AIと人間が同居する時代に入ると、現在のメーカーやサービス企業は、クリエイティブ産業、という、とらまえ方をされる領域にシフトしてゆくでしょう。
繰り返せる行動をする部分は、横で見ているBuddy(各人の専属AIロボット)が二度目以降を引き継ぎます。一度目とは違う部分は何度か一緒にやって、対話型でその行動ロジックを教えるだけです。
現在でも社長は頭の切れる個人秘書がいて雑務から、高度な作業まで代わりにしてくれます。Buddyはその個人秘書がいる状態です。
そうして、短時間で済む作業や、頭を使わなくてもできる作業や、ロジカルな作業は、人の仕事ではなくなります。
殆どの社員は、”新しいこと”に”直面しつづける日々”を送るでしょう。
新しいこと、難しい問題、について、長い時間かけてじっくり深く考えることが仕事になります。
彼らは、創造的な思考力を使うことが仕事になります。
具体的には、以下の作業が人間の主な仕事になるでしょう。
1「洞察する力」
ユーザが望んでいることを深く見つめる
2「発想する力」
どういう状態が理想状態なのかを思い描く
3「描出する力」
コンセプトの本質を、言葉やデザイン(フォルム&プロセス)として記述する
※補足: “試作と改良”も大きな仕事として人の仕事範疇に残ります。
ただし現在とは「試作する」ことが意味する作業内容は大きく異なります。
作業を補助するスマート・ツール群が大幅に進化しています。現在でいう、試作部門のテクニシャンに相当するAIとロボットが存在している状態になっています。
人間のする仕事は、”機械に指示する”プロデューサー的な作業になります。
ロボットの出力する複数パターンのモックアップを使い込んでみて顧客の要求イメージに合うのはこれだ、という選定したり、仕上がったものを触ってみて、ここはこう手直しして、と作業ロボットにフィードバックすることが人間のする”改良”という仕事になります。
(ですので、試作と改良は、1、2、3の要素の複合的な作業であり、並列に列挙する形にはしていません。)
以上は、社会と技術の長期トレンドを踏まえた、私石井の未来洞察です。
クリエイティブ・ツールや創造研修を開発・展開するうえで、今後の社会がどうなっていくのかという未来洞察を、私自身が持っている必要があります。それを端的に明文化してみました。
アイデアプラントの代表、そして、大学などの非常勤講師として、そうした未来社会で、活躍している人材を育成することを通じて、企業や社会の長期的発展を、支援しよう、と考えています。
もちろん、その未来像を誰に押し付けるわけでなく、現在の各社・各大学の創造力育成のニーズをつぶさに応え、同時に長期的繁栄に向けた能力育成も、学びのエッセンスに配していこう、という姿勢でいます。
なお、上記は、Singularityよりも前の「弱いAI」の社会普及段階(今後30年)を想定して、綴っています。
さらにその次の時代に進む時には、AIは創造するのか、共感をできるのか、という問いが待っています。
