11月も半ばだというのに秋の初めのような気温と、澄んだ空気です。こういう日は、エアコンを切り、代わりに腰にホッカイロを貼り、窓を開け放ち、外気の中でデスクワークをすると良い気持ちです。ポイントはホッカイロ。腰が暖かいと全身が温まります。
久々に、仕事道具に関する話を書きます。
集中には、環境音が影響します。
カフェ、新幹線、ビジネスラウンジ、ホテルにおいて、執筆や概念加工の作業などをする時、周囲の会話や特定の音が、集中を壊してしまうことがあります。
特に、煽情的な内容の会話、間欠的な大きい音などはその類です。近くに説得的トーンでしゃべり続ける人がいたりすると、思考の処理量の一部をずっとそちらへのアテンションに取られ続けたり。
そういう時に、耳栓を使います。
実際に長く使ってみて、それら道具について感じたことを書いてみます。
- サイレンシア
最近までは、良く手に入る「サイレンシア」という黄色い耳栓を常用していました。
柔らかく、違和感が少ないです。その辺の薬局でも手に入り便利です。
短所は、性能がほどほど、という点です。
たとえば、水筒に入れたコーヒーを手元のマグカップにそそぐジョロロというレベルの音ははっきり聞こえてしまいます。
- デジタル耳栓 MM-1000
キングジムのデジタル耳栓「MM-1000」も面白いです。
見た目にはパフを入れるコンパクトサイズの本体とそこから生えているイヤホン、というフォルムです。
本体のスイッチを入れると、乗り物のごうごう音など、低音がすっと消えていきます。
近くにいる人の声はほぼ消しません。カフェの喧騒など、個別に聞き取れないぼやけた音声はある程度消えます。
近くの人の声だけハッキリ聞こえる、というのは、便利です。
この道具がもっとも重宝するのは、人が活動する施設内でデスクワークをしないといけない人だと思います。
例えば学校です。職員室と言うのは、運動部と吹奏楽部の立てる音の洪水の中で書類仕事をしなければなりませんので、生産性はかなり下がります。さりとて、従来型の耳栓を突っ込んでしまうと、誰かが呼びに来た時に聞き取れません。
こういう道具で喧騒は消し、呼びかけられた声は聞き取れる、というのは、利用価値が高いでしょう。
短所は、隣席での会話はよりくっきり聞こえてしまうところです。
乗り物でこれをつけると、ごうごういうノイズは消えて、隣や真後ろの会話が明瞭に聞き取れてしまいます。向うは、こちらには聞き取れないだろう音量に抑えて話してくれているのですが、内容まで明瞭に聞こえてしまいます。(そういう時には、これを外します。)
- ネクスケア 1100RP
これは、3Mが出しているオレンジ色の耳栓で、高音域から低音域まで、かなりよく遮音してくれます。
形は、サイレンシアを気持ち大きくした感じです。
ちょっと力を入れて細長くつぶして耳に入れると、20秒ぐらいで膨らみます。
膨らんでいくと急速に周囲の騒音が減ります。
すうっと音が遠のいていく感じは、厚い扉がゆっくり閉まっていくような感じで、まるで没頭の過程のようだ、とも、時々思います。
キーボードタッチの音も、コーヒーを注ぐ音も、聞こえなくなります。
足元で稼働しているファンヒータの出す大きい音はわずかなノイズに。
ビジネスホテルでの睡眠もかなり改善されていることも、ウエラブルデバイス(Fitbit)からわかりました。
ホテルの朝6時台はどこかしらの部屋でトイレの水が流れたり、朝早いチェックアウトの人の行動音が出ているようで、従来は、熟睡度が著しく下がっていました。(自宅では朝6時の熟睡度の低下は現れません。)
この耳栓をしてホテルの部屋にいると、相当なお値段の良いホテルの部屋にいるようです。
この静寂の中で眠ると、起床予定時刻まで、ぐっすり眠れます。
熟睡は、体調をよくし、発想ワーク時の思考の速さもよくしてくれます。
欠点は入手の時間がかかることです。
ドラッグストアの店頭にはないので、amazonなどで手配します。
コストは少し高めです。
耳栓は消耗品で、だいたい1週間ぐらいで交換します。これは2セットで400円ぐらいなので、1週間200円。
ですが、生活の質・仕事の質を良いものにするという効能から考えて、相当にお得であると感じます。
以上、仕事道具の一つ、耳栓についてでした。
現時点でのベストは上述のものなのですが、願わくば、遮音性能はこのままに、水洗いが出来、もう少し長く使える耳栓が欲しいところです。