県岐商(いわゆる、岐阜商)は、日本の商業高校の中でも簿記の受験合格など、実力ナンバー1の商業高校です。光栄なことに、同校の文科省のスーパー・ハイスクールの授業を受け持っています。商品開発の授業です。
先日は、中盤まで進んだこの授業では「アイデアショーケース」と題して企業さんに向けたプレゼンテーションDAYを実施しました。
その時のことが、校長だよりの中で言及されています。
この服部校長殿のお言葉の「生徒のプレゼンテーションの後に企業側から鋭い質問が出されました。生徒は丁寧に答えていました。初めての経験で、プレゼンターはかなり緊張したと思います。どんな質問がくるかわからない状況を乗り越えることは実社会でも存在します。つまり、扱っている商品をどれだけよく知っているかということです。」と言う点は、まさに、その通りで、頑張って練り上げてきた生徒さんにも、学業との兼ね合いで限定的な時間の中で当日を迎えた生徒さんも、おのおのスタンスでこのお言葉は、切実に響いたかと思います。
このプログラムは「授業(≒育み)」であると同時に「事業(≒勝負)」でもあります。どちらかだけに重心をおけば、SPHのプログラムの絶妙さから乖離してしまいます。
この点は、毎回の設計と授業進行において、とても繊細に感じてかじりきりをしています。
〇 楽しく学びになった、だけではいけない
(何も、社会から金銭的対価を得られない構想ワークでは、お遊戯になってしまう。投下資本に対して、1000円でも、プラスで事業が回らなければいけない。)
〇 膨大な人的資源投入をして収益化する、というスタイルでもいけない
(高校生の作業をコスト計上しなければ、薄利多売の難しくない作業をする事業ならばすぐに収益化は出来ます。内職の造花作成をする企業をすれば、すぐに黒字事業になるでしょう。でも、それやそれに類する事業モデルの立ち上げでは駄目なんです。ここで学ぶものは、付加価値を作り出し、小さいビジネスでも充分に収益を出せる着想力や事業展開力です。なので、やたらめったら頑張ってこい、というスタイルは大前提としてとりえないわけです。
短い労働時間でも、創造的な産物を生み出し、それを事業として回すと、収益性を生む、そんな高付加価値な商品創出を狙わせていかなければいけないと。
この授業、3年ありまして今年が一年目です。短期的には今年はあと2回、あります。長期的には、2.5年あります。
とはいえ、ゆっくりはしているつもりはありません。一年目から一定の芽が出るように、残り期間、全力で商品開発・展開に向けた授業を実施してゆきます。