”持ち運べる個室があったらいいのになぁ”という会話は、アイデアプラントのブレスト道具開発チームでもよく話に出てきまして、高度な構造体を作れるようなデザイン段ボール加工企業さんにも訪問したことがありました。難しい点がいっぱいあり、開発ネタとしては暖めているけれども・・・という構想段階でした。
さて、ラマドワーカー。先週その商品リリースをネットで見て、「ああ、これは、具現化したかったコンセプトだ。いや、半分ぐらいは違うけど、でも、本質は具現化している。」とおもって、さっそく買ってみました。
(余談ですが、ある製品が自分が欲しい・あるいは・世の中にあったほうがいいな、と思っていたとして、それを先行してほかの会社がだしたなら、それはそれでいいことだ、と思います。自社でリスクやコストをかけなくても、その具現物を手に入れることができるわけですし。)
さて、それでその実際のものをつかってみよう、と。
ここは、映像があったほうがどんなものなのかが分かるので、実際に、組み立ててみる、座ってしばらくPCをたたいてみる、しまってみる、というあたりを動画で撮影してみました。湖畔で。
湖畔で、というのは、全く個人的趣味です。日清食品(この製品は、食品会社さんが、作った!)の公式画像では、ラマドワーカーの使用例は、フィヨルドの大自然の中で使っている風でした。もちろん、ジョークを込めた合成画像ではありますが、その風景を実際にやったら、どんな気持ちかも知りたいと思って、似ている地形である、釜房湖の湖畔公園周辺を選定しました。
【音が出ます!】
テーブルの上のピザの箱みたいなのが、持ち運び状態の製品です。
面と面の接合部分は、マグネットのシートと、薄い金属フィルムで引き合うように、強くつきます。うまくデザインしてあるので、適当にやっても、ぴたっと、とまります。この組み立て感は、ほかの人たちに触ってもらったときも「お、こりゃ、うまい機構だなぁ」と。
組みあがりまで40秒です。(大きな机の周りをもたもたして、組み立てで、です。)
3つの道具(ペットボトル、ティッシュ、PC)をセットし終わって、1分20秒。
そのあとは、ぐたぐだ(未編修)です。自然光が差し込んでPC画面が見にくいので、あれこれ調整しているところです。
たたむのは、もう少し時間がかかります。 ⇒別のビデオです。 1分20秒ぐらいです。
それから、この後、公式画像に似た景色の所で広場のある湖畔へ移動しました。
(ちなみに公式写真のフィヨルドは、ノルウェーからベルゲンに向かう途中のソグネフィヨルド周辺の風景だと思われます。ベルゲン急行とフロム鉄道とボートで行くような場所です。こちらは、仙台から自動車で30分、釜房湖です。奥に蔵王山、右手に国営みちのく杜の湖畔公園があります。夏は美しいのですが、冬ですからね。。蛇足でした。)
さて、ベンチしかないこの場所に、小さい台を置いて使ってみました。
半個室よりも小さい台の上でも組み立てが可能です。ちょっとやりにくいですが50秒ぐらいです。
大自然の中で、この半個室に入るとどんな感じか、を率直な感想を書きますと・・・
「入ってしまえば、これはこれで面白い道具だなぁ。」と思いました。
もちろん、恥ずかしいは恥ずかしいです。
それはいったんおいておいて、半個室でPCに向かってしまえば、音響的には結構な包まれ感があります。一方で、半分は解放されているので、鳥の鳴き声や風でさざめく木々の音も聞こえる、不思議な感じです。
結論としては、この道具は悪くない。そう思いました。
唯一、難点としては、耐久性、でしょうか。なにせ段ボールですから。屋外で本気で持ち歩いてみたあとは、結構クタっとした感じに。
室内でだけで使うならばもっと状態はいいと思います。
翌日、仙台の開発メンバーのオフィスを巡って歩くようなことがあり、もっていて触ってもらいましたが、男性はこの道具は興味津々で、猫みたいに空間に入って喜んでいる姿がありました。
日清食品さんとはなんのご縁もないので、わかりませんが、これはジョーク商品かな、と思いきやこれはこれで、結構いろんなディスカッションがあって、最終的にシンプルなこの形になったんだろうなぁと思われます。
アイデアプラントのブレスト道具開発チームでは昔ディスカッションしてかなり健闘したのですが、何かの行為専用の大きな完全個室を作ろと思うと、閉塞感や強度や重量や組立や輸送の面が問題になります。
そこを踏まえてみると、この道具は、半個室のデザインにしたことで、多くの問題をクリアしていて、うまいデザインだなぁと、思っていました。
以上です。
製品名:ラマドワーカー
余談:
普段も、ブレスト道具開発チームでは、いろんなものを自腹で買っては、体験してみています。
今回の一行気づきを記しておきます。
「箱の中にいたい」という欲求が、猫だけじゃなく、ヒト(特に男性)にはあるんだなぁ。