東海道新幹線でこのブログを書いています。富士山を横切ります。冠雪はしていませんでした。
さて、岐阜滞在の二日目は、許可を得て、岐阜駅前の広場で、試作品についてのアドバイスをいろんな人からもらってくる、という授業をやってきました。

県岐商の生徒さんたち。
各自の試作品をもって駅前に集まりました。
商品化を見据えてメーカさんから頂いた類似サンプルも、イメージを沸かせてもらうための材料として持参。

のんびりとして、余裕のありそうな方、かつ、ターゲットユーザ層に近い方、を見つけて、どんどん聞いていきます。

年代物のフィルムカメラをさげたおじさんに記念撮影をせがまれる男子生徒たち。快く答えていました。
県岐商、といえば、この地域では伝統ある高校です。
ヒアリングに出る時、地域の信用力がある、ということはかなり大きいです。
学校名をキチンと名乗ったときに、相手が「おう、しっとるぞ。」とか「俺もOBだ」ということが、よくあります。
(地域で愛されている学校だから、この活動展開ができた、という部分もあります。)

特殊な市場に向けた製品案で試作物を作っている男子生徒たち。偶然にも、その製品ユーザのいる業界で働く方に出会えました。
男子生徒は、女子生徒に比べて、人に声をかけるハードルが高いのだと思いますが、聞き始めれば、きちんと深く聞いてきます。
(男性は、年齢によらず、同性・異性に対して声をかけたときに帰ってくる相手の反応がやや硬い、という面はあるなぁと、観察をしていて思いました。)

高校生は年齢的にはシャイながらも、大人のように知らずに降り積もってしまったようなプライドがまだ無く、彼ら彼女らの素行の良さも手伝って、徐々にスムーズにヒアリングをするようになりました。90分の中で目を見張る成長。
中には、90分という限られた時間の中で8人以上にヒアリングしつつ、もじもじしていた男子生徒のヒアリングもサポートもしてあげているという行動力に長けた生徒もいました。
観察をしていて、パフォーマンスの高い学生の傾向がわかりました。
1)人に声をかけ相手の貴重な時間をもらう、ということに対して感謝する姿勢が感じ取れる
2)はっきりとした声で簡潔に要件を伝えることができる
この2つがあると、相手が対応してくれる確率が高くなり、ヒアリングが捗ります。
その後、学校に戻り、夕方まで、商品開発の授業を続けました。
製造可能性について、メーカーサイドからの評価をフィードバックし、Kill or Goを示し、Goとなったところは、本日のヒアリング結果から
◎狙い定めるターゲット像
◎設定できる価格
◎声を活かした仕様
◎訴求ポイント
を纏めていく、ということをしました。
ある程度想定で、製造コスト、販売価格、製造容易性の検討なども、吟味していきました。
〔A〕自校製品として商品化の可能性がかなりあるもの
と
〔B〕そこには及ばないが今後検討を続けて可能性を見出してみるもの
について、冬に向けて、検討を進めてゆきます。
商業高校としての本領発揮は、マーケティングと販売です。
このSPH(スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール)の授業も、前半をまとめつつ、「商品を売る」という”商”の佳境の活動へと進んでいきます。