ワークショップのファシリテータを年間に数十回やりますと、要るもの、あると便利なものが、徐々に見えてきます。私なりのものを写真で紹介します。
ファシリテーターの卓上。
- PCはやはりThinkPad。いろんな投影装置との接続でエラーが出たのは過去数百件で1度しかありません。
- ワイヤレスクリッカー&レーザーポインターは、SMKのG-presenter。グリーンレーザがくっきり出ます。ページ送り、戻しもわかりやすく、手に握りやすいフォルムです。
- タイマーは、カードタイマー。物理ボタンがあること、操作がシンプルなこと、ポケットに入ること。それを満たすものが使いやすいです。(ちなみに写真の青のタイマーはすでに廃版)
- マーカーは、ボードマスターの極太。これなら、200人の大教室でも可読な文字や図がかけます。
- 意外とあると便利なのがネック・マイクホルダー。(青いタイマーの下にあります)。ワイヤレスマイクから手放しで何かしたい時ように。
- あとは、ボールペン。ちょっとした指示を書いて渡すとか、アナウンスしないといけないことをメモしておくとか、質疑応答をメモするとか。メモカードも2枚ぐらい。
- ポケットウエットティッシュも一つあると快適です。指先が糊を触ったり、マーカーを拭き取ったりしたあと、キーボードを触るのに便利です。
ワークの指示をし、しばらくグループディスカッションが続く時のスクリーン周辺。
- ホワイトボードには、大きな文字で「このステップですべきこと」「期間」を明示して、パワポの画面を他のことに使えるようにしています。
- PC画面には、タイマー(Windows8.1の標準タイマー)を画面分割して提示。残り時間の減り方を可視化します。
- スクリーン脇にはタイムライン。どこでもシートを、縦長に二面続けて。9時間の行程も楽に書けます。
タイムライン上に、ステップが終わる都度、現実の時刻を書き込んでいきます。
今回のケースでは・・・
前半は遅れが蓄積していっています。
昼の休憩タイミングを組み替えてみたり。
15時あたりに奇跡的に進行が早くなっています。
18時あたりで再び進行遅れが出始めます。
最後はバッファ(進行調整シロ)の中で吸収でき、予定時刻より20分早く終了。
こういうタイムラインの管理は、デジタルではなく、アナログの板書、大きく皆に見えるところにあるのがいいです。
事務局も参加者も、進捗のずれを共有できて安心できます。(今どこにいるのか。遅れて入れるのか。の2点さえわかればいいのです。)
なおタイムライン用に、「どこでもシート」を使うと、縦長い面積が使えて便利です。
通常は講師用ホワイトボードに書くことがおおいですが、近場のチームが「これ、借りていいですか」といって貸してしまうことは実際はよくあります。なので、物理的に専用化したタイムラインボードがあるほうが、何かといいです。
このワークショップは、9時間ワークショップでしたが、時間設計的には、分単位の細かさを積み重ねてつくってあります。それゆえ、分単位で進捗を常に予測して、検討していきます。
例えば、あるステップ中、「あと、5分×2回を実施し、人の移動ロスタイムが90秒で、指示を伝える時間は約30秒、全部合わせて12分。じゃあ、今が13:20だから、次のステップに入るのは13:32からか」、といった具合に、予測を立てています。
(ただし、要諦なので誤解のないように明記しておきますと、創発系ワークは、進行の正確さ第一ではありません。作業深度を重視して柔軟にステップごとの時間を調整していくべきです。だからこそ、あとどれだけ伸ばせるかを常に把握して、その先に控えるプロセスの組み換え可能性を幾通りも考えておく必要があり、こういう細かいことを裏でやっています。)
以上、アイテム系として常用しているもの、それにまつわるやり方を、紹介してみました。