2015年08月22日

42歳の目標:ブレインストーミングの補助道具を、小さく、たくさん作る。

8月22日。42歳になりました。

今年は珍しく仙台の自宅と書斎で誕生日を迎えました。過去の8月22日の記事を読み直し、今日からの一年の目標を心に浮かび上がらせていました。


ブレインストーミングの補助道具。あるいは、アイデア創出ツール。

これをつくることが、私の本業です。


2007年に誕生したブレスター以降、いろんなアイデアプラント製品が登場してきました。作りたい者はまだまだ山のようにあります。

しかし、最近は、旅仕事(これも使命の一つで、創造研修やアイデアワークショップのファシリテーションを各社各地でする仕事)に一年の大部分を費やしています。

結果として、開発の手が著しく停滞している、とはっきり認識しています。


ただ、最近、すこし変わってきました。

創造研修やさまざまな領域のアイデアソンをすると、「ブレストをもっと引き出す知見」が増えていきます。それらを受け止めるものを、ワークシートや、新しいブレインストーミング・スタイルとして、組んで、実戦投入して、さらに直して、というプロト&テストのサイクルを、仕事上で回せるようになってきました。

これまでは、提供するメソッドの深化を図ることに没頭していたのに対し、それを7割の部分で提供しきり、のこり3割に新しい実験的な発想スタイルを入れてみることができるように。

もちろん、企業さん向けの創造研修では、そうしたことはさすがにしません。単価の高い私にオーダーをくださる企業さんのイノベーションに向けて最適な知見を提供することで100%。

でも、学校系の仕事や、地域活性系の仕事で、取り組みに先鋭的な、実験的な要素を入れても構わないケースでは、積極的に、その3割で、試作投入と改良フィードバックをもらっています。

それが全くダメダメな水準であれば、受講者の時間を奪うばかりですが、いずれの場合でも、実験的な、まだ誰も経験していないスタイルの体験を通じて、受講者さんが多様なことを得て帰ってもらえっているので、このスタイルを行っています。(実験的なものから、受講者さんが得たというものは、回答内容が多様です。定番の発想メソッドに比べ。)


試作品(あるいは、未完成のアイデア発想メソッド)のほうが、時には、完成品よりも、学びとれることが多い。

そういうところが人にはあるんだなぁと、そういう場面でよく思います。なので、実験に付き合ってもらって悪いな、という気持ち100%だった時代から、そういうタイプの学び体験も、バラエティの一つとして入れよう、と力強く意思決定できるようになってきた、という状況です、今は。



さて話を、元の流れに戻し、続けます。

作りたかった、ブレインストーミングの補助道具、これをもっと、作ろうと思います。そして、使って直していく。

これまでは、かなりの仕上がりに到達して、かつ、テストプレイも専用の場をしっかり作って、という感じになってきていましたが、創業のころは、頻繁に思いついたものを、ラフにつくって使ってもらうことをやってきました。
その時代には、着想、試作、良点発見、製品化、というサイクルを、小さく、たくさんしていました。それらの超ニッチユーザへの一点突破の先に、広いユーザ層(全面展開)に波及していく、という展開でした。


いきなり全面展開を目指すことを、近年は考え続けて、アイデアの結晶化(製品完成)をすごく少なくしてしまっていました。成功した企業が徐々に、大きな市場を見込めないと製品投入できなくなっていく、いわゆる「成功経験の弊害」が、私の中にもあった、と正直に書いてしまいますが、そうだったと思います。

その結果、私のPCの中の「★開発」というフォルダーには、たくさんの製品アイデアが並んでいて、日の目を見ることを待っています。

没にしたなら、それでもいいのですが、「開発ストップ。理由は、市場が小さいから。」というアイデア群なので、一点突破型で、ごく小さい市場を目指していくならば、出したいものがいっぱいあるのです。


今年はそれ(小さい市場から初めて、いずれ全面展開)に、免罪符を与えて、作りたい限り、作り出してみようと思います。ブランドとか、コンセプトをぶれているものも、できれば、出してから淘汰されていくぐらいに、発芽の自由度を上げてみようと思います。


