも、手からこぼれるものは、増える一方。自分の道の上の物事を、確実につかむため、不義理のそしりを受けつつ、やれないことを削る覚悟をした。物理的荷物も、売却を徐々に。
◎お酒を、良く楽しむようになった。
前の飲み方は、0か100か。中庸はなかった。しかしアルコール・ブレストに真剣に向き合ったことで、お酒をほろ酔い水準で飲むコントロール力が出てきた。楽しいし頭がしゃっきりしている時間が長い飲み方に。
◎税理士についてもらった。
事業が伸び、処理が増えた。自分しかできないことに専念するために、専門家に任せた。
◎つながりはじめた。
過去のつながり同士がつながった。大企業の開発先端を渡り歩く仕事の身だから、花粉を運ぶことが自然と。守秘の外にある花粉だけ。
◎好みが、「白く」なった。
食べ物やお酒の好物がさほどそそらなくなり、なんでも楽しむようになった。好きな趣味、人、国、も。
◎娯楽の消費に飽きた。
与えられる娯楽は無限の無料であっても、あきはくる。新しい体験を常に得るように動く。その先には「自分が創る」があるようで。ライフワーク「発想ツール作家」に帰結して行く。発想ワークシートとかそんな小さいものだけれど。
8月31日:追記2
〜 昨年の問いに対する一問一答 〜
40歳のブログは、一年目標と十年目標を書きました。
その4つの問いについて、回答をします。
1「顧客への圧倒的な愛が、製品のフォルムに宿るような仕事をしていますか?」
うーむ。。。そうありたいと思いつつも、出来ていなかったかも知れません。製品と言う意味では新製品開発の進みは遅く、ワークショップの展開が圧倒的で、製品のフォルムに宿るーーという意味では、ワークショップのデザイン&ワークシートなどのデザイン、に限られています。
ただ、その観点では、各種の技法を1シート化を進めていて、かなり進みました。これによりユーザが学習の再活用性が高まったかもしれません。
でも、もっと、もっと、製品に顧客への愛が宿るような仕事、したいと思っています。
2「人々への愛を持って、道を極めていく努力を続けていますか?」
ワークショップの設計の力は伸びているように思います。より具体的にシュミレーションができ、多様な要望にもこたえられているように思います。基本の型に対しての深堀はどうかといえば、もっともっと、かけられる力と時間が、そこにはあるのではないかと、とも今思っています。
3「有限の時間の中で、多様な形で、社会的価値を提供する工夫をしていますか?」
この点は、どうでしょう。本を出すこと、ビデオを作って伝え残すこと、を意図していたと思うのですが、それについては、全く不十分であったとおもいます。(40歳のブログは)10年目標でもあるので、じっくり、でも、確実にやって行きたいと思います。
4「幸せな家庭を描き、自らその実践のために動いていますか?」
家族と一緒に過ごすーーと言う意味では、まったくNGかなと思います。年間で最低100日以上、ホテル住まいで、あまり家族イベントも充実していない、仕事が優先している日々だったと思います。これからもそういう感じになりそうです。ただ、遠い旅先からでも、家族に気持ちを向けて、連絡を入れたり、たまの仙台での休暇の時には、できるだけ、家族一緒に過ごしたいと思って、プライベートな日はオフラインで過ごしてみています。リビングで皆で一日読書をしてお茶を飲んで過ごす、という程度のことであっても、そういう一日を三ヶ月に一回は取れていたかなと。本当はもっと家族で旅行をしたり、ドライブしたり、したいところ。この辺は40代が終わることには、少し代わっているのかもしれません。
以上で、追記、終わります。
最後に:
来年42歳になった自分への問い
「固有の言語を超えて使えるブレスト道具を作っていますか?」
(販売できる製品の形がベストだけれど、発想ワークシートやワークショップスライド、あるいは、なんらかの物体ではないもの(プロセスとか)でも、いいので、この一年間で作った?)