TRIZの発明原理を、本質的なイノベーションのパターンとしてとらえなおして、それを技術領域から、ビジネス領域に写像したものを作る動きが近年良く見られています。
宮城TRIZ研究会会長として、石井が作ったバージョンのそれを、発想技法として仕立てたスライドを掲載します。
(もっと時代が下ると、より強力で、発想しやすい表現集が登場すると思われますが、近年のビジネスの流れにおいては、大体カバーできるようにしてあります。技術工学の領域の技術的ブレイクスルーと、経営戦略論の領域のイノベーションマネージメントの両方に対しての、ごく初期の荒い架け橋のようなもの、だと私は考えています、これを。)
なお、こういう「他所の領域での成功を、自分のところに持ってくる。そして、示唆として使う」といのは、かなり概念適用の柔軟性が要ります。
そういうときの心理様式を絵にしてみました。
従来にあるやり方をいろいろひずませてしまいます、新しいものを仮に取り入れた姿を想像してみると。
でも、それをいったん受けれてしまうんですね。
それから、調整を図ってみて、しっくり来るように全部を整えなおしてみる。
こういう作業は認知上の処理資源を多く使うので、通常頭が面倒がってやろうとしません。自分の立っている領域で過去にうまくいった経験が多いほど。ひずむのはいやだ、と。
そういう心理的な省力化、思考という演算処理の軽量化をしよう、という働きに、イノベーションの初期には抗せねばなりません。そういう心象風景を、シンボリックに絵にしてみたものです。
ぜひ、練習課題での発想を経て、自分の事業へ発想のやり方を適用をしてみてください。
私自身も、面倒で変えたくない、と思っている思考が閉塞を生み出していることを、こういう技法を使うときに気がつきます。