なお私のいう、ブレインストーミングの補助道具、というものには、AとBがあります。

A 「アイデア創出ツール」

発想法、というメソッド。
ブレスターや智慧カードのような、発想創出カードのセット。
廃版にはしましたが、ブレインストーミング専用ホワイトボード紙。
・・・などなど、アイデアを出すことを、真正面から、サポートするものです。

B 「ブレインストーミングの作業を、より円滑に、効果的にする道具」

含みのある書き方をしましたが、例えば、
「概念適用の柔軟さを上げるためのゲーム」とか「頭の回転数を上げる遊び道具」(発想力は、前面に出さないもの)もありです。
前に試作した、都道府県の要素を用いた遊び道具、とかも、これに含みます。
また、「ブレインストーミングの間のアイデアの記録と利活用をより良いものにするガジェット」もありです。
最近私はFitbitという活動量計リストバンドをつけているのでが、心拍数をずっと精度よくセンシングしてくれていて、行為や心理状態と照らし合わせてみると、心拍数の変動というのは、興味深い活用の可能性があると感じました。

専用のガジェットは作れる事業環境がありませんが、市販品の機能を組み合わせて、ブレインストーミング・極大点を検出することはできるでしょう。
その時の音声だけをクリップして、ランダム再生し、ブレスト後半側でアイデア・リコールを促す、なんていうことも、今の技術を組み合わせればできそうです。電球の色を変える、音楽を切り替える、などの「部屋レベルでムードに影響を与える」ということ範疇に入ります。


Bについては、居酒屋でブレストするときに、こういうものを昔はよく話したのですが、最近は、その頻度が減ったと、気が付きました。
昔より「先生」といわれて飲み会に参加していることが多く、各地で見聞きしたアイデアにまつわる話を紹介する、みたいな、先生っぽいことをして、時間の大半を使っていたなぁと、気が付きました。

「仮説として、こうだったらもっとアイデアを引き出せると思うんだけど、なにかいい具現化方法ないかな」という話、今年一年はもっとしようと思います。

昔から周りには優秀な人がいっぱいいましたが、その人数が飛躍的に増えています。アルコールブレストをもっともっと、アイデアツールの創造の場として、使っていこうと思います。

さらに言えば、一緒に作れるTech企業さんとつくって、アイデアプラント単独の製品ではなく、共同開発の製品も、目指してみたいなと思います。とはいえ、発想の道具というのは、そんなにたくさん売れるものでははないので、作ったものは、コンセプト品(広告的な製品)にはなるけれど、開発費の回収は期待できない、その前提に了解してもらえる場合にだけなので、かなり難しいことではありますが。


今年の目標の達成に向けてもっとも枯渇している資源は、時間です。

使える時間の大半を、旅仕事、すなわち企業さんでの創造研修やアイデアワークショップ各種に投入している現状。
これを変えるつもりはありません。
社会に求められて、好きで得意なことが喜んでもらえるならば、それは使命と決めた道だから、全力でやりたい、と。

なので、ブレストは、基本的に、飲み会の席を、アルコールブレストに。


それから、睡眠をもっと長くとって、頭の回転数を寝る直前まで下げずに使えるように。
そうすることで、時間かけるパフォーマンスの面積はもっと大きくなるだろうと思います。

頭の回復をまって、ぼんやりしている時間が長い、というのは、旅がちの日々で結構あります。

睡眠を長くすることで、時間がさらに無くなる感じですが、たぶん、逆に有効面積を増やせるのではないか、と思います。

(Fitbitの算出する熟睡時間が毎日4.5時間を超えることも、ミニ目標にしたい。)



43歳の自分への問い:

ブレインストーミングの補助道具(※A,B)を、小さく、たくさん作りましたか?

