
未踏海域に近づくと情報がふえます。すると当初の計画は見直しをしないといけません。「事業計画の見直し」や、「プロジェクトの見直し」の際の判断基準、です。情報が増えてよりよい戦略がとりえるようになったら、航路は変えることになります。このときに、モノサシがあらかじめ決まっていると、メンバーが安心できます。どういう情報が入ってきたとしても、揺らがない評価基準(物差し)があり、最適な航路が決まるからです。もちろん、その物差しをメンバーが参加時に理解し、受け入れている必要があります。
またモノサシは常に1つでなくてもいいでしょう。長さよりも重さが重要ならモノサシは違うものを使うべきです。ただ重要なのは、リーダが気分で選ぶのはNGであり、どういう局面ではどの物差しを使うか、という、モノサシ適用ポリシーがあらかじめ定まっていることが大事です。それがしっかり決まっていれば、メンバーが安心して船に乗れます。
モノサシは、航路を変更しないプロジェクトにはなくても済んでしまいます。そのため充分なモノサシはないまま始まることも結構あります。そして、のっぴきならない事態(まっすぐは進めない障害物があった)などで、右迂回か左迂回に変更しないといけなくなった、というときになって、モノサシがないと非常に航海は難航します。その時になってモノサシを決めようとするプロジェクトが多いのも事実です。その結果、迂回を決めかねてそこにとまることになります。