その「世界中から尊敬される企業」とは、を一言で表現すると次の言葉になります。

頭の中に具体的に存在するモデル企業があります。島根の中村ブレイスです。(ブレイス=義足などを意味する言葉)
彼らのつくる製品は実にすごい。2007年の秋、私は同社に見学にいってまいりましたが、書物で表現される通りの素晴らしい企業でした。
「決して多くはないけれど、深い思いがある、そんな人たちに喜ばれるものを作る。」
義手義足という製品を使う方は、事故や先天的な理由で、失ってしまった身体の一部を作ってほしい、と願う方々です。特に同社の場合は、”メディカルアート”という考え方をしていて、身体の機能を補完するだけでなくアートとよべる高いレベルでその方の肌の質感を再現しています。そのあくなき技術開発力、組織力を目の当たりにして、私は本で事前に知ってはいたのですが、しびれるような感動を覚えました。
そして現場を見て強く印象に残ったのは、技術力ありきでそういう製品ができているのではなく、志や愛情が事業の芯にある、ということでした。
私の感じたしびれを一言でいえばこうです。
彼らの製品には使う人への愛情がそのフォルムに宿っています。
世界中から尊敬される企業。
決して大きなマーケットではない、かもしれません。
しかし、必要な人には、深い思いがある。
そんな製品をつくり届ける企業。
彼らがいなくなったら、困る人は世界中にいるでしょう。
私は、20年かけて仙台をそういう企業が次々生まれる土地にしたい、と強く思っています。