※A「アイデア創出ツール」
※B「ブレインストーミングの作業を、より円滑に、効果的にする道具」

A+Bの総計で、

  • デザインスケッチ:24枚(月に2枚)
  • ワーキングプロトタイプ:6つ(二か月に1つ)
  • 商品化:2つ(半年に1つ)

を数値目標と。

珍しく、数値目標をつけました。

一年後の自分が、夏になって、大慌てで、やろうとしている姿が容易に想像できます。

予想するに、達成に向けて最も大事なことは、お酒の場面を、アルコールブレストにすること。睡眠をよくとること。この二つを習慣にできれば、旅の日々でも、きっと作れる。そう思います。





最後に、昨年の問いに答えます。

固有の言語を超えて使えるブレスト道具を作っていますか?
(販売できる製品の形がベストだけれど、発想ワークシートやワークショップスライド、あるいは、なんらかの物体ではないもの(プロセスとか)でも、いいので、この一年間で作った?)

に対する回答:

今年は、ヨーロッパ(北欧、南欧、バルト地域)での海外のブレインストーミング事情の調査や、海外パートナーを見つける取り組みをしてきたので、全くやってないわけじゃないのですが、問いにYesと答えるには、足りていません。20%といったところ。

Quad-stormingを、開発チームでのディスカッションや試作を繰り返してきて、大量のテストユーザによる実用とフィードバックももらっていました。(200名を超えます。)。
ただ、これも、改良を繰り返して形は変わり、シンプルさを突き詰めていけばいったで、生まれる制限もきつくなり、アイデアのPivotを繰り返して、最適地を探し当てている努力の途中でした。

作っていますか?に対して、(結構)作っています、とは言えますが、完成はしていません。

特に、8月上旬、早稲田大学での夏季集中講義を終えて仙台の書斎にもどり、一人で過ごしているときに、昨年の目標を読み返して、大急ぎで取り組み、2つの形が見えてきました。

◎ IDEABOARD(アイデアボード)、ついに?

ブレスターをはじめアイデアプラント製品群は、グランドビジョンは、アイデアボード、というまだ存在しない「ブレストの補助道具」をベースにして生まれています。その初期のモデルはむちゃくちゃ複雑で、一度解体していますが、そのコンセプトを継承し、非常にシンプルなものが、Quad-stormingという種から、描き出せました。今は、ラフのラフ、といったレベルですが、光が見え始めました。
ノンバーバルなもの、とはなりませんが、固有の言語を超えて、どの国の言葉に翻訳するのも、さほど難しくない、シンプルなものが出来つつあります。
具体像にして、チームでディスカッションを早くしたいところ。自分が旅がちなのが恨めしいです。


◎ IDEAPLANT版、連想の6法則(ブレストの補助道具の一種)

ブレストにおいては、2つの営みがよく見られます。

  • 新規の要素を持ち込み、既存の要素に結びつけて、新しいアイデアを生み出す。
  • すでに出たアイデアの本質を土台にして別のアイデアを生み出す。

これらの作業を加速するには、インプット系メソッドや、アイデア発想メソッド各種、があります。

とっさのブレストでもすぐに使え、より根底に近い発想技法は「連想の法則」なのですが、ギリシャ時代に3法則、オズボーンにより4法則、となったものを、石井の分析で、6法則に、上げました。

正確な連想のパターン分類、とはいえませんが、アイデアを大量生成・多様展開するときに必要な、基礎的な頭の中の概念操作の全体を、連想の法則スタイルにあてはめなおすと、4では、どうしてもカバーしきれず、あと2つ、加えました。

6枚のカードはかなりPictogramっぽいので、かなり理想に近くはなりました。ブレスト中、アイデアの幅や多様性を作りたい時にそれらは、補助道具として機能してくれるでしょう。


どちらも、試作品とテスト利用の繰り返しをこれからしていく必要があります。

国内、可能であれば、多言語メンバーでやりたいところ。

今年の目標のとも一致するので、この道具も、どんどん育てていきます。


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蛇足:


posted by 石井力重 at 18:56 | 8月22日



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