本日、アイデアプラントは、プレスリリースを公開しました。
アイデアプラント代表の石井のブログとしては、公式サイトのリリースとは違った点から、いかに少し綴ります。
◎10周年を迎えます
アイデアプラントの初の製品「ブレスター(Brainstorming Master)」は、2007年3月14日に、上市しました。(その当時、出荷前夜、組織がデュナミスのオフィス内だった頃のブログがあります。)
ブレスター、その後、智慧カード、と多くの方に支持していただける製品が、その先の製品を生み出す原資を作り出してくれて、次々と「創造性の支援ツール」を開発してこれた10年でした。
来週、3月14日に、丸10年を迎えることが出来ることとなり、このタイミングに合わせて、新しい製品カテゴリーに商品を誕生させようと取り組んできました。
◎アイデアワーク・ステーショナリー(※クリエイティブ消耗品)
アイデア創出サポートツール、という領域において、新しい製品カテゴリーとして「クリエイティブな個人や集団が、発想仕事をする際に、使うほどに消費されて無くなっていく、いわば”クリエイティブ消耗品”という文具」を作りました。
アイデアワークのための文具、ということで、【アイデアワーク・ステーショナリー】というカテゴリー呼称にしました。
人々がアイデアを出す行為に、私はアイデアプラントの仕事として、これまでに大げさでなく何百回と立ち会ってきました。
単発のブレスト、あるいは、構造化されたワークであるアイデアワークショップ(アイデアソンも)の中で、「ないから、やらないけれど、いまこういうものがあったら便利だな」という「今ない何か」を、想起することが良くあります。ポストイットじゃちょっと違う、模造紙でもない、何かこういうのがこのタイミングの作業では欲しい!と。
ただ、ほんとにニッチで、しかも特注品なので、個人がその形を想起できたとしても、世に出すのは難しい。コストがべらぼうにかかり、道具によって楽できるのは企画ワークのごく一部。というものです。
それを、具現化するのは、我々アイデアプラントの仕事であろう、と考えて、開発に取り組みました。
◎第一弾の「neko note(ねこのーと)」(※猫の手)
アイデアは分岐する、という特性があります。それゆえ、マインドマップやコンセプトマップなど、放射状のアイデア記法は、未整理な情報や、思考の辺縁を、頭の中から紙の上に吐き出すことに向いています。
そういう放射状のメモ法を、高校や大学(スーパーハイスクールの特別授業や、早稲田大学での夏季集中講義)で教えた時に、不慣れな人特有の、ある種のやりにくさ、が良く見えました。
例えば「紙に書いていくと、”後から階層構造のひと房をずぼっともぎ取って、他の所に付け替えたい”が、アナログなのでそれはできない。」など。ソフトウエアの上でやれば、造作もなくできるので、デジタル慣れしている世代には、その抵抗感は結構あり、さりとて、アイデアワークというのは、手書きの方が、刺激も多く楽しく捗る面もあるので、プチジレンマ、なわけです。
この、猫のーと(※)はそのいいとこどりをするための紙片です。
(※授業では、ねこのて、と呼んでいましたが、製品名としてはねこのーと、という名称にしました)
(※授業では、ねこのて、と呼んでいましたが、製品名としてはねこのーと、という名称にしました)
手書きで書けるし、あとで、構造を直すこともできる。そういう道具です。
そのための最適形状を、何度も何度も、試作と試用の繰り返しで、見出していきました。
サイズ、切れ込み、フォルム、一度に使う枚数感、などを、見出す作業は「ただの長方形の紙」であるメモ紙をいじるだけでこんなにパラメータがあるのかと思うような時間でした。(私が登壇イベントの日、待ち時間中に、はさみでこの紙の試作物を切り出す姿を見た方も結構いると思いますが、最初の頃は、デザインしては印刷して”手で切り抜く”ということをしていました。同じ形を最低でも50枚。
製品開発やデザイン、というのは、花形っぽいようでいて、多くの時間は「まさに”作業”という感じの手仕事」です。デザインを改良しては切り出し、ざざぁと、使ってみて、もう、次の改良版へ、と。
そして、終盤では、早稲田大学での夏の200人規模の講義で、学習補助道具としても使ってもらい、そのアンケートを分析しました。それを日本創造学会で報告(研究発表)もしました。
価格は、メモ紙としてみれば、超高級品、の部類に入ります。
完成品は「猫の手に似た形をしたメモ用紙で、肉球の所に差し込み口がある」ような紙片のセットです。((もしかりに、同じような形を自分で切り抜いて100枚作ろうと思えば可能なものです。手作業だと、切り抜き一枚あたり30秒ぐらい。1回に使う量が100枚で、これを切り抜くのに3000秒〜1時間です。))
アイデアと時間が貴重な人にとってはそのアイデア創出を促進させる道具として、すごくニッチな人向けになると思いますが、必要としてくださる方に活用してもらえましたら幸甚です。
3月、4月は、私石井は全国行脚(アイデアワークショップ)の時期です。
ご興味がある方は、お会いした時に「あの製品触ってみたい」とお声かけてください。
カバンにいつも、いくらか入れていますので。