ブレインストーミングの4つのルール、については、いろんな表現があります。そのどれを採用するかは、リーダーの好みでいいと思います。大事なことは、ブレストのルールがもっている思考展開の根底にあるものを知っておくことです。
私が行う講義(早稲田大学、岐阜商業高校、他)では、それらを、ブレスト根底モデル、として、レクチャーしています。
2016年の最後の更新版(今朝、改良した最新版)を公開します。
このスライドの学習手順の構造は、以下のようになっています。
1)「文字ばっかりのページ(文献からのオズボーン他の言葉集)」スライドを
2分でできるだけ読んでもらいます。(各自黙読)
2)「その次のモデル図」スライドを
3分で、レクチャーします。(講師)
こうすると、クリエイティブに関する専門知識がない高校生1年生でも、よく、知識を吸収してくれます。
(((ここから下は蛇足です。「教える作業をする人」に共有したい知見です。)))
蛇足:
今回施したインストラクション・デザインの工夫
専門知識を伝える時、先生が悩むのが「伝える量と深さを上げると生徒が割れる」現象です。
A群:学習内容が好きで得難い学びにぐいぐいついてきてくれる学生さん(体感的には2割)
B群:興味は薄いが努力して知識を得ようとしてくれる学生さん(体感的には7割)
C群:楽しいなら授業を受けようという学生さん(1割)
講師の専門領域の知識の真髄に入っていくと、教え方のデザインになにも考慮をしないと、BとCは少しずつ脱落していきます。
(私自身が、大学院で学んでいた時に、役に立つ知識だから吸収しようとしていた中でも、時々首がガクッとおちて、また急いでノートを取る、ということがありました。処理落ち。この学習者の現象は、医学部のような教授の場でもあるそうです。)
そこで、このスライドでは「2分で読んで、3分で本質を話す」という学習構造にしてみました。
2分間で次に行ってしまうリミット性から、かなり集中して読んでくれました。
そのあと「こんな風になっているんだよ」ということを感覚的に話しました。
3分トークであれば集中の真っただ中で終えることが出来ます。
これを4回繰り返し、最後のまとめの数分を行う、という時間設計です。
合計で25分間ぐらいです。
私はブレインストーミングのプロセスが特に研究者時代の専門性の一つでしたので、このブレストの本質の講義だけは、講師が2,30分しゃべり続ける、という教授法をとってしまっていました。
そうすると、A群に届くが、B群が途中で落ちる、ということに悩んでいました。
今回の構造にしたところ、C群まで含めて、高い集中度で、伝えきることが出来ました。
蛇足の蛇足:
まだ、確かとはいえない、+αの気づきもあります。
それは、講師が細かいことまで言う必要がなくなることの効果、です。
文献を読んだ方が早いのに、それを言葉で伝えて、そのうえで本質に踏み込むのはもたもたします。
それよりも、はじめっから本質だけを、すとん、としゃべれるならば、コトバはずっと、輪郭を際立たせることが出来ます。
講師側が、伝える量が多すぎては、中身と発生のクオリティを高く維持するのは難しいものです。
この気づきを、もうすこし整えると、こうまとめられます。
”どうやって、必要な知識量を渡しつつ、講師の言葉は、本質だけに絞るか”
講師がいかに手間を省くか、と、言い換えられそうですが、実際は逆でしょう。講師がいかに(事前の)手間をかけるか、だと。
今年最後の学びとして、ブログに記しておきます。