これが正解、というものとは、程遠いかもしれませんが、年間50回ぐらいアイデアワークショップをしている石井なりのたどりついた「タイム管理」の方法を紹介します。

とあるイベントでのタイムチャートです。
この日はアイデアワークショップの前に、Inputパート(セミナー)が予定されていました。あるアクシデントで、このセミナーパートが大幅に遅れた場面でした。
<予定>
13:35にセミナー終了。休憩10分。13:45にワークショップ開始
<実際>
<実際>
14:05にセミナー終了。休憩5分(に短縮)。14:10にワークショップ開始。
この日のワークショップは、3時間15分の内容でした。
それが、スタート時点で、25分ビハインド(遅れ)で始まり、2時間50分で進めることになりました。
170分/195分≒0.87、なので、単純に言えば「10分のところを8分ちょっとで進行する」という感じですが、実際はそう簡単にはいきません。
早くできるところ、そうでないところがあります。参加者さんたちの状況によっては、時間枠を伸ばしてでもやらないといけない場面もあります。
なので、ここからは、2分、3分の時間を摘み取り、徐々に時間を戻していく努力をします。
■冒頭
冒頭の写真は終盤が近づいていますが、タイムラインに対して、右肩上がりのふにゃっとした線を引いています。これが逐次書き込んでいる実際の時間です。
(ちなみに、スタート時点での反映はしてありません。初めはとにかく円滑に流しだすことに注力する為に、ホワイトボード前で調整を始めるのは、流れができはじめてから、にしているからです。)
■スピードストーミング
この終了時点で、15分ビハインドに、戻しています。スピードストーミングの前のテーマ説明を大幅に簡素化して4分削り、SSの準備と終わりの机の並べ替えをハイピッチで進めて6分をひねり出しています。(逆に言えば、通常はテーブル移動に、3分ぐらいずつのロスタイムを見込んで作ります。)
■ハイライト、アイデアレビュー、発展ブレスト
この終了時には、8分ビハインドまで戻しています。大きいのは発展ブレストを5分削り、後は、2分ほど、ハイライト法で少し削れました。
■プレゼンの準備、プレゼン
ここが終わる時点で、オンタイム、に戻しています。今回は予定していたチーム数の半分だったことが助けとなりました。現場に入ると、人数が違う、と言うことが良くあります。今回は、ホワイトボードの左側に、3×4、という計算式がありますがこれは、実際のチーム数で計算しなおしたところ。(そこの下に、3.5×4、とありますが、これが実際にかかる時間です。プレゼンの交代時間がありますから。)
今回、もし、チーム数が当初の予定通りだったら、急ピッチで進めて、それでなおかつ、4分ビハインド、ぐらい、だったでしょう。(その場合、次のまとめ、をかなり削ぎ、最後であわせます。)
■まとめ
オンタイムにもどったので、このパートは、きちんと15分使えています。(そして、時間通り終了)
ファシリテーションの合間に、こんな風に、思考を展開しています。
ということで:
ここで述べたかったのは、だんだん繰りかえしていくうちに経験則的にこういうタイムチャートを書くようになったのですが、こういう風に、時間を反映していくと、徐々に遅れをカバーしていくことができて、焦りも心から追い出して、客観的に進めることができるようになりますよ、という話です。
ちなみに、主催者さんの意向を汲んで進行していくうちに、終了時点でどうしても30分超過せざるを得ない、といった事態も時々あります。そうなったときも、残りの時間と予定を、ざっと話し合って、取り除くべきパートを合意したり、最大遅延時間を相談したり、という行為にも便利です。