アイデア・ワークショップをしていくと最後に「各チームがまとめたものを発表する」という時間を取ることがよくあります。”単純に各班が発表する”、という形式がベストのケースはそれでいいとして、「どうも、短時間でまとめて、発表を行っても浅くて、中身が仕上がっていないので質疑応答でもお茶を濁すような回答ばかり・・・」となるので、なにかの方法を取りたい、という場合に、いい方法があります。
レビュー・ツアー、です。
- ひとグループが4〜6人
- グループ数が5~8個ぐらい
- ディスカッションして発表の軽く準備までするために費やせる30分程度
というよくある状態を前提として、説明します。
行動的には、
- 説明担当者(1名か2名)」を決め、その人はテーブルに残ります。
- 他のメンバーは、他のテーブル(好きに選んで)に移動します。
- 15分ぐらいの時間を使います。
- 7分ぐらいは、担当者から、ディスカッションの中身の説明。
- そのあと8分ぐらいは、聞きに来たお客さん(他のテーブルから来た人)が質問や改善フィードバックコメントを出し、ディスカッションしていきます。
ここまでが1ラウンドです。
時間が許せば、2〜3ラウンド行います。
そして、終わったら、元のメンバーが机に戻り、ラウンドで他の人からもらったフィードバックの内、発展材料になるものは共有し、アイデアを発展させていきます。(時間的にはこれも、15分ぐらい)
こうすると、研修やイベントの最後によくある全チーム発表(1時間〜)を行うよりも、実りが大きくなります。(※)
※短時間で完成度が低い成果物でも、小さいグループで親密な場で説明すると、その下に合った部分もすっと話せて、質問でもその辺をつかみやすくなります。結果的にディスカッションからの実りも増えます。
※(補足)実りが大きくなるのは、発表の準備時間が短くまだ完成度の低い場合です。
逆に発表に半日をかけて、仕上がって練習も相当積まれた状態からならば、従来の全チームの登壇プレゼンの方が、実りは大きくなります。仕上がった内容には、濃い内容と鋭い外野の指摘が出現するからです。
以上です。
このレビュー・ツアーは、最後の発表だけの行動様式ではありませんで、グループごとのワークを続けるような長いプロセスの途中で行うような使い方もアリです。
補足)
なお、実際の運営テクニックとしては、場が大きい、どこに班があるのかわかりにくいので、担当者は手を挙げて、自分のいる所が島であることをことを提示します。人数が大きくなった場合は、その担当者は手を下げて、更に人が増えるのを避けるようにします。