2016年11月25日

感性の仕入れ。フライボードに乗りました。

発想系の仕事には、日々常に大量のインプットを得ること、新鮮な体験をしにいくことも、とても重要です。日々の良質のインプットは、クライアントワークやアイデアワークショップで、新しいアイデアの材料として使われていきます。

そんなわけで、アイデアプラントの旅仕事や海外渡航では、時間のない中で、ある意味歯を食いしばってでも、新しいことを体験し、面白いものを見て、珍しいものを口にする、ということを、やるのだ、と決めています。

フェイスブック上では、あちこちで余暇を楽しんでいるようにみえるかもしれませんが、楽しむことが大事なので実際楽しんでいますが、その時間、ホテルの部屋で休息をとったり執筆や制作の時間にあてることをしたいなぁと思う気持ちが大きい時でさえ、今しかできない、ここでしか体験できない、というものがあれば、後の自分の時間がきつくなるのを覚悟してエイッと、予約の電話をいれたり、タクシーに飛び乗り目的に向かったりしています。

さて、長たらしいエクスキューズを書きましたが、今回は、学会発表で滞在した街、名護市(那覇から北へバスで1時間ほど行った都市)で、学会発表準備の合間を縫って、マリンアクティビティーの一つ、フライボードという乗り物(?)を体験してきました。

時々テレビで見る、ひとが足元から出るジェット水流で水面上を滑走しているあれです。

名護市街を海沿いに少し北に進んだところにあるリゾネックスというホテルの中のX-tripさんで体験してきました。

まず、全身ウエットスーツ、更に救命胴衣、ヘルメットを着け、浮く状態の装備をみにつけます。
次に、水面に浮いた状態で足にスキー靴のような用具を履きます。
二つの靴の真中に消防署のホールみたいなものがつながっていて、それから流れてきた水が足の裏から吹き出るようになっています。

Flyboard_01_junbi.jpg

浅瀬でインストラーからレクチャーを受け、さっそく広いところへ移動します。
マリンジェットの吐出水流は、フライボードのホースにつながっているので、推力がありません。なのでフライボードからの吐出推力を使って、マリンジェットを沖の広いエリアまでえい航していきます。

Flyboard_02_eikou.jpg

水上への浮上の仕方、立ち方は、独特の操作感です。腹這いになり足を曲げ、エビみたいになります。
吐出水圧で足が水面下にもぐります。そこまで来たら足を延ばし、後は、水圧で押し上げられるのを待ちます。
(この作業が素人でも比較的うまくいくのは、マリンジェットのスロットルワークを担っているインストラクターの技量だろうとおもいます。)

そうして、足の下で、どどどっという水流がフライボードの下から出るのにまかせていると、体が浮きます。

Flyboard_03_fujou.jpg

この時は浮けたものの姿勢制御がわからないので、後傾になる自分をリカバリーしようとして腕が上がっていました。ほどなくして転びます。

さて、そんなことをしているうちに、5~10分経つと、急に乗れるようになります。


10秒ぐらいのれます。で、何かの拍子に姿勢が崩れるのを回復する方法が分からず水面に落ちます。

何度かやっているうちに、姿勢を立て直すコツを、ずっと教えてくれているのですが、それがわかり、足首を立て直すことで、長く乗れるようになってきます。


フライボードの挙動特性は、ちょうどセグウェイの逆で、ボードが傾くと、その方向にますます傾こうとします。
そのボードを水平に戻すことを足首で行なわないと、重心が推力でリカバーできる外に移動してしまい転びます。
ビデオでは、それを腕を振ることで、保とうとしています。本当はそれではだめで、ボードが後方に吐出しているのであれば、足首の力でボードを垂直にもどすか、少し前ぎみにふります。ボードが前面に吐出しているのであれば(私は、そうなりがちでした)、足首の力でボードをやや後方吐出になるようにして、バランスを取ります。

なお、最後に飛ぶように転ぶのは、私だけの癖かもしれません。若いころに柔道をやっていたので、叩きつけられる時には、無意識にその面を腕全体でたたいて、受け身を取ろうとしてしまいます。

そうこうしているうちに、安定して長く乗れるようになりました。


こうなってくると、割と余裕で、遠くの沖縄の海と島々を眺めている余裕が出てきます。さらにスロットルワークで、一度水面に降りてからまたあがる、というバランスを崩しやすい動作も織り交ぜて、姿勢制御の妙を学んでいきます。

長く乗れるようになると、足の力を入れる必要が全くない乗り物だ、という初めのインストラクターさんのコトバよく分かるようになります。ひざが曲がっていると姿勢制御が格段に難しくなるので、棒立ちになって乗ります。この辺が、タイヤのついている乗り物やスキーのようなひざ吸収のスポーツと違うところだと思いました。路面からの突き上げインパクトがないので棒立ちになっていても関節を痛めることがありません。

私は股関節を痛めているので、その辺が心配だったのですが、やりきってみて、全く問題ありませんでした。

なお、後半側は、足の筋力が保てなくなって、だんだんと上達曲線が上がる一方で、力みがへるので、そのいい所にくると、こんな風に乗れるのかもしれません。この後は何度か飛びましたが、脚力が尽きていて、転ぶことが増えていきました。

インストラクターさんのスロットルワークが挙動の大きな要素をしめているので、彼らが信頼できることは大事なのですが、その点では、とても二重丸の兄さんたちでした。たぶん、女性にとっては楽しい会話も楽しめるでしょうし、僕のような中年男性にも端的に丁寧におしえてくれます。また、落下した時に、マリンジェットにぶつかる可能性もあるスポーツで落ちた後の安全管理もかなりしっかりしてくれていました。

11月上旬で、沖縄の遊泳期間はすでに終了している24度ぐらいの冷たい水でしたが、フルのウエットスーツをきていれば常に体には温かいお湯がある状態で快適です。

コスト的には、インストラクションとウエットスーツレンタルと撮影一式で1万円、ウエットも撮影も要らない、という人ならば、7500円で30分体験できます。

私(43歳)のプロファイルとしては、同世代の平均的な体力です。(脚力はやや鍛え目で、バイクやセグウェイなどいろんな乗り物の体験は幾分多いほうかとおもいますが、運動神経は若いころから人並み、という感じです。)そんなプロファイルの私ですが、先のビデオにあるような感じまで乗れるようになりました。インストラクターさんいわく、上達度としては、だいたいこれが平均かすこし良いぐらいの上達度だそうです。

以上です。

こんな感じに、旅先でまた一つ、感性の仕入れをしてきました。

(学会発表二件のスライドを作るために名護に前日入りしたのですが、一つ目の発表を完成したところで、この体験に行き、この後、宿に帰って、海で遊んだあとの独特の疲労感と闘いながら、二つ目の発表スライドを作ったのでした。)
posted by 石井力重 at 21:06 | 旅先にて



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