今夜も、夜の新幹線で仕事をしています。関東圏をそろそろ抜けるころです。
私の毎晩の風景にちかいものを、撮影してみました。
S9900のライムラプス機能にて。上野〜大宮あたり。
さて、〔息抜き〕、というものに関して。
先日、江東区にある渋い展示館で、竹の釣竿の匠の解説を読み、「息抜き」という作業があると知りました。
竿の素材である竹は曲がっています。火鉢のような熱源でじっくり熱して曲がりを打ち消すように木製の治具で力をかけてまっすぐにします。これを「矯め(ため)」というそうです。
熱するので竹の中の空気は膨らみます。その熱で竹が破裂せぬように、節に穴をあけおく。これを「息抜き」と呼ぶそうです。 ※1 ※2
※1:解説には、実際には節に穴をたとえあけなくても竹が破裂することはない、とありました。
※2:熱した空気が作業者の顔に噴き出さぬように、手前側の最後の一節には穴をあけずにおくそうです。
息抜きというのは、「中身がパンパンになって破裂するのを避けるために、息(たまっているもの)を抜く行為」なのだ、と言葉の本質が見えた気がしました。つまり、脳内の廃熱を促すことが、息抜きの本質であるのだろう、と。詳しくそこに至った思考展開をつづります。
まず、大辞泉にはこうあります。
(1)緊張を解いて、気分転換のためにしばらく休むこと。休息。「―にテレビを見る」「屋上に出て―する」
(2)室内の換気・通風のために取り付けた装置や開口部。
これはアナロジー的には次のように見ることができます。
- 竹=脳、
- 空気=思考量、
- 外界に通じる穴=脳の熱を逃がす行為
こうみると、息抜きがよくわかります。
・思考の高処理量により、脳の温度が高温で推移します。
・そのままだと、落ちる危険性があります。(集中が途切れる)
・回避するために廃熱が必要です。(血流を増加させる)
・そこで、立って動いたり、(血流による廃熱)
・もしくは、お茶を淹れて飲みます。(※)
※お茶を入れて飲む、という行為は、思考処理量を下げ脳内の〔熱生成量を抑える〕、という側面と、お茶の利尿作用により身体から暖かい液体を一定量排出することで身体を冷やす、という間接的な〔廃熱〕の側面がありそうです。
本当にこのメカニズムなのかを議論するには、あまりに材料が少ないのですが、展示館でのこの情報に触れてからこちら、ずっと考えて、そういう仮説にいたりました。
仮にこの仮説が正だとするならばですが、息抜きとは、脳内の熱の排出ということになり、いろいろと工夫のしかたが思いつきます。
熱生成量を減らす
1)思考を止める
血流量を増やす
2)思考処理の要らない軽作業をする
3)マッサージをする
脳へ行く血液を冷やす
4)冷たい空気を深呼吸する
5)首筋を冷やす
6)冷たい飲み物を飲む
熱を間接的に捨てる
7)トイレに行く
8)軽く眠る(入眠時に体の芯の熱を捨てる)
9)冷たい床に寝そべる
10)頭皮に冷風を当てる
11)冷たい水に頭部をつける
などなど。
多くの場面では、1)という消極的なアプローチをとっていましたが、これからは、実験的に、2〜11)を試してみようと思います。
特に、2)4)7)8)は、少々多めにしても、体にもよさそうなものです。
(細かいことを言えば、睡眠はいい加減にとると、概日リズムを狂わす、などもあるかもしれませんが。)
ちなみに、休憩のタイミングを効果的にすることも興味がありまして、その点は昔からずっと、そして、今も、探索中です。自分のために、というよりも、講義、研修、ワークショップで登壇する時に、何十人の人が上げる成果をよりよくするために。