秋田県の産業技術センターに佐々木大三さん、という友人がいます。
もともとは、某社のエンジニアをされていまして、私が同社に講演で伺った際にお会いしたのがご縁の始まりでした。現在は、地元、秋田を舞台に技術系の行政マンとして活躍されています。
彼が「石井さんのアイデアスイッチから、発想コンテンツを使って、アイデア発想ワークをしたいのですが」と律儀に連絡をくださいました。
そして、数日たって、昨日、うまくいきました(盛り上がりました)、という、うれしい報告をもらいました。
佐々木さんのスライドが、スライドシェアで閲覧できます。
こういう資料を拝見すると、とても励みになりますし、私にとっても勉強になります。
どうも、ありがとうございます。
本に書いたことが読者さんの社内や勉強会などで活用してもらえるば、書き手としてはうれしい限りです。
(もちろん、書籍という著作物には、出版社さんの管理的な側面もあるでしょうから、全頁転載し商業出版物に載せる、といったケースがあれば、話は別でしょうけれど、大抵、ワークショップでメソッドを使うぐらいのことならば、どうぞご自由に、というスタンスをいつも取っています。)
ここから、長い蛇足です。
私が作るスライドは展開がいつも石井テイストなもので、同じような学習感になりますが、他の方が技法を使ってくださりそれを教えてもらえると、取り組みに新しい風を取り込むきっかけになります。
たとえば、大三さんのスライドの17〜20。
17で、ボールとペットボトルの楽器を発想してもらう、ということを提示しています。
自分もこれを見ながら考えます。
そしてめくっていくと、20では「自分の常識が他人にとっては突飛なもの」というところに着地しています。
これはなかなかそそりのある、よいお題と着地点だとおもいます。
お題にたいして、これを別の帰着点にもっていくアレンジもできそうです。
そこから、新しいコンテンツ案が広がります。
(大三さんに、このお題やくだりを使わせてください、と僕の方からもお願いをして許諾をもらいましたので、タイミングを見て活用させてもらいます。それもまた、広く社会にフィードバックしていきます。)
この話に類する、他の事例もあります。
スピードストーミングは、アイデアのファシリ講座でトレーニングを受けた方が各地でアレンジをきかせて、より効果の高いプロセスを実践しています。その結果、他の人々にとっての有益な新しい情報を生み出してくれています。
講座修了者の大川さんは、スピードストーミングにおいて、ラウンドごとにずれる数を徐々に大きくする運用スタイルにアレンジすることで、スピードストーミングの内包する弱点を改善しました。
これは、スピードストーミングのオリジンである米国の事例文献にはありません。日本で多くの人が実践していく中でできた新しいノウハウです。
よくオープンソースですね、と言われるのですが、私はこう思います。
知識というのは、普及し実践により育っていくもの。
囲い込むより、使い込む。
多くの人が活用し、フィードバックしあう、そして使い手のコミュニティーがさらに新しい知識を共有する。
なぜ、世にいろんな知的活動のコミュニティーが生まれるのかといえば、そういう人と活動が高密度に集まると、互いに梯子になり、新しい知識が芽生えていくからなのだろう、と思います。