旅仕事から旅仕事への日々で、書きたいことのストックがたまる一方、使える時間がすくなくて、久々に書斎に座ると、未開封の封書が山ほどあって、もう次の旅仕事が目前だ、なんていうと、いただいた書籍はとりあえずスーツケースに、ということがよくあります。
そんな中から、一冊。
経産省の本が届いていました。
以前、FMSの三輪さんとともに、東北大学での農商工プロデューサーの教育コースで、連携しながらアイデア創出ワークをやっていた時期があります。その時に、アイデアのアウトプットのフレームワークとして、拙著アイデアスイッチから、6W3Hシートをもってきて使っていました。
三輪さんはその枠組みを気に入ってくださったようで活用してくださっていると聞き及んでいます。この本も三輪さんのご執筆なされたパートがあり、その中でこれを引用という形で載せてくださっています。
こういう配慮深いところは、三輪さんの(コンサルとしての力量と同時に)もう一つの側面ですね。連携する講義でお付き合いしているときに、とてもそういう部分を感じました。
以上が、この記事タイトルから、書きたいところでした。
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ここから、話はB面です。
(レコードやカセットのアナロジーなのですが、若い人にはわからないですよね。執筆余話、みたいなものです。)
アイデアスイッチが出てから6年がたちました。
頭の中の知識セットを、本にすることで、2つの側面がありました。
一つは「時間と関係性を乗り越えて、届く」ということ。時々、読みましたよと言ってくれる方とお会いすることがあります。
二つ目は、「引用できる知見になる」ということ。どれほどWEBで書いたり、講演でしゃべっても、揺れる存在である「流動的なコンテンツ」はかための本に引用されにくいです。(WEB媒体には、逆に、WEB情報のほうが引用されやすいです。)
次の本を書こう書こうと思いつつ、もう6年がたちました。41歳もそろそろ終わろうとしています。夏の終わりごろにカウントアップしますので。
夏場は、比較的涼しい仙台の書斎にこもって開発と執筆の時期に充てたいところなのですが、近年、学校系(大学と高校)の講義をもっているので、尻についた火が消えずに、蒸気機関車のごとく、旅から戻ってあわただしく次の旅へ、という日々。
じゃあ、講義を本にしたら、とも思うのですが、残すものだから、何かの副産物として作るのではなく、本のために向き合って、生み出したいんです。
フェイスブックに、旅の記録、日々見つけて考えている気づきやアイデアのかけら、をよく載せているのですが、その時間を削るかなぁとも、思います。少なくとも、数冊分の分量の文字と時間を、SNSにはこの6年間で書けたとおもいますので。
本の読者というものが、有限であり、人数×年数の面積積分が一定値だと仮にするならば、その形は、ほそく、時間の遠くのほうまで続くものがいい、と思います。
ヒットとは無縁で、しかし、ある種のひとの本棚には、引っ越し10回を乗り越えて残るような、そういうものが、書籍の理想だと、僕は思うのです。僕の本棚にもありますよ、そういう本が。「考具」と「スウェーデン式アイデアブック」です。加藤さんとは、往復書簡をする関係に今なっているなんて、昔の僕からしたら絵空事だったでしょう。
そう考えると、いずれ、フレドリックヘレンさんとも、お酒を飲んで会話できる日も来るのかもしれません。ストックホルムとかシンガポールのクエイティブエリアでお酒でも飲んでいたらある日偶然に出会えたりしないかなぁ、なんて。