私がいつもお話しするオススメの方法(初級、中級、上級)がいくつかあります。以下に、そのうちの一つ(初級)だけご紹介します。いくつかの手法を混ぜて作業プロセスに直したものです。初級のベースは、収束作業もできるだけ楽しく創造的にしたい、です。
まず、仕事用6W3Hカード。
これが企画要素を描き出す(=発散プロセス)、そして整合性をチェックする(=収束プロセス)作業を自然と行うシートです。
作業手順
1)中央と周囲のセルに単語を入れよう。
中央のセル「何を(=ビジネス企画であれば、”商品””提供サービス”)」を入れよう。
そして、周囲の8セルを、埋めよう。
マインドマップから抜き出してもOK。一つのセルに2つ3つ入れてもOK。(例:「どこで」のセルに=“ネットで”“デパートで”“屋台で“の3つの可能性を入れておく)。マインドマップに良いのが無ければ、その場で考えて埋めても、OKです。どうしても埋められないセルは後回し。ただし、企画実行時の詰めの甘さを減らすには、その埋められないセルを埋めようと努めること。
2)複数の単語が入っているセルについて、採用する単語をきめる。
全体の整合性をみながらもっとも採用したい単語に○をつける。丸のつかない残りの単語も消さないでとっておこう。
3)周囲8つのセルから、中央のセルの整合性を検証する。
8つの周囲のセルと中央のセル、その組み合わせで企画としていけるか、修正を受ける必要があるのか、検討する。(全体を統合的に見て、「何を」を再度定義する)。はじめに書いた「何を」は、周囲8要因に囲まれることで、より企画として適切なものにブラッシュアップされる。
4)主要な要素をもれなく含んだ文章として、アイデアを仕上げる。
ヘッドライン化(1〜2行の端的な文章)にアイデアを仕上げよう。人に説明するときには、相手や状況に応じて、必要な要素をピックアップしよう。(9セルの全てを説明するのは長くなりすぎるため)。
ただし、どうしても、時間が無ければ、6W3Hシートをさしながら話してもOK。なお、端的な伝え方の一例としては、上段・中段・下段の中央セル(だれが、なにを、どの程度までする)だけを伝えるのもありです。”誰が何を”する、だけではなく、”どの程度まで”を伝えることで仕事の品質を指定します。
■(ポイント)このプロセスは、自分が使えるリソース、自分の持っている制限、狙いたい市場など、いろんなものを明確に描いて、プランとしてのきちんと整った状態に持っていく作業を、可視化していくものです。通常のプランシート(ビジネスプランコンテストだと、応募用の事業企画書フォーマットをくれたりしますが、そういうシートのことです。)は、頭から書いていくことになりますが、必ずしも、その作業が楽しいわけでも無いし、一番自分が大切にしたいことからもブレていくことも多いです。通常の事業プランニングでは何度も書き直すことで、企画としての整合性を高めよ、といいます。マンダラートの良いところは、自分の重視したいものをセルの真ん中に置くことで、周囲8セルを記入していてもぶれにくい心理状態にあります。「何を」を中央に書いたら、周囲を埋めていくときに「○○を、いくらで(うる)」「○○を、どこで(うる)」といった具合に、ぶれたくないものを常にくさびとして使えます。そして、全体を通してぶれたくない「何を」が十分に定義されていないことも多い状態で始めても、周囲8セルを生めてそれらが逆に”何を”を明確にすることもあります。つまり、「何を」を周囲の要素によって、ウェル・デファインド(十分に定義されたもの)にするわけです。あるいは、ぶれたくないとした主軸が、実は全体の実効性をかんがみると、少し変更を受けたほうがいいと客観評価できます。(あるいは、どうしても主軸をずらさないぞ、と決意するならば、現状では不足するもの・実行できないものをナントカするための明確化作業になります。)