2015年04月18日

加藤昌治さんとの往復書簡(2)

石井から先に質問を出せてもらいました。

目次というものについて。

私は、本を見るときは、全体像を把握しようとして初読で、目次をじっくり読むのですが、「発想法の使い方」では10ページ、という紙面の5%に当たる分量には、驚きました。

学習後、技法を使おうと思ったら、サマリメモがあると学習者は楽ですが、この目次は、二読目の読者のためのメソッド・サマリとして機能するようになっている、と思いましたが、書き手としては、そういうことでしょうか?

また、アイデア発想法にまったく慣れていない読者の初読の際は、この目次はざっと斜め読みして、先へ進んでしまうほうがいいでしょうか?



加藤さんからのお返事

石井さん、まずは書籍制作へのご協力ありがとうございました。締め切りに追われてしまうスケジュールになりがちなんですが、「発想法の使い方」についてはスタート時、合宿、そして途中段階の原稿作成時・・・と何度も各種の指摘をいただくことで、原稿の精度が格段に上がりました。
 自分としてもこういう本の作り方をしたのは初めてで、アカデミックな視点が入ると違うもんだな〜と思ってます。

 さて、そんな石井さんからの最初のご質問、驚きました。目次から来るとは! 実は目次にそれほど熱意を傾けてはいなかったかも。分量の割合についても初めて「そうか、多いのか」と気がつきました。

 改めて自分が目次をどうやってつくっているのか、を整理しますと・・・わたし個人のやり方としては、「本の企画=目次(案)」です。しかもある程度、そうですね「中見出し」ぐらいまで書いてあって、それぞれの中身をおぼろげながらも云えないと、まだ書き始められないタイプです。

 なので、目次構成案は何度もやり直すことになります。「発想法の使い方」にしても、出だしの当初案、編集会議に掛けてもらった案、合宿で「これでOK!」と思った案、書き始めた時点案、結局かなり入れ換えた案、下原稿を元にまた変えた案・・・と結構二転三転、じゃなくて右往左往しましたのは石井さんもご存じの通り。

 そういう意味では、目次とは書籍の全体構造であり、設計図。結果としてメソッドのサマリにもなっている、というところでしょうか。全体が何pだから、目次は○pまでとは考えないですね。本文のボリュームとは関係なく、設計図に必要なページ数。

 モノが違えば、例えば『アイデア・バイブル』(ダイヤモンド社)のような、そもそもが辞書のような構成とページ数の場合は、初読で全部を読み切れないこともあるでしょうから、目次がインデックス機能を持ってますし。

 「発想法の使い方」には、基調として部活動、あるいは最初のお試しコース的な機能があります。なので、まずは目次を含めてザッと読んでもらって。読むよりも「見る」ぐらいの感覚でしょうか。
 それで、できれば一回か二回は各発想技法を試してもらいたいですね。その時には必要な箇所だけは「読む」ことになります。キレイに読まないで、本を開いた真ん中、ノドの部分をグイグイ押し広げるようにしてもらうぐらいが嬉しいです。
 それで、二回目からは「好きなのだけ確認のために、また見に行く」でよろしいんじゃないでしょうか。

 どんな本であれ、目次を先に読んだ方が、理解も早くなるのは承知です。速読法なんかでも推奨しているケース多いかと。ビジネス系の書籍には当然その傾向が強いですよね。
 あえて目次をすっ飛ばして本文から入るやり方もありますかね・・・。ワクワクしたい時、なんかは? 拙著がその期待に応えられるのかどうかはさておき。

 すいません、長くなっちゃいました。今度はかとうから石井さんへのご質問です。

「知見を原稿にする時、どこまで省略」しますか?

 「発想法の使い方」は(名称は文庫ですが)分量的には新書なので、原稿量の制限がありました。
 個人技ではなく、一般的な取扱説明書としての発想技法を紹介するにあたって、どこをどの辺まで書けばいいのか、とても迷ったところです。
 実際にライブとしてのアイデア発想ワークショップや講義を数多く実施されていて、聞く側が理解してできるようになるまでのプロセスをよくご存じの石井さんとして、テキストが果たしうる限界は何処までなのか。一方で書籍のみで独学した、もあり得るなかで? 石井さんのご意見を伺いたいです。

かとうまさはる拝
(2015年4月17日)



ということで、石井に課せられた質問は「省略」について。

ただいま、思考を、練り練りしております。




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