今回は、こんな会話から始まります。
石井:前回ほろ酔い気分で出したアイデアを覚えていますか?
松田:すーごく盛り上がったのは覚えてるんですけど、具体的に出たアイデアは……。
仲:なんでしたっけね?(笑)
石井:そうだと思ってきちんとアイデアメモを持ってきましたよ!
仲:ありがとうございます!あー。思い出してきました!
そう。そうなんですよね。アルコールブレストで思いっきり、イマジネーションのエンジンを吹け上がらせた後、飲み会も楽しんで帰る。そして、日を変えて醒めた頭で、アイデアを伸ばすわけですが、アルコール摂取状態の思考は思い出しにくい、という不思議な特性がじゃまをします。
そこで、前回のポストイットを貼ったシートをもってきてざっくり振り返りをしたところ、みな、記憶がコールされてきて、アイデアの素材が、議論の俎上にのってきました。
更にこうたずねました。
石井:“しらふ”の今見直すとどう思いますか?
木原:しらふで見てもいいアイデアが多かったと思う。ほろ酔いアイデア、なかなかいいですね〜(笑)。
そうなんですよね。記憶をコールできさえすれば、結構、しらふで見ても面白いものが多い。普段のやりかたの会議を重ねてもこういうアイデアは出てこないなー、ということが、机の上にたくさん載っている状態からはじめられるわけです。
この【記録し、残し、次の場で、記憶をコールし、議論の俎上に載せてくる】という”リンク”が千切れているのが普通の「飲み会トーク」なんです。このミッシングリンクをほったらかしたまま飲み会を繰りかえしちゃうと、ついつい、会議室に来ても手ぶらで、「あー、なんか良いアイデア出しきがするんですけどねー。」「なんかこんな感じのこといわなかったっけ?」「あれ、それって何が面白かったんだっけ」と、なり何もすすで無い感に苛まされます。
このとき、飲み会の場で書いたポストイット現物、そのポストイットを貼ったシート現物、があることで、香りまで含めて鮮明に記憶をコールすることができて、その時に、アイデアのまとっていたオーラのような「テキストの文字列という情報には載っていない大きな部分」を、会議室に、ひっぱり出してくることができます。
AB会議と言うのは、実は、飲み会のテクニックであり、飲み会からのアウトプットを活かすテクニックでもあるんだと、今回の企画を通じて、強く思いました。
(かく言う私も、よく、さし飲みで、居酒屋でブレストをします。思いっきり発散しつつも、大量のメモカードをお酒に汚れながらとって、翌日ホテルの机で、出来る限りそのカードをヒントに、発想源を引き出す、と言うことをしていました。最後のほうは書いたことすら記憶に無いカードがありますが、それを正面から、右から、さかさから眺めているうちに、昨晩のことがフラッシュバックする、そしてするすると、発想のそそりが、再度出現できて、一気にアイデアが進む!ということがあったりもします。)
記事では、この後のチャプター(チャプター2以降)で、アイデアを更に吟味しています。
醒めた頭でアイデアの芽を企画へと育てている様子、リアルな風景をご覧ください。そこに乗っているアイデアも、あっそれ、自分のコミュニティーで、年末の忘年会シーズンでやってみたら面白そう!というものがいっぱいあるなぁと、進行しながら思っていました。
幹事力、という概念についてもなかなかに興味深く思っていました。
パート4